ペーパーバックの数が増えていく TEXT+PHOTO by 片岡義男

38 ブローティガンの薄いペーパーバック

b0071709_2046660.jpg『アメリカの鱒釣り』のこのペーパーバックを、僕はホノルルのダウンタウンの雑貨店で買った。店の奥に本の棚があり、そこでこのペーパーバックを見つけた。レシートがページのあいだにはさまったままになっている。一九七二年五月八日。デルという出版社の、ローレル・エディションというシリーズだ。初版は一九七二年の二月だ。本体のこの薄さと、本文の活字の小ささが、雰囲気のある調和をかもし出している。そんなことがペーパーバックでまだ可能な時代だった。最終章の「マヨネーズの章」と、その前の「マヨネーズの章のプレリュード」は、何度読んでも飽きない。ブローティガンに六本木のバーで会ったとき、このマヨネーズの話をしようと思いながら、僕は忘れてしまってそれっきりとなった。残念な失敗だ。
by yoshio-kataoka | 2006-09-25 20:49




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