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観ておきたい映画4本 '06.May

『13歳の夏に僕は生まれた』

観ておきたい映画4本 \'06.May_b0071697_10575743.jpg『輝ける青春』で6時間6分の大作を完成させ賞賛を浴びたマルコ監督の最新作。裕福な家庭で暮らす少年は、クルージングの途中で海に落ち不法移民たちがひしめく密漁船に救われる。彼がそこで見たのは食料も乏しい地獄の世界。船上で揺れ動く現実を少年の目線で描くことにより、イタリアの社会問題は生々しく映る。しかし、少年の成長物語としても受け取れるのはマルコの実力によるところだろう。(坂本亜里)

監督:マルコ・トゥリオ・ジョルダーナ ★5月下旬Bunkamura ル・シネマほかにて全国順次公開




『ココシリ』

観ておきたい映画4本 \'06.May_b0071697_1543552.jpg中国が原始のまま残る秘境「ココシリ」は、チベットカモシカの生息地として知られている。しかし、密猟と乱護により数は激減。本作は死と背中合わせの環境で「ココシリ」を守るパトロール隊と密猟者との壮絶な闘いを描いた実話ベースの作品だ。映画の描き手は、どちらにも荷担しないスタンスを保ち、その理由は、密猟者がなぜそれに手を染めたのかを知ることで理解できる。生きることは常に試練なのだ。(坂本亜里)

脚本・監督:ルー・チューアン ★6月シャンテシネほかにて全国順次公開




『トランスアメリカ』

観ておきたい映画4本 \'06.May_b0071697_1544676.jpg男性であることに違和感を持ち、完璧な女性になるための手術を控えた主人公ブリーの前に、突然ひとりの少年が現れる。彼は男性だった頃に出来た実の息子だった。旅の道中で繰り広げられる二人の会話はユーモラスで時に切なく、ハフマンの演技にはワクワクできる。“スカートの下に何があるかよりも大事なこと”というフレーズに引っ張られ、心の下にある本当の気持ちがポロッとこぼれ落ちそうになる。(坂本亜里)

監督:ダンカン・タッカー 出演:フェリシティ・ハフマン ★7月シネスイッチ銀座ほかにて順次公開




『GET RICH AND DIE TRYIN』

観ておきたい映画4本 \'06.May_b0071697_1544156.jpg「I'll Whip Ya Head Boy」でフロントミラーを震わせ強盗に向かうオープニングから、掴みはバッチリ。銃弾を9発受けた50セントの半自伝的Gムービー。父親を知らず、ドラッグディーラーの母親を8歳で殺害される。そんな実人生がドラマティックに脚色されはするが、ブラックコミュニティのある種の“真実”を射抜く。ただしあまりの劇画的キャラゆえに『8マイル』的盛り上がりは期待できないかも。(青木雄介)

監督:ジム・シェリダン 主演:カーティス“50セント”ジャクソン ★6月シネマライズほかにて公開
by switch-movie | 2006-05-19 00:00




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