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漫画家Nのイラストと文章で綴る映画な日々

にしかわたく (漫画家)

マンガ家・イラストレーター。生まれて初めて劇場で見た映画は『グリズリー』と『テンタクルズ』の二本立て。
現実逃避のスピードを極限まで加速すればいつか現実を追い越せると信じ、今日もロスト・ハイウェイをひた走る36歳、デブ専。
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カテゴリ:ノンセクション地獄
  • 『バベル』(2006・アメリカ)
    [ 2008-01-16 21:44 ]
  • 『再会の街で』(2007・アメリカ)
    [ 2008-01-03 17:39 ]
  • 『13/ザメッティ』(2005・フランス/グルジア)
    [ 2008-01-02 18:26 ]
  • 『パンズ・ラビリンス』(2006・スペイン/メキシコ)
    [ 2007-09-04 10:11 ]
  • 『ブラック・スネーク・モーン』(2006・米)
    [ 2007-08-14 01:11 ]
  • 『ボルベール』(2006・スペイン)
    [ 2007-08-11 03:23 ]
  • 『街のあかり』(2006・フィンランド)
    [ 2007-06-24 00:37 ]
  • 『トランスアメリカ』(2005・米)
    [ 2007-04-30 18:27 ]
  • 『野のユリ』(1963・米)
    [ 2007-04-23 23:59 ]
  • 『クイーン』(2006・英)
    [ 2007-04-18 20:56 ]
『バベル』(2006・アメリカ)

『善き人のためのソナタ』『ダーウィンの悪夢』『ブラックブック』
『ラスト・キング・オブ・スコットランド』『ブラッド・ダイヤモンド』

年末から、去年見逃した話題作を
1本づつ潰していく作業を続けているわけですが
この並びを見るにつけ

自分にとっての2007年は

こういう1年だったのねん・・・

と、つくづく感じ入ってしまいます。


映画は私にとって完全に日常の一部。
何を見る、何を見ないという選択はごはんと同じで
毎日、体がほしがるものを
劇場なり、レンタル屋なりで摂取するわけです。
岡田某の『いつまでもデブと思うなよ』じゃないですが
自分が食べたものを毎日記録することで、見えてくることが。


この「私が去年避けました映画リスト」を見ると一目瞭然なんですが

重いの辛いのイヤイヤよー症候群

の、典型的な症状が出ております。

改めて考えてみると、ここ1年くらい
仕事で行く試写を除いてほとんどシネコンでの鑑賞。
しかも見終わった瞬間に忘れられるような映画しか
選んでいなかったという衝撃の事実が
今データから明らかに・・・。

人はジャンクフードのみにて

生きるにあらず

今年はどうにか立て直したいです。
公私共に。



さてさて、そういう意味におきまして
昨年、私が最も避けて通りたかった映画がこの『バベル』。
『アモーレス・ペロス』『21グラム』の監督&脚本コンビですから
死ぬほど暗い映画だということは最初から決まっております。

でまぁ、なんとか見終わりまして
私の立場から言うべきことはただ1つ。


2007年度


泣ける放尿シーン


ベスト1!


栄えある受賞者はもちろん、ケイト・ブランシェットです。

銃で撃たれて重症のブランシェットが
旦那のブラピに言います。
「私、下着を濡らしちゃったわ。我慢できなかったの。
 あ、また出そう・・・」
笑いながら、妻の尻の下に洗面器をあてがうブラピ。

子供を失ったことで夫婦が受けた深い傷が
洗面器に尿が落ちる金属音とともに
少しづつ少しづつ解けていく。
そして2人はたがいを許しあうように
何ヶ月かぶりの、気持ちのこもったキスを交わすのであった・・・

放尿しながら。

さらにこの放尿シーンにはもうひとつ、大事なメッセージがあります。

ブランシェットは死なない。

排泄することは生きること。
放尿が示唆するものは生命力に他ならないのです。


いやー、醍醐味醍醐味。

こういう、味わい深い放尿シーンを見ますと
ファンをやっててよかったなぁとしみじみ思いますね。

昨年は『ボルベール』でペネロペのも見れたし


放尿的には


大豊作の


年でしたー!!!






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by taku-nishikawa | 2008-01-16 21:44 | ノンセクション地獄 | Trackback(1) | Comments(5)
『再会の街で』(2007・アメリカ)

記念すべき2008年初ナミダは
この作品に持ってかれました。
いやー泣いた。死ぬほど泣いた。



”バカらしいスクーター”に乗ったサンドラーが
ニューヨークの街をゆらゆらと走り回る姿を
カメラが後から追って行くオープニング。
『シャイニング』で廊下を走っていたおもちゃの車のシーンみたいに
画面の奥に奥に気持ちが集中していって
これから何が始まるんだろう、とわくわくさせます。

これだけでもう、ほとんど勝ったも同然。
世の中の映画の99%は
タイトルが出る前に
面白いかつまんないかわかっちゃうもんです。



問いかけ。

ここに壊れちゃった友達が一人。

アンタ、どうします?


人間はみんな、多かれ少なかれ
壊れてる部分を持っているんだと思うんですけれども
私もその例外ではありません(人よりちょっと多めかなウフフ!)。
「類は友を呼ぶ」ってのはどーも本当らしく
まぁ私のまわりには、

そっち系の人

が集まる集まる。


なんかもう身につまされすぎるあまり
自分が今までの人生の中で会ってきた
色んな人のことを思い出しまくっちゃって
ストーリーに集中するのが大変でした。

良くなった人。
悪くなった人。
現在もつきあいが続いてる人。
たまに電話で話すだけの人。
もう二度と会わない人。
結果的に見捨てるような形になってしまった人。


セラピストや精神科医なんかを仕事でやってる人はともかく
ある人間が傷ついた誰かを一方的に癒すなんてことは
基本的にありえなくて
一見癒してるように見える側も
相手から何かを得ているんだろうなぁと。
人間と人間の間には
そういう関係以外は成り立たない
少なくとも長持ちはしないのだろうなぁ、と。


この映画見て
長いこと音信不通のある友人に
手紙を書こう思いました。


映画ごときに

啓蒙されてやんの

やーいやーい

ばーかばーか








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by taku-nishikawa | 2008-01-03 17:39 | ノンセクション地獄 | Trackback(2) | Comments(5)
『13/ザメッティ』(2005・フランス/グルジア)

眉毛の太さに純朴さと不運さの両方が表れている
真面目なグルジア人青年。
やっとこさ屋根の修理の仕事にありついたのですが
当の家の主人が、オーバードーズで突然死。
工賃をもらいそびれてしまいました。

そんなとき偶然拾った、一通の手紙。
中にはパリ行きの切符が。
主人の愛人と知り合いの男の話を盗み聞きしたところでは
どうやらこれは、もうけ話らしい。
家には年老いた母親と、幼い妹が
おなかをすかして待っています。


眉毛がこんなに太いのも

貧乏なのも

オレのせいじゃないやい!


青年がほんの出来心でこの手紙を盗んだとしても
誰が彼を責めることができるでしょうか。

期待と不安を抱えて
パリ行きの列車に乗り込んだ青年。
行く先で彼を待ち受けていたのは・・・

実写版カイジの世界。(わかんない人すいません)


罪もない労働者青年が
ふとしたことからはまり込んでしまった
この世の地獄。


私は『ホステル』なんかより全然感情移入できました。
だってあいつらやりまくってんじゃん。
何にも悪いことしてない人が酷い目に遭うから
面白いんだと思うんですけどねぇ。

がんばれ労働者階級!

ヤリチンは死ね!






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by taku-nishikawa | 2008-01-02 18:26 | ノンセクション地獄 | Trackback(4) | Comments(3)
『パンズ・ラビリンス』(2006・スペイン/メキシコ)

半年以上前から見たい見たいとダダをこね
寝たきりの私をいつも甲斐甲斐しく世話してくれる
息子の嫁の芳江さん(着やせするが実は巨乳)を
介護殺人に走らせんばかりに困惑させておりました

ギジェルモ・デル・トロの

『パンズ・ラビリンス』

一般公開を待ちきれず、試写を見てまいりました。
(車椅子を押してくれたのは無論芳江さんですムホホホホ)


まぁ、なんですな。
人間夢見てるうちが花、といいますか
バカな中年男の脳髄の中で半年かけて育ちに育った
期待と妄想の入り混じった巨大な怪物。
そんなもんに実物が勝てるはずもない訳でして。


それなりの出来で


ございました。


悪役のセルジ・ロペス(ヘンな役多し・好き)が良かったのと
あとはやはりラストですかね。
マゾヒスムが爆発する、私好みのダークなハッピーエンド。
ちょっと涙出ました。
公開は10月6日。


で、帰りの電車でプレスを読んでおりましたところ
キャストの中に気になるヤツを発見。

ダグ・ジョーンズ。

この人、タイトルロールの“パン”(エロ牧神)のほか
“ペイルマン”(目玉男)も演じていらっしゃる。
この映画の2大モンスターをひとりの人間が。
あ、ちなみにどっちも被り物で本人の顔は見えませんが。

さらにプロフィールを読み進みますと
出てくるわ出てくるわ。
『ヘルボーイ』のエイブ・サピエン(半魚人くん)に
『ミミック』の巨大昆虫だぁ?

デル・トロ作品ほとんど出づっぱり!

面白そうなので家に帰ってからちょっと調べてみましたら
フィルモグラフィーはこんなでした。
細かく見てくと面白いんですよこれが。

『がんばれベンチウォーマーズ』の“ナンバー7ロボット”。
(あのしょぼい執事ロボです)
『ふたりにクギづけ』の“宇宙人その2”
(宇宙人ってどんなシーンで出てたんだっけか…)
『レディ・イン・ザ・ウォーター』では”人魚その4”。
『ミステリーメン』の“ペンシルヘッド”。(これも覚えてない)

まぁいわゆる

怪獣の着ぐるみの中に入るヒト。

現在はこれまたデル・トロの『ヘルボーイ2』出演のため
ハンガリーに滞在中だそうで。

そんなダグさんに、キャリア中もっとも大きな役が。
もうすぐ公開の『ファンタスティック・フォー2:銀河の危機』の敵役

シルバー・サーファー

であります。
あの全身ギラギラ男、てっきりフルCGだと思い込んでたんですが
ダグさんが全身タイツで頑張ってたんですね。
(ただし声はローレンス・フィッシュバーン・・・不憫・・・)

そんなお茶目な裏方ダグさんの素顔は
『アダプテーション』なんかで拝めるそうです。
(“アウグストゥス・マーガリー”って役名。今度見直してみよう)


『パンズ・ラビリンス』の話に戻りますが
デル・トロのキャリアは
ピーター・ジャクソンのそれにほんとよく似ています。
今回の映画はさしづめデル・トロ版『乙女の祈り』。

大友克弘の『童夢』を映画化したがってるという噂も聴きましたが
オタク路線と血みどろファンタジーの境界線上を
行ったり来たりする独特の作風で
これからも我々

文科系ボンクラ中年

を大いに楽しませてくれることは間違いないでしょう。




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by taku-nishikawa | 2007-09-04 10:11 | ノンセクション地獄 | Trackback(7) | Comments(4)
『ブラック・スネーク・モーン』(2006・米)


説教番長サミュエル・L・ジャクソンが

色情狂のクリスティーナ・リッチを

ぶっとい鎖で縛って飼育・調教するお話

と聞いてまったく勃たないなら
そんなヤツは映画ファンじゃない、と私は思いますね。


一方は人生のどん底にいる初老の男・ラザラス(ジャクソン)。
こともあろうに、自分の弟に妻を寝取られたのだ。
もう一方は町の公衆便所少女・レイ(リッチ)。
ロニー(ジャスティン・ティンバーレイク)という最愛の恋人がいながら
セックス依存症から抜け出すことができない。
ある偶然から2人は出会い
文字通り1本の鎖でつながれることになる。
夜の嵐におびえるレイに
ラザラスはベッドの下からギターを取り出し
昔鳴らした、ブルースの腕前を披露するのだった。
ブラック・スネーク・モーン
俺の中のドス黒い蛇が今夜も呻く・・・



まぁ冒頭で書きましたストーリーのアウトラインだけでも
やる気まんまんちんこびんびんなんですが
監督が『ハッスル&フロウ』のクレイグ・ブリュワーと来ちゃあ
もーアレでしょう

女房を質流れにしてトルコに売ってでも見たい

ってなもんです。

『ハッスル&フロウ』では
ポン引き黒人ラッパーの成り上がりを見事な語り口で描いたこの監督

今回の標的はずばり“ブルース”。


ブルースをモチーフにした映画ってゆーと
何と言ってもラルフ・マッチォ主演の『クロスロード』。
ラストの速弾きメタル悪魔(何だそれ)とのギターバトルで
クラシックの『魔笛の主題による変奏曲』で勝利し
世界中のすべてのギターファンから

ブルースはどこいったんじゃい!

と突っ込まれたバカ映画です。

かくして『クロスロード』は
ブルースという奥深いテーマに正面からぶち当たり
美しくもはかなく玉砕したわけですが
今回の『ブラック・スネーク・モーン』は
ある意味、それ以上の無茶を試みています。

資料のどこを読んでも書いてありませんが
この映画のアイデアは
ジャニスの爆裂歌唱で有名なブルース・ロックの名曲

『Ball and Chain』

がネタ元、とゆーのが私の勝手な説。


I've got a hold of you baby
ベイビー、私はあんたを掴んで離さない
And it feels like a ball and chain
まるで鉄の球のついた足かせみたいに
Honey, I don't know why the man I'm loving
ハニー、どうしてなんだろう
would want to leave me in so much pain
私が愛する男が、痛みだけを残して去っていくのは


この“鉄球”と“鎖”が愛情と束縛の比喩なのは
どんな阿呆にだってわかる自明の理なわけですが
このクレイグ・ブリュワーという男はそれを


まんま映像化。


さぁさ寄ってらっしゃい見てらっしゃい

「傑作」と「バカ映画」の間に張られた

細い細い一本の綱

そこを渡るは我らが道化、キ印だ

渡れば天国、落ちれば地獄

さぁ見ものだよ、見ものだよ



・・・無事渡れたかどうか結果の程は
劇場で、みなさんご自身に確認していただきたいところ。
とりあえず

この監督の勇気、私は買います。


9月1日公開。





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by taku-nishikawa | 2007-08-14 01:11 | ノンセクション地獄 | Trackback | Comments(4)
『ボルベール』(2006・スペイン)

引越しがらみのばたばたで
ここんところ映画を見るペースが極端に落ちているんですが
友人に誘われ、最終日に見に行った『ボルベール』。

えがった~。

まんず、えがった。


アルモドバル作品に出てるペネロペが
悪いはずがないとわかっちゃいましたが

主演女優見てるだけで

これだけ幸せな気分に浸れる映画

てのも久しぶりです。

ペネロペは、ザッツ働くお母ちゃんって役回りで
黒のワンピースとか、ニットのカーディガンとか
イタリア映画に出てくる典型的なマンマのいでたち。
そんでもってもちろん胸の谷間は惜しげもなく披露。

これ、ソフィア・ローレンじゃん。

と思ったら、やはりアルモドバルは
ペネロペに役作りの上で彼女を意識させたそうです。

この映画、「匂い」が重要なモチーフになっているんですが
「ママのおならの匂いがする…」
って便座に座って鼻をくんくんさせるペネロペの顔のアップは
なーんかの生理に訴えてくるものがあり
スクリーンと観客の間に親密な空気が漂って、いい感じでした。
(向田邦子のドラマにも似たようなシーンがあった気が)


ストーリーは、ずばり“女系家族”のお話で
それぞれに秘密を抱えた祖母・娘・孫の3代にわたる連帯感
もっと言ってしまえば


共犯意識


みたいなものを描いているんですが
これ、個人的に非常に腑に落ちるテーマでした。


「新居のまわりには親戚が多い」ということを
数日前の日記に書きましたが
先日、祖母の家に集まってうなぎを食べたんです。

祖母、私の母、母の妹、いとこ(女)と
私以外は全部女性というシチュエーション。
「ダンナには内緒ね」とかベタな冗談を言いつつ

ゲヘヘヘヘヘ

と暗い笑い声を上げる女たちの姿を見て
私はある種の疎外感を感じると同時に
こいつらがまるでひとつの生き物であるかのような
奇妙な感覚を覚えました。

いとこの子は私より2つほど年下で、今年結婚したばかり。
今までは「親の世代」と「子の世代」という関係性の中で
確実に私と同じ「子の世代」の構成員だった彼女が
しばらく見ぬ間に、すっかり「女系」色を強め

巨大な“女”という生き物の一部

になったのだ、という
漠然としているけれども、しかし確実な印象を受けました。

『ボルベール』で描かれる母娘の関係は
何も特別なものではなく
世の「女系」にすべからくかけられている、呪いのようなもの。

この“共犯意識”こそが

女たちを結びつけているのだ

…とゆーのが、今回の結論。


とにかく、安心してペネロペに身をゆだねきった
幸せな2時間でした。


もちろん


放尿シーンも


ばっちりです!






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by taku-nishikawa | 2007-08-11 03:23 | ノンセクション地獄 | Trackback(2) | Comments(0)
『街のあかり』(2006・フィンランド)

睡眠とか仕事とかちんこいじりとか
食事とか煙草とかちんこいじりとか
テレビとかラジオとかちんこいじりとか
漫画とか音楽とか本とかちんこいじりとか
毎日、いろんながらくたで時間を埋め
あんまり物を考えずに
眠ったように生きている私なんですけれども
(1日4回やっているという意味ではありません)
たまに、ぽこっと
隙間というか空白というか
何もしない何もできない
ブランクの時間にぶつかることがあるんですね。
そんなときは決まって
思い出す必要もないことを
ついつい思い出しちゃったりするのです。
例えば、次のようなこと。

私という人間は

どうしようもなく

寂しがり屋だ。


・・・もうね、夜中なんかにこんな状態に陥っちゃうと
ウサギじゃないですが寂し死にしそうになるんですね。
そのくせ

泣き虫だけど

他人に弱みを見せるのは嫌い

というめんどくさい性格をしているので
友達に電話したりはできません。

昨晩もちょうどそんな心境になってしまい
どうにも居たたまれず
飲めない酒をかっくらって
寝てしまおうと目論んだんですけれども
アルコールでかえって神経が昂ぶっちゃったらしく
まったく眠くなる気配がありません。

しかたない・・・
あんまり気が進みませんが
映画に逃げるしかないようです。

こういう症状のとき

中途半端な娯楽作は逆効果

ということは経験上わかっております。
映画の出来不出来は関係ありません。
面白かったら面白かったで
「誰かとこの面白さを共有したい~」と寂しくなりますし
つまんなかったらなおさら落ち込むのは当然。
要するに今は昨日借りてきた
『プラダを着た悪魔』を見るタイミングではない
ということです。

今感じている寂しさから逃げようとするのではなく
逆にアクセルを限界まで踏み込むことによって
負のガソリンを燃やし切ってしまう
そんな

ツベルクリン反応な作品選び

が必要となるのであります。



・・・で、あるんですよ。手元に。
おあつらえ向きの、カウリスマキの新作が。

来月公開の『街のあかり』のDVD。


プレスの冒頭に載っている監督からのメッセージを読んで
早くもしょんぼりする私。

わたしの新作『街のあかり』は、
『浮き雲』『過去のない男』に続く
敗者三部作の最終章です。
『浮き雲』では“失業”を、
『過去のない男』では“ホームレス”をテーマにしてきましたが、
今回のテーマは“孤独”です。



あのう、「敗者三部作」って・・・


どんだけー!?(恥)


どーせなら「お茶漬け三部作」とか
「着ぐるみ三部作」とか、もうちょっと・・・ねぇ。


夜勤でデパートのガードマンをやっている孤独な負け犬男が
言い寄ってきた女(実はヤクザの情婦)にいいように騙され
無実の罪で警察につかまってしまう。
どんなに追求されても、最後まで女をかばう男。



でもホラ、あれですよね?
最後には女が真実の愛に気づいて・・・
「ごめんなさい私が悪かったわ」的な・・・
ねぇ・・・あれ?

・・・・・・。


そんなの見ちゃった私はといえば

当初の計画通り

死にたくなりましたとさ!

めでたしめでたし!
うくく!


ちなみに映画自体は大変面白かったですよ。
この三部作、好きな順に並べると
『浮き雲』>『街のあかり』>『過去のない男』
です。
ちなみに『浮き雲』は
人生のベスト10に入るくらい好きです。






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by taku-nishikawa | 2007-06-24 00:37 | ノンセクション地獄 | Trackback(3) | Comments(14)
『トランスアメリカ』(2005・米)

最初に言っておきますが、今日は異常に長文です。

いやー・・・連休なんですよ。
こちとら自由と言う名の牢獄でおなじみのフリーランスなんで
世間が休みだからと言いましても
やらなきゃならない仕事はいっぱいあるのですが
出版社が休みで、原稿の催促の電話が来ないので
いっぱしのお休み気分だけは味わえるわけなんでございます。

連休初日の土曜日、私は気合充分でした。
充実した連休のスタートを切るために朝5時に目を覚ましまして
まずは栄養補給ということで、朝ごはんのしたくです。
シジミの味噌汁にきんぴらにほうれん草の胡麻和え
ついでに夕ごはん用に生姜焼きの仕込みまでしちゃったりして
朝なのに鯖なんか焼いちゃったりしたらもーアナタ
芸術的な日本の朝食の出来上がりなんですよ。
あんまりおいしいんで、ちと食べ過ぎまして
ソファーでごろーんとしておりましたら、眠気が・・・
意識を取り戻したのは午後1時のことでございました。

しかしここでダメになっちゃうのはいつもの私
連休やる気モードのにしかわは一味違います。
それに今日は阪神広島のデーゲーム。
阪神の勝ちゲームを見れば自動的にテンションは上がり
幸先よく素敵なGWの幕開けが飾れます。
とゆーわけでテレビ観戦してましたら
また眠気が・・・
目を覚ましたときはすでに試合は終わっており
テレビ画面には勝った広島の選手のヒーローインタビューが。

うーん・・・
うーん・・・
うーん・・・
思考停止。

私の体は、脳が活動を停止しますと
自動的にパチンコ屋に足が向くようにプログラムされておりますので
気がついたときは、目の前で綾波レイがくるくる回っておりました。
んーで結局、11時の閉店まで粘ってプラマイゼロ。
5時間座ってプラマイゼロ。

イカン。
このまま今日という日を終わらせてしまってはイカン。
そうだ、今日は土曜日。
近所のシネコンでオールナイトをやっているかもしれない。
どんなダメな1日でも、最後にいい映画を見れば
プラスとまでは行かなくても
それこそプラマイゼロぐらいには持っていけるかもしれない。

そう思った私は
近くのコンビニに入り「ぴあ」を立ち読み。
おお、『バベル』も『ブラッド・ダイヤモンド』もやっているではないか。
しかし「時間は劇場へ直接お問い合わせください」となっている。
コンビニの前から、携帯で劇場へ電話をかける私。
「ただいまオペレータの受付時間外となっておりますので
 プッシュボタンによる操作で上映時間をお知らせします」とのこと。
めんどくさいなぁと思いつつも、ガイダンスに従っていたのですが
「ご覧になりたいタイトルを音声認識で確認します」ときた。
音声認識?いつの間にそんな技術革新が・・・
「では、タイトルをどうぞ」のテープ音に従って
「バベル」と答える私。
「ご覧になりたい映画は『ハンニバル・ライジング』でよろしいですか?
 “はい”か“いいえ”でお答えください」
もちろん「いいえ」ですよ。
『ハンニバル・ライジング』は試写で見ましたが、最低でしたもん。
「ではもう一度、ご覧になりたいタイトルをどうぞ」
『バベル』の発音は認識しづらいのかなーと思い
今度は『ブラッド・ダイヤモンド』と答えてみたところ
「ご覧になりたい映画は『プロジェクトBB』でよろしいですか?」
オマエどーゆー耳してんねん!!!
低脳コンピューターに向かい「いいえ!」とほとんど絶叫で答える私。
ここで気がついたのですが、コンビニの前にたまっている女子2人連れが
不審そうな目でこちらを見ています。
そりゃそーですわ。
夜中にオッサンが携帯に向かって大声で
「バベル!」とか「ブラッド・ダイヤモンド!」とか
「いいえ!」とか叫んでたら
そりゃ不審に思わない方がおかしい。
ここに至ってとうとう私はブチ切れ、電話もブチ切りました。

結局映画は諦め、古本屋で『ジパング』1~20巻セットを買って
暗い気持ちで明け方まで読みふけり、なし崩しに就寝。

完璧なまでに最低な連休スタートと相成りました。


めんどくさいので2日目は箇条書きで行きます。

起きたら午後1時。

昨日に続いてデーゲーム観戦。

阪神ボロ負け。

パチンコ

3万円負け。

死にたい。

・・・楽しいはずの連休なのに
結局「死にたい」にたどり着いてしまうのはなぜなのですか?
私の人生ゲームのゴールは「死にたい」に決まっているのですか?

ここで私の脳裏に浮かんだのは、性懲りもなく映画なんですけど
劇場へ行くエネルギーもお金もすでになく
この日はビデオ屋に行って『トランスアメリカ』を借りました。

死ぬ前に噂の「偽チンポ」を見とこうかな、と。
で、見ました「偽チンポ」。
はぁ、「偽チンポ」。

いや、映画はそこそこ面白かったんですけど
この2日間のダメージを払拭できるような映画が
この世に存在するとは思えないわけでして。


で、今日。
3連休最終日。
7回裏で、阪神は3-7で負けております。
お願いだから逆転してくれ・・・
今日阪神が負けたらほんとに・・・ほんとに・・・

あああああああああああああああああああああ






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by taku-nishikawa | 2007-04-30 18:27 | ノンセクション地獄 | Trackback(1) | Comments(7)
『野のユリ』(1963・米)

今日は懐かしい映画です。
シドニー・ポワチエが黒人で初めてオスカーを取った『野のユリ』。

お友達のM子さん(Mっ気が強いって意味じゃないですよ)から
ずいぶん前にDVDをお借りしまして
部屋の片隅でほこりかぶってたのを昨日たまたま発掘。
(すいませんすいませんにしかわはこういう男です
 物を大事にする人は私に物を貸してはいけません)
特に期待するでもなく、何となく仕事の合間に見てみました。


メキシコ(あるいはニューメキシコあたり?)の片田舎
ポワチエ扮する黒人の青年が車に乗って旅をしている。
ラジエーターの水を補給するため、尼僧たちの暮らす家へ立ち寄るが
彼女たちはポワチエを神の使いだと思い込み
彼に教会の建設を任せようとする。
最初は逃げようとするポワチエだったが
ヨーロッパからきたばかりで金もなく、英語も話せず
まわりからバカにされている修道女たちを放っておけず
変な意地も手伝って、独力で教会を建てようと決意するのだった。



見てみてびっくりしたんですが、この映画

『天使にラブソングを』のネタ元です。

お固い修道女たちの間にぽんと黒人が入って
ゴスペルを教えるというプロットが、まんまパクリ。
尼僧たちのキャラクター設定も、ほとんどそのまんまです。
(頑迷なババァ、陽気なデブ、お目々くりくりのちびっ子)

『天使に~』は妙に後を引く映画で
テレビでかかってるといつもついつい見ちゃうんですが
そーか、パクリだったのか。どーりで。
別に『天使に〜』を嫌いになった訳じゃないですが
この映画、オリジナルだけあって100倍よくできてます。


私がこの映画でいちばん感銘を受けたのは

いわゆる「いい人」が

1人も出てこないところ。

ドラマを作るには
完全な正義、完全な悪を設定しちゃうのが
いちばん楽な方法だとよく言われます。
勧善懲悪というやつですな。

しかし、世の中そんな単純じゃないでしょということで
「本当に悪いやつなんていない」ってパターンが出てきます。
どんな悪者にも、それなりの理由や理屈があるんだという。
(個人的にはこれを“山田太一セオリー”と呼んでます)
この仕組みで作られたドラマの世界には
いい人ばっかりが住んでいるわけです。

しかしこの『野のユリ』が見せてくれるのはさらに先の風景で

「本当にいい人だっていない」

という世界観なんですね。

世の中いい人ばっかりだったら、トラブルなんて起こりっこない。
だからこそ物事がうまくまわらず、人は悩むことになる。
そういうもつれにもつれた世界の中で
ごくたまに、人間の“いい部分”が連鎖して
好ましい結果を生み出すことがある。
それをこの映画では「奇跡」と呼ぶわけです。


この映画を監督したのはラルフ・ネルソンという人。
『アルジャーノンに花束を』の映画化『まごころを君に』があったり
遺作がマッドサイエンティスト大活躍の『エンブリヨ』だったりと
なかなか変わったフィルモグラフィーです。

『野のユリ』のラストではエンドマークの代わりに
「AMEN」の文字がどーんと。
基本的に宗教がかった人は苦手な私ですが
こんなキリスト者なら、友達になってもいいなぁ。


久々に手放しで楽しい映画でした。
M子さん、どうもありがとう。
DVDがまた埃をかぶる前に、早めに返送します。





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by taku-nishikawa | 2007-04-23 23:59 | ノンセクション地獄 | Trackback | Comments(2)
『クイーン』(2006・英)

チャールズ王子と離婚した後のダイアナは
イギリス王室にとって、まさに目の上のタンコブ。
新しい恋人とともに華やかな姿でマスコミに登場する元・息子の嫁を
エリザベス女王は冷ややかな目で眺めていた。
そんなさ中、当のダイアナが事故死。
国中がダイアナ追悼ブームで盛り上がる中
彼女の死を無視しようとするエリザベス。
王室へのバッシングが高まる中
国民と女王との板ばさみになって苦労するのは
当時首相になったばかりの若きトニー・ブレア。
親子ほど年の離れた女王と首相の間のビミョーな関係を
名匠スティーブン・フリアーズが見事な手際で描き出す。




この役でオスカーを獲った主演のヘレン・ミレン
イギリスではジュディ・デンチとためを張るくらいの大女優らしいですが
日本では名前言われても顔が浮かばない人が多いのではないかと。

かくいう私自身、きちんと思い出せるのは
『モスキート・コースト』のハリソン・フォード奥さん役くらい。
でもこの顔、よく知ってる気がするんだよなぁ・・・と思っていたんですが
フィルモグラフィー見て納得。

『第一容疑者』のおばはん

じゃないですか。

『第一容疑者』はBBC制作の人気シリーズで
ヘレン・ミレンは主役の女刑事(もっと偉かったかも)を演じています。
このドラマ、私はちゃんとは見ていないのですが
母親が好きだったので、10分くらいだけチラ見したことがあります。

1日の仕事が終わった後
おばはん刑事が部下の若い黒人を誘うシーンでした。
具体的なセリフは覚えていないのですが
ヘレン・ミレンの言い方がとにかくえげつなかった。

「私とイッパツやりなさい」

的な、欲望丸出し&パワハラ風味のアプローチなのです。

筋張った首して、煙草バカスカ喫う
性格最悪のおばあちゃんが
若い黒人のピチピチした肉体をあけすけに求めるという
ギラギラしすぎの構図。
このシーンだけで私はすっかりゲンナリしてしまい
黙ってテレビの前を立ち、自分の部屋に戻ったのを覚えています。
ま、母親に言わせると
そこらへんのギラギラ加減がこのドラマの味らしいんですが。


こういうヘレン・ミレンの
外見はめちゃめちゃ堅そうなんだけど
いったん薄皮を剥くと
どろどろしたものがとめどなく溢れてきそうな感じは
本作『クイーン』でもしっかり堪能することができます。

ブレアとエリザベス女王が一緒にいるシーンを見てると
なんか妙に、エロチックな気分になってくるんですな。

「巨乳義母・爛れた放課後」

みたいなサブタイトルが脳裏に浮かんで浮かんじゃって。
私同様マザコンのケがある男子は
きっともれなくヘレン女王にやられちゃうと思います。


この映画、テーマだけ聞くと
スキャンダラスな内容なのかと思っちゃいますが
実際はかなり地味で登場人物も少なく
よく練られた舞台劇を見てるような感じ。

10年に1本の変態映画のマスターピース
『パヒューム』を別格としますと
今年見た中では一番面白かったかなぁ。


ひときわ強くオススメです!






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by taku-nishikawa | 2007-04-18 20:56 | ノンセクション地獄 | Trackback(3) | Comments(4)
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