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漫画家Nのイラストと文章で綴る映画な日々

にしかわたく (漫画家)

マンガ家・イラストレーター。生まれて初めて劇場で見た映画は『グリズリー』と『テンタクルズ』の二本立て。
現実逃避のスピードを極限まで加速すればいつか現実を追い越せると信じ、今日もロスト・ハイウェイをひた走る36歳、デブ専。
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カテゴリ:お笑い地獄
  • 『キングピン ストライクへの道』(1996年・米)
    [ 2007-01-10 04:36 ]
  • 『ジャバウォッキー』(1978年・英)
    [ 2007-01-06 15:22 ]
  • 『デート・ウィズ・ドリュー』(2004年・米)
    [ 2006-12-28 15:37 ]
  • 『イカとクジラ』(2005年・米)
    [ 2006-12-25 13:11 ]
  • 『リトル・ミス・サンシャイン』(2006年・米)
    [ 2006-12-04 20:52 ]
  • 『ナチョ・リブレ 覆面の神様』(2006・米)
    [ 2006-11-06 16:59 ]
  • 『もしも昨日が選べたら』(2006・米)
    [ 2006-10-09 04:25 ]
  • 『40歳の童貞男』(2005・米)
    [ 2006-09-15 02:36 ]
  • 踊る!兄貴祭り!
    [ 2006-08-30 21:28 ]
  • 『ソドムの市』(2004年・日本)
    [ 2006-07-23 22:16 ]
『キングピン ストライクへの道』(1996年・米)

これもずっと見たかった、ファレリー兄弟初期の作品。


主人公は一度は将来を嘱望されたプロボウラー、ロイ(ウディ・ハレルソン)。
デビュー戦を華々しく優勝で飾った後
先輩のアーニー(ビル・マーレー)の口車に乗せられて
賭けボウリングで不良たちの怒りを買い、黄金の右腕を失ってしまいます。
後はもう

右手につけたゴム製の義手

のように冴えない、アルコール漬けの転落人生。
ふさふさだった金髪も

見る影もなくハゲちらかし

滞納した家賃代わりに

大家のババァにクンニを強制させられる

という、地獄のような日々を送っています。
そんなある日、立ち寄ったボウリング場で
金の卵イシュマエル(ランディ・クエイド)を発掘。
彼の実家のアーミッシュ村に乗り込み何とかスカウトに成功
娼婦・クラウディア(ヴァネッサ・エンジェル)と3人でタッグを組み
今では人気ボウラーになっている憎きアーニーと対決すべく
ラスベガスのボウリング大会に乗り込みます。



ファレリー兄弟の定番ギャグと言えば

禁断の障害者いじり。

どの映画でも「いくらなんでもそれは・・・」という
ギリギリの線を確信犯的に突いてきて
笑っていいのか怒っていいのか複雑な気分にさせられる訳ですが
この映画では、嫌って言うほど

義手ネタが炸裂します。

ロイがボウリングの球を投げると
義手が抜けて球と一緒に転がって行っちゃったりとか
よそ見をしながら大工仕事をしてたら
義手を柱に釘付けしてしまうとか
とにかく教育委員会に怒られそうなギャグしか出てきません。

しかしこの映画を見たらもっと怒りそうな人たちがいます。
それは

アーミッシュ。

『刑事ジョン・ブック』に出てきた
あの黒づくめの、文明を拒否して暮らしている人たちです。

つい最近、アーミッシュ村の子供たちが
牛乳配達人に惨殺されるという痛ましい事件がありましたが
殺された子供の親たちは、事件後程なくして

犯人を許すという声明を発表。

まさに「罪を憎んで人を憎まず」を地で行っている訳です。
良い悪いはともかく、凄まじい教えですよね。

この映画はさんざんアーミッシュをおちょくっている訳ですが
ファレリー兄弟はインタビューで

「アーミッシュの人たちは
 映画もテレビも見ないから大丈夫だよ」


と答えていたらしい。
うーん・・・まぁ確かに、そりゃそうなんだが。


主役の2人の存在感がどっしりしてるので
多少(つーか、かなり)遊んでも、落ち着いて見れるとこが
この映画のいいところですね。
特に悪役のビル・マーレイのはじけっぷりは
近年当たり続きの彼のキャリアの中でも、特筆ものだと思います。
ラストのボウリング大会決勝戦での

熱すぎるハゲバトル

は、見ていて涙を禁じえません。

ウディ・ハレルソンのしょぼくれっぷりも
代表作『ラリー・フリント』に勝るとも劣らない名演技。
私が一番好きだったシーンは
ロイがオープンカーを運転しながら
「俺ってみっともないかな・・・?」
と、自信なさげに隣のクラウディアに聞くシーン。
ハゲちらかした髪の毛が風ででろでろになって
どう贔屓目に見ても

海坊主にしか見えない状況

なのですが
クラウディアは指を自分の唾で濡らして、ロイの前髪を直してやり、一言。

「決まってるわよ」

ここは泣けました。

こんなことされたら、男は100人が100人


ぞっこんLOVE。


ポイントは唾です。
女性諸君、お試しあれ。
てゆーか、わしに唾を、唾をかけてくれ。





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by taku-nishikawa | 2007-01-10 04:36 | お笑い地獄 | Trackback | Comments(1)
『ジャバウォッキー』(1978年・英)

年明け1発目の映画は、仕事がらみで『ピンク・フラミンゴ』でした。
もう4回目か、5回目か・・・。
何度見ても薄れることのない下品さでありんす。

糞食とともに迎える2007年。

今年もいい年になることでありましょう。


さて、“年忘れカルト大会”の方はまだまだ続きます。
今日の映画は『ジャバウォッキー』
テリー・ギリアムの監督2作目であります。

私はサブカル好きを公言してるわりには基本がなってなくて
『モンティ・パイソン』を1回も見たことがありません。
なので人生初ギリアムは、偶然リアルタイムで劇場で見た『バンデットQ』。
以前も書きましたが
『未来世紀ブラジル』は当時高校生だった私にとって神のごとき映画でした。
しかし続く『フィッシャー・キング』や『12モンキーズ』は
落胆以外の何者でもなく(『バロン』は結構好き)
テリー・ギリアムという人に対する興味がだんだん失せてきて
自分の中ではもうずっと“過去の人”だったんですね。
それが昨年の『ローズ・イン・タイドランド』で一気に再燃。
そんで年末に行った新宿TSUTAYAでこの『ジャバウォッキー』を発見し
これは渡りに船と、借りてきました。


タイトルの“ジャバウォッキー”ってのは何かっていいますと

森に住んでる鳥のできそこないみたいな

人食い巨大怪獣。

私は全然知らなかったのですが、今回調べてみたら出典は

ルイス・キャロルでした。

『ARMS』の中でこの言葉が使われてたので、聞いたことだけはあったんですけど。
(この漫画のキャラクター名は、ほとんど『不思議の国のアリス』が出典)
『アリス』の中で読まれるナンセンス詩の題が『ジャバウォックの詩』なんですね。
インテリっぽく見えるように、ためしにちょっと引用してみましょうか。


  『我が息子よ、ジャバウォックに用心あれ!
   喰らいつく顎(あぎと)、引き掴む鈎爪!
   ジャブジャブ鳥にも心配るべし
   そして努(ゆめ)燻り狂えるバンダースナッチの傍に寄るべからず!』


                (Wikipedia“ジャバウオック”の項より)


・・・インテリ風なのはいいですが、漢字が読めません。
ま、要するにこの映画
中世が舞台の、化物退治のお話なんですね。


主人公のデニスは、樽職人の父親から勘当され
街に出てきたはいいものの、職にあぶれて食うや食わず。
時を同じくして、王様が国をあげた武術大会を開催。
(『ロック・ユー』に出てきたのと同じ競技です)
騎士同士を戦わせ、優勝した男にジャバウォッキーを退治させようとする。
すったもんだあったあげく、デニスは優勝した騎士の従者の地位におさまり
怪物と対決する羽目に。
偶然が偶然を呼び、ジャバウォッキーを退治したデニスは
褒美として国の半分と、お姫様を嫁にもらい、めでたしめでたし。



映画の感想を一言で言いますと次のようになります。

ギリアムは最初からギリアムだった。

・・・いや、正直そんなに期待してなかったんですよ。
巨匠の若き日の習作、くらいに思ってて。
それが・・・2作目にしてもう完璧なんですわ。
映画の隅々まで行き渡る諧謔精神と悪趣味。
脱線だらけのように見えて、まったく淀まない構成力。
凝りに凝った、緻密な映像世界。

まごうかたなき

ギリアムワールドがそこに!


いやー、面白かったぁ。満喫満喫。
天才パティシエ入魂のケーキを食べた感じです。
(例えがスノッブで申し訳なし)

とゆー訳で、次はどうしても75年の

『モンティ・パイソン・アンド・ホーリー・グレイル』

を見てみたい。
この映画は私のアイドル・伊集院光も昔から傑作だと言っており
どう考えても面白そうなのです。
しかし、なかなかこのビデオが見つからず・・・
東京在住の方で、レンタル屋で『ホーリー・グレイル』のビデオを見かけた方は
ご一報いただけると、大変ありがたいです。
金一封は無理ですが、金玉ぷーぷーして感謝いたします。


ぷーぷー。





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by taku-nishikawa | 2007-01-06 15:22 | お笑い地獄 | Trackback(3) | Comments(11)
『デート・ウィズ・ドリュー』(2004年・米)

クイズ番組の賞金で1100ドルを手に入れた男。
男はその金を溜まっている家賃の支払いにあてようとするが
突然、あるひらめきが天から舞い降りる。
この金を使って、長年の夢を実現できないだろうか?
家電チェーンの30日間クーリングオフ制度を悪用し
無料でビデオカメラを調達。
ひとりの男があらゆる手段を駆使して
夢を叶えるため奔走する姿を綴ったドキュメンタリー。

男が5歳の頃から夢見ていたのは

一度でいいから

ドリュー・バリモアとデートしてみたい

という
とてつもなく下らない望みであった・・・


『電波少年』に10年前から慣れ親しんでいた日本人の目から見ると
最近のアメリカのこういった肉弾系低俗ドキュメンタリーは
今ひとつ新鮮さに欠けるというのが正直なところです。
話題の『ジャッカス』なんかも内容の過激さは確かに凄まじいですが
(さすがに日本のテレビでは馬のザーメン一気飲みは放送できない)
企画としての新しさはまったく感じません。
『トゥルーマン・ショー』ももう8年も前の作品ですが
“究極のやらせ番組”を描いたあの映画を初めて見た時も
あまり驚きはなかったですもんね。
それは私たちがテレビで毎日のように
なすびだの坂本ちゃんだの鉄棒少女だのといった
“別の形のトゥルーマン”をすでに見ていたからなのだと思います。

とゆー訳で、多少色眼鏡をかけてこの映画を見た私ですが
こうやってうだうだ前置きをしたわりには

めちゃめちゃ楽しんでしまいました。

企画自体は前述のごとく特に真新しいものではないのですが
監督・主演のブライアンのキャラクターがどこか憎めず
観客は知らず知らず、拳を握り締めて彼を応援してしまいます。

ま、ここで私が何を言おうと

「だまされたと思って」系の映画

であることには変わりなく
正月休み、暇で暇でしょうがない人は
あまり期待せずに見に行くと、おいしい思いができると思います。


ちなみに私は高校生の頃、ほぼ毎日のように

宮沢りえとの脳内デート

に出かけておりました。

しかし、すべて望むがままの妄想であるにも関わらず
自分とサンタフェが仲良くしている様子がどうしても想像できず
いつも会話の少ない、気まずいデートに終わることがほとんど。
ベッドシーンなんかにはまったくたどり着けませんでした。
(ま、ベッド担当にはまた別の人材がいたということです・・・)

一般に、世の童貞くんたちは
エロ妄想したい放題のように語られることが多いですが

妄想ですら羽ばたけない自分がいる。

それもまた、童貞にとって
ひとつの原風景なのではないでしょうか・・・




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by taku-nishikawa | 2006-12-28 15:37 | お笑い地獄 | Trackback(4) | Comments(2)
『イカとクジラ』(2005年・米)

全米で絶賛されたインテリ家族の悲喜劇。
スティーブン・キングはこの作品を2005年のベスト1に選び

「こんな恐ろしい映画は見たことがない」

と評した。


徹夜明けだったにもかかわらず
この映画なら大丈夫かなーと思って見てきました。
全然眠くはならなかったですが
個人的に今年のベスト3に入るくらいの期待度で
ちょっとハードルが上がりすぎてたようです。
ま、にしかわ的には75点くらいですかね。
子供の描き方がどーも感傷的に過ぎる感じがして。
両親は良かったです。特にローラ・リニー。
誰一人賛成してくれないですが
やっぱこの人は小池栄子に似てると思います。
演技力は「タコちゅう」と「シロナガスクジラ」くらいの開きがありますが。
あ、あとテニスコーチ役のウィリアム・ボールドウィンが
ボンクラ丸出しで、いい味出してます。

これから見る人に変な先入観を持たせるのも嫌なので
今回は、この映画見て思い出した
子供時代の個人的な体験について書きたいと思います。
そういう意味では結構
いつも使ってないチャンネルを開いてくれる映画ではありました。


思い出1:

タイトルの由来にもなっているのですが、主人公の男の子は
ニューヨーク自然博物館に展示されている
大王イカとマッコウクジラのジオラマを見るのが怖い
という設定になっています。

私の場合、怖かったのは海亀
あれはどこの水族館だったのかなぁ…
かなり小さかったので覚えてないのですが、そこの水族館では
海亀がいっぱい泳いでいるプールを
高いところから見下ろす構造になっていたんですね。
海亀は人肉を食ったりしないということは頭ではわかってはいても
自分がプールに落ちる光景が頭に浮かんでどうしようもなく
持ち前の高所恐怖症も手伝い
プールの柵にすら近づけなかったのを覚えています。
あ、あと今思い出したけど
上野の科学博物館のらせん階段も怖かった。
らせんの中央にフーコーの振り子が吊ってあるやつ。


思い出2:

主人公の弟が、鼻の穴にカシューナッツを詰めて
取れなくなるというシーンがあります。

私の場合は、耳にピーナツでした。
指で取ろうとしたらどんどん奥まで入ってしまい
その時は恐ろしくて誰にも言えず

もう世界の終わりだと思いました。

3日後くらいに、風呂に入っていたときに
ふやけたピーナツがぽろっと出てきて、一件落着。


思い出3:

主人公(高校生)が
父親と一緒に『ブルー・ベルベット』を見に行くシーンがあります。
イザベラ・ロッセリーニが全裸で家に逃げ込んで来て
狂ったように叫びまくるカットが映ります。

私の場合は、唐十郎の映画でした。
タイトルは覚えてないのですが
中学に上がるか上がらないかくらいの頃
両親に連れられて、名画座で見ました。
殿山泰司が、股を広げた女子高生のスカートの中に顔を突っ込んで
「きれいじゃぁ…きれいじゃぁ…」とエロ感動するシーンは
きっと死ぬまで忘れません。

そういう方面にはかなり無頓着なうちの両親でも
さすがに気まずかったらしく
「なぁ、もう帰ろうか…」
と何度も言ってきましたが
なぜか私は頑として譲らず、最後までしっかり見ました。
エロが見たかったからと言うより

エロなんかに負けるか

という意地だったのだと思います。


…えー、という訳で『イカとクジラ』絶賛公開中!

たまには素朴な作文もいいもんですね。
何の役にも立ちゃしませんが…





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by taku-nishikawa | 2006-12-25 13:11 | お笑い地獄 | Trackback(5) | Comments(2)
『リトル・ミス・サンシャイン』(2006年・米)

今日は珍しく試写に行ってきましたよぉ。
東京国際映画祭で話題になった『リトル・ミス・サンシャイン』。

いやー笑った笑った。

物語の中心になるのが、とにかく

ウンコみたいな一家

なんですよ。

父: “成功のための9ステップス”が口癖の自己啓発オタク。
   病的に前向きな糞アメリカ人

祖父:ヘロイン決めて老人ホームを追い出された
   口を開けば放送禁止用語の色ボケ糞ジジィ

叔父:失恋のせいで自殺未遂をした元大学教授。
   プルースト好きの糞ホモ男

長男:ニーチェにかぶれて沈黙の誓いを立て
   自分以外の人間は全部バカだと思っている
   糞ティーンエイジャー

長女:身の程をわきまえずにミス・アメリカを夢見る。
   幼児体系というより肥満児だよ糞ガキ


唯一まともなのはトニ・コレット演じる母親だけ。
あ、でもこのお母さん、料理が・・・

毎晩フライドチキン。

この

5個半のウンコ(1人子供だからね)

を満載して
フォルクスワーゲンのミニバスが遠路カリフォルニアに向けて疾走
(…というほどスピードは出ず、エンジンは押しがけじゃないとかからない)
するロードムービー。

長男が思いっきり死んだ魚の目をしてて
絶妙な味を出してるんですが
どっかで見たことあるなぁと思ったら
『ガール・ネクスト・ドア』隠れ巨根の子をやっていた
ポール・ダノでした。この子はこれから人気出そう。

『40歳の童貞男』のスティーブ・カレルも
今回は自殺傾向のあるゲイ中年を好演、笑かしてくれます。

その他、めちゃめちゃ端役ですが
『24』のクロエも出てるので
ファンの人(私の友人の間では彼女がダントツ人気)は要チェック。


ちょっと展開が雑に見えるところもなくはないですが
最後までテンションを落とさず走り抜け
ラストでは

ウンコたちなりの筋を通すピュアっぷり

を見せつけ、観客の胸を熱くしてくれます。
まさに

カレー味のウンコ的1本。


12月23日公開。
今年のお正月映画はラインナップしょぼいので
これを見逃す手はないでしょう。
かなりオススメです!




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by taku-nishikawa | 2006-12-04 20:52 | お笑い地獄 | Trackback(2) | Comments(3)
『ナチョ・リブレ 覆面の神様』(2006・米)

・・・えーと。
すっかりご無沙汰しておりますにしかわです。
何か言い訳が必要ですよね、やはり。

実は持病の離魂病が悪化しまして
1週間ばかり半透明の姿でカトマンズ上空をふわりふわりと・・・
3日目あたりでモスマンさんとばったり会いまして意気投合。

モスマンさんの予言によれば
来年は新庄が引退撤回して阪神に復帰。
4割50本打ってチームを優勝に導くそうですよ。


やったね!


・・・さて空しい言い訳が済んだところで映画の話。
更新さぼってる間にDVDとビデオを20本以上見倒しまして
ご紹介したい超傑作が何本もあるのですが
まずは公開中の作品が先だろうということで
今日のところは『ナチョ・リブレ』。

『バス男』で一躍時代の寵児となったジャレッド・ヘスと
唄って踊れるメタボリックこと
ジャック・ブラックの初顔合わせということで
いやが上にもテンションは上がります。

舞台はメキシコ。
主人公ナチョは修道院の料理番をしているが
お金がなくて、孤児たちにまともな料理を作ってあげることが出来ない。
賞金のかかったプロレス大会のポスターを見かけたナチョは
野人同様の暮らしをしている変人スティーブンとタッグを組み
謎のマスクマン「ナチョ・リブレ」として
孤児たちのために立ち上がるのであった・・・

孤児にプロレス、と聞きますと
我々日本人はついつい
「タイガーマスクのパクりじゃん?」
と思ってしまう訳ですが
この話、メキシコに実際にいた伝説的ルチャドール
フライ・トルメンタ(暴風神父)の実話が元になっております。
(時間的な前後関係は定かではありませんが
逆に梶原一騎がこのネタを参考にした可能性もあります)
エル・サント(聖人)という有名なマスクマンもいましたが
カトリックとプロレスって、案外相性がいいのかも。

事前に試写を見た人のレビューを何本か読んでおりまして
そのほとんどが「微妙」という評価だったこともあり
恐る恐る見に行ったというのが正直なところなのですが

いやーん、超楽しいじゃない。

オーバーアクションが売りのジャック・ブラックと
ジャレッド・ヘスの脱力系の笑いとの相性が一番の心配であったのですが
そこらへんは正直、かなりハズしてまして

ほとんどすべてのギャグがすべってます。

しかし何と言うか、ここまでことごとくすべってくれると


逆に清々しい。


それに加えて、メキシコという舞台が大変魅力的に描かれています。
撮影にメキシコ人を使ったのが当たりでしたね。
『夜になる前に』『21グラム』を手がけたハビエル・ペレス・グロベット。
映画全体にトウモロコシの粉をふりかけたような黄色がかった色彩で
ハリウッド映画にありがちな嫌味なとんがった感じが微塵もしません。

私は旅行の中継地として何度か立ち寄った程度ですが
メキシコ人って、基本的にすごく恥ずかしがりやなんですよね。
同じラテンの国でも、キューバとは正反対。
『バス男』でもメキシコ移民のペドロ君が非常にいい味を出してましたが
今回も無表情でとぼけた顔をしたメキシコ人たちが大挙出演。
ジャック・ブラックが熱演すればするほど
彼らとの対比が際立っていい感じ。

さらにさらに特筆すべきは

全てのルチャ・リブレシーンが

めちゃくちゃ面白い!

ジャック・ブラック独特の体の動きも笑えますし
出てくる敵ルチャドールたちもことごとくキャラが立ってて最高。
これらの試合のシーンのテンポ感を陰で支えているのが

天才音楽家ダニー・エルフマン。

ティム・バートンとのコラボレーションはあまりにも有名ですが
彼の音楽性の引き出しの多さがここまで生かされた作品はそう多くありません。

サントラは即買いでしょう!

(劇場には売ってなかったの・・・ぐすん)


とゆー訳で、ワタシ的には大満足の1本でした。





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by taku-nishikawa | 2006-11-06 16:59 | お笑い地獄 | Trackback(3) | Comments(5)
『もしも昨日が選べたら』(2006・米)

ラジー賞の常連アダム・サンドラーが
性懲りもなく80年代ミーハーロックに乗せて送る
(『ウェディング・シンガー』のビリー・アイドルよろしく今回も本物が登場)
ハートウォーミング・コメディー・ファンタジー。

仕事にかまけて家族をないがしろにするジコチュー男。
そんないつもにも増してダメなサンドラーの前に
ドラえもんと死神を2で割ったようなクリストファー・ウォーケンが現れ
さんざん振り回したあげく、平凡な日常の大切さを思い知らせる。

『クリスマス・キャロル』以降
何度も語られ尽くした新鮮味のないストーリーに
今ひとつピリッとしない脚本。

にも関わらず、不覚にも泣いてしまったのは

ここ数日の私の暮らしぶり

が大きく影響しているわけで・・・


前回のブログをアップした木曜の夜あたりから
猛烈に鬱っぽくなってきまして
なんだかもう何もやる気が起きず
とりあえず行きつけのレンタル屋からDVDを限度数(10枚)借りてきて
起きてる間、ひたすら映画を見続ける生活に入りました。

それはもう、ひどい有様。

私はもともと

ストレスが食べ物に直結するタイプでして

ドミノの宅配ピザ(Lサイズ)一気喰い
口直しにガリガリ君
お腹がすくと今度はケンタッキーフライドチキンを買ってきて
10ピースを半日で喰い終わり
またガリガリ君
翌日の昼、またドミノピザへ電話
おやつにガリガリ君
夕御飯はコンビニの唐揚げ弁当にアメリカンドッグ2本
デザートにガリガリ君
夜食にあんかけ焼きそばとチキンカツサンド
起き抜けにガリガリ君

・・・みたいな

スーパーサイズミー生活

を2日半、ほとんど布団から出ずに続けました。
もちろんその間ずっと映画を見てた訳で
『オープン・ウォーター』『ホテル・ルワンダ』『変態村』と
体にも心にも悪い映画が3本続いた時は

マジで首吊ろうかと思いました。

・・・で今日の昼、友人が私のアパートへやってきまして
油だらけの手にテレビのリモコンを握りしめ
頭から布団をかぶってぶるぶる震えている私を発見。

彼は深いため息をついた後
廃人同然の私を風呂に入れ、無精髭を剃らせ
ゴミ溜めと化した部屋を片付けた上に
溜まった洗濯物を済ませ
熱いコーヒーを煎れて私に一息つかせた後、外へ連れ出し
隣町の、無口なおじさんが一人でやっている
こじんまりしたフレンチ・レストランで夕食を共にしました。
久々に口にした、まともに血の通った食べ物に
思わず涙がこぼれそうになる私。

彼は一切言葉にはしませんでしたが
言いたいことは痛いほど伝わってきました。

世の中には人間らしい生活と、人間らしくない生活

人間らしい食事と、人間らしくない食事がある、と。

毎日きちんとした食事を摂るということはすなわち
1日1日を大事にすることと同義なのだ、と。
人生の細部をないがしろにする人間は
ゆくゆくは人生全体を損なう結果になる、と。

照れくさくて何も言えませんでしたが
日が暮れた街の中へ消えていく友人の後ろ姿を
感謝の気持ちでいっぱいになりながら見送りました。


でその後、一人になってレイトショーで見たのがこの映画。

いやー、しみました・・・

最初の部分でちょっと酷評気味に書きましたが
この映画を好きになる人はたくさんいると思います。
(批評家には一切無視されそうだけど)
ぜひともスクリーンで、とは言いませんが
恋人と2人でDVDで見たら最高でしょう。
(まだちょっと脳がおかしい)

・・・あ、言い忘れてました。
この映画の中で、世にも珍しい


犬の3P


が見れます!





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by taku-nishikawa | 2006-10-09 04:25 | お笑い地獄 | Trackback(5) | Comments(8)
『40歳の童貞男』(2005・米)

みうらじゅん、安斎肇、杉作J太郎ら

錚々たる童貞界のカリスマたち

がこぞって大絶賛のこの映画
はるばる豊島園まで見に行ってまいりました。

この日はレディースデーだったこともあり、場内の約9割が女性。
チケットカウンターで、この女の人たちの口から

「40歳の童貞男ください」

という言葉が放たれたのかと思うだけで
ほんのり幸せな気分になる私。
「なんなら詰め合わせにしましょうか?」とでも返したくなります。


映画の内容は読んで字のごとく。
40歳の童貞男の奇妙な生態と
彼をどうにかして卒業させようとする友人達の奮闘ぶりが描かれます。

生態その1
女性は神聖な存在だと思っている。

生態その2
自動車免許はなく、自転車に乗る。

生態その3
フィギアのコレクションは決して箱から出さない。

生態その4
オナニーは基本的に嫌いだが、どうしようもなくなったときは部屋に蝋燭を灯し、ライオネル・リッチーの「Hello」をBGMにやる。


テーマがテーマだけに、2時間ぶっつづけで下ネタが続くのですが
『メリーに首ったけ』のように見てて憂鬱になるような病的な感じは皆無。
デートで見に行ってもまったく問題ない

下ネタ版寅さんといった趣。

まわりの女性客もさほど抵抗がなさそうで、すんなり盛り上がってました。

往年の『ポーキーズ』におたく的小ネタを詰め込んで
ウェルメイドにしたような仕上がり。
バカ映画というよりは、良質なコメディという感じでした。


私も大変満足して劇場を後にしたのですが

童貞と非童貞の間について

帰り道、何か考え込んじゃいましてね・・・

映画のクライマックスで主人公はようやく恋人と結ばれ

IQ=20レベルの低脳グランドフィナーレ

でめでたしめでたしと幕を閉じるのですが
現実の世界では
童貞を捨てることで解決する事なんて、ほんのわずかで
性の悩みというのは多かれ少なかれ、一生続くものなのではないかと。

かくいう私も
1週間に1度は

彼女がいたらなぁ・・・

と思いますし
2週間に1度は

もうちょっとちんこが大きかったらなぁ・・・

と思いますし
1ヶ月に1度は

いっそせっくすの存在しない世界に

行ってしまいたい・・・

とか思い詰めちゃったりする訳なんですよ。

今の自分には、童貞だった頃に比べて
強くなった面(その多くは鈍感になっただけ)ももちろんありますが
性に関しては、相変わらず過敏でぶきっちょで脆い方です。

結局のところ
みうらじゅん先生や伊集院光先生がいみじくもおっしゃっているように

男の心の中には

死ぬまで童貞の自分が存在し続ける

ということなのだと思います・・・






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by taku-nishikawa | 2006-09-15 02:36 | お笑い地獄 | Trackback(3) | Comments(9)
踊る!兄貴祭り!

『ムトゥ 踊るマハラジャ』から8年
ついに俺たちの兄貴が帰ってきた〜!

あの名作を見てない方、まさかいらっしゃいませんよね・・・
もし見てないとしたら


あなたは確実に


人生を損してます。


もはや伝説となった、渋谷シネマライズでの単館大ヒット。
怖いもの見たさで劇場に詰めかけた有象無象を待っていたのは

人生初の娯楽の極地。

踊る!唄う!怒る!殴る!蹴る!笑う!勃つ!
カレー臭漂う場内(カレーパン売ってました)を吹き抜けるインド映画の熱風。
世界一の映画大国が魅せる奇跡の連続に
狂気乱舞する観客たち。
私も長いこと映画館通いを続けてますが
あんなにライブ感溢れる映画体験は後にも先にもありません。
はっきり言って、この映画がなかったら

今の私はなかった。

(今の私、ってただの売れない漫画家ですけどね・・・)


そして今年、あのヒゲのナイスガイ
スーパースター・ラジニカーントの新作が久しぶりにやってきました。
(OFF期間はヒマラヤで修行してたらしい・・・)

『チャンドラムキ

 踊るアメリカ帰りのゴーストバスター』

(2005・インド)

この新作の公開に合わせて、渋谷イメージフォーラムでは旧作4本を一挙上映。
男気溢れる晩夏の必見イベント、その名も・・・


踊る!兄貴祭り!



さて、この『チャンドラムキ』なんですけど
ラジニカーント(以下ラジニ)はアメリカ帰りの精神科医という設定。
悪霊に取り憑かれた親友の妻を除霊するというストーリーなんですけれども
そこはインド映画

本筋とはまったく関係ない

ミュージカルシーンてんこもり。

アクションの方もしっかり進化してまして
『マトリックス』ばりのCGとワイヤーアクションを導入しているんですが

むしろ脱力度を上げる方向に働いています。

さんざん脱線した挙げ句、ラストでエクソシスト登場と相なるのですが
ラジニの考案した脱糞ものの超絶トリック(うう・・・言いたい・・・)
により、大団円。

どーでもいいことですが

こんな精神科医が実在するなら

オイラ首吊ってもいいです。

3時間に迫ろうという上映時間もお約束。
相変わらずの圧倒的なパワーに

精も根も尽き果てました・・・




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by taku-nishikawa | 2006-08-30 21:28 | お笑い地獄 | Trackback | Comments(0)
『ソドムの市』(2004年・日本)

矢口真里主演の淫夢

とともに目覚める、37歳の誕生日。
今年もろくな事がないであろう
という確信を抱かせるに充分な内容でした。
元モー娘では辻ちゃんについで二人目であります。
しかし、よりによってなぜ矢口なのか。
『やぐちひとり』は確かに好感度高いのだけれども。
しかしあれですね、芸能人って因果な商売ですね。
ノーギャラで素人の淫夢に出演させられて
好き勝手やられちゃうわけですからね。
もしほんとの映画で矢口が脱ぐとなれば、ギャラいくらになるんでしょうか。
ちなみに夢の中の矢口はシトラスミントの香りがして
鎖骨のちょっと下あたりに吹き出物が・・・(以下自粛)


さて、変な映画を見ました。
パゾリーニの遺作と同名の『ソドムの市』。
本家の方も凄まじい作品らしい(私は未見)です。

監督は高橋洋。
『女優霊』『リング』『呪怨』の脚本を始め
ここ10年に日本で作られたほとんどのホラー映画に携わり
この人がいなければ現在のジャパニーズ・ホラーの隆盛はなかったと言い切れる
国民栄誉賞モノの才人であります。
が、実はこの人には裏の顔が。
『発狂する唇』『血を吸う宇宙』という
いわゆる‘発狂シリーズ’の脚本も書いているのです。
この2本をご覧になった方はわかると思いますが
生きていることが心底めんどくさくなるような脱力映画です。
‘ホラーの父’と‘真性バカ’
どちらがこの人の素の姿なのか・・・
満を持して撮られた初監督作『ソドムの市』を見れば、答えは自ずから明らかに。

間違いなく後者です。

まずタイトルの由来で脱力。
主人公の名は、俎渡海市郎(そどむいちろう)。
親の因果が子に祟り、
300年前に先祖が行った非道が原因で、盲目になってしまいます。
同時に、勝新ばりの仕込み杖の達人に。
はい、‘ソドムの市’のできあがり・・・

世界滅亡をたくらむソドムの市は
マッドサイエンティスト・ドクトル松村を味方に引き入れ
首のツボに針を打ち込むことによって人間を意のままに操る
ニードル・ガン(銀玉鉄砲を流用)
超破壊戦車(フツーのセダンの天井にハリボテの大砲が)
町工場に依頼して作り上げたB25(画面上では明らかにプラモデル)
といった超絶的科学力によって、世界を混沌へと陥れる。
対するは、やはり前世からの因縁を持つテレーズ(もちろん日本人)。
マシンガン並みに連射が効く謎の拳銃を操る凄腕女刑事。
二人の運命の対決は、全世界を巻き込み
血で血を洗う全面戦争へと発展してゆく・・・
というお話を

AV並みの予算で撮っちゃってます・・・

その上、全編に渡って所狭しと散りばめられた無重力系ギャグが
あなたの心を氷河期へと誘います。
ここまで腰の入ったバカ映画は、そうあるもんじゃありません。

とりあえず、この一言だけは言わせて下さい。


見ずに後悔するより


見て後悔しろ!



余談ですが、最近更新が滞っているのは
とうとう読み始めてしまった
スティーブン・キング『暗黒の塔』シリーズのせいです。
えーん・・・止まらないよぉ・・・



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by taku-nishikawa | 2006-07-23 22:16 | お笑い地獄 | Trackback(1) | Comments(5)
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