おーアロウズのバンドコピー話、嬉しすぎます。これはたまらんですよ。だって僕らも最初は憧れてコピーだったからね。これからもコピーされても恥ずかしくないように、1フレーズに愛を込めたいです。俺はフレーズ、特にテーマとソロは時間をかけて考える場合が多いです。メロディーを考えたい時は散歩をしながら口で歌って、浮かんだら携帯電話に吹き込みます。たまに歌詞が付いてます。そんなのがコピーされてるなんてね、頑張った甲斐があったってもんです。一般的にあまり注目はされないからね。わー本当にわからんことがあったらなんでも教えたいですわ。
はい。今日は「Oh!ベイビー!!」です。
これはですね、アロウズの歴史の中でもひとつのターニングポイントとなった曲だと俺は思ってます。 なんでかってそれまで竜二が作ってきた曲と全然ちがったんですよ。そしてこれがこれからのアロウズの曲だったんです。それまではわりと音楽雑誌的には「ギターロック」というジャンルに分けられるような、ギターでコードジャカジャカ鳴らして美メロ、みたいな曲を竜二はイメージして作ってきたんだけど、これはまずイメージしてきたリズムなどが今までと全然違った。この頃、竜二はフィッシュマンズにすっかりハマッていて、そんなリズム寄りのが外に出てきたんだろうかね。 俺は当時、ものすごく戸惑いました。 そしてこの変化にギター的にもついていけなくて、どういうの弾いたらよいかとかもう本当に困ってしまった。すぐにマイナスに考えてしまうから「バンドやめようか・・・。」とまで思い詰めた日もありました。しかーしですね、この曲が嫌いだったらそのままやめても別に問題はないんだけど、(あぁー、なるほど、いいねぇ。)と思っていたからそんなの嫌じゃん。山内君の見よう見まねでイメージを膨らまして、またこれからのスタイルを自分で作っていったわけです。なかなか思い出の曲です。イントロの「ピッポッパッポ・・・」というギターは山内が考えたんですがライブでは我が物顔で俺が弾いてます。かなり気持ち良いですよ。この曲はそういえば初めてライブでやってからアレンジがコロコロ変わったもので、なんと竜二がハ-モニカでソロをとっていた時もありました。もう吸って吐いて倒れそうになってました。あとキーもね、いろいろ試しました。ただ明るいだけの曲にしたくなくて、だって最初聴いた時すごく切ないイメージがあったからそれをなくしたくなくて試行錯誤を繰り返しました。
今回のレコーディングではですね、リズム録りの時にすごく色々ありました。これね、とっても分かりにくいんですが、ドラムとベースとギターがすべてバチッ!とジャストにあってるわけではないんですよ。わざとずらしてあるんです。それによってまたジャストとは違ったグルーブが生まれるんです。レゲエとかはそんなことを自然にやっているらしいんですが、アロウズでは初の試みっつーか自分らで発見しました。後にベースマガジンのフィッシュマンズの譲さんと茂木さんのインタビューで同じようなこと言っててびっくりした。まぁ絶対普通わからないことだと思うし聴く人は全然気にしなくて良いことなんですがね。
そうそう、素生素生、この曲といえばGOING UNDER GROUNDの松本素生君がね、いろんなところでプッシュしてくれたみたいで、それでアロウズを知ってくれた人が全国でたくさんいるんですよ。この場を借りて深くお礼を言いたいです。ありがとう。
(シュンジ)