ペーパーバックの数が増えていく TEXT+PHOTO by 片岡義男

54 二冊しかないから気になる

54 二冊しかないから気になる_b0071709_21264010.jpg

 アラン・プライアーの一九六十年代なかばの作品が二冊ここにある。僕の知るかぎりでは、さらに四作ある。それらがペーパーバックになったかどうか、定かではないけれど、ペーパーバックになっていて当然だと思うと、自分の手もとに二冊しか見つからないことじたいが、まず気になる。どちらも充分に面白そうだから、まだ手に入れていないものが、余計に気になるわけだ。
 『ジ・オペレーターズ』は、人生をそのどん底までほぼ食いつめきったような男ふたりに女性ひとりが加わり、三人ひと組で一発逆転という最後の望みをかけて、犯罪を計画して実行するその顛末が、一編のサスペンス小説になっている、という作品であるようだ。『尋問者たち』のほうは、強姦した上での殺人という性犯罪を、若い警官と年配の刑事が捜査して解決にいたるまでを描いた、警察物語だという。コロムビア映画によって原作の映画化権が買われ、ほどなく映画になる予定だと、裏表紙にはうたってある。
by YOSHIO-KATAOKA | 2007-01-19 21:29




ページの上へ