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本レーベルは、Excite Music Store及びモバイルコロムビア上で先行独占展開され、配信される楽曲は、国内で入手が困難な高いクオリティのアイスランド楽曲を幅広いジャンルで集めていきます。
レーベルリリースの第1弾は、ヨーロッパでは名高いアイスランドJAZZを展開、第2弾は、アイスランドPOPS、第3弾は、アイスランドクラブミュージックを展開していく予定です。
小倉悠加
(おぐらゆうか Yuka Ogura)
70年代半ば洋楽に目覚め、単身アメリカへ留学。大学時代から来日アーティストの通訳に従事し、レコード会社勤務を経てフリーに。以来、音楽業界で幅広く活動。カーペンターズの解説の殆どを書いているためカーペンターズ研究家と呼ばれることも。2004年自らアイスランドの音楽を扱うアリヨス・エンタテイメントを設立。ミュージック・ペンクラブ会員。
小倉悠加

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氷国歴史的名盤;小倉悠加のシガーロス論
 気候不順により夏風邪をひいている方はいませんか?私はノドのちょっとしたイガイガを無視したばかりに、水を飲むのも辛いほどノドをやられ、急性咽頭炎で抗生剤のお世話になっています。気候の変化に体調がついていかないこともあるようなので、そういった症状を感じたら、ぜひ症状が軽いうちに養生してくださいね。

 さて、少しタイトルを気取って、アイスランド人が選んだアイスランドについて、少し掘り下げていきたいと思います。今回のブログは>に基づいているので、まずはそちらからお読みくださいね。
 
 アイスランド人が選んだ20世紀の最高傑作アルバム第一位には『アゲイティス・ビリュン』(1999年)が選ばれています。
 
氷国歴史的名盤;小倉悠加のシガーロス論_c0003620_0115656.jpg まずはなぜ第一位がビョークではないのか?ということを。これはたぶん単純な理由に思えます。ビョークは第二位以下、3枚のアルバムが選出されているので、票が割れてしまったということなのでは。1アーティスト1枚という基準であれば、間違いなくビョークが首位に輝いたことでしょう。同様に、もしもシガー・ロスが99年までに『()』や『Takk...』を発表していたら、同じように票割れして、トップに付けなかったかもしれません。それは時の運ということで・・・。
 
 それでもやはりシガー・ロスには卓越したものを感じます。一言でいえば圧倒的なオリジナリティ。シガー・ロスを初めて聴いた時、「これってジャンルは何?」でした。ロックというのは、それが縦ノリでも横ノリでも、いわゆるノリが非常に分かりやすく刻まれるものなのに、シガー・ロスはそれがよくわからない。
 彼らのライブもロック・コンサートにしては不思議な光景で、聴衆は微動だにせず音に聴き入るだけです。一瞬、60-70年代のプログレがそんな感じだったかもしれないと、私の乏しいプログレの知識を総動員しますが、それでもやっぱり、シガー・ロスには当てはめるジャンルもなければ、ジャンル分けを彼らが望んでいる訳でもなく、ただひたすら、自分達が心のままに演奏していった結果、あのような音楽になった、ということに尽きます。
 
 それは無欲の結実、とでも言うのでしょうか。もっともそれは彼らだけではなくアイスランドの音楽全般にとても言えることです。アイスランドではオリジナリティこそが命です。売れる売れないは二の次か、最後の最後。なぜなら、人口30万人ポッキリの島国のことなので、他人の真似をしようものなら芸術を創造するアーティストとして最低最悪のヤツに成り下がるからです。アイスランドにも地方のドサまわり用のコピー・バンドは存在し、そのようなバンドはそれで生活をすることが出来ますが、自己表現として音楽を演奏する者は、特にポピュラー音楽の世界では、絶対的なオリジナルを追求します。
 
 それから、アイスランドは大自然がごく身近に感じられる場所で、人々は自然の偉大さや脅威に、常に接して生きています。自然の息吹を感じ、自然の音を聴いて育つ国民ですね。それも非常に厳しい自然に接するのです。
 
 なので、彼らが作り出す音や雰囲気は、自然を感じさせるものが色濃く、特にシガー・ロスはアイスランド人が聴いても、いいえ、アイスランド人が聴くからこそ、「アイスランドの自然を感じさせる音楽」なのだそうです。幾人かのアイスランド人から、異口同音にそんな感想を耳にしました。
 
 そんな環境の中、国際的な音楽マーケットのコマーシャリズムに毒されることなく、自分の心に忠実な音楽を創造したところ、”こういうのが出来たんだよね”というのがシガー・ロスの音楽であると私は感じています。
 
 それから更に意味深いのは、アミナの存在です。アミナはシガー・ロスのバックでバイオリン等を引いている女性4人組で、ソロ・アルバムもリリースしています。彼女たちのソロはこちらです。 シガー・ロスの音楽的な特徴は、ボーイ・ソプラノ的なヨンシーのヴォーカルであり、ヴァイオリンの弦で弾く情緒的な音色のギターや幻想的なキーボードでしょうけれど、それにあいまって重要なのがアミナの存在です。ストリングスなら電子楽器でいくらでも出せますが、生弦の感情や迫力には叶わない。私は生弦の音がとても好きで、小学生の頃初めて生でヴァイオリンを聴いた時、動物が毛皮や羽をふるわせている様を思い浮かべました。前面で男性がガンガンと力強く演奏しているところに、繊細なストリングが女性によって奏でられるのは、音楽としてゴージャスであると同時に不思議で、また男女がそれを合奏しているのは、東洋的な見方をすれば陰陽の曲玉のバランスが取れているということでもありましょう。それはまた、宇宙があり、地球があり、自然があり、男女が共存してこの世の中があるというアイスランド人の大きな世界観にも繋がっているような気がします。
 
 2006年4月の来日公演を見ながら思ったのは、シガー・ロスは国際的に認められ、メジャー・レーベルと契約をして、ビョークに次ぐ大型アーティストとしての地位に君臨しつつあるけれど、決して「レイキャヴィークのキッズ」というスタンスは手放さないだろうということでした。そして自分達がアイスランドの、レイキャヴィークから来たことを誇りに思い、ラッキーだと感じていることも。
 アイスランドの音楽関係者は親しみを込めて「シガーロス・キッズ」とよく言います。私自身にとっても、シガー・ロスは国際的なアーティストではあるけれど時折カフェやクラブで顔を合わせるシガーロス・キッズです。それから、現地で「シガーロス」と言ってもたぶん通じません。正しくは「スィグロゥス」で、この発音であれば一発で分かってくれます。
 
 ・・・というような私のシガーロス論をシガー・ロス君達が読んだらきっと、「そんなに大げさに構えちゃいないさ」と一笑されそうですが、シガー・ロスはどこをどう切っても”アイスランド”が色濃く出くる、アイスランド国内でも最もアイスランドっぽいバンドです。そのアイスランド度の濃さは、ビョークの比ではなく、そういう点で、やはり彼らが第一位に選ばれたのは、とても順当だと思います。 (小倉悠加)氷国歴史的名盤;小倉悠加のシガーロス論_c0003620_13213440.gif




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氷国歴史的名盤;小倉悠加のシガーロス論_c0003620_0434512.jpg
by icelandia | 2006-06-24 00:18 | アイスランド音楽名盤紹介 | Trackback(1) | Comments(1)
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Tracked from 旅のとちゅう at 2006-08-03 01:30
タイトル : アイスランド紀行 〜Sigur Ros野外ライブ
氷国歴史的名盤;小倉悠加のシガーロス論 今朝日本に戻ってきました。時差ボケてます。 7月30日(日)、レイキャビクのMiklatún parkで行われたSigur Rosの無料コンサートに行ってまいりました。この公演のようすはイギリスのNational Theatreだったかで中継される(そちらは有料)てことで、なかなかの規模になるもよう。 富士ロックも来日公演も見逃したので、どんなライブなんだろう?と、とても楽しみだった。会場になる公演はひたすらだだっぴろい芝生。どれだけ集まるんだろ?...... more
Commented by risingsun401 at 2006-07-14 00:50
こんばんは。以前ブログに遊びに来てくださってありがとうございました。
月末に仕事のついでにアイスランドに行けることになりました!そしてなんと、シガー・ロスの無料野外ライブがレイキャビクの公園で行われるという情報を目にしました。(まだ詳しく見てないのですが)
来週末に出発なので、それまでにこちらでいろいろ勉強させていただこうと思っています☆
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