アイスランドの冬のひとこま、月を手玉にする |
先月に、今年の山岳道はこれで最後か?というようなことを書いた覚えがある。10月末から11月半ばまでずっと暖かかった。それも盛夏でもなかなか見ない20度越えの地域まで出現する異常気象もあり、きっと雪は少なめだろうと、本格的な山岳道を目指して出て行った。 けれど案の定、入り口で追い返されてしまった。行く手を阻んだのは雪ではなく、川が氾濫状態で我が家の小型車では往路として通れたとしても、復路が怖いのでやめた。そう、引き返したのだった。人里を離れ、この時期車が一台も通らないかもしれない場所を目指すため、絶対に無理はしないのがモットーだ。 仕方がないので諦めた山岳道の近隣の「ここなら途中までは行けるだろう」というジープ道を目指した。 読みは当たり、その未舗装のガタガタ道はうっすらと雪に覆われ、夏よりもほんの少し走りやすかった。小高い山のところにあるため、太陽が高く上らない冬の日でも、まだ日が残り、雪で化粧した白い肌が照らされて美しかった。 冬の青空は不思議なパステルカラーになる。日の入り時間が早いため、午後3時にもなれば地平線には夕焼けが顔をのぞかせる。車は一台しか見なかった。この道への入り口近くは大人気観光スポットで、常に大型バスが所狭しと止まっている。 以前にも書いたと思うけど、我が家の愛車はSuzukiのJimnyで、日本で組み立てられ、はるばるアイスランドまで輸入されてきた。身体は小さいけれど、悪路でもどこでも気軽に連れて行ってくれる。足回りもしっかりしているし、本当に頼もしい。そして楽しい。 少し進んでは車を停め、景色とピリリとした空気を楽しんだ。暗くなると街灯など存在しないため、道がどこにあるのかわからなくなることもあり、大変に危ない。ここは日没前に出たいということで、道のさわりだけを走って普通道路に戻ることにした。 その帰り道、目の前に月が大きく見えてきた。「ユーカ、ここで写真を撮ろう。月で遊ぼう!」と。 実はこの前の週に、やはり月が美しく大きいので写真を撮ったのだが、風が強く寒くてうまくいかなかった。 この写真も大してうまくはないけれど、雰囲気はわかってもらえるかと思う。どうでしょうかね?(小倉悠加 / Yuka Ogura) アイスランドの日常をお届けする小倉悠加のSNS Twitter |
by ICELANDia
| 2024-11-14 00:32
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