この夏最大の衝撃。この映画には科学特捜隊も地球防衛軍も出てきません。
怪獣にさらわれた娘を、家族だけで取り戻そうとするお話。
いきなり脱線で申し訳ないですが
昔、父親と怪獣の話をしていて喧嘩になったことがあります。
どういう流れでそんな話になったのかは覚えてないのですが
もし妻子が怪獣に襲われてたらどーする?というテーマで議論になったんですね。(アホな親子ですいません)
うちの父は熱い人なので
当然、自分の命を捨てても助けると主張。
当時の私は、今に輪をかけてひねくれていたので
それは無理だろうと答えました。
だって相手は何十メートルもある人喰い怪獣ですよ?
怖いじゃないですか。
父、子供相手にマジ切れ。・・・私まだ中学生だったんですよ。
まだいもしない想像上の妻子のために命張れますか?
まぁこの話は、うちの親子の性格の違いをよく物語ってまして
そこらへんが微妙なコンプレックスとなって
今の私の性格形成にも影を落としているのですが、それはまた別の話。
で、この映画に出てくる家族は
うちの父親のように
まったく迷うことなく、娘のために命を捨てて怪獣に立ち向かっていきます。
この怪獣がね・・・死ぬほど怖いんですよぉぉ!!!映画が始まって10分ほどで、唐突に見せ場がやってきます。
休日の河原でひなたぼっこをしていた善男善女を
突如河から現れた怪獣が、取っては喰い、取っては喰い。
シュールな絵なんですが、映像は完璧なまでにリアルです。
私の心臓は早鐘のごとく鳴っていました。
こんな夢、見たことある・・・そう、前述の父親との会話で私が脳内に思い描いていたのは
まさにこういう怪獣だったのだと思います。
ウルトラマンに出てくる怪獣のように
キャッチーなところは一切なく
もちろん名前なんかもなく
ただ、飢えを満たすために人間を喰う。
キャラクターではなく、ただの生き物。そのことが、ここまで恐ろしいとは・・・
今まで「怪獣映画」って、私の中では
怖いジャンルではなかったんですよ。
リアルタイムで初代ゴジラを見た世代はまた違うんでしょうけど
私が物心ついた頃には、ゴジラシリーズだのウルトラマンシリーズだの
明るい性格の怪獣が世に溢れてまして・・・
そういう怪獣っていうのは、花形役者みたいなもんで
観客を散々焦らした後、お決まりのパターンで登場して
大見栄を切った後、これまたお決まりのパターンで退治されるという。
唐沢‘と学会’俊一氏の言葉を借りると
日本人にとって怪獣とは
ある種の「伝統芸能」なのです。我々にはそういう怪獣映画の「型」が染みついてるだけに
それとはまったく違う文脈で語られる、この『グエムル』
日本人にはことさらショッキングな映画だと思います。
映画の内容以外に一つ気になることがあります。
それはこの映画の公開規模。
私は初日の初回に行ったのですが
田舎のシネコンとはいえ、300人規模の劇場に、観客は10人。
・・・大丈夫か?この映画の面白いところって、地味な部分なんですよね。
予告のCGシーンだけで客が入るような時代じゃないし
配給会社としては、宣伝が難しいタイプの映画。
『太陽』みたいに、単館に近いかたちで掛けて話題作りして
じわじわ口コミで広げていった方が成功したような気がするけどなぁ・・・
内容が素晴らしいだけに、ヒットしてほしいです。
とりあえずこれだけは言っとこう。
今年のベストワン候補。みんな劇場に行け〜!
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