エキサイトイズム エキサイト(シンプル版) | エキサイトイズム | サイトマップ
<   2015年 08月 ( 8 )   > この月の画像一覧
なぞの広告 種明かし編
一つ前の記事「なぞの広告」の正体が明かされました。

マインツの Verlag Hermann Schmidt 社から出版された『Do it, with love – 100 Creative Essentials』のキャンペーンでした。スイスADCの会長 Frank Bodin さんが選んだ、クリエイターの背中を押してくれるような100の言葉が詰まっている本です。

e0175918_4403110.png


Verlag Hermann Schmidt 社のサイト では他のページものぞいてみることができます。このサイトの目次も本文も Akko で組まれています。

この『Do it, with love』はスイスではすでに発売されていて、ドイツでは9月28日からの販売だそうです。
by type_director | 2015-08-26 21:37 | 小林章の欧文書体 | Comments(0)
なぞの広告
スイスのチューリヒで、なぞの「広告」が展開されて話題になっています。こちら

リンクの記事の最初の広告、こんな意味になります。
「ベラベラ(意味のないおしゃべり)よりも、あぁ(納得)を。」

こんなのも。
「No creativity, no future.(創造力なくして未来なし。)」

この「広告」を誰が出しているのか、わかりません。「広告」の一番上に小さい字で「創造性の基本 10/100」とか書いてある。それから推察すると、100種類のコピーがあるのかな。

私の書体 Akko (アッコ)の一番太いウェイト Black が使われているので、マインツの出版社の社長さんがメールで教えてくださいました。

これらのメッセージが何を意味するのか、謎解きがされるのは、きょうあたりらしいです。
by type_director | 2015-08-26 06:29 | 小林章の欧文書体 | Comments(0)
TypeTalks 第31回は和文組版について
TypeTalks 第31回のテーマは「デザイナーのみなさん、自信を持って和文を組んでいますか? デザイナー、組版者、編集者による和文組版ディスカッション」です。

9月12日(土)、東京の青山ブックセンターで開催します。

最近見かける書籍や雑誌、パンフレットなどの日本語の本文組版について、経験豊富なグラフィックデザイナー、組版者、編集者がそれぞれの立場から意見交換していきます。

詳細とお申し込みは こちら

(8月21日追記:すでに満席になりました。ありがとうございます!)
by type_director | 2015-08-19 12:13 | お知らせ | Comments(0)
デンバーの本屋さんで
自分のつくった書体、ホテルのそばの本屋さんでちょっと探したらあった。一つ前の記事の ITC Anna もそうですが、アメリカではアールデコっぽい文字をいまでもよく見るんですよ。
e0175918_9373477.jpg


私のつくった ITC Luna (ルナ)です。この本の上のタイトル部分では傾けて使っています。
by type_director | 2015-08-16 09:34 | 小林章の欧文書体 | Comments(0)
デンバーの町の文字
デンバーの町は、ホテルの周りをざっと見たところ Futura (フツラ)率高めです。

e0175918_933650.jpg
e0175918_934165.jpg

e0175918_934838.jpg


ゆっくり歩いてデンバーのユニオン駅へ。
e0175918_945386.jpg
e0175918_95178.jpg


駅の中のサインも Amtrak の鉄道車両の番号も Frutiger (フルティガー)ですねー。
e0175918_9192821.jpg


駅の前の通りには、通りの名前が埋め込まれていますが、なくなってしまった字も。
e0175918_917060.jpg
e0175918_9212973.jpg


アールデコっぽい字も。 ITC Anna (アナ)です。
e0175918_929386.jpg

by type_director | 2015-08-16 08:53 | Comments(0)
デンバーの消防博物館
アメリカのコロラド州デンバーからの更新です。
e0175918_8391068.jpg


TypeCon(タイプコン)というコンファレンスに参加しています。初日は、6月に亡くなられたツァップさんに捧げるスピーチをしました。

とうぜん、町も見たいので、ふらっと外に飛び出したらけっこう暑かった。ニュースによると36度あったそうで、記録的猛暑日だといってました。

その猛暑の中、3ブロックほど歩いて行ったのがデンバー消防博物館。
e0175918_8425942.jpg


こういう博物館は昔のレタリングが残っていることが多いので、それを見ようと目星を付けておいたんです。
e0175918_8441662.jpg


これなんか良いですよ。
e0175918_8453369.jpg
e0175918_8452486.jpg

これを書いた人と思われるサインが小さく書かれてました。

他にも、消防署の建物に取り付けられていたと思われるいろんなレタリングが。
e0175918_8465231.jpg
e0175918_8472879.jpg

e0175918_8501336.jpg


消防博物館の昔の看板まで飾ってありました。
e0175918_8475739.jpg

by type_director | 2015-08-16 08:35 | Comments(2)
TypeTalks分科会 欧文組版のABC 中級編
質の高い欧文活字印刷で知られる嘉瑞工房の髙岡昌生さんからもっと深く教わるチャンス!
基礎編受講者限定だそうです。

募集は8月17日から。詳細は こちら
by type_director | 2015-08-12 19:39 | お知らせ | Comments(0)
珍しい形の Baskerville 補足説明
前の記事で、V や W をライノタイプ用に「右下があまり空かないデザインにしたんでしょう」と書きました。それについてはちょっと説明が必要だと感じたので書きます。

前のブログの本文ページはライノタイプ自動鋳造植字機で組まれたと思われます。ライノタイプ自動鋳造植字機というのはこれです。以下の三枚の写真は『Linotype Instruktionsbuch(ライノタイプ取扱説明書)』からです。
e0175918_20114314.jpg
大人の背よりも高いです。下の方にキーボードが見えます。この前に普通は椅子があり、入力する人は座って作業します。

キーボードで入力した文書データをその場で活字の行単位で鋳込むもので、19世紀終わりに発明されて新聞や雑誌、書籍の組版の効率化を可能にした機械です。でも、その鋳造植字機にはいろんな制約がありました。

詳しい説明は省いて、入力された文章どおりに複数の母型が機械の上から下りてきて、並んで一行に鋳込まれた状態の活字がこれです。活字の母型が一行に並んでから溶けた鉛合金を流し込むので、一本一本バラバラにはなりません。
e0175918_20115144.jpg


その母型というのが、こんな真鍮の板です。この真鍮板の厚みが字の幅になります。W だと厚い板、I だと薄い板になります。図の5番のところ、板の横が凹んだ状態になって、この溝に合金が流し込まれます。
e0175918_20115953.jpg

ここでは上下に字の彫られている部分があり、A の字のレギュラーとボールド2ウェイトの母型をかねています。この対になった母型を使うと、入力している途中でボールドに切り替えることができます。合金が流し込まれる部分は一行なので、レギュラーの文章にボールドの単語が入る場合、その単語の部分だけ母型をレギュラーからボールドの位置にスライドさせて一行を組み、組み上がった後で合金を流し込んで鋳込むわけです。

板の厚みイコール字幅なので、このレギュラーとボールド二種類のウェイトは字幅が共通ということになります。

これがレギュラーとイタリックが対になった母型もあり、それだとイタリックはレギュラーと同じ幅になります。しかも、母型は斜めにならないし隣にはみ出すことができないので、四角の中にむりやりデザインすることになります。これがデザイン的な制約で、Baskerville のレギュラーとイタリックを例にとるとこうなります。字の周り、ここまでがその字の母型の幅だったんだろうと見当を付けて白い線を引きました。
e0175918_401352.jpg


K のむりやりな感じや、N で右下の空きを埋めようとしているところや、下の写真のイタリックの小文字の f もデザイン的に苦しい。

e0175918_203346.jpg


これがライノタイプ活字の特徴です。機構の説明はだいぶ省略しましたが、活字のデザインが難しかったことと、イタリック体で右下のアキをなるべく埋めようとしていたことが伝わればいいかなと思います。

でも、ライノタイプだと絶対 V や W がこうなるというわけでなく、右下が空いてもいいから普通の形の V や W が欲しい場合にはそういう母型もありました。さらに、右下が大きく空かなくてすむように、次に来る字を「Va」「Wa」など一つの母型にして用意もしてありました。
by type_director | 2015-08-11 12:10 | 金属活字 | Comments(1)