
ここ20年くらいの間に、ずいぶんたくさんのアメコミが実写化されました。
この手の映画はついつい劇場へ見に行ってしまう私ではありますが
もともと、子供の頃からアメコミ自体は苦手でした。
私のアメコミに対する印象を一言で言うと、次のようになります。
アメリカ人て、ほんと頭悪っ!いい大人が全身タイツ着て空飛んだりすんの見て、何が楽しいのか。
繊細な神経を持つ日本人には耐え難いボンクラセンスです。
今でこそブライアン・シンガーの『X-MEN』、『スーパーマン・リターンズ』
クリストファー・ノーランの『バットマン・ビギンズ』『ダークナイト』といった
大人向けのシリアス&クールなアメコミ映画が作られるようになりましたが
もともとこのジャンルはバカの宝庫。そんな数多くの低脳アメコミ作品群の中でも
かなりの上位に位置するのが、この「超人ハルク」であります。
だって、緑色の巨人が「フンガー」言いながら大暴れするだけの話ですよ?。
まともな人間なら目を伏せて足早に通り過ぎたいところですが
この作品にだけ特に反応してしまう人種というのがいるんですね。
それは…
ガリ勉やせっぽち系の人たち。“筋肉願望”は往々にしてコンプレックスの裏返しで
三島由紀夫の例を出すまでもなく、こういう人ほど強靭な肉体に憧れる。
前作『ハルク』を監督したアン・リーも間違いなくその1人で
おっさん自らモーション・キャプチャーをつけて大ハッスルし
撮影現場を失笑の渦に巻き込んだという
痛々しくも微笑ましいエピソードが伝えられています。
今回の『インクレディブル』も、キャスティング見ただけで一笑い。
エドワード・ノートンにティム・ロス?
痩せの小男2人の肉弾戦…もしCGがなかったら
ほとんど障害者プロレスでしょ。(すいませんすいません許してください)さてさて映画自体の出来ですが
ノートン自ら口を出したという脚本もさほどのキレはなく
『トランスポーター』『ダニー・ザ・ドッグ』のフランス人監督
ルイ・レテリエの演出にも特に新味は見当たらず
全体的になんかもっさりした感じ。
しかしこの映画、いくつか気の利いたアイデアが盛り込まれています。
そのひとつが、オープニングの舞台にリオのファベーラを選んだこと。
世紀の傑作『シティ・オブ・ゴッド』でも描かれた
丘(モーホ)全体をびっしりと覆うスラム街の風景は
ハリウッド映画で見るとまた新鮮で、南米好きとしては嬉しいところ。
そして、このロケーションにはもうひとつ必然性が。
ヒクソン・グレイシー、映画デビュー!(たぶん)ワンシーンだけの出演ですが、面構えと存在感がさすがにハンパなく
『バットマン・ビギンズ』の渡辺謙なんかよりは遥かに印象に残ります。
個人的にはこれを機に、アクション映画の常連になってほしい。
肝心のCGハルクのアクションシーンですが
リアルなものを目指したらしい監督の意図とは裏腹に
かなり漫画チックな仕上がりだと思いました。
だって、ハルクが必殺技の名前叫ぶんですよ?
「ハルク・スマッシュ!」…って突然言われても、ねぇ。
“超音波砲”のデザインとかが妙に東宝特撮チックだったりするところも
楽しいっちゃ楽しい。
ラストの“ハルクVSアボミネーション”なんか
ノリは完全に『サンダ対ガイラ』です。キャストはなかなか見てて面白いメンツが揃っていて
こちらの面では退屈させません。
ポイントはやはり、ヒロインのリブ・タイラー。
この人独特の
体全体から立ち昇るドン臭さが、映画に奇妙なグルーブ感を与えています。
全然似合ってない黒ぶちメガネで「博士です」って…可愛いじゃんかよ!
去年の『再会の街で』の精神科医役もなかなか良かったので
この人はこれからまた映画出演が増えるかもしれませんね。
(決して主役はやらせない方がいいと思いますが)
あと、Mr.ブルー役のティム・ブレイク・ネルソンもいい味出してます。
特筆すべきものは何もない映画ですが
私はわりと好きでした。
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エドワード・ノートンのおじいちゃんて
↓ショッピングモール発明した人らしいですよ。