一年くらい前にポッドキャストでも話題にしたU2の3D映画、その名も"U23D"がついに、しかも地味に日本上陸した。上映してる映画館はかなり限られてて、都内は新宿だけだっけな?そんな新宿へ観に行って来ました!日本には来ないと思ってたし、すっごく観たかったからね。何しろ「3D」ってワックワクするんだよ(笑)ガキんちょ時代から変わらない。何かさ、3Dって夢があるじゃん?今や廃れた技術かと思ってただけに、最近の3D復活の兆しは嬉しいんだ。
まずは初日に行ったんだけど、初日である事と、土曜である事を俺は甘く見てた。それにU2の立体ライブ映像なんて、そこらのカップルは死んでも観に行かないだろうと(笑)15分くらい前に映画館に到着し、受付でチケットを買おうとしたところ、おねえさんが見せてくれた残りの座席の表示案内を見て、あちゃー!!と思う。ほとんど空いてない。空いてるのは最前列のみだ。最前で観る3Dが最悪な事は子供の頃にディズニーランドの"キャプテンEO"で経験済みだ。(もちろんベストポジションまで突っ走って何度も観たけど)3Dだけじゃなくて普通の映画も最前で観る人の気が知れない。空いてる映画館で自ら進んで最前に行くおっさんを見た事があるけど、あれはどういう事だろう!?寝る為か!?寝るなら最後尾の方が良さそうだし・・・生まれて初めての映画だったりして!?最前が一番よく見えると勘違いしてさ!とにかくどんな映画であれ、前後左右共に真ん中ら辺を狙う事にめちゃくちゃ情熱を賭ける俺としては最前で、しかも楽しみにしてたU2を観るなんて有り得ないわけだ。罪の無いおねえさんに少ーしだけ(2パーセントくらい)怒り口調で「何分前に来たらいい席取れてたんすか??」なんて無駄な質問しつつ、映画を観ず未練たらしくこの日は退散した(笑)
そして今度はちゃーんと今風にネットで前もってチケット予約!平日のレイトショー選んで、座席もド真ん中確保して、行って参りましたリヴェンジです。結果はこの通り。↓
ほぼ貸し切り状態の映画館で3Dメガネをかけてパチリ(友達撮影)。久々にラージサイズのポップコーン食いながら観ちゃったよ。いやぁ、U2はちょっとしたミラクルだよ、やっぱり。なんつうかポジティブでミラクルなパワーをバンド全体が発してるんだ。神様が付いてるよ、あれは。理想だよ理想。ホントいろんな意味で真面目なバンドで、もちろんエンターテイメント・ショーとしても超一流だし、カッコいいよなぁ・・・ライブをそんなに儲からない3D映画にして公開するなんて何たるセレブ!!それに"U23D"なんて出来過ぎたタイトルだと思わない!?
実は一番楽しみにしてた部分って「どれだけ飛び出すか」だったんだ。1950年代に第一次ブームになった3D映画も1980年代の第二次ブームを経て、現在は技術が更に進歩して凄くなったと聞いていて、それはそれは激しく目の前まで飛び出すんだろうなぁと期待してた。しかもそれがライブ映像なわけでしょ?一体どんな事になっちゃうんだろうと。結論から言うけど、そこまで飛び出さない(笑)。もちろん映像は凄くキレイだし、奥行き感とか臨場感は凄いよ。音も通常のライブ映画より遥かにデカくて良かった。でも思わず手を伸ばしちゃうような目の前まで飛び出す3Dではない。これなら"キャプテンEO"の方が全然「飛び出した」。でもライブ映像そのものとU2が良かったから、そんな事は問題じゃない。最終的には3DよりもU2が残る映画だった。
と、ここで締めようと思ったけど、もうちょっと「3D」について話したい。何しろ未だに3D映画って言うと赤と青のセロハンのメガネをかけて見ると思ってる人がいるからね!!そんなの大昔の話だよ!!(笑)これは何のせいかなぁ?小学生の頃に読む雑誌に付いてた付録のせいか?はたまたお正月映画か何かで赤青メガネをかけて見るアニメがあったのか・・・よく分からないけど。先でも触れたけど、アメリカでは1950年代の前半にはもうカラーの3D映画はあって、その場合かけるメガネも赤青じゃなくて偏光フィルターがかかってる透明のレンズのメガネ(現在でもこれが使われてる)。だから映像は普通にカラーで飛び出す。こんな事を俺らが生まれる、とうの昔にやってるんだからすげぇ国だ・・赤青メガネの場合、映画自体はモノクロだと思う。カラー作品なのに赤青メガネじゃ、カラーの意味がないでしょ?そういうのもあったのかなぁ?
マニアックな話をするなら、1954年のユニヴァーサルのホラー”大アマゾンの半魚人”は、3D映画として公開されてて、この赤青メガネが使われたらしい。ちなみにモノクロ作品です。同じく1954年のアルフレッド・ヒッチコック作品”ダイヤルMを廻せ!”も実は3D映画。これはカラー作品だから偏光フィルターのメガネが使われた。まぁこの時代の3D映画がそこまで「飛び出した」とは思えないけど・・他にもいろいろあるんだけど1980年代に飛んで、”ジョーズ”の3作目も3D映画。タイトルは"JAWS 3-D"。当然カラー。当時観に行けなかったので、どれだけ飛び出したかは知らないけど、ビデオで観る限り、映画自体は超つまんない(笑)今や完全カルト人気だね。ちなみに市販されてるソフトは”D”を取っ払って"JAWS 3"になってる。家じゃ飛び出さないからね。それに丁度3作目だし何と都合のいい。ストーリーは全く繋がってないけど。これらの映画はもちろん現在ビデオやDVDで見れるけど、当然家じゃ飛び出さない。だけど見てると3D映画だった事が随所に感じられる映像だったり、撮り方だったりして、知ってると面白い。知らないとやたら無駄な動きが多く思えてイライラする。
何はともあれ、'50年代はテレビの普及による、大衆の映画館離れがあって、3D映画はそれに対する映画会社の「映画館に来なきゃ観れないぞ対策」の一つだったみたい。数年で廃れるんだけど(笑)'80年代に一瞬盛り返すのも、恐らく一般家庭にビデオデッキが普及した事による同じ理由だろうね。やっぱりすぐ廃れた。きっと飛び出す事ばっかり意識して内容が激しくつまらなかったんだろう。現在、三たび何となく来てる3D映画ブーム。パソコンもあればブルーレイもあって、ホームシアターを作ってサラウンド効果だって味わえる今、人々は更に映画館に行かなくなってきてる。だからこそ映画館でしか味わえない、それでいて内容的にも面白い3Dムービーを俺は期待するのである。
ここで話をU23Dに戻すけど、思えば俺自身は今まで、映画館でいわゆる「3D映画」を見た事がなかった。俺が今まで見た3Dと言えば、"キャプテンEO"でしょ。(その後釜アトラクションのミクロなんとかもね。)あと子供の頃、筑波の科学万博で見た一連の3D作品だ。(天井までのドーム型スクリーンで星が降って来るきれいなやつがあったなぁ・・)言ってみりゃ全部「3Dアトラクション」的なものだ。このどれもが「目の前まで飛び出した」。もちろん例に漏れず手を伸ばしたよ。でもキャプテンEOは1986年製作だし、科学万博は1985年だ。そこからもう20何年経ってるわけで、現在の技術を持ってすれば、もっともっと目の前まで飛び出してもいいはずだ。でもU2のはそこまで飛び出さなかった。なんで!?俺は考えた。そんな俺なりの結論を出したい。
一つは単純に、「飛び出す3D技術自体は実はそんなに進歩してない」。だったら20年以上前だろうが、金をめちゃくちゃかけて作られたディズニーのキャプテンEOの方が飛び出しても何ら不思議じゃない。これが一つ目の結論。もう一つは、スクリーンそのもののデカさに関係してくるんじゃないか?って事。前述のアトラクション系3Dはどれもがドデカいスクリーンを使ってた。包み込まれる感じだ。に対して"U23D"は単館映画並みの大きさのスクリーンだった。って言うかほぼ単館上映なんだけどね!つまりデカいスクリーンほど3D効果が増すんじゃないか!?っていう結論。これは結構言えてる気がする。需要的にU23Dがデッカいスクリーンで公開されてないのが悔しいが、現状でU23Dをデッカく体感する方法がある・・・・前の方に座る!!(笑)もしかして封切り初日、最前列に座りなさい!って事だったのかなぁ!?またリヴェンジか!?
和田 唱