|
|
NPO法人アンチエイジングネットワーク理事長が、『アンチエイジングな日々』を
軽快な筆致でつづります。 どうぞお気軽にコメントをお寄せください。 |
不思議な映画だった。
始めから終りまで、厨房の場面に終始する。 レストランの名は「エル・ブリ」。 スペインにあった実在のレストランで、世界一予約の取りにくいことで知られていたという。 其のレストランの“台所”のドキュメンタリーだとは知らなかった。 ![]() 主人公はオーナー・シェフのフェラン・アドリア。 ヌーベルキジ―ヌを超えた、芸術的な創作料理である。 “おいしいだけではだめだ、驚きがなければ”というのが彼の信念である。 毎年冬にかけて半年は休業し、新しいメニューの開発に専念する。 何もそこまでこらなくてもと思うのは、グールメと程遠い素人の悲しさか。 昔、箱根のオーベルジュ・オー・ミラドウで熱傷学会の会長招宴を催したことがある。 50人のゲストで満杯のレストランで、次々に出される料理は、完璧としか言いようがなかった。 厨房はさぞ戦場のようだったろうと、勝俣シェフの指揮のあり様を想像したものである。 その一端を、この映画で垣間見た気がする。 ![]()
最近抗加齢と言うと必ず出てくるフォトが、老いさらばえた猿と、毛もふさふさした猿の対比である。
年齢は同じだが、若く見えるほうは、今はやりのカロリー・リストリクションを受けた猿だ。 始めはネズミの実験だったか、餌を三割減らすと寿命が三割伸びると言うことを、言いだした人がいる。 そしてその理由づけとして、飢餓状態でサーテュインとかいう長寿の遺伝子が活性化して寿命が延びるとされている。 これが食事制限で寿命を延ばそうと言うカロリー・リストリクション、いわゆるカロリスのブームに火を点けた。 だが、批判がないでもない。 野生の動物は何時も腹いっぱい食えるわけではない。食べられる時に貯め込んで、食糧難に備える。つまり、飢餓状態の方が正常なのだ。 人間も動物のはしくれとして、インシュリンの働きはそのためにあるわけだが、何もそんな極端に制限しなくても、過不足ない食料供給に適応しているのではなかろうか。 もし我々の今の食の摂取量が過食だとしても、せいぜい8割ぐらい、つまり腹八分で、人間にとっては十分なカロリスになるのではなかろうか。 大体食いたいものも食わないで寿命が延びても、それこそ何の生きがいぞ! と、カロリスに八つ当たりしてるのは、今宵、配偶者の苦心の作のジューシーなハンバーグをついつい食べ過ぎて、はち切れそうになった胃袋に対する自己弁護のあがきである。
「レインボウダイエット」という旨い事を言った人がいる。
![]() 野菜、果物の栄養素をまんべんなく取るには、青、赤、黄、紫、緑・・と色とりどりのサラダを、しかも食事の初めに取るのがいいということのようだ。 植物に含まれている栄養素をファイトケミカルと言って、いろいろな種類があるが、それぞれが固有の色を持っている、アントシアニンは紫、リコピンは赤というように。 だから、どれがに何が入っているなど考えずとも、色とりどりの野菜果物をどっさりとれば、植物の栄養素はまんべんなく取れると言うわけだ。 最近、サラダバッフェを提供するレストランが増えてきたのは有難いことだ。 そして当たり前だが、「虹」には白は無い。だから、白米、白パンは宜しくないという。 また最近は、糖分の吸収速度、通称「GI」,グライセミック・インデックスというのが、問題になっている。 同じカロリーの炭水化物でも、糖としての吸収が早いものほど、血糖値を急激に挙げて、インシュリン分泌に負担がかかる。つまり、吸収の遅いものほど、同じカロリーでも、メタボになりにくいという。 また、繊維性の野菜を先に口にすると、腸内で糖分が吸着して吸収が遅れるので、まず野菜をということだ。 また、白米や白パンのように生成された者は、GIが高く吸収が早い。 白砂糖などは最悪だと言うのが、今の考えである。 また、よく噛め、とも言われるが、これは噛むことで脳に良い刺激と満腹感を与えるが、早食いすると、満腹感の来る前に食べ過ぎてしまうから、よくないのだそうだ。 という訳で、同じカロリーと食材でも、其の組み合わせ、食べる順序で、ダイエット効果には目覚ましい差が生ずるという。 ところで、“そうだ”とか“という“を連発しているのは、書いている当人がちっとも守っていないからだとは、察しの良い読者ならとうに気付いておられるだろう。
NHKにはキッチンカ―という料理番組がある。
改造したキャンピングカーに料理の達人とタレントが乗り込み、日本全国を回って、その土地の名産を使って創作料理を披露する。 今日は伊豆の天城山麓だった。 狩野川の清流の鮎、天城名物のワサビ、品種改良を加えた軍鶏が食材として出てきた。 皆、涎の垂れそうな自然の恵みである。 中でも、アユは僕にとっては最も思い出深い魚である。 といっても今日の番組にでてきたような、新鮮な“アユの塩焼き”を頬ばった思い出ではない。食べられなかったアユの思い出である。 戦争末期、食糧事情は絶望的になり、栄養不良でガリガリにやせ、いずれは餓死するか、日本軍に殺される(アメリカ軍ではない、念のため)運命にあった時、何時も夢にでる食べ物がアユ、それも塩焼きだった。 どうしてアユだったのかは分からない。 米などは全く手に入らない。配給されるのは大豆だけのこともしばしばだった。 一日の食いぶちが大豆数個のこともあった。 また、信じられらないほどの不潔な状態が続き、大人も子供も髪にも衣服にも虱を飼っていた。 そして我が家では、虱一匹が大豆一粒の価値があった。 というのは、我々の世話をしてくれた叔母の頭の虱を駆除するのが子供らの仕事になったからである。 一匹、一匹、爪の間に挟んでプチュ、プチュとつぶしていく。 そしてプチュと一つ音を立てるたびに、大豆一粒が渡された。 もし生き延びることが出来たら、まずアユの塩焼きを、あのくの字に串刺しにされ、塩をまぶした鮎をと夢見ながら、プチュを続けたのも、今は懐かしい思い出である。 このように成長期に粗製乱造された昭和一桁は、当然短命と思われた。それがどういうわけか、大方が80を過ぎてもしぶとく禄を食んでいる。 最近のネズミの実験では、3割餌を減らすと長寿遺伝子にスウィッチが入り、寿命が3割伸びるということが分かった。これを抗加齢の世界ではカロリー・リストリクションという。 我々昭和一桁は図らずも適切な時期にカロリーリストリクションを受けたということになのだろうか。
六本木ミッドタウンは、ブランドショップあり、マンションあり、クリニックあり、ホテルあり、そして何十ものレストランあり、更には地下鉄の駅まである文字通りの一大タウンである。
当初、ジョンスホプキンスと提携したクリニックの立ち上げをお手伝いした関係で、何度か訪れたが未だにその全貌は把握できず、レストランに至ってはわずか数件を制覇したに過ぎない。 そして今日は美女軍団にさそわれ、4階テラスのボタニカというレストランで昼食を楽しんだ。 ![]() ホームページを引用すると 「ロンドン、パリ、ニューヨークなどで人気の高いD&DLondonレストラン(前コンランレストラン)が日本初上陸。 コンラン&パートナーズによってデザインされた店内は、彼らの確かな目で選び抜かれたハイセンスなインテリアの数々が配置され、店名の由来となる「植物」をテーマに、随所に葉のモチーフや天然素材を使用した、心からリラックスしてお食事をお楽しみ頂ける空間です。初夏から秋にかけての天気の良い日にはテラスでお食事を楽しめ、また緑豊かなテラスの景色を眺めながらゆったりとお食事できる居心地のよさが「ボタニカ」最大の魅力です。」とある。 お料理は、新井田料理長によるこだわりの食材を使用したイタリア料理をプリフィクスコースで楽しませていただき、洗練されたインテリアと美食の融合が織り成す世界をぞんぶんに堪能いたしました。 毎日ここで食をとれば、楽しみながら減量が可能だそうです。
寒い冬の夜には鍋料理が一番だ。
だが、たまにはスイス風鍋料理?でもと、丁度ホテルオークラでチーズフェアをやっているので、チーズフォンデュを食べに行くことにした。 最近では東京にいれば世界中の料理が楽しめるが、どういうわけかその国の名物だが、あまりメニューに見かけないものが幾つかある。 チーズフォンデュもその一つだ。 ![]() スイスの魅力はアルプスとチーズにあるといっても過言ではない。 となると、グリンデルワルドのレストランのテラスから、アイガーを眺めながらのフォンデュは最高と言うことになる。 あとはフォンデュ用チーズの本場のグリェールも悪くはないが、あそこでおすすめなのは、チーズを炙ってとろりと溶けたところをすくってポテトにかけるラクレットだ。 最近ではスーパーで家庭用のパックも出回っているようだが、味はイマイチである。 今日のは、さすがオークラだけあって、グリェールとエメンタールを使った、本場に劣らない出来だった。 ちなみにチーズフェアは今月いっぱいで終わりである。 と、ここまで書いてきて、念のためグーグルしてみると、あるは、あるは、都内でも何十軒か、フォンデュをメニューに載せている。 そこで、これならまだないのではと、これも僕の好物だがまだ東京ではお目にかかったことがないポーチドエッグの変わり種「エッグ・ベネディクト」を検索してみると、これもいくつか引っかかった。だが、これは去年あたりかららしい。 ![]() ちなみにこれは、イングリッシュ・マッフィンの上にハムとポーチとエッグを載せ、ホランディース・ソースをかけたもので、コレステロールを気にしなければ、最高の朝飯である。
寒い、寒い!
気温も下がり、今夜のこの雪は積もりそうだ。 その中を配偶者の希望で、田園調布までチョコレートを買いに行った。 ![]() バレンタインを控えて街はチョコレートに溢れえている。 デパートなどはワンフロアを使って、世界中の名品を集めたチョコレートフェアもやっているのに、何故田園調布? お目当てはルージュ・ブランシュと言うチョコレート屋さんの本店だ。 薄くスライスしたオレンジにチョコをかぶせた逸品はここにしかないもので、特別な人には特別なものを贈りたいと言う。 ま、いいでしょう。 ![]() それにしてもここ数年のチョコレートブームはすさまじい。 こんなにも種類がと感心するくらい、新手の輸入品が続々と店頭をにぎわす。 チョコ好きには有難い話だが、メタボを気にする身には辛いブームでもある。 僕が子供の頃は明治と森永のチョコバーだけだった。 戦後は進駐軍によってハーシーが持ち込まれ、 “ギヴ ミ チョコレート!”と英会話の勉強?も兼ねて、GIにねだったものだった。 そして、おとぎ話のようなデザインの箱に詰められた、ホィットマン・サンプラーのプラリネたちは宝石のような輝きを放っていた。 それからイギリスのキャドベリー、スイスのリンツ、そして最近ではフランスイタリア、スペインと続々登場。そう、ウィーンのデーメルもわすれてはならない。 勿論エリカ、オッジなど日本オリジナルも負けてはいない。 ところでベルギーからゴディヴァが入ってきた時は、其の洒落た味にチョコは甘けりゃいいというものでもないことが分かった。 だが、ベルギーッ子には、ゴディバよりウィットマーの方がと言われたが其のウィットマーも今では楽に手に入る。 こうしてバレンタインを間近に控え、僕の消化器系では、チョコレートとカロリー・リストリクションの熾烈な戦いが始まろうとしている。
自由が丘には旨い食いもの屋が多い。
僕が古山君の自由が丘クリニックに繁く足を運ぶのはそのためで、必ずしも診療の為ではない。 今日の穴場は家庭料理「銀魚」。 知る人ぞ知る、魚料理の専門店である。 仲間は古山君のほかに、東京女子医大の皮膚科の川島教授そしてプルデンシャルの米谷氏。 話題は皮膚科、形成外科から保険業界、今話題のサンデル教授の授業、さらにはどういうわけか尖閣湾問題にも及んだ。 気が付いたら僕のブログと格闘の時間が迫っていたので、お開きとなった。 ![]() 又、遠からぬうちに訪れたい店である。
最近では不勉強な医者よりも、マスコミから患者への情報の伝達速度がはるかに速いくなってきた。
この傾向は昔からあって、よくアメリカでは医学雑誌よりも、レディス・ホームジャーナルに目を通した方が、患者に後れを取らないといわれたものである。 勿論その中には信憑性のないものも含まれるが、NHKの「ためしてガッテン」などは、なかなか調べもしっかりしており、専門外のことでは随分とお世話になっている。 今日の「骨密度の正常な骨粗鬆症」など、始めて知った話題だった。 加齢により骨密度が低くなると、骨折を起こしやすいことはどなたでもご存じのはず。だが最近、骨密度が正常化それ以上で骨折を、それも背骨などの自然骨折を起こす人が増えたという。 結論から言うと、カルシューム不足でなく、骨の構成成分のコラーゲンに糖がくっついてもろくなるのだという。当然ながら糖尿病の人に多い。 問題は、カルシューム不足でないので、レントゲンや骨密度測定などの検査ででは簡単に診断がつかないことだという。 実はこの糖分が体の組織にくっつくことをグライケーションというが、これが今、活性酸素の次に老化の原因として注目を浴びてきている。 加齢とともに糖分がコラーゲンといわずどんな蛋白質にもとっついて、いわば全身の組織が、キャラメルづけになっていくのだと思えばよい。 当然ながらグライケーションは、糖尿病なら起こりやすいわけで、メタボが動脈硬化、高血圧だけでなく、あらゆる疾患の発症に繋がる所以でもある。 これがコツのコラーゲンにも悪影響を及ぼすとは、恥ずかしながら今日初めて知った。 このへん、まだまだこれからの解明が必要だが、まず僕自身の勉強と、己の血糖値そしてコレステロール値のコントロールを考えなければならない。ちなみに今現在、糖尿病の指標であるA1cは上限ぎりぎりである。
医学番組の氾濫する中でも、「ためしてがってん」は、医学に限らず目からうろこのテーマが多い。
それだけ視聴率も高いのか、5年ほど前に放映された「湿潤療法」は未だに講演のたびに、あの番組を観たのでといわれることが多い。 今日のテーマは現代の「栄養失調」だった。 まさかと思ったが、そのため結核、脳出血、骨折が増加しているという。原因はアルブミン欠乏だという。 高脂血症を恐れるあまり、肉や卵を敬遠しすぎるのが原因だそうだ。 非常にありがたい教えである。 僕も明日からは遠慮せず、毎日肉を食らうことにしよう。 今一つ大事なことは、いろいろな食材を偏らず食べること。 ①肉 ②魚 ③卵 ④いも ⑤海藻 ⑥野菜 ⑦牛乳 ⑧大豆 ⑨果物 ⑩油 番組ではこれをチェックシートにして毎日つけることを勧めていた。 < 前のページ次のページ >
|
![]() 塩谷信幸
1931年生まれ
東京大学医学部卒業 北里大学名誉教授 北里研究所病院形成外科・美容外科客員部長 AACクリニック銀座 名誉院長 NPO法人アンチエイジングネットワーク理事長 見た目のアンチエイジング研究会代表世話人 東京米軍病院でのインターン修了後、1956年フルブライト留学生としてアメリカに渡り、オルバニー大学で外科を学ぶうちに形成外科に魅了される。数年の修業の後、外科および形成外科の専門医の資格を取得。 1964年に帰国後、東京大学形成外科勤務を経て、1968年より横浜市立大学形成外科講師。1973年より北里大学形成外科教授。 1996年に定年退職後も、国際形成外科学会副理事長、日本美容外科学会理事として、形成外科、美容外科の発展に尽力している。 現在は、北里研究所病院美容医学センター、AACクリニック銀座において診療・研究に従事している。 >>アンチエイジングネットワーク >>NPO法人創傷治癒センター >>医療崩壊 >> 過去のブログはこちら(2005年5月26日~2006年5月26日) by n_shioya 以前の記事
検索
カテゴリ
最新のコメント
お気に入りブログ
ネームカード
ファン
|
|