execitemusic
本レーベルは、Excite Music Store及びモバイルコロムビア上で先行独占展開され、配信される楽曲は、国内で入手が困難な高いクオリティのアイスランド楽曲を幅広いジャンルで集めていきます。
レーベルリリースの第1弾は、ヨーロッパでは名高いアイスランドJAZZを展開、第2弾は、アイスランドPOPS、第3弾は、アイスランドクラブミュージックを展開していく予定です。
小倉悠加
(おぐらゆうか Yuka Ogura)
70年代半ば洋楽に目覚め、単身アメリカへ留学。大学時代から来日アーティストの通訳に従事し、レコード会社勤務を経てフリーに。以来、音楽業界で幅広く活動。カーペンターズの解説の殆どを書いているためカーペンターズ研究家と呼ばれることも。2004年自らアイスランドの音楽を扱うアリヨス・エンタテイメントを設立。ミュージック・ペンクラブ会員。
小倉悠加

2005年 10月 10日 ( 1 )
バングギャング、ムーム、スローブロー:音楽特集その2
 『フィガロ・ジャポン』のアイスランド音楽特集を記念しての第二弾ブログです。私は音楽ライターで、ミュージック・ペン・クラブという音楽ライター団体にも属していますが、実は音楽そのものについてを書くのは苦手です。音楽は聴き手の受け止め方、感じ方次第で、それについてをとやかく言うのは違うんじゃない?と思うこともしばしば。ただ、そのアーティストの周辺は情報としてお知らせすべきだし、試聴があまりなかった時代、聴き手にその音の感じを伝えるために、「こーんな感じの音」という伝え方をするのは、有益かとは思うのですが、得意じゃないので・・・。
 ということで今回も、自分の体験談が中心です。下の写真は超なんとなくアイスランドのほのぼの風景ということで・・・。
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 前回は一応、シガー・ロス、ムーギーソン、エミリアナ・トリーニまで書いたので(特集記事に掲載されているアーティストです)、今回はムームとスローブロー、バングギャングです。
 
 まずはICELANDiaアーティストであるバングギャングから。
 
 バングギャングはアルバムで初めて聴いた時、「これだ!」という感覚がありました。ただ、アルバムではよくても、ライブはどうよ?というのがあり、去年のAirwaves(アイスランドのロック・フェス)で初めてライブを見た時、すごーくうれしくまたホッとしました。だって、アルバムでよくても、ライブが駄目なグループって、結局ダメですからね。
 Airwavesのメイン会場はNASAという大きなクラブですが、去年のAirwavesの場合は海岸に近い美術館も会場として開放し、クオリティの高い個性的なグループは美術館に集められていまいた。NASAはハードなロックが中心で、美術館はもう少し芸術的な臭いのある上品なもの。美術館のメイン日には早くからビョークの息子シンドリが最前列のかぶりつきで見ていました。シンドリと私は音楽指向が似ているのか、行く先々の会場で見かけました。
 
 そのシンドリもノリノリで見ていたし、マスコミのカメラの数が尋常ではなかったのが、バングギャング。その音楽性は国内ではもう定評のあるところで、絶対に下手なものは見せないというバルディのこだわりもあり、その日も完璧なステージ展開。あの幻想的で白昼夢的なサウンドと、ささやくようなヴォーカルはアルバムと変わりませんが、ハードな部分になるとライブの迫力は断然ちがってきます。どこかのブログで、バングギャングのことを「静かなるハードロック」と表現していて、思わず納得してしまいました。前半は嵐の前の静けさの如くで、後半は一気にハードに盛り上がる。鳥肌ものです。
 歴史的超名曲を引き合いに出しては、おこがましいとは思いつつ、でも、そういう雰囲気なんだよなぁと思うのは、クイーンの「ボヘミアン・ラプソディ」やデレク・アンド・ザ・ドミノス(クラプトン)の「レイラ」。つまりは、とてもエモーショナルなのです。
 
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 バングギャングのリーダーであるバルディ・ヨハンソンは、20代後半で、世代的にはシガーロスと同じです。それに本当に多才。最初の頃は、現在シンガポール・スリング(最新アルバム『Life Is Killing My Rock 'N' Roll』)で活躍中のヘンリックと共に、サーフ・バンドっぽい音作りのグループを結成していました。で、バルディ本人はサーフ・バンドと言いますが、まぁ若干それっぽい音はあっても、私が聴くと基本的にヘンリックが得意とするギター・ロックの音じゃないかと思います。それはシンガポールを聞けば如実に分かることでしょう。音楽的に指向が違う二人は、別々の道を歩み、ヘンリックはシンガポールを組み、バルディはバングギャングになります。
 音楽を追究する傍らで、映像の世界にも興味を示し、なんとアイスランドの民放では初めて、ハチャメチャなエロチック番組をプロデュースし、非難囂々。数ヶ月でこの番組は打ち切られたそうですが、アートコミュニティでの評価は高く、今では伝説の番組になっています。
 アイスランド国内で作られるショート・フィルムの音楽制作依頼も多くあります。今年の春、交響楽団用にスコアを書いたというのもそれで、どの映画に使われるのか未確認ですが、表に出てくるのがとても楽しみです。そしてこの夏は、アイスランドのハード・ロック(メタルに近い?)バンド、ミナス(Minusと書きます。マイナスって読まないでね)のリード・ヴォーカリストのクルミとずっとスタジオに入っていました。
 
 そうそう、現在進行中の山形ドキュメンタリー映画祭のアイスランドからの作品『Africa Unite』のサウンドトラックもこのバルディ・ヨハンソンによるものです。
 
 バルディ君、ちょっと気むずかしそうですが、案外いいヤツで、厳しいところもありますが、会った直後に電話をかけてきて、「お茶おごってくれてありがとう、って言い忘れてゴメン」という、変に(?)礼儀正しいところも。見た感じ、最初はゲイかなぁと思っていましたが、普通の男性(=女性好き)。アメリカ男性であれば絶対にその見分けには自信がある私も、アイスランド人男性って結構ゲイっぽく見えても、実はストレートということがしばしば。やっと最近、違いが分かってきたけど・・・。7月の来日時には、フランス人の可愛らし女性を連れていました。
 
 このアルバム・ジャケット、本当に素敵ですよね。実際のアルバムの印刷もとてもきれいです。女性が全裸でびっくりしたでしょうか?この女性はバルディの当時のガールフレンド。東洋系の女性で、「ストップ・イン・ザ・ネーム・オブ・ラブ」のビデオ・クリップにも登場します。全裸シーンはありますが、ごく爽やかなシーンで、スタイル抜群。日本人アーティストが、自分の彼女を全裸でビデオ・クリップに登場させたらビックリですが、大らかなお国柄なので、最初からみんな「きっと彼のガールフレンドだろうと思ってた」と。ジャケ写のためにヌード・モデルを使うという発想自体が無いようで・・・。
 
 音楽的に最も一般的に受け入れやすい、メロディも演奏も歌もしっかりしたもので、そのアレンジは職人芸的な繊細さがあります。カーペンターズのリチャード・カーペンターを引き合いにそれを言及する業界人もいるほどで、メジャー感もバッチリあり、私の頭の中には、そしてアイスランド国内はもっとよりヨーロッパでは、やはり「ビョークー>シガーロスー>バングギャング」という図式になります。
 
 アイスランド特有の雰囲気や音もたっぷりと持つポップス。北欧のバート・バカラックというのも、あながちウソではない表現でしょう。聴けば納得することと思います。そこらへんはぜひアーティストのサイトでご試聴ください。ビデオも見ることができます。購入は全国大型音楽ショップ、ICELANDia通販、またはアマゾン,HMV等の通販で。
 
 それから、以下に一般音楽ファンの方が書いてくださった記事(ブログ)があります。見つけた時はすごーくうれしかった!ご参考にどうぞ。
  ◎湯島の夜
  ◎音楽に満たされて(世界音楽紀行)
  ◎最近の聴いたり聴かなかったり
  ◎アイスランド音楽 バングギャング " Something wrong "
  ◎アイスランドの音楽〜バングギャングで心を優しく 
     *上記ブログに関しては、見つけたら加筆しております。
  
 次なるグループはムームです。Mumはムームと読みます。英語だとマムですよね。双子の女性姉妹が入っていて、彼女たちが結構可愛くて、ベル・アンド・セバスチャンのアルバム『わたしのなかの悪魔』のジャケット写真にフィーチュアされています。
 アンビエント・エレクトロニカとでも言うのでしょうか。エレクトロニカの割にはオーガニックな香りも強く、赤ん坊がおもちゃ箱をひっくり返しているような、穏やかな華やかさと明るさ、そしてアイスランド特有の影を持っています。双子の姉妹がささやくように歌うヴォーカルも魅力的です。現在までにアルバムは3枚出していて(EPは含まない)、デビュー・アルバムが『イエスタデイ・ワズ・ドラマティック〜トゥデイ・イズ・オーケー』『Finally We Are No One』『Summer Make Good』
c0003620_161729.jpg 個人的には2枚目の『Finally〜』が一番好きで、ライブを見たことがあるのは新宿リキッドルームのみ。今年11月にも来日が予定されています。個人的なところでは、レイキャヴィーク市内の飲み屋でメンバーを見かけたりという程度です。去年アイスランドへ行った際、帰りの飛行機(アイスランド->ロンドン)で、彼らを見ましたが、話題もなかったので声もかけていません。それから『Finally〜』はアイスランド語ヴァージョンのアルバムがあります。日本で扱っているのは、たぶん私のショップのみかと思います。
 双子の片割れが脱退し、その穴埋め(?)として日本公演をこなしていたのがオルロフという女性で、彼女はシガーロスのバックを務めるアミナとも大の仲良し。いっしょにクラシック音楽を勉強した仲です。オルロフはまた、去年のAirwaves(アイスランドのロック・フェス)、スローブローの一員として立っていました。
 牧歌的、幻想的、おとぎ話的・・・いろいろな表現ができるグループですし、やはり彼女達もシガーロス同様、アイスランドの香りが色濃く出ています。
 

c0003620_167892.jpg 毛色としてはスローブローもムームと似ていて、スローブローはもっとローファイになります。家庭にあるものを手当たり次第楽器にしたような面白さと、ムームよりもっとアンダーグラウンドな響き。それでも、スローブローという名が示すように、スローなパンチをくらっていると、そのうちに効いてくる、ある種スルメ的なものがあります。
 リーダーのダーグル・カウリは映画『氷の国のノイ』の監督であり、アカデミー賞候補になったアイスランド人のフリドリクソン監督以来の大物と言われています。サウンドトラックの『Noi Albinoi』も自ら手がけています(シグルズール・ニールスドッティルの曲も収録)。
 うーんと、スローブローのメンバーに初めて会ったのは、ヨハン・ヨハンソン(次回取りあげます)とお茶を飲んでいた時で、純粋にコーヒーを飲むためにミュージシャンやアーチストの出入りが多い、Kafitarというオーガニック・カフェでした。
 その後、ダーグルとはゆっくりと話をする機会がありました。とても穏やかでシャイな人で、雄弁とはほど遠いけれど、これをやると決めたら情熱をもってねばり強く進む人であるという印象。ただ、私が会った時は子供が生まれたばかりで、「少しの間、子育てで手一杯になりそう」ということでした。ここでお断りしますが、アイスランドは男女平等の国であり、その平等感というのは日本は到底及びません。進歩的な考えとかそういうのではなく、これが当たり前すぎる精神なんです。

 去年のスローブローのステージ、面白かったぁ。前述のオルロフがバイオリンを担当し、私の目に間違いがなければムームの片割れの女性も参加。ノコギリの大きなのをビヨヨンと曲げて音を出したり、タライを叩いたり、見ていると何だか「家庭用品雑音大会」みたいでしたが、これが案外他の楽器の装飾に効果的に使われ、クオリティの高いものに仕立て上げていたのはさすが。ダーグルのヴォーカルは決してうまくはないけれど、雰囲気はあります。それで充分といった感じ。ちなみにスローブローは現在までに3枚のアルバムを出していますICELANDiaのショップで入手できるので、興味ある方は是非どうぞ。
 
 ちなみに、ムームもスローブローも、最新作ではシガーロスと同じように絵本型の限定盤も出しています。
 
 おー、今回も長くなってしまいましたが、あと1回、このシリーズは続きます。(小倉悠加)c0003620_22263649.jpgc0003620_13213440.gif
by icelandia | 2005-10-10 16:21 | アイスランド音楽名盤紹介 | Comments(11)
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