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講演のお知らせ・10月31日
10月31日(土)に、出版 UD 研究会さんのお招きにより講演を行います。場所は東京神田神保町の専修大学です。

タイトルは「欧文書体の選び方・使い方」。フルティガーさんとの Neue Frutiger (ノイエ・フルティガー)共同制作のことも話す予定です。

お申し込み先などは 出版 UD 研究会ブログに載っています。定員100名ですから、お申し込みはお早めに。


(10月1日追記:定員に達したので、今後の申込みはキャンセル待ちとなります。ご了承ください)
by type_director | 2009-09-28 00:22 | Comments(0)
ユニホームの背番号
ちょっと前の話題になっちゃいますが、読者の Chiyo さんから連絡をもらいました。『週刊ベースボール』2009.9.21 第42号で、ユニホームの背番号について書かれていた記事がすっごく面白い! もう2週間前の号なので、興味のある方は図書館とかで探してみてください。

この背番号の Optima はちょっとアレンジしてあるみたいですけど、ライターの人が Optima のことをちゃんと調べて書いているのが良くわかって感心しました。ライターさん尊敬しちゃった。他の記事はまだ読んでませんが、今度日本に行ったときにでも見てみようと思います。デザイン誌でないのに、こういうデザインについての良質な記事を週間ペースで書いているのは大変なことですよね。
by type_director | 2009-09-24 07:58 | Comments(0)
スクリプト体の小文字 t
読者の fukamidori さんから、 Hogarth Script (ホガース・スクリプト)の小文字 tについて質問がありました。
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質問の内容は「てっきり語末に使う形だと思ってました。活字書体で語末用に用意してあるのを見たことがあったので。(中略)そんなふうに断定することの方が間違ってたでしょうか?」というものです。

『The Universal Penman』にも、小文字tがいろいろな形で使われていて、fukamidori さんが疑問に思った形のtは主に手紙の本文に、単語の途中であっても使われることが多いような印象です。これを書いたのは Bickham。見出しの文章では普通のtが多い気がする。行末の the なんか分かりやすい。
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ちなみに、同じ『The Universal Penman』から、Champion の書いた字。ここでも小文字 tはこんな形。こういう書き方もあった、ということですね。

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ちなみに、下から2行目、 Literature の r を見てください。私の知っているこれに近い形の rの使い方は、o などの右に来るときだけだと思ってましたが、こんなふうに使ってある。現代の人の感覚からすれば読みやすくはない。他のページには、このスクリプト体で文章全部を大文字で書いたのもあるから、どちらかというと実用面を少し犠牲にして「いろんな書き方でやってみますよ」みたいなショウケース的意味合いがあったんじゃないかとも思います。

ここで私用した図版のうち二番目と三番目は、George Bickham (Dover Publications Edition), 『The Universal Penman』から引用しました。
by type_director | 2009-09-23 06:26 | Comments(0)
ブリングハーストさん
昨日、『The Elements of Typographic Style』の著者で、私がとても尊敬しているロバート・ブリングハーストさんと話しました。この本は私もよく参考にします。こないだ紹介した『The Oxford Guide to Style』と同様、いつも手元に置いている本です。Oxford は組版ルールの本、ブリングハーストさんのはタイポグラフィの基本的な考え方と書体についての話がぎっしり詰まった本です。
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よく出し入れするせいでちょっと表紙がすれてますが。実際はこれが2冊目です。最初ペーパーバック版を買ったんですが、そっちの方は何度も読むうちに表紙の紙がボロボロになってしまったので買い換えたんです。

本にサインしてもらった!! 「サインしてもらったのをブログに載っけても良いですか?」って言ったら喜んで了解してくれました。レストランで食事しながら、記号類などのことをいろいろ質問してしまいましたが、世間話よりもそういう質問を喜んでいるようでした。
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ブリングハーストさんは私に会う前に私の書体 Conrad (コンラッド)に会ってます。ニューヨークTDCの2001年書体コンテストの審査員の一人として Conrad についてのコメントもTDC年鑑に書いてくれた。そういう話も昨日しました。

2001年のニューヨークTDC優秀書体審査についての記事です。
ニューヨークTDCが選んだ2001年の優秀書体
審査委員長のベリーさんによる審査結果のレポート
by type_director | 2009-09-19 11:16 | Comments(1)
パングラム
ちょっと調べることがあってパングラムのサイトを検索しました。パングラムというのは言葉遊びの一種で、すべての文字を使ってつくった文章のこと。「いろはうた」みたいなもんです。同じ文字の重複が少ないほど難しいわけで、つまりラテンアルファベットなら文字数26でおさまるのが最短のパングラムです。

私がときどき調べ物に使う本『Questions of English』(*)では、ギネスブックにも載ったという最短の例が紹介されています。
Mr Jock, T.V. quiz PhD, bags few lynx.

書他メーカーのカタログなどでは、よくパングラムが使われます。その書体の文字がどんなデザインになっているのか、多くの文字を効率よく見せたい場合に便利なんですよ。しかも文章を組んだときにどう見えるかがわかる。ABC だと文章のイメージがつかみにくい。

おなじみなのは
The quick brown fox jumps over a lazy dog.
つぎによく見るのが
Pack my box with five dozen liquor jugs.
ドイツ語圏だと
Zwölf Boxkämpfer jagen Viktor quer über den großen Sylter Deich.

去年、会社の同僚から「アキラがパングラムになってるぞ!」と教えてもらったのを思い出した。 このサイト の#19を見てください。これを運営しているのは、毎回 TypeCon で会うクレイグさんです。

ちなみに、「いろはうた」は今うちの長男(中1)が日本人学校で宿題に出されています。けさも暗記してた。

*(complied and edited by) Jeremy Marshall and Fred McDonald, Oxford University Press, 『Questions of English』
by type_director | 2009-09-19 11:06 | Comments(2)
欧文フォント・ワークショップ開きます!
取り急ぎ 小林章の欧文フォント・ワークショップ のお知らせです。10月24日、25日の二日間にわたって行うワークショップです。

お問い合わせ、参加申込みは TDC さんにお願いいたします。

(9月18日追記:定員に達したので参加申込み受付は終了となりました)
by type_director | 2009-09-16 09:50 | Comments(2)
小文字の w の形
書き文字の話が続きます。先週、読者の akira1975 さんから面白い質問がきてそれに答えました。

ドイツの地図用にデザインされたとされるスクリプト体 Kursivschrift (クルシブシュリフト)の小文字の w がちょっと特殊な形だが、ドイツ的だったり読みにくいとか思われたりしないのかといった内容でした。
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手元の資料(*)だけでざっと調べたところ、18世紀前後のイギリスのいわゆるカッパープレート筆記体によく出てくる字形で、これなんか古い。木版です。
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左下の部分を拡大しました。New or Ould と書いてありますが w の形に注目。
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別の資料から。New Bond Street とあります。
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George Bickham の『The Universal Penman』にも二通りの書き方が。
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たぶんツァップさんのカリグラフィにもこの字形の wを使ったものがあったはず。昔は英語圏ドイツ語圏を問わず一般的だったけど徐々に廃れていった字形だったんでしょうね。確かに nと間違えやすいし。ドイツではドイツ文字が20世紀半ばまで一般的だった関係上、廃れるのがちょっと遅かった(ドイツ文字にもこういう書き方があるため)かもしれません。

* ここに出した例の最初から3つめまでは、Ambrose Heal, 『London Trademen's Cards of the XVIII Century: An Account of Their Origin and Use』から、最後のは George Bickham (Dover Publications Edition), 『The Universal Penman』から引用しました。
by type_director | 2009-09-16 02:53 | Comments(0)
ドイツの書き文字
きのう、イギリスから来ているカリグラファたち3人を連れて、私の住んでいる Bad Homburg 市の旧市街を案内しました。
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「この看板、読める?」と私が聞いたら、彼女たちは大文字 A みたいなのが3つ出てくるので、それで戸惑っていた感じでした。たしかに一番最初の文字は大文字の A なんですが...

これは「Altstadt Cafe」(旧市街カフェ)と書いてあります。まぎらわしいのは小文字の t です。縦棒を書いて、一番下から上に戻ってきてくるんと左に輪を描いて横棒になる。プロのカリグラファでも、よその国の見慣れない文字はやっぱり読みにくいんでしょうね。

これは私の長男が小学生のときに練習した、練習帳とかきかたのお手本。下の黒いお手本には書き順が書いてあるので、これを見ると分かると思います。
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by type_director | 2009-09-13 20:26 | Comments(1)
碑文の体験ワークショップ
私が尊敬するレターカーバー(石碑彫り)のゴードン恵美さんのワークショップの案内が こちら に出てました。

この恵美さんってすごい人なんだよ。イギリスのあのデビッド・キンダーズリー工房で働いてたんだよ。会って話をすると面白い。いろいろ書体のことについて質問してきて、しかもそれが非常に鋭い質問ばかり。いいところ見てるなって思う。前に本人から「ワークショップ開くかも」とだけ聞いたんだけど、実現するんだ。こんなことが日本で、日本語で教えてもらえるんだ。いいなあ。

同時期に私も日本に行くことになってます。いろいろ仕事の予定が決まってきています。私のワークショップもあるので、それについては近日案内します。
by type_director | 2009-09-07 21:20 | Comments(1)
ハイフンとダーシ おまけ
そういえば、昨年暮れにドレスデンに行くときに電車の中でこんなの撮ってたのを思い出しました。ドイツ鉄道のコーポレート書体が Helvetica だったのがまだ残っている例、そして半角ダーシがちゃんと使ってある例として撮っておいたんです。やっぱり何でも撮っておくもんだ。
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shiron さんがコメントしてくれたように、身の回りに例がいっぱいあるんです。日本では良い例を探すのが難しいとか考えがちですが、そんなことはない。古本市で外国の雑誌が投げ売りの値段で手に入るはず。それを片っ端からめくるだけでいろんな例が見つかる。十分元は取れるはずなんです。私は日本でそうやって目を鍛えました。

u-turn さんも shiron さんも、シカゴ・マニュアルを参考にしているみたいですが、私はシカゴ・マニュアルは1930年代のものしか持ってません。よく参考にするのは、2002年に出たオックスフォード出版局の新しい組版ルール本『The Oxford Guide to Style』です。u-turn さんがお持ちの『Hart's Rules for Compositors and Readers』の数倍のボリュームがあります。比較した写真を撮ってみました。『The Oxford Guide to Style』では、ハイフンとダーシだけで10ページさいてます。電話番号でハイフンを使う場合については載ってなかったけど。
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by type_director | 2009-09-01 21:53 | Comments(1)