
ユニフォームを着ると股間の部分が非常にアレな
モリマン水原勇気(木之内みどり)
が、協約を完全無視してプロ野球入り。
七色の魔球“ドリームボール”で
並み居る強打者をバッタバッタと三振に斬ってゆく、野球ファンタジー。
水島新司原作と言えばまず思い出すのは
“知能指数ゼロメートル地帯”の称号を授かった
鈴木則文監督の伝説の映画『ドカベン』。
存在自体が奇跡のようなこの野球…ではなく柔道映画を
「天に愛された作品」とするならば
もうひとつの水島先生の代表作『野球狂の詩』の実写版は
「人間愛の溢れる労作」と呼んであげたい。
本当にプロ野球を愛する人たちが作った
そして
愛しすぎたがゆえにバカ映画になってしまった実に人間臭い(おじいちゃんの口、くさ~い)1本なのであります。
お話は東京メッツの超ベテラン投手、岩田鉄五郎の引退試合で幕を開けます。
このオッサン、なんと御年53歳。
演じるは怪優といえばこの人、小池朝雄。
ただでさえ悪い血色が、老けメイクでさらに物凄いことになっており
ハトの糞だらけの銅像みたいな顔色をしています。
球もフォームも年相応にへろへろ。
これはおそらく野球映画史上初だと思いますが
「飛んでいるボールにトンボが止まる」という
マトリックスばりのVFXが拝めます。
どんなに打たれても引退試合だから交代はなしという訳で
結果は53対10でメッツの負け。(アメフトか!)
しかも試合後には引退撤回してブーイング浴びまくり。
男・岩田鉄五郎、勝負にこそ敗れましたが
688球を投げ抜く異常な鉄腕を見せつけました!
…タイトル前ですでにこの濃さですからね。
もうおなかいっぱいですよ。現役時代のノムさんが水原勇気相手に三振するシーンや
『ドカベン』に続き
限りなく産業廃棄物テイストなヒゲ面を披露する水島大先生
球団の寮でセクハラの限りを受けまくる木之内みどりなど
全篇みどころたっぷりなのですが…
この映画、根本的な欠陥が。怪我で若くして引退を決めた選手や
長年親しんだ球団からトレードに出されたベテラン捕手など
プロ野球の厳しさと選手たちの心の機微をえらく丁寧に撮っていて
素朴な語り口でなかなか泣かせるんです。
もしかして凄ぇ傑作かも・・・と感心していたら
人間ドラマ描きすぎて、案の定時間が足りなくなって
肝心のドリームボールが
完成しないでやんの!たぶん続編作るつもりだったんでしょうけど
これ以降の日活は経営傾きまくりでそれどころじゃなかった訳で。
『20世紀少年』なんて糞つまんない映画を3本も作るんだったら
思い切って残りの2本やめちゃって、かわりにコレの続きを作って下さい!
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↓小室の最高傑作は「愛しさと切なさと心強さと」だと思う。
