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NPO法人アンチエイジングネットワーク理事長が、『アンチエイジングな日々』を
軽快な筆致でつづります。 どうぞお気軽にコメントをお寄せください。 |
今日の発表では、東大からの毛根再生の研究が面白かった。
毛は毛根で作られる。 その毛根は二つの細胞集団からできている。 毛乳頭細胞を毛母細胞が包み込む形をとり、丁度葱の根元をイメージしてもらえばよい。 その毛乳頭細胞からのメッセージで、毛母細胞が分裂増殖し、毛幹として外へ伸びていく。 だから毛母細胞と毛乳頭細胞を分離し、それぞれを培養増殖させ、また、組み合わせて毛根を作らせれば、いくらでも毛は増やせるはずだ・・・ だが、ことはそう簡単でない。 過去40年、何人もの学者がこの試みに取り組んできたが、かくいう僕もその一人だが、まだ実現に至ってない。 これが今はやりの再生医療の一端である。 今日の東大の発表は、それに一歩近づいたのでは、という感を抱かせる研究であった。 “禿”の方には朗報であろう、だが、実現にはまだ10年、いや20年はかかるだろう。 それまでは現在すでに行われている発毛クリニックか、稙毛術のクリニック、それでも間に合わない場合は、鬘に頼るしかない。
今日は二カ月ぶりに床屋に行ってさっぱりした。
合間はシャンプーをしないので、二カ月ぶりに髪を洗ったことになる。 あまり自慢できることではないが。 かつてアートネーチャーの顧問をしていた時、シャンプーのコマーシャルに出演を頼まれたことがある。 ミュージカルの南太平洋のヒロインのように、裸で頭に泡をつけて踊りまわるわけではなく、白衣を着てシャンプーの効果を説けばいいとのことだったが、それほど言行不一致なことはできないので、出演料には未練があったが、お断りした覚えがある。 名誉教授になって、懐がさびしくてコマーシャルに出たと思われたら、恥ずかしくて友達にも会えない、と配偶者の猛烈な反対にあったのも諦めた理由の一つではあった。 僕は何も白洲次郎のように確たる“プリンシプル”をもって行動する男ではない。ただ不精なだけである。 だが、美女の白魚のような指で二カ月間のフケをこすり落としてもらうと、実に気分は壮快である。 これからはせめて月に一回は行くとしよう。 アンチエイジング五箇条の第一条に「いくつになっても男と女」と謳って、年をとってもおしゃれ心は忘れぬよう、人に説いている身としては。
久しぶりに床屋に行って実にさっぱりした。
僕は無精で、床屋の合間に洗髪することはないので、この爽快感は毎日洗髪する男にはわからないだろうと思う。 だが考えてみると、決して自慢できることではないので、これ以上余計なことは書かぬことにする、夜も更けているし。
ヘアケアの基本は頭皮を清潔に保ち、マッサージで血行を良くすることに在る。
というのは、僕が患者に説教するだけで、僕自身は実行していない。 こんなことがあった。 定年間近のとき、在る企業からシャンプーのCMに白衣を着て出て欲しいという依頼があった。 クラスメートだった学部長に相談すると、別に裸で踊るわけじゃないけりゃいいだろうという。 彼の頭の中にははどうも、昔のミュージカル「南太平洋」でヒロインの看護婦だったかが、太平洋の小島の基地で、仮設のシャワーでシャンプーをしながら謳う場面があったようである。 では、と決心したら、配偶者に反対された。 定年で名誉教授になって金に困ってコマーシャルに出たと思われると恥ずかしいという。 僕も考え直してお断りした。 その本当の理由は、僕自身シャンプーはふた月に一度床屋にいったときだけで、その間自分で洗うことはなかったからである。 髪だけでない、顔や体など洗ったことはない。顔は年に2,3回蒸しタオルで拭くだけである。 だから以下は、現行不一致の無責任男のヘアケアの薦めである。 「まずシャンプーで汚れを落しましょう。 昔は一時は非常に洗浄力の強い合成シャンプーが使われ、それがかえって障害があるということで、最近はなるべくマイルドなものに移っています。 シャンプーをした後、キューティクルや毛そのものをもう一度整えるために、リンスやコンディショナーを使ます。 フケというのはそれ自体が毛根の活性を妨げるということもあり、また不潔な感じも与えるということで、シャンプーでフケを取ったりゴミを落としたりということ以外に、ひどい場合には、積極的にフケ防止のシャンプーも発売されています。 頭の皮膚がだんだん外に分化して死んで脱落していったものがフケです。 そのほかに皮脂腺から分泌される脂肪分も、フケにふくまれています。 男性型の脱毛のときに薄くなる部分というのは、男性ホルモンに過敏にネガティブに反応しているといわれているが、男性ホルモンは皮脂腺も刺激するので、薄毛に対しては二重にマイナスといえます。」 ずいぶんあつかましいことを言うもんですな。 この不潔さに業を煮やしてきた配偶者は、最近美女軍団にうつつを抜かしている夫に対し、最も効果的な殺し文句を発見した。 “まあ、臭い!そんなことだとお嬢さん方に嫌われますよ。” そこでしぶしぶ僕はバスルームに行き、シャワーを浴びながら、シャンプーを使う。だが高価な液体ということでなるべく節約して。
“禿の根本的解決策は二つある。一つは禿げてない親を持つこと。二つ目は、去勢すること“
つまり禿の実際的な治療がいかに難しいか、というジョークである。 ところで、円形脱毛症のような病気や、怪我ややけどではなく毛がなるのはに、二つの原因が上げられる。 一つは単なる老化現象としての薄毛であり、今一つは、男性に多く見られる若年性の薄毛、いわゆる男性型脱毛である。 どちらの場合でも産毛か、休止期の毛根は残存しているとされている。 加齢による脱毛は、他の臓器と同じく、単純に細胞の活性が低下しためであろう。 男性型脱毛については三つの要素があげられる。 まず、加齢による変化であるということ、ついで男性ホルモンが関与しているということ、三番目にある程度体質や、遺伝的な要素があるということがわかっている。 だから冒頭のジョークもあながち根拠のないことではない。 男性ホルモンが関係しているといっても、全身的にホルモンが過剰にあるということではなくて、最近の研究では、薄毛になる部分の毛の細胞が、男性ホルモンに対して敏感に反応して活性がおちる、つまり、ネガティブに反応してしまうと考えられている。 男性ホルモンであるテストステロンが毛根の細胞の中に入ると、5αリダクターゼという酵素でDHT(ジヒドロテストステロン)に変わり、テストステロンより遥かに強力な作用を及ぼす。 したがってこの5αリダクターゼの濃度が、男性型脱毛の原因ではないかと言われている。 男性型脱毛だけでなく、一般的な薄毛の原因にもなりうるものとしては、次に様なことが考えられる。 まず、頭皮の血流の不足である。たしかに細胞活性のために血流は大事だが、どこまで脱毛、特に男性型脱毛の直接の原因であるかは、はっきりしていない。 フケも原因の一つのに挙げらてよいであろう。フケや脂漏が毛穴をふさいで、毛根の活性を妨げるということは十分考えられる。叉、フケや脂漏がたまれば細菌感染も起こり起こりやすく、これも毛根に障害を与えるころになる。 そのほか、ビタミン、アミノ酸、その他もろもろの栄養素の不足も問題にされる。 最近では発毛対策も格段の進歩を遂げたが、その概要は明日のお楽しみ。
僕が今名誉院長を勤めているAACクリニック銀座はアンチエイジング、それもキレーション療法(デトックスつまり解毒法の一つ)に特化したクリニックだが、その系列のいくつかのクリニックは発毛クリニックの草分けとして人気が高い。その溢れた患者さんたちを銀座クリニックで引き受けなければ間に合わないほどである。
しかし、なぜ我々はこれほど毛にこだわるのろう。。 デスモンド モリスというイギリスの動物学者は人間は“裸の猿”だといっている。進化の頂点で人類が誕生したとき、猿は体毛を失って人間となり、同時に、どういうわけか、髪の毛だけは伸び続けるようになったという。 デスモンド モリスもいうように、直立した裸の猿が、頭髪だけを黒ぐろとなびかせて、森の中を飛び回るのは、動物界では異様な風景だったに違いない。 やがて人間が言葉を持つようになり、文明を誕生させたとき、人間自身も、この髪の毛に神性を感じたのではなかろうか。 それは各民族の伝承にも残され、やがてはそれぞれの文化の中で、宗教、権力、そしてファッションの担い手として、象徴的な役をはたすようになる。 文明が発達しはじめて以来、少なくも男性の場合には、男性的である、また、力の象徴としてまた神聖なるものの属性として髪の毛が尊重されてきた。 伝説的の世界ではまず、バビロンのギルガメッシュ神話。 ギルガメッシュの力のもとはやはり毛であった。病気になって毛が抜けたら力がなくなり、負けてしまう。しかし、また毛が生えてきて、力を取り戻したということになっている。 また、「旧約聖書」のサムソンとデリラの話でも、サムソンの力のもとも毛であった。やはり毛を切られると、負けてしまうが、また毛が生えてきたら勝ったと記されている。 ローマの皇帝シーザーが実は禿げで、月桂冠はそれを隠すために使われたということは有名な話しである。 一方女性の場合はかって西洋では、女の人がバサッと髪をバラバラにするということは、性的な解放といったものにつながるので好ましくない、髪はいつも束ねて、帽子を被ったりして隠すことが、たしなみとされてきた。 その意味で、たとえば絵画の世界では、ロゼッティの「黒髪の女」など、黒髪をわざとなびかせて、社会通念に挑戦しているのだ、という説明を聞いた覚えがる しかし日本の場合はまた違って、清少納言の「枕草子」に、 “ぬばたまの長き黒髪も手入れしなくては美しくない。洗い立ての烏の濡れ羽色の髪が美しい。髪ばかりでなく女性が最も美しく見えるときである云々” と書かれているように、日本では平安時代の昔から、黒髪をなびかせて、女性は描かれている。 つまり毛は、男にとっても女にとっても、まず、性のアイデンティティーを保つものであるといえる。 また、顔のいうフレームとして髪はある。、それがなくなるということは、自分のアイデンティティの喪失につながるということで、髪にこだわるんだということは見方もある。 これら諸々の習俗、思惑が髪に対するこだわりの源といえるのではないだろうか。
今日は親父のいる特養からの緊急連絡でスタートした。
三井陽光園から電話が入り、数日前から親父の呼吸がおかしかったが、夕べあたりから酸素吸入が必要になったという。 とりあえず入院検査が必要だが、隣接している順天堂の分院はベッドが満杯で、救急車を呼んでどこか空きベッドを探してもらわねば、と担当医も困惑の様子である。とっさに最近頻々とにゅーすでとりあげられる救急患者のたらいまわしの様が脳裏をよぎった。 さっそく陽光園の親元である三井記念病院の院長に連絡を取り、入院の手配をお願いした。 実は院長はクラスメートで、特養に入る時もご無理をお願いしたが、今回も病院が建て替え中で手狭なところをやりくりしてくださった。 持つべきものは良き友である。 ![]() 検査の結果、左の肺に影があり、また血尿も出て、数日来微熱もあるので、おそらくメインは肺炎だろうが、しばらく様子を見てということになった。 この先の問題としてすぐ頭に浮かぶのは、呼吸困難が悪化したとき、送管(気管に管を入れ呼吸を助けること)や気管切開を行うかどうかである。 もう106歳だし、いまさらあまり余計なことをして苦しめるても、という話になったが、何せ106歳の患者はこの病院でも例のないことなので、と院長も苦笑まじりに言われるので、そこはクラスメートの気安さで、僕もその時はまたその時で、ということにした。 この入院騒ぎの合間を縫って、去年から予定に入っていた江東区の擁護教員の方々への、モイストヒーリングのセミナーをこなすことが出来たのは幸いだった。 ![]() そしてこれはもはや旧聞になるが、昨夜はNPO法人FMLの理事会と新年会があった。 FML法人とは毛の研究、啓蒙を目的とした団体である。 理事長に毛のプロフェッショナルである徳島大学の武田名誉教授を頂き、理事には皮膚科の大御所、橋本ウェイン大学教授、分子生物学の泰斗、北里大学の川上名誉教授等が名を連ね、僕も理事会の末席を汚している。 今回も発毛、脱毛の遺伝子レベルの研究から、発毛剤の検討まで幅広く討議が行われた。 ![]() その後は新年会ということで、銀座のうかい亭に関係者全員が集まった。 うかい亭は鉄板焼きの老舗であり、八王子が本店だが神奈川の大和にもあり、北里大学の頃はよく利用したた懐かしい店である。最近銀座にも進出したのは不覚にも知らなかった。あざみ野やその他数箇所にも展開しているそうだ。
グループクリニックの一つ、名古屋のAACクリニックが新装オープンし、今日はグループのメンバー一同130人が名古屋に集まりマリオットホテルで祝賀会を開いた。
銀座のAACクリニックと違い、名古屋は発毛専門のクリニックである。 ![]() 主役の平良院長は家族連れでおいでになり、お嬢さんもゲームに参加して、賑やかでアットホームのパーティとなった。 クリニックとライカの皆さん、ご苦労様でした。 ![]() 8年ほどでグループがこれほど急成長したのも、各院長とスタッフ全員の並々ならぬ努力の賜物と言えるが、やはりマネージメントカンパニーであるライカの三山社長の強力なリーダーシップに負うところが大きい。 それにしても発毛の需要の多さには驚かされる。最近ではアンチエイジング専門の銀座クリニックでも女性の発毛に対応せざるを得なくなってきたほどである。 ところで夕べは中溝先生のお勧めで、名古屋一の料亭加瀬で懐石料理を楽しんだ。 フォトは時計回りで、三山社長、僕、川上名誉教授、中溝名誉院長、小林理事長である。 ![]()
オムライスは子供の頃からの好物である。
そしてハヤシライスは明治の頃の日本の創作と聞いている。 ハンバーグはアメリカ発だが、いまや日本人の常食である。 この三つの定番を一緒にしたらどうなるか? ![]() 実は今度できた丸の内のオアゾの丸善の4階のコーヒーショップはそれが売りものである。 銘して、「ハヤシオムライスバーグ」 東京駅を望む窓際にどっかと腰をすえ、書籍棚を行き来しながら、新刊書のページをめくりながら食後のコーヒーを啜るのは至福の時である。 是非、一度お試しあれ。
今日は1日城西クリニックで会議とカンファランス。
城西クリニックは銀座クリニックの親元で、発毛、育毛を専門にしている。 東京を含め名古屋、大阪、福岡と全国展開をしているヘアメディカルグループの旗艦クリニックである。 グループがスタートしてまだ4,5年だが、どのクリニックも満員御礼だということは、それほど世の男性の毛の悩みの深刻さを物語っている。 ミノキシジル、プロペシアと新たな発毛剤、そして植毛術の進歩で、以前より希望は持てるようになったが、まだまだ根本的な解決には程遠い。 根本的といえば昔こういうジョークがあった。 “男性のハゲの根本的な解決法は二つある。 まず第一は禿げてない親を持つこと。 二番目は去勢すること。“ どちらも不可能なことであり、だから根本的解決は無理だというわけだったが、第一については北里大学名誉教授の川上先生のご指導で、ヘアメディカルグループでは禿げに関る遺伝子の解明を進めており、国際的にも高い評価を得ている。 二番目は禿げにおける男性ホルモンの影響を意味するものであり、最近使われ始めたプロペシアは毛根部での男性ホルモンの働きを抑制し、その前から使われ始めたミノキシジルと併用して威力を発揮している。最近では又新たな抑制剤が開発され、現在ヘアメディカルグループではその効果を検討中である。 きょうはその川上先生から、食欲と肥満に関る因子、とくに遺伝子について最新の知見をご披露いただいた。 ともかくこの分野の最近の進歩は目覚しい。 食欲増進、抑制の因子がそれぞれ10以上も列挙され、それらが複雑に絡み合って食欲をコントロールする図式は、まるで人気タレントの相姦図のように華麗で、見るほどに目がクラクラしてきた。 早くその中から臨床応用可能なコントロール因子を抽出して、クリニックに提供して欲しいというせっかちな臨床医からの要請を、まあそう慌てなさんな、ここまで来るのも一苦労だったのだから、と川上先生はたしなめられていた。 だが肥満対策はアンチエイジングの重要課題の一つであり、キレーションによる重金属のデトックス、動脈硬化対策,ホルモン療法などが軌道に乗ったら、コントロール因子の実用化を含め、早急に取り組みたいテーマの一つである。 ![]() |
![]() 塩谷信幸
1931年生まれ
東京大学医学部卒業 北里大学名誉教授 北里研究所病院形成外科・美容外科客員部長 AACクリニック銀座 名誉院長 NPO法人アンチエイジングネットワーク理事長 見た目のアンチエイジング研究会代表世話人 東京米軍病院でのインターン修了後、1956年フルブライト留学生としてアメリカに渡り、オルバニー大学で外科を学ぶうちに形成外科に魅了される。数年の修業の後、外科および形成外科の専門医の資格を取得。 1964年に帰国後、東京大学形成外科勤務を経て、1968年より横浜市立大学形成外科講師。1973年より北里大学形成外科教授。 1996年に定年退職後も、国際形成外科学会副理事長、日本美容外科学会理事として、形成外科、美容外科の発展に尽力している。 現在は、北里研究所病院美容医学センター、AACクリニック銀座において診療・研究に従事している。 >>アンチエイジングネットワーク >>NPO法人創傷治癒センター >>医療崩壊 >> 過去のブログはこちら(2005年5月26日~2006年5月26日) by n_shioya 以前の記事
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