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看板屋さんの言うことをきこう
日本にいる人なら一度は考えたことがある、トラックの側面の文字はどちらから始まるのがいいのか問題。
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この写真のように進行方向から始まるのを時々見かけるし、それで案外読めると思っていたけど、だから何でもこっちから始めて大丈夫なわけではないらしい。

上の写真は、漢字の社名で、字間を開けている。だからまあまあ読める。こないだいっしょにワークショップを開いた看板屋のサインズシュウさんの この記事 によると、トラックの進行方向から書くのは、「漢字の社名だけの場合で 文字間を結構あけるときに限ってはOKやと思う」。

写真の例は、まさにその条件に合っていたわけで。

他のものを書いたらどうなるか、シュウさんが丁寧に図を入れて解説してくれています。なるほど、「何を書くか」によって違うんだ!と納得させられる。やっぱり、現場で場数を踏んできた看板屋さんの言うことはきいたほうがいいですよ。

ちなみに、このシュウさんの記事のコメント欄まで読むと、想定外のリクエストをしてくる人がいることもわかって、なんかその発想に逆に関心したりして。

そのコメント欄で想定外のリクエストの件を書いたのは、いっしょにワークショップをしたKカンバンさんです。こないだのワークショップのこと、そしてワークショップ後のことをブログに書いてました。 こちら

私的には、この二人のブログは今後も要チェックです。

こないだのワークショップでは、お二人にはこういう昭和の香り漂う文字「オジ書き」を頼んで無理矢理やってもらいましたが、二人とも普通の文字がちゃんと書ける職人さんです。そのうえで使い分けて遊んでいるのです。
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先日発売になった私の新刊 『まちモジ』 の中の写真にも、彼らの普段の文字が出てきます。
by type_director | 2013-11-30 18:16 | Comments(0)
ドイツの消火栓
ドイツに戻りました。朝の気温2度です。こないだの日本出張では、街を歩いても建物に入っても消火栓が気になって、写真をまた何枚も撮ってしまいました。赤いものを見ると、どうも反応してしまう。闘牛の牛じゃないんだけど。

紀伊國屋さんのトークで、あちこちで街の文字の写真を撮っていて不審がられた話をしたら、聴きに来た人に「捕まらないように気をつけてください」とあたたかい励ましのお言葉をいただきました。

きょうはドイツに戻ってきて最初の日曜日。散歩していたら、さっそく赤いものに反応。ドイツの消火栓を撮りました。
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ドイツでは消火栓にもマンホールのふたにも、「DIN 何番」と書いてあります。「DIN」は「ドイツ工業規格」の略で、書体「DIN」の名前は、そこからきています。

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数字1のくちばしのとがり具合が、ドイツらしいです。
by type_director | 2013-11-24 15:19 | Comments(0)
看板書きワークショップ
いま、東京にいます。

16日の土曜日は、渋谷と青山で看板書きワークショップをやりました。この日のために、大阪から『まちモジ』にも登場いただいた豪華ゲスト板倉さん上林さんのお二人をお呼びして、実際に書いていただいたり、参加者の指導をしていただいたりと、フルに一日使っての大仕事でした。

手始めに書いていただいた「看板」の二文字。日本の看板職人さんに、漢字のバランスについて会場から質問出ます。それに対する答えが、欧文書体の基本的な部分と全く重なるところが面白いです。
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たとえば、「板」の又の内側の逆三角形のアキの白い部分の形が決まっていることが大事、だということをサラッと言いますが、これは私が欧文書体をつくるときにいつも気にしていることと同じです。
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「看」の出だしが鉛筆で書いた枠から上にはみ出ていますが、これはわざとそうしていて、そうしないと「板」よりも低く見えてします。

なんで上のは逆になっているかというと、こういうふうに向かい合わせで見本を書いていただいているから。これは丸ゴシックで「黒」を書いていただいているところ。
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渋谷での教室はこんな感じ。教室奥のピンクのTシャツが板倉さん、水色が上林さん。
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これは青山で書いていただいたひらがな。わざと昭和っぽい味をねらって書いていただきました。こういうのを二人は「オジ書き」と言っていました。おじいさんの書く文字、という意味です。
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大盛り上がりの打ち上げが終わって夜の12時。ゲストのお二人をホテルまでお送りする途中。青山ブックセンターのSさんもいっしょに、4人で夜の街をスキップして帰りました。しかし、途中、こういう看板を見逃さずに撮っています。
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by type_director | 2013-11-18 08:47 | Comments(2)
チョコレートと活字の意外な関係
前の記事のホウロウ看板の本で、ちらっと写っていた 「Fry's」の看板。
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別のホウロウ看板の本にも、Fry's チョコレート屋さんのがあります。イギリスではけっこう有名だったらしい。
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調べたら、ワットの蒸気機関を使ってカカオ豆をひくのを始めたのは、ここの3代目が世界で最初だそうです。そのチョコレート屋さんの創始者は Joseph Fry (1728–1787)で、ブリストルでチョコレート屋さんを立ち上げていますが、そのあとで活字鋳造所も始めます。

そこの1785年の書体見本シート。
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シート裏面。こんなちっちゃい活字もつくってた。
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「This is the smallest letter in the world」って誇らしげに書いてある。Diamond というのは書体名ではなく、「ポイント」という単位でシステム化される前の、昔の活字サイズの呼び名です。約 4.5 ポイント相当。この見本を出した当時は世界一だったかもしれませんが、あとでもっと小さいのが出てきます。

ここの鋳造所のつくった装飾活字で、良いのがあります。これなんかけっこう有名です。
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Fry の母型を受け継いだ Stephenson & Blake が20世紀半ばに出した見本帳。この活字のデジタル版では、良いのがない気がする。

11月24日追記:「良いのがない気がする」は、単に私の調査不足でした。知り合いからのメールで、ここでお見せした活字のデザインにわりと近いデジタル版があることがわかりました。この二つなんか良さそうです。

Fry’s Ornamented(リストにはあるけれど販売はしていない)
Pomfrit Dandy NF
by type_director | 2013-11-03 21:31 | 書体見本マニア | Comments(0)
ホウロウ看板についての変わった本
こないだ、手書き看板の本を紹介しましたが、これはホウロウ看板の本。1978年版。
タイトルが『道ばたの宝石』だって。うまいなあ。
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で、表紙のこの部分が本当にホウロウでできている。変わりダネ本としてもレベル高い。どこまでマニアックなんだ!
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中身はご想像のつくとおり。
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市電のあの脇のパネルもそうだったとは知らなかった。鮮やかな色で、量産できて、風雨にさらされても大丈夫、とういう条件でいくと、やっぱりホウロウが一番良かったのか。
by type_director | 2013-11-01 08:01 | Comments(0)