art

触れておきたい展覧会2本 '07.Feb

日本美術が笑う:縄文から20世 紀初頭まで/笑い展:現代アートにみる「おかしみ」の事情

触れておきたい展覧会2本 \'07.Feb_b0071700_23254386.jpg日本美術が笑う:縄文から20世 紀初頭まで/笑い展:現代アートにみる「おかしみ」の事情@森美術館/開催中(5/6まで)
www.mori.art.museum/jp

笑う角には福来る!? 意外となかった「笑い」をテーマにした展覧会二本。最近大人気の若冲の動物キャラ絵を始め、岸田劉生の麗子像や円空の木訥とした木彫などが並ぶ日本美術編は、意表を突く逸品も多く発見できて心なごむ面白さ。とくに放屁合戦図は抱腹絶倒の怪作だ。一方、コンテンポラリー・アートを集めた笑い展には、東西の多様なユーモアが集う。おバカを極めた脱力系や、政治的事情を背景にしたブラックな笑い、自虐ネタ、可愛い系等々、とにかくその表現はさまざま。まるで、笑いを通じて、現代社会の縮図を見るようだ。とくに笑いをねらったわけではないのに、笑いという切り口によって別の魅力が引き出されている作品もあって、興味深い。作品数も相当多いので、友人知人と出かけて、誰がどれに反応するか見てみるのも一興かも。(宮村周子)




森山大道『記録 第6号』展

触れておきたい展覧会2本 \'07.Feb_b0071700_23222127.jpg森山大道『記録 第6号』展@NADiff/開催中(3/4まで)
www.nadiff.com

1972年に創刊され、いまとなってはなかば伝説と化していた森山大道の私家版写真誌『記録』。刷り部数300部、月刊サイクルで発行が開始されたものの、折しもオイルショックにぶつかり製作費が高騰。第5号をもって、休刊の憂き目にあった。その『記録』が、長澤章生の提案により季刊誌として復刊される。本展では新生版第1号となる『記録 第6号』を初披露し、同誌に掲載された写真のオリジナル・プリントなどを展示。1972年といえば、森山にとって大きな節目となる写真集『写真よさようなら』が出版された年でもある。昨年同写真集がリニューアルして復刊されたことも話題を呼んだが、今回の『記録』は当然新作が中心。森山の真髄ともいえるリアルタイムのストリート・フォトが、今後どのような展開を見せていくのか、その第1歩としても興味深い事件と言えるだろう。(猪野 辰)
by switch-art | 2007-02-19 00:00




ページの上へ