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NPO法人アンチエイジングネットワーク理事長が、『アンチエイジングな日々』を
軽快な筆致でつづります。 どうぞお気軽にコメントをお寄せください。 |
ロゼッタストーンっての知ってるでしょう。
あの大英博物館の目玉、エジプト時代の大きな石で、象形文字、ヒエログラフがびっしり刻まれている。 誰かさんが一生懸命そのヒエログラフを解読したところ、なんと “今時の若いものは・・・”というのが書き出しだったというジョークを聞かされたことがある。 つまり世代間のギャップは今に始まったことではなく、古今東西を通じての課題で、むしろ“今時の・・・”というせりふを口にするよになれば、そろそろ己れも老化が始まったという自戒ととるべきであろう。 “そうはいっても今の奴らは、”と、昨夜の自由が丘クリニックの集まりでは、最近入局してくる若い医師たちの行状を、皆一様に慨嘆していた。 ガッツがないし、目先の利益しか考えない、モラルに欠けている等々。 集まったメンバーは皆僕が現役の頃のスタッフたちである。 が、よく話を聞くとあまりあの頃と変わりないような気もしてきたが、失礼に当たるので発言は控えておいた。 そもそも今時の若者が手本としてているのが、永田町や霞ヶ関の住人、そして企業のトップ連中ではないだろうか。 ただ確かに、医療を取り巻く環境の劣化で、医師の質や価値観が劣化してきているのは否めないようだ。 最近とみに医療崩壊が話題になるが、これが若い医師のやる気をなくして、安易な道へ走らせていることも間違いない。 その安易な道の落とし穴の一つが、今はやりの美容外科である。 がんじがらめの保険制度の中で、唯一自由診療が可能な科として、志望する医師も急増しているし、患者の関心も高まっている。 それをあおるかのように、このジャンルはワイドショウの餌食となり、タレントまがいの医師が続出してきたし、芸能プロダクションのお抱えになった医師もいるようだ。 嘆かわしいことである。 医師がプライドを捨てれば、怖いものはない。極端な言い方をすれば、医師免許という“殺しのライセンス”ともっているようなものだから。 もちろん僕は決してパブリシティを否定するものではない。 今はメディアの時代だ。むしろ正しい啓蒙は積極的に行うべきと思う。 “そのために我々は何をなすべきか、”というのも昨夜の自由が丘クリニックでの討議のテーマの一つであった。 ちなみに昨日のシンポジュームは、僕の期待通り「シンポジオン、饗宴」であって、クリニックの近くのスポーツクラブで、海鮮料理を賞味し、ワインを傾けながら激論が交わされた。 ブログ用のフォトも撮り忘れたくらい、熱心な討議であった。
by n_shioya
| 2007-11-08 23:59
| コーヒーブレーク
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塩谷信幸
1931年生まれ
東京大学医学部卒業 北里大学名誉教授 北里研究所病院形成外科・美容外科客員部長 AACクリニック銀座 名誉院長 NPO法人アンチエイジングネットワーク理事長 見た目のアンチエイジング研究会代表世話人 東京米軍病院でのインターン修了後、1956年フルブライト留学生としてアメリカに渡り、オルバニー大学で外科を学ぶうちに形成外科に魅了される。数年の修業の後、外科および形成外科の専門医の資格を取得。 1964年に帰国後、東京大学形成外科勤務を経て、1968年より横浜市立大学形成外科講師。1973年より北里大学形成外科教授。 1996年に定年退職後も、国際形成外科学会副理事長、日本美容外科学会理事として、形成外科、美容外科の発展に尽力している。 現在は、北里研究所病院美容医学センター、AACクリニック銀座において診療・研究に従事している。 >>アンチエイジングネットワーク >>NPO法人創傷治癒センター >>医療崩壊 >> 過去のブログはこちら(2005年5月26日~2006年5月26日)
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