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書体見本マニア4:Caslon その後
カスロン活字のその後。

なんでいちばん上の「ABCD」の行の A だけカスロンっぽくないのか。となりの B とベースラインも揃わない。別の種類の活字じゃないか。
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家にある、これに関連しそうな文献を5冊あたってみたけど、どこにも書いていなかった。

イギリスでそれにいちばん詳しそうな人に聞くしかない。その人には2007年の ATypI 会場で久しぶりでお目にかかって、二日連続で朝食も同席させてもらって、その時も私からいろいろ尋ねました。もちろん、今回の件では「これこれの本を見ても書かれていなかった」と、私なりに努力をしたことは伝えました。

その日のうちにていねいな返信メールがあり、印刷史研究会の会報に少し関連したことが書いてあると教わりました。文章を書いたのもその人です。

その会報は家の本棚にある。手がかりがあった喜びと同時に、恥ずかしさで冷や汗も。今から40年以上も前の論文で、家に戻って開いたらちゃんと書いてあった。答えは40年以上前に出ていたのにそこまで調べなかった詰めの甘さを反省しました。

メールによると、

「1741年のカスロンらしくない A は、この印刷を請け負ったところが活字を損傷したか何かして、別の A に取り替えたのではないか。なぜカスロンに活字をもうひとつもらわなかったか、なぜカスロンもそれについて何も言わなかったか、は謎だ」

でも、このメールがきっかけで、他にもこういう調べ物をもうひとつ同時にやっています。それについては現在もやりとりを続けていて、面白い展開になるかもしれません。

こういうことに夢中になっているうちに、いつの間にかオリンピックが終わっていました。フィギュアスケートが盛り上がったらしいというのは聞いたけど観ていない...
by type_director | 2010-03-07 20:04 | 書体見本マニア | Comments(2)
Commented by akira1975 at 2016-12-11 18:53 x
いま、KABKに留学されている、韓国のノ・ウニュ(노은유 / Eunyou Noh)さんが、1734年のWilliam Caslonの書体見本のシートをInstagramに上げていらっしゃいました。
https://www.instagram.com/p/BN3zpsfhRbv/

小林さんが投稿した1741年のものと同様、やはり、「By WILLIAM CASLON」の下の「ABCD」の「A」がCaslonっぽくない「A」になっているようですね。
Commented by type_director at 2016-12-31 18:04
akira197さん、コメントありがとうございます。自分の書いたこのブログ記事を読み返して、また冷や汗が出ました。いろいろ本は集めたけど、本当に身になっているのか? 読み返したい資料がいっぱいあります。