
『ダークナイト』の回に書きましたように
改めて「ヒースっていい役者さんだったんだなぁ」的な感慨が湧いてまいりまして。
追悼記事、というほど腰の入ったものではありませんが
この人のキャリアの中から何か1本…とゆーことで
出ました『悪霊喰』。いい映画いっぱいあるのに、何でこの映画なんだよ!と
不審に思う人もあるかもしれません。
確かに全然ヒットしなかったし、評判も悪かった。
面白いかと聞かれれば、正直どちらかというと面白くない。
…でも何か引っかかるんスよこの映画。ヒースの出演作で一番面白いのはどれかと聞かれたら
私は迷わず『ROCK YOU!』を選びます。
主演のヒースだけでなく、脇のポール・ベタニーまでスターダムにのし上げたこの映画
いつ見ても、何回見ても文句なしにたーのーしーいー。
監督はメル・ギブソン×ルーシー・リューの『ペイ・バック』から2作目になる
ブライアン・ヘルゲランド。この人、本職は脚本で
『LAコンフィデンシャル』『ミスティック・リバー』
とゆービッグタイトル2本をものにしております。
『ROCK YOU!』の大成功の後、アイデアマンの性と言いますか
それとは正反対のベクトルで撮りたいと思ったんでしょうな。
再びヒースと組んで作ったのがこの『悪霊喰』な訳です。
(ヘルゲランドはデビュー当初はホラー映画を書いていた)
実はこの2本に両方出てる役者が
主人公ヒース、オデブちゃんのマーク・アディの他にもう1人。
シャニン・ソサモン。まぁなかなかの美人で、一度見ると忘れられない顔をしてるんですが
どこか暗く、垢抜けない。
ヒースとベタニーがとんとん拍子にキャリアを積んでいったのに比べ
この人は『ROCK YOU!』の次に出た映画がまずかった…。
『ルールズ・オブ・アトラクション』。初めてのときは好きな人と…とゆーことで
大学生まで大事に取っといたバージン。
しかしパーティで酒呑みすぎて前後不覚。
気が付いたら知らない男に後ろからパンパンやられており
振り向いて何か言おうとした瞬間に
顔面にゲロぶちまけられるという最低の役…。
まぁ、そんな気の毒な感じの人が『悪霊喰』のヒロインな訳です。
さてさてその『悪霊喰』ですが、原題は『The Sin Eater』。
“罪喰い”であります。キリスト教会から見放され、地獄へ行く定めの者たちの臨終に立会い
彼らの「罪」を「喰い」、魂を開放してやる存在。
本人は永遠の命を約束されるかわり
未来永劫、罪喰いを続けなければならない。
この映画を一言で表しますと
70年代オカルトmeets腐女子。『エクソシスト』や『オーメン』といった
“本来の意味でのオカルト映画”は
なぜか80年代以降、ほとんど作られなくなりました。
一見オカルト風に見えても、フタを開けてみればだいたい
「絶叫ホラー」か「スプラッタ」か「ホラーアクション」という部類。
この『悪霊喰』にはそのどの要素も入っておりません。
ゆえに地味…そして暗い。もう一方の“腐女子要素”は何かと申しますと
ズバリ“神父萌え”。アキバには「神父喫茶」なるものがあるとかないとか…あ、ないですか。
青白い顔をしたヒース・レジャーが神父ルックで雨に打たれたりしてる姿は
明らかに“耽美”入ってて、その道の女子にはたまらないんじゃないかと。
“罪喰い”を演じているベンノ・フユルマンも、どこか中性的なルックスの優男で
2人が同時に画面に映ると、うっすらとホモセクシュアルな香りがしてまいります。
さらに「バチカンおたく」「異端宗教おたく」とゆー
マニアックなニーズをも満たすこの映画…
最初から大ヒットするはずもない企画だったのでございます。
「つまんねーつまんねー」言いながらついつい何度も見てしまう。この『悪霊喰』は『インタビュー・ウィズ・ヴァンパイア』と並んで
私の中でそーゆーポジションにある映画ですね。
ヒース・レジャー、享年28歳行ってらっしゃい天国へ。まぁ短かくも輝かしいキャリアではありましたが
こんな変り種が1本入ってるってのも、またいいんじゃないかと。
ねぇ。
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↓中途半端なCGの使い方がまた何とも。