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ブックフェア
東京の代官山の蔦屋書店で、嘉瑞工房の高岡重蔵先生とのつながりをテーマにしたブックフェアをやっています。2月中旬まで。

詳細は こちら
by type_director | 2012-01-23 19:38 | お知らせ | Comments(0)
左利きでカリグラフィ
ブログの読者さんから、カリグラフィは左利きでもできるのかというご質問をいただきました。

はい、できます! この一つ前の記事で紹介した『Calligraphy in 24 Hours』にも、左利きの人のためのヒントが。写真付き。
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私の知っている有名なカリグラファーにも左利きの人がいます! Gaynor Goffe さんで、流れるような線が持ち味です! 

イギリスの彼女の家におじゃまして話し込んで、作品を見せてもらい、その場で「これフォントにしましょう」って決めて制作したのがこの Hamada (ハマダ)です。いいでしょ? カリグラフィの味を殺さないように仕上げました。
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ウェブ上で見られる彼女のギャラリーは こちら
by type_director | 2012-01-23 19:19 | Comments(2)
カリグラフィの画期的な入門書(2)
もう一冊のカリグラフィー教本、Veiko Kespersaks さん著『Calligraphy in 24 Hours』について。日本のアマゾンのサイトで探したら、この写真の左の表紙とデザインが違うんですが、内容はほぼ同じです。
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私のはイギリス版で、日本で入手できるのはアメリカ版だから英語が多少違うんだそうです。

この本も初心者向けで、道具の解説や使い方などはもちろん、平ペンを使ったイタリック体とか基本的な書体について解説があります。あと、スペースの取り方とかも大事なんですが、丁寧な説明があります。

この本のすごいところは、細いスクリプト体やそれにスワッシュをつけた飾り文字とかの部分でかなり丁寧な説明がある点です。160ページの本のうち、カッパープレート・スクリプト体とスペンサリアン体を合わせると約30ページ弱で、本の目次とか索引とかを除いた内容の5分の1を占めています。これって、他のカリグラフィ教本と比べてけっこう多い。
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カッパープレート・スクリプト体は、ちょっと特殊な書き方をするので、この本みたいにお手本が細かく書かれていると分かり易い。運筆の方向も示してあるから、「あ、これ、こっちから書くんだ!」というのがよくわかって面白い。手本も、曲線がすっごくキレイです。

日本のグラフィックデザイナーにこういうところを見てもらったらいいな、という点がいくつもあります。フローリッシュ(文字につける曲線状の飾り)をつけたいんだけど、どうやっていいか分かんなくて適当に処理してるロゴやポスターを見かけるたびに、こういう本を見てよ!って思います。自分でここまで書けなくても、こういう良い見本が手元にあると参考になりますよ。

本の後半、だんだんレベルが上がってきたところで、日本のカリグラファー橋口恵美子さん登場! 
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フォーマルな結婚式の招待状の書き方を、たっぷり3ページ、流れるようなスクリプト体とオーナメントで見せてくれます。この招待状のレイアウトも参考になるかも。橋口さんは現在もロンドン郊外に住んで、このような手書きの招待状をフルテキストで書くような仕事を受けているバリバリの現役カリグラファーです。

一つ前の記事で紹介した三戸さんの『カリグラフィー・ブック』にも、フローリッシュの書き方は丁寧に解説されています。でも、カッパープレート・スクリプト体なら、こちらがバリエーションが豊富。

ま、どちらも超オススメですけどね。
by type_director | 2012-01-19 20:33 | Comments(4)
カリグラフィの画期的な入門書(1)
「今年こそ何か新しいこと始めよう!」なんて思いながらも、肝心の「何か」を決めかねている人に。

カリグラフィがいいですよー。自分で手書きの凝ったカードを書きたい、という人はもちろんですが、グラフィックデザイナーの人にもおすすめですよ。目が鍛えられる。空間とか曲線の訓練になる。ぜったいためになる。

この2冊は、どちらもつい最近出たばかりのもの。今は、こんなにいい手本があるんだね。始めるしかない!
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左は英語で、右は日本語です。どちらも、カリグラフィ用ペンを持ったことのない初心者向けらしく、始めの部分は内容が似ています。写真やイラストで丁寧に用具の種類や使い方の説明がある。ペンの持ち方、専門的な用語の解説、歴史についてもちょっとある。

だったら2冊とも同じじゃない?って思われそうなんですが、内容を見比べてみました。

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まず、この『カリグラフィー・ブック: デザイン・アート・クラフトに生かす手書き文字』から。

著者は、あのツァップ展を開催した J-LAF の代表、三戸美奈子さんです。他にも、糸でとじる製本の部分は星さん、このあと書くローマン体大文字は白谷さんなど、数人の優秀なカリグラファーが協力しています。

この本の強みは、なんといっても日本語で書いてあるのでとっつきやすいこと。入門者にはぴったりです。ただの書き方のお手本とかだけでなく、文字と文字との間、行間についても良い例と悪い例を見せながら解説していくので、わかりやすい。見本もキレイ。世界レベルのお手本です。
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そして、個人的に超オススメのページは、平筆によるローマン体。これがキレイなんだー。まず、ながめているだけで軽く1時間くらいはうっとりしてしまいます。
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しばらくして我に返り、細かいところに目をやると、絵の具がムラになっている部分に気づく。例えば上の写真の R の縦画の下の方と、S の左斜め上の細いところ。これは、S でも一筆で書くわけじゃないので、わざわざ薄めの絵の具で、筆の重なったところが濃くなって見えるようにしてくれているんだ。ボーッとながめているだけでもローマン体大文字のしくみがつかめるようになっているんだ!

もちろん、それだけじゃなくて、T の横画、S の左下みたいな難しい場所は、筆の返し方まで一画ごとの解説付き。
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こんなに親切なローマン体大文字の解説って、英語圏でもなかなかないと思うよ。

私の本や、デザイナーを対象にした講演でも、ずっと平筆を持つことの大切さを説いてきたんです。「ローマン体大文字のことを理解したければ、理屈ででわかろうとしないで、平筆を持って書いてみましょう」なんて。そう言いながら、デモンストレーションで書いている文字がヘタだなと自分でも思ってたんです。

こんな本があったらな、ってずーっと思ってました。それが現実に。こんないい手本があるなんて今の日本の人は幸せですよ。

今すぐ平筆を持って書いてみよう!

もう一冊の本は、べつの記事で紹介します。
by type_director | 2012-01-15 12:55 | Comments(5)
挑戦的な本
年末年始は、やらなくちゃいけないことがいくつかあったけど、ちょっと見ないふりして別のことに時間を使ってましたー。映画を観たり本を読んだり。そのおかげでいまちょっとバタバタしています。

映画のDVDを図書館からまとめて借りてきて観た。プラハからもどったばかりだったので、『ミッション・インポッシブル』を観ていたら、夜のプラハの街で、車が爆発する前後に出てくる橋とか「あ、ここ通った!」だったし、トム・クルーズがタバコの火を借りるという合図で通りの向こうからメルセデスが急に近づいてドアを開け、「乗れ」といわれるところなんか、昨年大晦日のブログに載せた、この場所だった。いまはここは歩行者天国みたいになってます。
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本は、11月の日本でのTDC賞審査会の時に見た祖父江さんの装丁による『きのこ文学名作選』が装丁的にもデザイン的にもすごく面白かったので日本出張中に買ってきました。読んでみたらすごくヘン。良い意味で。やっぱり期待通り面白かった。実際、祖父江さんにもきいてみたんだけど、何の変哲もない書体を使って組み合わせているらしい。組み合わせ方であんなことができるんだ。すごい。

気がついたら、最近私がドイツで買った本にも挑戦的なのが多い。タイポグラフィ的に実験をしているというか、こんなの電子書籍でやってみろ!みたいな。

この写真は、『Extremely Loud and Incredibly Close』。面白いという評判の本で、ドイツのアマゾンで買ったので、内容のことは知らなかったんだけど、パラパラめくったらこんなになってる。
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紙媒体ならではの面白さを強調している組み方や装丁の本って、最近増えているような気がする。
けっきょく、本もなかなか読み進んでいないけど。

私も負けずに、タイポグラフィをどんどん面白くするぞ!
by type_director | 2012-01-10 06:45 | Comments(4)