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ハーグの王立芸術アカデミーの使っているフォントは
オランダのデン・ハーグにある王立芸術アカデミー(略称 KABK)が1月29日に学校見学日だったそうです。KABK といえば、現在活躍中のフォントデザイナーをたくさん出してきたことで有名です。私も何度か見学に行ったことがあります。その KABK に行っている私の知り合い2人から、ほぼ同時に入ってきた知らせ。

私がつくったフォント Calcite Pro が使われてるよ、ということなんです。知らせてくれたのは、ひとりはオランダに住んで KABK にいま通っている日本人の岡野邦彦さんです。もうひとりはドイツ人のルーカスくん。彼からは写真付きでメールが来た。彼に使用許可をもらって載せます。
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ルーカスくんは、私がライノタイプに入社した翌年くらいにアシスタントとして短期間だけ私の元で働いていました。そのときにフォントの面白さに目覚めたらしく、私に見せてくれた自作フォントがチェックを重ねるたびにだんだん良くなっていきました。私も指導していて楽しかった。

今週は、なんかそういう人と人とのつながりって不思議だね、いいね、という話が私の周りでいくつかあったので、そんなことも思い出しました。

いまは彼はグラフィックデザイナー兼フォントデザイナーとして活躍中。大手スーパーマーケット Plus のチェーンのフォントなんかもつくってます。 こちら でその一部が紹介されています。
by type_director | 2011-01-30 21:58 | 小林章の欧文書体 | Comments(1)
ツァップ展の準備、本格的に始まる
とうとう発表できる段階になりました。「ツァップ展:ヘルマン・ツァップ&グドルン・ツァップ カリグラフィーの世界」いよいよ実現します! 詳細は こちら

3月22日から4月3日まで、休館日の3月28日を除く12日間だけ東京の六本木で開かれます。ツァップさんご夫妻のオリジナルのカリグラフィー作品はもちろん、ご夫妻のつくった金属活字やデジタルフォントの制作メモなども併せて日本初の公開となります。

主催は、カリグラファーの団体、ジャパン・レターアーツ・フォーラム(略称 J-LAF)と私です。

じつはいま J-LAF から、2人がこの展覧会の作品をお借りするためにドイツに来ていて、きのう最初の打ち合わせがあったんです! あいにく私は同席できなかったんですが、2人がツァップさん宅でのようすなど細かく知らせてくれました。

私がこの件で2回ツァップさん宅を訪問していて、作品の選定もだいたいできていたんですが、2人がきのう行ってみたら、当初の予定よりも多く貸し出してくれることになったそうです! やっぱりカリグラファー同士で話が合ってるみたいですねー。

あとは、作品解説のための情報をどれだけツァップさんから聞き出せるか。それがきょうこのあと。私が知っている J-LAF さんの主要メンバーは日本人(見た目)ですが、海外で勉強してきた人が多くて、英語はもちろん、ドイツ語を話す人もいるから安心してまかせられますー。

展覧会の作品解説は、カリグラフィーについて、あるいは書体デザインについてよく知らない人が見てもわかりやすいようにしたいと J-LAF さんも私も思っています。まだまだこれからやることがある。

うーん、本当に動き始めたんだなあって実感がわいてきた。きっと歴史に残る展覧会になります。
by type_director | 2011-01-28 11:24 | お知らせ | Comments(0)
イニシャル
こないだの TypeTalks でいい質問がありました。イニシャル(大きいサイズで書かれたり印刷されたりする文頭の最初の一文字)の使い方についてなんですが、Skype を使っていくつか実例をお見せしました。話題としても面白いと思うので、同じ例の写真を載せます。

これは、ドイツの新聞です。「いまでも内容にかかわらずいろんなところで使われていますよ」という例です。これは第一面のイニシャル D。読むときは、次の字とのギャップが少しあっても気にせずに「Die」って読み始めるわけですが、おー、次の単語長いな!
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経済欄でも。
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イニシャルって、「むかーしの物語や聖書とかにしか出てこない、コテコテと装飾してあるやつでしょ」、なんて思われがちです。でも、新聞みたいにいろんな記事が入り組んでいると、その話題をどこから読み始めていいかイニシャルが教えてくれる、という機能的な面もありますよね。
by type_director | 2011-01-25 20:11 | Comments(5)
『フォントのふしぎ』発売後10日で重版決定!
発売後10日目のきょう、美術出版社の宮後さんから連絡がありました。『フォントのふしぎ』の在庫がなくなったので重版するそうです。

この記事 へのコメントやいろんな方からのメールに、すっごく励まされてきました。

フォントのことをぜんぜん知らない人にもスペーシング(文字間)のことをわかってもらえた、という手応えを感じるこんな話 も。やっぱり『フォントのふしぎ』を出してよかったなー。

装丁の祖父江慎さん、ドイツにいる私の代わりにいろいろ段取ってくれた宮後さんにも感謝です。
by type_director | 2011-01-25 19:56 | お知らせ | Comments(8)
TypeTalks 2回目終了!
1月22日、東京の青山ブックセンターで開かれたTypeTalks(タイプ・トークス)第二回、「Webデザイン上の欧文タイポグラフィ前編:Webデザイナーのみなさんも自信を持って欧文を組んでいますか?」に Skype で参加しました。

ウェブ上の組版について、 「フォントブログ」 を運営するウェブデザイナー、ヤマダコウスケさんを中心にした会でした。現状と問題について参加者がそれぞれの考えを出し合う場面もあったりして、会場が一体になってましたねー。

もちろん、普通に欧文書体の使い方や組版についても質問を募集してあって、そういう質問も出たんですが、Skype ってけっこう便利です。ドイツから「この例を見てください」って画像で新聞や書籍の具体例を見せながら組版について話ができた。

あと、これはまったく予想していなかったんですが、質問コーナー含めてすべてが終わった後、会場の Skype の前に入れ替わり立ち替わりいろんな人が挨拶しにきてくれたんです。これ面白かった。質問をしてくれた人もわざわざ画面の前に来て挨拶してくれたし。ドイツからでも、参加者とつながる感じが共有できました。

TypeTalks 第三回は「Webデザイン上の欧文タイポグラフィ後編」、開催は3月の予定。また私も Skype で参加します。質問大歓迎です。
by type_director | 2011-01-23 08:36 | Comments(0)
高岡重蔵氏90歳(2)
ひとつ前の記事で、高岡重蔵氏の『欧文活字』(新装版)の巻末付録「Wandering from type to type」の組版がスゴイという話をしましたが、あれは誇張じゃないんです。

重蔵先生と知り合って嘉瑞(かずい)工房に話をしに通うようになって3年目の1993年、英国に旅行に行って知り合いの古本屋(タイポグラフィ関係の書籍が専門)の B さんの家に泊めてもらったときの話です。

その B さんは、商売柄とうぜんタイポグラフィ関係とか印刷関係の出版物の目利きでもあるわけですが、私が到着して荷物を降ろして一息ついたところで、いそいそと小さな封筒を持って来て、「アキラ、これすごいぞ、この Kazui Pressって知ってるか? 日本にあるんだぞ!」と自慢げにその封筒から一枚一枚とりだして見せてくれたんですが、それが「Wandering from type to type」だったんです。

私はそれを前に何度か嘉瑞工房で見せていただいていたので、「ああ知ってるよ、この人、知り合いなんだよ」とすぐに言ったけど、ちょっと誇らしげにそう言ってたと思う。なんか自分までエラいような気になったのを憶えてる。海外でそれが相応の値で取引されてコレクターは買うんだろうな、とも思ったけど、問題は値段がいくらに評価されたかじゃなくて、イギリス人の目利きを興奮させるような組版をしていたんだってこと。

そのあと、出されたお茶を飲みながら、しばらく B さんとそれをながめて「すごいよねー」なんてしゃべってました。日本だとあんなちっちゃな印刷所だけど、世界での評価は高いんだ、ということを実感して、ますます重蔵先生を尊敬するようになりました。

その B さんのところには、1995年に重蔵先生といっしょに遊びに行きましたし、いまでもその B さんからときどき良い買い物をします。つい先週も。
by type_director | 2011-01-18 21:41 | Comments(3)
高岡重蔵氏90歳
きょう1月18日は、私の恩師、高岡重蔵氏の90歳のお誕生日です。私が一緒にTypeTalksをやっている高岡昌生氏のお父さんです。

1990年のオックスフォードでの出会い以来、ずっと私の心の先生です。もちろん、いまも元気でいらっしゃいます。先生とはいっしょにイギリスも旅行して、ここドイツでもツァップさん宅訪問などしました。どこにいっても世界のトップレベルの方や熟練工と対等に話ができるのが重蔵先生です。私はその重蔵先生を見習って、少しでもその理想に近づきたいんですが、まだまだ遠いみたいです。

高岡重蔵氏のことを知りたい方は、 この本『欧文活字』(新装版) がお勧めです。
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日本で1948年にこんなすごいインターナショナルな水準のことを書いていたんだ、そして巻末付録では、欧文活字書体でこんな見事な組版ができてたんだ!ってびっくりしますよ。
by type_director | 2011-01-18 16:13 | Comments(5)
スーパーマーケットの広告
昨年末から仕事が忙しくなって、年末年始も自宅でみっちり働いてました。といってもうちの会社は他のドイツの会社と同じく12月31日と1月1日が休みなだけで、今年はたまたま1月2日が日曜だったので3連休になっただけですけど。

仕事が一段落して久しぶりに仕事をしなくていい週末、ボーッっとして広告を見ていた。

ドイツでは、スーパーマーケットの広告はこんなふうにパンフレット状にホチキス止めだったり無線とじだったりします。
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ここで商品がふたつ並んでいるけど、各コマで微妙にルールが違うらしい。左下のビンづめのフルーツは、中身が2種類かそれ以上あってそのひとつを選べるということ。それはわかる。

でも真ん中下と右下のは、1種類しかない商品を2つ並べているけど、別にふたつでいくら、という値段ではない。つまり、上の段もそうだけど、細長い商品の時は余白を埋めるためにいくつか並べるけど、値段は1つの値段です。

この歯磨きとか歯ブラシとかも。
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でも、この見開きの部分はまた別のルールで、これは6つ買うと4つ分の値段でおトクということが上に大きく書かれている。だから商品の写真も6つ。うーん、なんとなく納得がいかない。
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別の広告でこんなのがあった。
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それにしてもこの字は…。
by type_director | 2011-01-16 08:53 | Comments(2)
ツァップさんご夫妻と打ち合わせ
1月11日、ツァップさんご夫妻と会って話をしてきました。これはツァップさん宅のあるダルムシュタットに向かう途中。霧です。
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おふたりともお元気そうでした。昨年12月の始めにも行っていて、あるイベントについての相談と打ち合わせなんです。時期が来たら、またこのブログで詳細をお知らせしますからお楽しみに。

ツァップさんの家に行くと、ケーキを2種類10個くらい出てくる。ドイツのケーキは日本の平均的ケーキの1.5倍から2倍の大きさがありますが、同僚と私はひとり3個くらい食べます。ひとつ食べると、おかわりをすすめられるからです。だからツァップさんの家に行くときはお腹をすかして行きます。

ツァップさん宅の居間のテーブルには、私がちょっと前に日本民藝館でツァップさんに合うと思っておみやげに買ってきた布がいつも敷いてあります。気に入っていただけてうれしい。
by type_director | 2011-01-16 08:42 | Comments(0)
『フォントのふしぎ』もうすぐ店頭に
今年も日本のタイポグラフィはどんどん面白くなりますよ!

15日ころに店頭に並ぶ予定の『フォントのふしぎ』、一足先にここドイツの自宅に届きました。
いろんなフォントが持つ雰囲気をかんたんに説明して、その使われ方を写真で見せる、読み終わったときには必要最低限の知識とフォント選びのさいの考え方の筋道がわかっている、という本です。とにかく手にとって見てください!
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by type_director | 2011-01-10 06:36 | お知らせ | Comments(9)