昨日、全日本選手権が終わりました。激しい優勝争いを演じた選手たちは男女ともレベルが高く、全日本史上最高の試合だったと思います。女子シングルで最終グループに登場した選手は、SP、フリーでも素晴らしい演技でした。オリンピックがかかっている選手には、出場にかける執念を感じました。中でも章枝ちゃんのフリーの演技にはこちらもウルっとくるものがありました。できるなら、この6人全員をオリンピックに行かせてあげたい。皆さんもそう思ったことでしょう。そして男子シングルは、大ちゃんが織田君を逆転して優勝しました。採点問題で織田君にとってはツライ結果になりましたが、ともに素晴らしい選手であることには間違いありません。
今回の採点で問題となったのは「3回転以上のジャンプは2回跳んでいいのは2種類まで」というルールがあります。 しかし織田くんはトウループ2回、ループ2回、ルッツ2回、と3種類跳んでしまいました。この場合3種類目に重複したルッツの点数が0になります。トリプルルッツの点数は6.0、その点数に後半に跳んだジャンプは1.1倍の点数があたえられ6.6。さらに彼の特徴でもあるジャンプの質でジャッジからプラスの評価があたえられていると思うので、7.0前後の点数をロスしました。これは今の高橋大輔を相手にしたらかなりの痛手です。さて、織田くんほどの一流選手がナゼこんな事をしてしまったかというと最初に跳んだ3アクセル+3トウループ+3ループのジャンプコンビネーション、 この3ループの回転が不十分で「2ループに判定される」と思ったのでしょう。回転が不十分といっても2回転半ぐらいはまわっていました。これは3回転からのダウングレードで2回転の点数しかもらえないうえに3回転にはトライした事になってしまいます。
NHK杯とは違って、今回は織田くんの高い能力が裏目に出てしまった形です。一方、大ちゃんは、最初の4回転を失敗し、中盤の3アクセルでも失敗。織田君が高い得点を出していたこともあり、ここで自分には勝ちがないと感じたかもしれません。それでも諦めずに死に物狂いで滑り続けてその後は最高とも言える演技でした。
最後のストレートラインステップは観ていてトリハダがたちました。もし中盤の3アクセル失敗、負けが頭の中をよぎった時にあきらめていたら… おそらく織田くんの7.0前後の得点がカットされても逆転できなかったでしょう。今シーズンの高橋大輔は精神的にかなりタフになったと思います。
これでオリンピック出場選手がすべて決まりました。非常に高いレベルの選手が揃い、トリノでもいい結果が出る事を期待できるのではないでしょうか。戦いはまだこれから続いていきます。