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広告塔
よく、「F1 のレーシングカーは走る広告塔」なんて表現されます。スポンサーのロゴを入れて走って宣伝になるからですが、「広告塔」そのものを日本ではほとんど見かけない。看板ならたくさんあるのに。でも、「走る看板」とはいわない気がする。

ヨーロッパには広告塔がたくさんあります。
これはフランスで。
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鋳物でできていて、上に豪華な装飾がついているタイプ。こういう広告塔があるから、大判のポスターが実際に貼られている。

スイスのチューリヒで。塔の上の方に「文化の塔」って書いてある。商品広告でなくて催し物のポスター限定ということなのか。
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これは、こないだ行ってきたドイツの南部の小さな町で。広告が少なめです。
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その少ない中にも、自分のフォントを見つけるとうれしい。このスーパーマーケットの広告、パッケージの文字と 「PENNY.」のロゴ以外の部分は Akko (アッコ)で組まれています。
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正確には、Akko をちょっとアレンジしたもの。クライアントの広告代理店の注文で、ピリオドや i の点などを丸く変更しました。
by type_director | 2012-07-29 06:48 | 小林章の欧文書体 | Comments(0)
この K はどう?
ひとつ前の記事の、この K。
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斜め線の切り口が水平なのが気になってました。このせいで、先端が思いっきり右に張り出せないから、右が空いてしまって K だけ左寄りに見える。
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歩いて会社に行く途中、いつもの道が工事中なので別の道を通りました。
Kapelle、つまりチャペルです。
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これは文字を横に並べているんですが、こっちの K のほうが、縦に並べるには向いてるんじゃないかなー。 

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こんなことばかり考えて歩いてます。
by type_director | 2012-07-27 22:31 | Comments(3)
BAUHAUS の文字の安定感
浅葉克己先生が、ドイツ北東部のデッサウにあるバウハウス校舎でご自身の ポスター展 のレセプションに出席されると聞いたので、7月16日と17日にデッサウまで行ってきました。

一泊二日、アウトバーンを車で往復9時間の長旅でしたが、行ったかいがありました。いつも文字に対する情熱いっぱいの浅葉先生に家族4人とも挨拶に行って握手していただき、先生のあふれる元気を分けてもらいました。


これはバウハウス校舎です。
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この壁に取り付けられた有名な「BAUHAUS」の文字って、ながめていると、うまく考えられているなーって気がする。もともとは、直線と円弧という単純なエレメントの構成にしたかったからなのかもしれないけど、書体デザインの点から見てもけっこうイイ。
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まず B S 以外は線対称だし、 B S も縦に組んで安定するようにデザインの工夫がされている。A を斜め線を使わずに丸いてっぺんにしたのは、H の下に来たときにスペースが空きすぎに見えないという利点がある。

これはグロピウスの弟子のフィーガーの設計になるコルンハウス・レストラン(2012年7月現在は使われていない)。
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赤い「KORNHAUS」の文字は新しいからオリジナルのものでないみたいですが、これも縦組み。K がちょっとキビシイか。文字の左右にある太い縦線のおかげで、かろうじて全体的に安定して見える。S が柔らかすぎるかな。「BAUHAUS」の S のほうが収まりが良いと思うけど。


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これは、上の KORNHAUS から車で3分くらいの所にある建物。「デッサウだし、他のバウハウス建築にならって縦組みにしなきゃ」って思ったんでしょうか。

ここまでくると、うーんどうだろう。ひとつひとつの文字のデザインそのものは悪くないのに、並べ方ですっごく居心地悪く見えてしまう例だと思います。

アルファベットは、もともとは横組みで読むようにつくられているわけだから縦組みはどうしても無理がある。左右対称の文字ばかりの単語なら縦に組んでもどうにかバランス取れるかもしれないけど、 L が入ると、とたんに難しくなる。A だって三角なのは普通なんだけど、縦組の場合はやっぱり安定しないし、アキが目立ってしまう。
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やっぱり「BAUHAUS」の文字の安定感は、真似ようとしてもちょっとやそっとじゃたどり着けないんじゃないか。
by type_director | 2012-07-21 23:34 | Comments(0)
タイポグラフィ本フェア、青山ブックセンター本店で
今日から東京の青山ブックセンター本店(ABC)でタイポグラフィ本フェアが始まりました! こんな感じです。青山ブックセンターの人が写真を送ってくれました。

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選んだのは、こないだ TypeTalks でも濃ーい話をしてくれた Petitboys のヤマダコウスケさん、世界一フォントに詳しいと言われる Typecache の akira1975 さん、私の本の編集をしてくれている宮後さん、そして私です。

ウェブフォント系の本をヤマダさんが、ファウンドリーやフォント見本帳を akira1975 さんが、それ以外の和書を宮後さん、洋書を私が選びました。それぞれ選んだ人が推薦コメントをつけているから、それを参考にして手にとってから買おうかどうしようか悩めますよ。  

洋書は私が選んだんですが、読み物的なのは避けました。図版がいっぱいで、ながめているだけでためになる!という、時間のないデザイナーにもとっつきやすいものを優先にしました。

もうちょっと組版のことを掘り下げたい人のために、通称「シカゴ・マニュアル」と呼ばれる、アメリカの組版ルールについて詳しく書かれた『The Chicago Manual of Style』も置いてもらいました。

また、ライノタイプ日本代理店 SDG の協力により、ライノタイプ書体見本帳も販売。写真右下の「AZ」って書かれた白い分厚い本です。ぜひ手にとって見てください。ただし重さ約 2 kg! 

追記:akira1975 さんからコメントいただきました。日本から世界に発信する欧文フォント情報サイト Typecache から、akira1975 さんだけでなく弓場さんと伊藤さんも本を選んでいるそうです! 
by type_director | 2012-07-19 06:44 | お知らせ | Comments(9)
フランスの数字
子供たちが夏休みに入ったので、1週間の休暇を取って家族4人でフランスに行ってました。これはブルゴーニュ地方、ディジョンの町。ドアの装飾が凝っているのが多い。
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フランスの家の番号とかパーキングに使われている数字って、ドイツとは違ってセリフ率が高い気がする。

この2に特徴がある。上半分が閉じぎみの感じ。
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上がくっついて完全に閉じた形になるものも多い。
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消火栓の番号だってセリフだ。ステンシルでも、やっぱり同じ雰囲気のセリフ体の数字になっている。
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あと、3、4、7にも特徴のあるのが多い。
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もちろん、そればっかりじゃなくて、近代的な建物にはサンセリフ体もフツーに使われています。
日本語か? 「14番」。
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by type_director | 2012-07-09 01:46 | Comments(2)
ドイツの文字は独特の字形(2)
ドイツの文字を見慣れない人にとって読みにくいのは、「長い s」だけじゃない気がする。
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すらすらっと読めますか?
1行目と3行目は苦しいんじゃないでしょうか。
それぞれ3番目の文字は c なのか r なのか?
これは「Marbachweg Am Dornbusch」と書いてあって、正解は r です。

そういえば、一つ前の記事で書いた、つぐみ横町の2番目の文字もこんな r でした。
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左の縦画が、縦画一本で終わらない。空きを埋めるためなのか、右にぐっと曲がっているから、慣れない人にはちょっと読みにくい。

これがカクカクしたドイツ文字だと、この手の r もなんとなく読みやすい気がする。

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下から2行目、「Bauern-」の r は右に曲がる部分が直角だ。

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これもそう。「Kronenkellerei」。水平線のほうが縦画より太い。

でも、ちょっとがんばれば、読めますよね。
ドイツ文字はカタチ的に特殊だから、「ルールに当てはめると、こういう書き方になっちゃうんだね」というふうに読む前に心の準備をするからじゃないか。

それが、筆記体のなかでのあの「Marbachweg Am Dornbusch」の r だと、現代の人にはちょっと違和感があるかも。なんか、単語全体を見て「ああ、普通の筆記体ね」って読み始めたら、いきなり特別ルールが出てきて不意打ちを食らう感じ。

半世紀くらい前のドイツの金属活字書体では、けっこうそういう r が入った書体がありました。

Klingspor 社の活字、Gavotte (ガボッテ)。
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単語は「Erregungen」です。

Johannes Wagner 社の活字、Arabella Favorit(アラベラ・ファボリート)。
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一発で「reform」って読めましたか?
by type_director | 2012-07-01 05:19 | Comments(2)