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パリで(5)メトロの書体
パリのメトロの表示に使われている書体は、ジャン・フランソワ・ポルシェがデザインした Parisine です。1996年制作。
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でも、フルティガーさんが1970年代前半にデザインした Alphabet Métro で組まれたサインもまだたくさん残っています。これは凱旋門の真下、シャンゼリゼ大通りのあるところだから街のど真ん中の駅です。
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こういう手作りっぽいのもある。そういう不統一な部分ってけっこう魅力だったりする。
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この記事を書いていて、面白いサイトを発見。いろんな都市のメトロの書体と作者が載っています。 こちら
by type_director | 2009-12-30 10:49 | Comments(2)
パリで(4)筆記体
自然史博物館で。骨格標本よりもラベルに目がいってしまう。
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フランスっぽい筆記体。どちらも、最初の文字は T です。Tapir は、バクのことだそうです。
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「フランスなら Garamond、イタリアは Bodoni」っていう考え方は普通はしませんよ、ということを前にこのブログでも書きました(2009年3月)が、こういう筆記体の違いみたいなのは、その国や文化圏の独特の「味」ですね。
by type_director | 2009-12-30 10:16 | 筆記体 | Comments(0)
パリで(3) Futura
「Futura はナチスの書体」なんていう変な噂を信じている方はもうほとんどいないと思うんですが、もしいたら、ということで念のため。

パリのシンボル、エッフェル塔。その下にあるお土産屋さんで Futura (フツラ)が使われています。
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けっこうパリでもあちこちで使われている印象を受けました。多すぎるのでいちいち撮ってきませんでしたが。

パリ東駅の駅名も Futura です。フランスの鉄道 SNCF は第二次大戦前から Futura を使っていました。
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その辺のことは、私の別のブログ『ここにも Futura』にも書いてあります。これでも噂を信じている人、この記事この記事 もあわせてご覧ください。
by type_director | 2009-12-27 21:54 | Comments(1)
パリで(2) Optima nova
パリのルーブル美術館のショップで、 Optima nova Titling (オプティマ・ノバ・タイトリング)が使われていました。この Optima nova ファミリーはヘルマン・ツァップさんと私との一番最初のコラボレーション。発売は2002年です。
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このデザインにたどり着くまでのいろんな苦労を思い出しました。つくっては変更、またつくっては変更の繰り返しでした。こうやってきれいに使ってくれているのを見るとやっぱりうれしい。この Titling というバリエーションは私の提案でファミリーに加えたもので、大文字のみの書体ですが、いろんなオルタネート文字や合字が入っています。自分で言うのも何ですが、ツァップさんがペンで書く大文字のエレガンスをうまく書体化できたと思っています。

Optima nova (オプティマ・ノバ)が店内で使われていました。Optima nova にはスモールキャップとかオールドスタイル数字とか、コンデンス体まであります。ここではレギュラーの使用例のみですが、十分感激です。
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この写真、プリントしてツァップさんに送ります。
by type_director | 2009-12-27 08:31 | Comments(0)
パリで(1)
パリからの更新です。

メトロのこの字、これを見るとパリだなって思いますよね。書体になってます。Metropolitaines (メトロポリタン)です。
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このフォント、1905年エクトール・ギマール作となっているから、当時は活字としても発売されたんでしょう。M の字とかこれと同じじゃないし、T の背の高いのもフォントにはないから組んでもぴったり同じにはなりませんが、他ならぬこの地下鉄入り口のデザイナー、ギマールのデザインということで。

フランス風のスクリプト体。この写真の字は手書きですが、 Linoscript (ライノスクリプト)とか ITC Redonda (レドンダ)が近い形をしています。
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これは、あのポスター作家、カッサンドルが1937年につくった書体 Peignot (ペイニョ)。
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そしてこれは Bernhard Fashion (ベルンハード・ファッション)です。
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ドイツ生まれのデザイナーが1929年にアメリカの ATF 活字鋳造所向けにつくった書体らしいですが、パリのカフェでこんなぐあいに使ってあると、実にしっくりきます。書体のデザインがアールデコ風なので、店の装飾とも合っている。
by type_director | 2009-12-24 08:18 | Comments(3)
昔のクリスマスの店頭広告図案
きょうから一週間の休暇です。今年もたくさん働いた。
自分への褒美に、オンラインで古本を何冊か買いました。雪が初めて積もった昨日、最初の一冊が届きました。ドイツの店頭広告の描き方の本。1930年代ころか。図版がきれいでした。

解説が面白い。心理学的に、みたいな前置きがあったあと、こんなふうに続きます。
「クリスマスの時期、街を行き交う人の頭の中は『贈り物をどれにしよう』という考えでいっぱいです。この店頭広告がそんな人びとに答えを与えるのです。『贈り物にストッキングやショーツを!』」
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by type_director | 2009-12-18 10:26 | Comments(2)
フルティガーさん 形を見る眼
スイスでまたフルティガーさんと共同作業をして戻ってきました。今回も夜遅くまで働いて、駅のコピーセンターで500枚くらい印字物を出して、帰りの電車の中でもみっちり仕事して戻りました。こないだの『Pen』世界デザイン遺産特集、フルティガーさんに渡したら喜んでくれました。

ベルン郊外は急勾配の坂が多くて、作業最終日の朝にフルティガーさんに会いに行くため乗ったバスの中からの景色が、一瞬まっ白になりました。谷が全部霧に包まれていたんです。寒い日で、霜も降りていました。これはフルティガーさんの老人ホームの近くで撮ったもの。
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3枚目はバラの実。英語で言うと Rosehip と可愛い響きですが、ドイツ語だと Hagebutte。ハゲブッテって...。でもハゲブッテ茶はおいしいんですよ。ちょっとすっぱい。ビタミンC豊富だとか。会社では仕事中によく飲んでます。

老人ホームの管理人の一人に、作業はどうかと聞かれて、「フルティガーさんの眼はいつまでも鋭くて、作業中も私の見つけられなかったミスを指摘されるんです」という話をしたら、その人から面白い話を聞いた。
月曜日になにか老人ホーム内で飾り付けをしていたらしい。そこでフルティガーさんが誰かのつくったハートの形を見て、形はこうした方が良い、とかなり細かい指示を再三出したそうです。いつまでもそんなふうに元気でいてほしいです。形の見方は私もフルティガーさんからたくさん教わりました。
by type_director | 2009-12-12 16:22 | Comments(2)
『文字の骨組み』
ちなみに、前の質問をした大熊さんは、私がこないだ日本で買って帰ってきた本『文字の骨組み』の著者なんですよ。この本面白いです。 こちら でちょっと中身が見られます。デザイナーの方、漢字の成り立ちに興味のある方におすすめです。

子供が日本人学校で習っている漢字の書き取りのチェックでどこをハネるのか止めるのかが気になっていたとき、これを読んで「そんなにうるさく言わなくていいなー」って大らかな気持ちになりました。けっこう目からウロコの話がいっぱい。
by type_director | 2009-12-12 16:15 | Comments(0)
数字のあとにスペースを入れるか?

スイス出張から戻りました。出張中に、私の本『欧文書体』の図版42について、大熊さんから以下のような質問がありました(抜粋)。

「35ページの図42。数字とmとの間隔がベタのようですが,実際にヨーロッパではこのように組むことが多いのでしょうか。」
その図版を同じ書体を使って再構成します。本では、この組み方が良いと判断して載せました。「零テン九五メートル」を組んだ例。まん中は主にヨーロッパ、右はイギリスの一部の人が使うやり方。
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『欧文書体』執筆の際に組版の部分で私が参考にした本は数冊あります。いわゆる古いオックスフォード・ルール、古いシカゴ・ルール、新しい『The Oxford Guide to Style』、そして Phil Baines & Andrew Haslam 共著の『Type & Typography』の4冊をとくに参考にしていて、このうち、図42の部分に限らず多くの部分で参考にした『Type & Typography』では数字のあとにスペースは入れていません。

いろんな本を見比べて、良いと思われるものを選っていたので、この本を参考にしてここを書いています。『Type & Typography』は現代的でしかも実践的なガイドだと思います。オックスフォードやシカゴにはない新鮮でしかも納得のいく解釈がいくつかあります。著者の Phil Baines は20年前からの知り合いで、彼がかなりの勉強家で印刷の知識も豊富であることも知っているので、それで信頼の置ける彼の本を多く参考にしているわけです。

ちなみに、ご指摘の部分と似たような場合を他の3冊で探してみると、古いオックスフォード・ルール、古いシカゴ・ルールではワードスペース(単語と単語との間のスペース)一個分空いていて、それは私には空きすぎに見えます。

新しい『The Oxford Guide to Style』では、同じような場合に数字のあとの空きがワードスペース半分くらいに狭くなっています。同じ本で、数字のあとにスペースを入れない単位もあります。時間の省略形 (hour, minute, second) の表記は

20h 18m 15s, or 20h 18.25m

とスペースは入れていません (『The Oxford Guide to Style』p.375)。貨幣のペニー・ペンスは

54p

です(同 p.171)。

結論を言うと、数字と単位との間はワードスペース一個分もあり、半分もあり、空けないこともある、といういろんな指針があって、どれが正しい、ということではないみたいですね。書体にもよるし、一冊の本、あるいはひとつの仕事の中で統一がとれていればいい、というくらいじゃないでしょうか。かりに空けないと決めても、書体によっては、本文サイズでは数字と単位との間を少し空けても良いかな、というものがあったりするかもしれません。もちろん、私の本に従わなきゃいけないわけでもないんです。
by type_director | 2009-12-12 16:01 | Comments(0)
ワッペン
ベルンに来ています。明日からフルティガーさんとまた仕事です。

大聖堂につながる道はクリスマスの雰囲気です。大聖堂が補修工事中でちょっと残念。
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大聖堂わきの公園からはこういう景色が見られて好きなので、ベルンに出張の時はここまで散歩に行きます。
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公園のベンチにベルンの紋章が。これまで気にとめていなかったけど、きょうはなんだか鮮やかに見えたので撮りました。「ワッペン」ってドイツ語の Wappen、「紋章」のことです。ご存じでしたか?...って偉そうに言っている私はドイツに来るまで知りませんでした。
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by type_director | 2009-12-06 21:12 | Comments(0)