浜岡原発から見る政治の怠慢

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今週月曜日、静岡県にある浜岡原子力発電所に取材に行ってきました。

浜岡原発は、東日本大震災後、
当時の菅直人総理大臣が、

安全性などにおける法的な根拠なく、

独断で停止を命じ、

以後、稼働していない状況が続いています。

例えば、定期点検後の安全審査における合否などで
再稼働の是非の判断が待たれている状況とは違い、

とにもかくにも、当時の国のトップが
何の根拠もなく止めた原発という点において、

他の原発とは大きく事情が異なります。

運転停止から3年半が経ちますが、
その間に、原子力規制委員会は
新たな安全基準を定めました。

再稼働には、その条件を満たすことがまず必要になります。

新しい安全基準の最大のポイントは、
「溢水(いっすい)対策」
つまり、原子炉建屋、タービン建屋はもちろんのこと、
敷地内に一滴も水が浸水しないことを
目指すものです。

そのためにとられている浜岡原発の安全対策は、
海岸線1.6キロの敷地の端から端まで、
海抜22メートルの防潮堤を建てること、

海水の取水池も、すでに構造上洪水を防ぐようになっているものの、
更に周囲を取り囲む塀を作ること、

などなど、
幾重の浸水対策が施されています。

5基の原子炉がある浜岡原発では
1号機、2号機はすでに廃炉に向けての作業が進み(老朽化のため)
4号機は、原子力規制委員会に
安全審査を申請済みで、
その結果が待たれています。

今の原子力発電についての制度では、
原子力規制委員会の審査結果が適合となっても、
「安全」に対するお墨付きを与えたのではない、と
規制委員会の当事者はいいます。

安全基準にかなっていれば、普通、「安全であると解釈」
するのではないでしょうか。

もちろん原発の再稼働には
立地の地元住民が納得することが必要ですが、

原発施策は国家のエネルギー施策。
規制委員会の役割が「ここまで」なら、

その先は、
もっと国がリーダーシップをとるべきです。

そして責任ある判断をすべきです。

その意味からも、私は小渕さんは交代してよかったと思いますが、
また新任大臣へのレクチャーから始まるかと思うと、
政策実行の遅延は、国民の不利益。
政治家は失態がないよう、努力してほしいと思っています。
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細川珠生 ブログ


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