山村幸広の一日、一グラム

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渋谷 小笹鮨 「大間のまぐろ&しんこ」 続報 8月27日
 前回、写真がうまく撮れてなくて掲載できなかったので、再度写真撮影を試みた。すると「今日、買ってきました。」というこれまた大きな大間のまぐろを、店主・佐々木茂樹が見せてくれた。(写真の上から4番目と5番目)200kgを超える大まぐろのカマ下の、一番良い部分。両側がある訳だから、東京の鮨屋で小笹ともう一軒、この一番良い部分を仕入れた鮨屋があるという事だ。言い換えると数ある東京の鮨屋の中でこの見事な絶品マグロは2カ所にしかないという事である。しかし大きすぎる気がした。
「シゲちゃん、しかしこれは大きすぎんじゃないかい?」
「いやーー。仕入れにマグロ屋さんへ行ったらもう小笹って書いて取ってあったんです。」
「まあこの大きなまぐろもさばけるぐらい客がきてるよねえ。」
「お陰様でありがたいことです。」
今日頂いたのは、前回の大間の今年2本目。(写真の3番目)これが熟成感たっぷりで甘みが素晴らしい。はっきり言って旨い。本日仕入れたマグロが美味しいのは多分、あと10日後ぐらいではないだろうか?

 大間のまぐろ漁師。手で糸をたぐりよせこの大きなまぐろを小船の近くまで連れてくる。早い速度でぐるぐる廻りながら泳ぐまぐろを銛で、カマ下の急所を一突きしてシメる。この突く技術がなんとも素晴らしいそうである。そして船にくくり付けて戻る。1本釣り上げると1年は食えるといわれる大まぐろ。漁師は意気揚々と、まるでオリンピック金メダルをぶら下げて帰る選手のように家へ帰り、家族はそれを笑顔と安堵感で迎える。その死闘のマグロが我々の口に入る。なんと貴重な品であろうか。

 そして本日の超旨い肴は「あわび」「いくら」。あわびはもちろん千葉県大原の特大あわび。丁度、バレーボールを半分に割ったぐらいの大きさである。これの煮あわび。何とも言えない至福の味わい。少し太めに切ってもらって塩を少々つけ、すだちで頂く。この大原産のあわび。入荷は本当に少なく、こちらと高級料亭等、数軒にしか廻らない。そして今が旬の「いくら」。今がというかこの生いくらを最高の状態で食べられるのは約3、4週間だけである。まったく臭みがなく一粒一粒が美味しい。いくらはイマイチとおっしゃる方は多分、本当のいくらを食べた事がないのであろう。9月に入るともう食べられない。後は冷凍物だけという事になる。冷凍を絶対に使わない小笹ではもう来週前半までしか食べられない。小生も8年ほど通っているが多分、3、4回目の小笹のいくらである。椀のに鮨一貫程度の酢飯を入れいくらをたっぷりと注ぎ口に入れる。醤油もわさびも全く必要がない。これを食わずして何を食べるか?

 こはだも又旨かったが、この「こはだ」(写真一枚目、2枚目)も多分、今シーズン最後であろう。かみ締めて味わいながら頂いた。また来年食べることが楽しみである。こはだの終わりと共に秋がくる。又秋の美味しい魚が小笹をにぎわす。主役はあくまでも魚である。それを最高の状態で提供するのが佐々木茂樹である。鮨屋は魚を肴に、鮨に、展開する食のプロデューサーなのである。

 帰り際、今日もいつもと同じ言葉で店を後にする。
「ご馳走さん。うまかったよ。」

 これ以上もこれ以下もない。

山村幸広

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  • by yamamura2004 | 2004-08-27 19:32 | Trackback(5)
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