アイスランド、ベビーブームと「母親になるのに最も適した国」の相互関係 |
いやはや、先進国はどこも少子化問題でたーいへん。もちろんアイスランドも例に漏れず、未来の担い手不足に政府が頭を悩ませています。 ーーというような事実はなく、アイスランドは少子化どころか現在はなんとベビーブームの真っ最中! アイスランド国営病院の2006年の夏(6〜8月)の出生率と、今年の同時期の期待出生率を比較すると、今年は20%アップ!なんでも近年のバブリーな経済背景と、外国人労働者の増加のために、今年はベビーブーム状態だそうです。 ![]() 出生率上昇の理由が何であれ、ベビーブームではなくても近年のアイスランドの出生率は2.0以上あり、社会的に女性が働きやすく、福祉も充実していて、男性が子育てに協力的で、子供を産んで育てやすい大前提が揃っている。というか、「(アイスランドの)男性が子育てに協力的」であると見てしまう日本人の私の考えがそもそも、”子育ては女性”という前提から来ている。つまりは、日本というのは両親が子供の日常に対して同じような責任を感じていない社会であるということに他ならない。 以前のブログに書いた覚えがあるけれど、アイスランドでは幼稚園の送り迎えや食事など日常の世話に責任を持つのは男親として当たり前のことで、会社勤めをしていたとしても、会社や同僚がそういった子育て中の男性には配慮してくれるし、だからといって左遷などあり得ないことで、まぁとにかく、社会の仕組みも考え方も異なります。 それは文化の違いではあるけれど、私自身も含めて、これだけ大勢の女性が「日本は男尊女卑社会、女性として生きにくい。子育てしにくすぎて子供が産めない」と異口同音に言っているし、その動かしがたい証拠としての少子化なので、感情論での物言いは禁物とはいえ、日本は少子化対策をするより、女性が生きやすい社会を目指せば、芋づる式に出生率は上がると思いますが・・・。 上記の考えを裏付けるかのように、最近こんなレポートが発表されました。題して「母親指標 (Mothers' Index)」。これは国際援助団体のセーブ・ザ・チルドレンが毎年、世界140カ国を対象に母親/子どもとしての暮らしやすさを調査するもので、2007年5月7日発表の最新レポートによれば、アイスランドは「母親になるのに最も適した国(=母親指標)」の第2位。第1位はスウェーデンで、3位以下がノルウェー、ニュージーランド、豪州、デンマーク、フィンランドと、上位は大半が北欧諸国。日本はアジア諸国の中ではそれでも一番いい成績で第29位。 そして日本のランキングの内訳を見れば、「女性指標 (Women's Index)」が33位で先進国とは思えない低さ。しかしながら「子ども指標(Children's Index)」では5位であるため、ようやく総合29位に食い込んだという女性蔑視のお粗末が露呈。ちなみにアイスランドはどちらの順位も2位。 世界人口が増えすぎるよりも、少しは減った方がいいんじゃないの?と私は単純に考えているので、少子化でもいいかと思っているけれど、とにかく、古い時代の日本の男性がいる限りこの国の男尊女卑は当たり前に続くので(当たり前=問題意識無し)、その辺は世代交代を待つしかないようです。(小倉悠加) ![]() アイスランド音楽新譜はもうすぐ入荷!↓バナーをクリック! ![]() |
by icelandia
| 2007-05-11 23:13
| アイスランドってどんな国?
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