execitemusic
本レーベルは、Excite Music Store及びモバイルコロムビア上で先行独占展開され、配信される楽曲は、国内で入手が困難な高いクオリティのアイスランド楽曲を幅広いジャンルで集めていきます。
レーベルリリースの第1弾は、ヨーロッパでは名高いアイスランドJAZZを展開、第2弾は、アイスランドPOPS、第3弾は、アイスランドクラブミュージックを展開していく予定です。
小倉悠加
(おぐらゆうか Yuka Ogura)
70年代半ば洋楽に目覚め、単身アメリカへ留学。大学時代から来日アーティストの通訳に従事し、レコード会社勤務を経てフリーに。以来、音楽業界で幅広く活動。カーペンターズの解説の殆どを書いているためカーペンターズ研究家と呼ばれることも。2004年自らアイスランドの音楽を扱うアリヨス・エンタテイメントを設立。ミュージック・ペンクラブ会員。
小倉悠加

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ヨハン・ヨハンソン『Last and first men』上映。ロンドンのバービカン・センター、レポート
 故ヨハン・ヨハンソンが音楽を担当した『Last and First Men 』を体験するため、2018年12月1日ロンドンはバービカン・センターまで出向いた。映画なのか何なのかよくわからなかったけれど、とにかくヨハンの音楽を聴くことで彼への追悼をしたく、個人的に思い入れを持って足を運んだ。

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 映画でも何でも、先入観なく体験した方が楽しめる場合も多いとはいえ、私は最初から予備知識を持っておくのも嫌いではない。なので事前に調べたけれど、これに関してはそれでもよくわからなかった。とりあえずハリウッド映画ではなさそうという程度は判明したけれど。

 音楽はロンドンシンフォニー・オーケストラで指揮はダニエル・ビャルンソン。ダニエルとヨハンがどれほど親しかったかは今度ダニエルに会った際にでも尋ねてみたいと思ってる。もちろん知り合いだったろうし、互いに尊敬しあっていた仲なのではと想像しながらダニエルの指揮する姿を見守った。

c0003620_08501594.jpg  さて映画と思いきや、実際はそうではなかった。あれはイメージ映像であり映画ではない。なので何度も同じ映像が出て来るし、ストーリー性も無い。あえて言うなら、『2001年宇宙の旅』のモノリス的な感じだろうか。視覚的なイメージが、シンボリックに現れる。そしてモノクロ。この物語(というのだろうか?)はSF小説『最後にして最初の人類』(オラフ・ステープルドン著)をベースにしているという。

 音楽と共に流れてくるのは、女優のティルダ・スゥイントンのナレーションによる『最後にして最初の人類』からの抜粋。私は小説の内容を知らなかったため、異様なディストピア感に戸惑い、驚き、そして否応なしに陰鬱で未来が見えない世界へと引き込まれていった。

 音楽は抑えに抑え、重苦しい。憂鬱な黒い曇り空がひたすら続くような、グレーの陰影しかない世界が延々と続く。鳥の声ともわからない、キーっと甲高い音が時々出てくるが、明るい兆しは見えない。むしろ女性による不協和音のコーラスが、不吉で不気味な予感を増長させた。

c0003620_08501546.jpg 『Last and first men』はインスタレーションという解釈が妥当ではないかと思う。当初は映画と音楽かと思っていたが、全く違う。映像と音楽のコラボレーションではあるが、既成概念にはない類のものだった。体験した直後に、素直に「素晴らしかった」と喜べるような派手さには欠けるが、その後、私の中でじわじわと何かがきている。数日経った今でも、その余韻は続いていて、いかにインパクトが地味に大きかったかを引き続き体験している状態だ。

 本当に不思議な感覚だった。ナレーションがディストピアの現実味・具体性を言葉でくっきりと提示し、そのトーンを増長するかのように音楽が不安感を扇ぐ。映像は耳から得られる情報(ナレーションと音響)の補助として、各人の想像を妨げない程度に、ごくミニマルに、シンボリックな造形を映し出す。

 その造形は旧ユーゴスラビア諸国に点在するスポメニックという巨大な像で、戦争記念碑ということだが、なんとも不思議な形状で、宇宙人が作って置いて行ったと言われても疑わないかもしれない。これに関しては、以下のような記事を見つけた。

 私はこのライブに参加する10日間ほど前、アイスランドのギャラリーでヨハンが音楽を担当した無声ドキュメンタリー映画『Miner's hymns』と、やはりヨハンが音楽をつけた無声フィルム『End of Summer』を見た。前者は記録無声映画に彼が音楽をつけたもので、音楽が当時の雰囲気や空気感を見事に伝えていた。映画よりも音楽の方がゴージャスすぎて、音楽を聴かせるための映画かと思ったほど。

 『End of Summer』はひたすらペンギンや自然を映していくだけなので、前者よりも更に音楽の素晴らしさが際立つ。通常、映像がある時はそれを引き立てるのが音楽なのだが、この二本は音楽が主役?と思うほどスコアが素晴らしく、音楽のクオリティに映像の単純さや荒さがミスマッチで、それが何とも心に残っている。

c0003620_08475042.jpg この3本を見て思ったのは、ヨハンは作曲家ではあるけれど、音楽インスタレーション・フィルム監督のような感覚だったのではないかということ。そのような存在を目ざしたかったのではと。調べてみれば、『Last and first men』も『End of summer』も、ヨハン自身が映像にも深く関わっているという。自ら撮影したものもあるという。

 で、本当のところは?と思い調べてみると、このような英語記事「Johann Johannsson moves from composing to directing」が出てきた。そしてこれに目を通した後、一連の体験に合点がいった。彼は心に残る映像にいかに音楽でストーリー性を持たせるか、音楽でどこまで物語を語れるかを実験し(End of summer)、次はナレーションで具体的な物語をセッティングした上で、映像と音楽でどこまでその雰囲気を深めるか(Last and first men)を実験していたのではと思えてきた。

 それから少し告白すれば、『First and last men』のナレーションは日本語で聞きたかった。私は英語は普通に理解できるけれど、SFは得意ではなく、「え?え?それってどういう意味??」という場面が多々あり、これが日本語であればもっとスンナリと言葉が頭と感情に直結したのにと自分の能力のなさを嘆いた。

 できればこれから小説を読み、その上で再度『Last and first men』を体験したい。なのでアイスランドでこれが上演されることを心から願っている。(小倉悠加/ Yuka Ogura)c0003620_13213440.gif  



        


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by ICELANDia | 2018-12-04 08:36 | Comments(0)
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