マサチューセッツ州の小さな町ノーサンプトンで
高齢者向け公営住宅の住人によって結成された
コーラスグループ「ヤング@ハート」。
撮影当時、メンバーの年齢は75歳から93歳。
ロックやパンクを中心とした超攻撃的なレパートリーが話題になり
海外公演を行うまでの成功を収めている。
本編は、彼らが新しいショーを作っていく過程を
7週間にわたって追ったドキュメンタリーである。埼玉奥地のレイトショー、観客は2人だけ。
見知らぬ相方は、ねずみ色のパーカーにニット帽のお兄ちゃん。
靴下を脱ぎ、前の席に足をのっけて
持ち込みが禁止されてるネクターを飲むお行儀の悪い私。
映画が進むうちに脳裏に浮かんできたのは
なぜか
漫画『スラムダンク』。あの漫画があそこまで感動的なのは
コートに立っている選手たち一人一人の気持ちを
それこそ相手チームの控え選手に至るまで
丁寧に丁寧に掬い上げてくれるから。
そして、そのことを通して読者に伝わってくるのは
この子たちは
本当にバスケが好きなんだとゆー、疑う余地のない実感。
「人は歳を取ると子供に帰る」と申しますが
私たちがこの映画で目撃することになるのは
“ボケる”とか“丸くなる”とか
そーゆーのとはまったくの逆ベクトルの
自分の欲望に忠実な老人たち。したいことをする。
したくないことはしない。
自分にとって、明日という日があるかどうかわからない
死が本当に身近なものとして感じられる状況で
(実際、撮影中に数人のメンバーが亡くなっていく)
彼らは「歌」を選んだのです。
漫画史に残る、ミッチーの名ゼリフ
「安西先生…バスケがしたいです…」この映画に出てくる老人たちは、一人の例外もなく
あのときのミッチーと同じテンションで、歌に取り組んでいるのです。
心を打たない訳がない。前日に発作を起こし緊急入院
医者にも家族にも止められる中
それこそ這うようにしてリハーサルに出てくる老人。
ここで思い出すのは
山王戦で、背中を痛めた桜木花道が
「オヤジの栄光時代はいつだ?全日本のときか?
オレは…オレは今なんだよ!」
と出場を懇願するシーン。
涙が出ない訳がない。中盤、刑務所慰問コンサートで歌われる
前夜に亡くなったメンバーに捧げられた一曲
ボブ・ディランの『フォーエバー・ヤング』。
May God bless and keep you always,神様がいつもあなたを祝福し、守ってくれますように
May your wishies all come true,あなたの願いが、みんな本当になりますように
May you allways do for othersあなたがいつも人のためにやってきたこと
And let others do for you.そして人があなたのためにしてきたこと
May you build a ladder to the stars星に向かって掛けた梯子を
And climb on every rung,あなたがちゃんと登っていけますように
May you stay forever young,あなたがいつまでも若くいられますように
Forever young,forever youngいつまでも若く いつまでも若く
May you stay forever young.あなたがいつまでも若くいられますように
これを聴いてる受刑者たちの表情が
うまく言えませんが、凄まじい。
それぞれどんな犯罪を犯した人間なのかはわかりませんが
詩と曲が彼ら一人一人の奥深くまで沁み込んでいくのが
表情から手に取るようにわかります。
まぁそれを見ている私の顔も
涙でぐちゃぐちゃで凄いことになってた訳ですが。
最近、精神的にめっきり老け込んで
クラシックばっかり聴いてる自分に喝。
真にロックな1本でした…。ブログランキング〜
↓『ボーイズ・オン・ザ・ラン』の最終巻、ジョナサンで読みながら号泣。
