execitemusic
本レーベルは、Excite Music Store及びモバイルコロムビア上で先行独占展開され、配信される楽曲は、国内で入手が困難な高いクオリティのアイスランド楽曲を幅広いジャンルで集めていきます。
レーベルリリースの第1弾は、ヨーロッパでは名高いアイスランドJAZZを展開、第2弾は、アイスランドPOPS、第3弾は、アイスランドクラブミュージックを展開していく予定です。
小倉悠加
(おぐらゆうか Yuka Ogura)
70年代半ば洋楽に目覚め、単身アメリカへ留学。大学時代から来日アーティストの通訳に従事し、レコード会社勤務を経てフリーに。以来、音楽業界で幅広く活動。カーペンターズの解説の殆どを書いているためカーペンターズ研究家と呼ばれることも。2004年自らアイスランドの音楽を扱うアリヨス・エンタテイメントを設立。ミュージック・ペンクラブ会員。
小倉悠加

2010年 04月 11日 ( 1 )
ヨンシー&ニコ・ミュリー、特別長編インタビュー(その1) ICELANDia7周年記念
 今回のICELANDiaブログは、 ICELANDiaの母体であるアリヨス・エンタテイメント(社員私ひとり・・・)の創立7周年を記念し、初ソロ・アルバム『Go』を発表したヨンシーと、アルバムのアレンジを担当したニコ・ミュリーの特別長編インタビューをお送りいたします!!

c0003620_15111155.jpg Grapevine
http://www.grapevine.is/home
Nico And Jónsi GO ALL IN! (記事の英語原文)
http://grapevine.is/Features/ReadArticle/Nico-And-Jonsi-GO-ALL-IN
Words by Haukur S. Magnússon
Photos by Lilja Birgisdóttir and Ingibjörg Birgisdóttir.
Translated into Japanese by Yuka Ogura

 この記事はアイスランドの英語情報誌Grapevineに掲載されたもので、 ICELANDiaは許可を得て翻訳・掲載しています。英語記事の著作権はGrapevineに、日本語訳は小倉悠加にあります。
 このインタビューは英語で1万単語あり、日本語訳ヴァージョンはブログ一回に掲載できる文字数制限を大幅に超えるため、何回かにわけてお送りしますね。インタビューというよりも、ヨンシーとニコの会話です。

 ちなみにICELANDiaの小倉はヨンシーもニコも、またインタビューの筆者や、会話の中に出てくる人物も個人的に知っているため、アイスランド仲間としてとても親近感を持って訳させていただきました。
 長くて読むのも大変だと思いますが、アルバム『Go』の制作秘話もたくさん出てくるし、ヨンシーとニコの考え方もよく分かるので、ぜひ時間のある際にでもお読みください!
***

ニコとヨンシー『GO』の全てを語る
ーーそこにグレープヴァインも同席!
Nico And Jónsi GO ALL IN! ...and Grapevine got to sit in!

 2010年3月13日土曜日の深夜近く、アイスランド音楽大賞授賞式の大仕事を終えたグレープヴァインのスタッフは、そろそろ帰宅して、ポップコーンでもつまみながらゆっくりと『バック・トゥ・ザ・フューチャー2』でも見ようかと思っていた。その方が利口だったことだろう。

 しかし、グレープヴァインのスタッフはあまり利口ではないため、授賞式後はカッフィバリンでビールを飲むことにした。すると出会したのがクスクスと笑う二人組、シガーロスのヨンシーことヨン・ソール・ビルギソンと、作曲家のニコ・ミュリーだった。そんな楽しそうな二人の会話に、僕も加わった。

 「例のインタビュー企画が実現しなくて残念だよね」とニコが出し抜けに言った。それを聞いて、グレープヴァインの心が沈んだ。「えぇ?それって次の号の特集のこと!?!」

 「明日の朝2時に僕は Bandaríkin(アメリカ)に戻るとメール送っただろう?でも、今やってもいいよ。っていうのはどう?」とニコ。
 
 ヨンシーとグレープヴァインは同時にうなづき、レイキャヴィクで唯一、日曜の朝に声を張り上げなくても会話が楽しめるバーへ向かった。そこは超秘密で超いかしてるMSCのクラブハウスであるレザー・バーだ。僕らは近所のボストンからシャンパンを一本借り、ディープなハウスがかかり、中身の無い檻が置かれるバーで話をはじめた。

 以下はその夜の会話だ。
 お楽しみあれ。
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レザー・バー、アイスランド音楽大賞の夜 1:30AM

ニコ・ミュリー(以下N):で、僕らは今アイスランドにいるけど、僕は明日居なくなる。ライブが旨くいくよう、僕はずっと確認作業をしてきた。
ヨンシー(以下J):いろいろと大変だ。ライブは5人でやるし、限られた範囲内でアルバムの曲をやろうとしてるから。
N:なぜミニ・オーケストラとやらないの?
J:なぜだろうね。まずは小規模でやり始めたいってことかも。アルバムから音をそぎ落として、荒削りでダーティな感じのヴァージョンにしたい。アルバムは装飾やレイヤーが多いからね。もちろん、いい感じだけど。ライブはもう少し違うものにしたい。今年の終わり頃には、もしかしたらもっとクレイジーなことをするかもしれない。
N:最初に話をした時、もらった曲をどう料理すればいいか迷ったよ。デモは文字通りギターと、彼の声しか入ってなかったから。
J:そぎ落とせるところまでそぎ落としたからね。アコースティック・ギター一本、マイク一本と声。それから拍子のトラック(クリック・トラック)のみ。
N:僕もクリック・トラック無しじゃ絶対に何もやらない。無いのは災難だよね。最初にアレンジしたのは「Boy Lilikoi」だった。デモを聴いた時「この曲はすごく突飛なことをしたいと思った。曲の全面にあれこれをくらわせてやろうと思った」
J:そう、だから僕もニコと仕事がしたいと思ったんだ!サム・アミドンの『All Is Well』のアルバムで彼がやったアレンジを聴いて、「うわぁ、こりゃ僕の音楽に最高!」と思った。まるでペンキを塗ってるみたいに、多色のしぶきが来ては去っていく。音楽全体にそれを敷き詰めるのではなくて。だから、このコラボなら、曲にクレイジーなヴァイヴや色や質感が出せると、すごくエキサイティングだと思った。

あの曲をメタクタにしてやる

N:あのデモを家に持ち帰り、「この曲をメタクタにしてやる」と思ったことを覚えてる。そこでありったけのミディの木管楽器を入れて、ヨンシーに送った。すごくナーバスになったよ。「きっと彼は僕が完璧にイカれたと思うだろう」って。第一ミディのデモはいつも最悪で、ゼルダの伝説みたいな感じに響く。でも、アレンジとしてはいいかと思った。
J:とてもいいと思った。
N:君はすごくハッピーだったね。
J:ものすごく気に入った。
N:君のメール返信で目覚めて、あれはすごくハッピーな瞬間だった。「よかった。これでいいスタートが切れた!」って。
J:あれ(「Boy Lilikoi」)はアルバムの中でもピカイチのアレンジだと思う。理由はわからないけど、インスピレーションに満ちていて、あれが最初に舞った火花で、強烈でクレイジー。
N:あれは本当に強烈だ。ポップ・ミュージックとして収まりきるギリギリのところまでやってる。
J:僕はニコにネット経由でデモを送り、彼が返してきたファイルは全部「フムフム、これは強烈だ。あれこれ鳴りまくっていてクールだし、すごく完璧だ。カラフルで遊び心があって、まさに僕が望んでいたものだ」と思った。
N:もしも旨くいかなければ、それをボツにすればいいだけのこと。いつも僕は「おっと、こりゃダメだ!じゃ、次をやってみるか・・・」だ。
J:その通り。ニコ氏に関して聞いていた長所とは、みんなが気に入らなければ、気を悪くすることなくそれをボツにするということ。彼の姿勢は「上手くいく時はうまくいく。オッケー、それじゃ最初からまたやり直そう、それで問題ないさ」
N:音楽を捨てていくことは、水遊びみたいにすごく楽しい。どこかとてもオイシイところがある。水を出したり止めたりもできるし、不成功の時はそう認めればいいだけ。

シガーロスから離れて

J:このアルバムを始めるに際して、シガーロスの浮遊感どっぷり、夢見心地のサウンドスケープからは離れたかった。だからこそ君との仕事が楽しかった。君にはミディのコントローラーがあり、君は何度も演奏し続けたよね。「今度はフルートだ。これどう思う?うーん、もっとこういうのはどうだろう?・・・」(歌い始める)。という感じだった。すごく速かったし、すごく整理されていて、はったりも何もなく、ニコは仕事を家に持ち帰り、それで仕事を続けた。こういう音楽がここまで自然発生的にできるとは、実は思ってなかった。それがクラシック音楽やアレンジに関して僕が好きになれないところなんだ。あまりにも考えすぎで、心配し過ぎるから。
N:音楽の方が、恍惚感のあるものになりたがった。地下から噴火してくるような魔法のような感じにしてほしい、と。だからアレンジは全部まず全部をグシャグシャにして、全部吐き出させて、メチャクチャにして、そこから本能的な反応を引きだそうとするのがベストだと思った。全部君の曲だから、僕は「僕にはブラス・バンドが見える、メキシコ式葬式が見える・・・」と君に言い続けた。そういったイメージを僕は投げ続けた。
J:そういったことを視覚化するのはいいことだよね。例えば「Boy Lilikoi」では、アッシジのフランチェスコがいかに鳥に説教していたかとか、そういったイメージや層、色、みたいなことを僕らは話した。すごくいいと思った。こういう音楽にしたいっていうのを描写するいいやり方だ。
N:アレンジっていうのは、相方と話して、人前に出しておかしくないように最大限するってことだ。洋服をデザインするみたいに。洋服の見た目じゃなく、着用した人をよく見せるってこと。何か素晴らしいことを見つけ出して、聴くことによって素晴らしい気持ちになるってこと。アレンジャーである僕に注目が集まることのないよう、自分はプロセスの過程で消していく。だから自然発生的にそれが達成できればベストだし、イメージはそこに到達するのに最適な方法であることが多い。全部がうまくはまらなくちゃいけない。それがシガーロスのアレンジでとても好きなところだ。そこにはある種の形式があり、だから君のヴォーカルが素晴らしくよく響く。僕はそれよりも少しだけ裸に近くしたい、君の持ち場を少し裂きたいと思った。
J:その通り。君が心にもたらしてくれたイメージはよく覚えてる。庭があり、鳥が飛んでいて、花が咲いている。そういう風に音楽を描写してアレンジしていくってすごくクールだ。
N:僕もレコーディングは楽しかった。セクション毎にせーので全部やったからね。ほら、ビオラ奏者のナディアとで僕がデザインしたセクションでやったやつなんて、確かに素早くレコーディングできると思ったけど、僕が言うほど早くできるとは誰も信じなかった。

自然発生について

J:まさに(笑)。あれって「ニコ・ミュラーはものすごーくハイで、仕事中毒。みんながそう言ってる!」あれはキョーレツなセッションだったよなぁ(全員笑)。
レコーディングするまでアレンジを全部聞いていたわけじゃなかった。ニコは最後の最後まで作業をしていて、レコーディングに入る直前に、あれこれを決めなくちゃならなかった。彼は締め切り直前まで新しいことを作り続けてたからね。キョーレツだったけど、でもそれはすごくヘルシーだった。
N:もう少し予算があれば、もう少しミュージシャンを雇って、もう一度あれこれを・・・・って希望はあるけどね。
J:そりゃ、ダメだよ。ヒドイ。
N:なぜ?
J:素早く決断した方がヘルシーだ。音楽でも、人生でも。
N:全てのことに。
J:そう。
N:アレンジの中でも最高だと思われるいくつかは、レコーディング・セッション中に思いつきでやったことだった。それが時に竜巻みたいに思えたこともあった。僕がスタジオに持ってきたプリンターは、前の晩に僕らがやったクレイジーな事柄を何百ページも毎晩吐き出してたっけ。何曲レコーディングしたっけ。15曲?もっと?
J:15曲。
N:じゃなぜアルバムには9曲しかないの?
J:なんでだろうね?僕が望んだのは、アルバムには高揚感があって、自然発生的で、それで・・・。
N:スローなジャム曲はアルバムに含まれなかった。
J:入った曲もあるよ。
N:どのスロー・ジャム?
J:「Hengilas」とか「Tornado」とか・・・。
N:「Tornado」はファスト・ジャムだろう。
J:スロー・ジャムもアルバムに入ってる。
N:おかしなものだよね。アルバム制作中は、それがものすごく巨大な野生(自然発生的な)獣みたいに思えた。今は、新幹線アルバムのように思える。
J:まさにアルバム制作は面白い。僕は自宅のアパートでアコースティック・ギター、ハーモニウムを使ってシンプルなデモを作り、それをニコに渡した。クリック・トラックと共に。そしてスタジオ入りすると、素晴らしいアレンジがなされていて、弦楽器、管楽器、木管のアレンジがあって、すごく早くいろいろなことが出来上がっていった。ホント、早かった。ニコは6日間くらいで全部レコーディングしたんじゃなかったっけ。うまくいったと僕は思う。
N:ピアノのパートは言うまでもなく、全部ヒステリック。完璧に激情だった(笑)!笑えたね。コーヒーの飲み過ぎでエキサイトしすぎて、ハチャメチャだった。次々に17曲録音していったから、ニューヨーク行きの次の電車に間に合いそうな勢いだった。
J:それがニコのトレードマークだ。彼はクソの山を積み上げて、そのまま置き去りにして、その中から金の塊を掘り出せって言うのさ。
N:その通り!そうやってかなりいい感じのをたくさん作り出した!その方が僕も楽しい。誰かの家に招待されて、プレゼントをひとつ持っていく代わりに、使ってくださいとキッチンいっぱいの香辛料を持っていくみたいなもの。
J:そうそう。気に入らないものは捨ててよし。
N:気に入らなければ全部でも。アルバムに収録したピッコロの量って・・・モダン・ミュージックの世界であれほどピッコロが入ったアルバムもない。あれ以上のは無いと思うな。
J:ニコはこのピッコロのパートにとりつかれてる。僕はこれ以上聞けない。なんだかピッコロには力が抜けてしまうんだ。ホイクル(グレープヴァインの記者)、質問は?

ーー二人の会話を聞くのが大好きだ。君たちはとても雄弁(eloquent)だから。

J:ゾウ(elephant)?エレガント? テレビの画面が目障りだなぁ(と言って、ホモセクシャルのポルノを映し出すテレビを指す)。

互いを知る

ーー二人の関係はどんな風に発展したのかな?知り合うようになったのは?ニコはアイスランドに結構来るけど、ふたりで飲んだり、シャンパンを開けたりとか?

J:僕はニコのことを全く知らなかった。ニューヨークでシガーロスのショーをやった時、僕は君の尻を叩いたんだったっけ?
N:・・・だね、ちょっと叩かれた。
J:それが僕らのなれそめだ。
N:互いにシャイなもんで、「あの人とこんなことをやってみたい」と他の人に話して伝えてもらった。
J:ウン。
N:19人くらい間に入ったか。電子メールのチェーンみたいに次々と。笑っていいやらシャイなやら。ハハハ。

ーーこのアルバムは、2年がかりで?

J:去年の1月から取りかかったから、1年と2ヶ月前。

ーーこの仕事に入る前に、互いの音楽は知っていた?

J:僕は知らなかった。たぶんニコはシガーロスは知ってたんじゃないかな。
N:シガーロスは知ってた。
J:僕は他の人の音楽を聴かない。他にどんな音楽があるんだか全くわかってない。だから、ヴァルゲイル(シグルドソン)がサム・アミドンのアルバムをくれるまで、ニコも聴いたことがなかった。ヴァルゲイルにはいつだかのライブの時に会い、サムやベッドルーム・コミュニティ・レーベルの他のアーティストのアルバムをくれた。まだ全部のアルバムを聴いてないけど、サムのは聴いて、「これがポップだ!」と思った。
N:シガーロスに関しては奇妙だった。初心者用のバンドなのに、僕が聴いていたどんな音楽とも異なっていて、バンドの作品をどう評価していいやらわからなかった。そして後により構成が整った作品を演奏するようになっていったというのが興味深い。よくある短い歌みたいなのは、最近2枚のアルバムまでなかっただろう。
J:確かにそうだね。
N:多くの曲が、終わりがないような10分の長い作品で、アンビエントとも違うし、でも何となく・・・。確かにシガーロスは知ってた。若きゲイの大学生の義務として、フィルモアだったかどこかのライブを見た。1999年頃かな。忘れたけど。『Takk...』がアメリカで出る直前だったと思う。アイスランド人が出るライブを見た。カオスだった。(その2続く) (小倉悠加 / Yuka Ogura)c0003620_13213440.gif


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by icelandia | 2010-04-11 15:29 | Pops | Comments(0)
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