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NPO法人アンチエイジングネットワーク理事長が、『アンチエイジングな日々』を
軽快な筆致でつづります。 どうぞお気軽にコメントをお寄せください。
「聖フランシスコの祈り」
北イタリヤは僕の好きなドライブコースの一つだ。
何時の場合も一般道をチンタラ走るのが一番楽しいが、今日は先を急ぐので高速道路、アウトストラーダを使うことにしよう。

ヴェニスを基点として西へ20分も走ればもうパドアである。ここのチャペルには有名な「ジオットの聖母子像」がある。
ここから南に2時間ほどでボローニャに入る。
ヨーロッパ最古の大学町で、17世紀の昔、「タリアコッチ」という外科の教授が患者の上腕から皮膚移植して鼻を再建し、僕の専門である形成外科を誕生させたゆかりの地である。

さらに一時間南下すればあのフィレンツェ。
このアペニン山脈越えの緑の山なみの景観がすばらしい。
フィレンツェは何も付け加えることはないでしょう。
今日はここで東に向きを変えてウンブリアに入り、中田で知名度の上がったペルージァをかすめてアシジを訪れ、あの「聖フランシスコ」に敬意を表することにする。
「聖フランシスコの祈り」_b0084241_22293587.jpg

フィレンツェの豪商の息子として生まれた聖フランシスコは、はじめは血気盛んで野心に満ちた若者だった、
あるとき、改心の機会が訪れ、アシジの丘に庵を構え、祈りの生活に入る。やがて清貧を旨とする修道会を立ち上げ、アシジはカトリック信者の巡礼のメッカになる。

その聖フランシスコの平和の祈りほどすばらしい祈りの言葉を僕は知らない。
その訳をここに掲げる。
“神よ わたしを
あなたの平和のために用いてください。

憎しみのあるところに 愛を
争いのあるところに 和解を
分裂のあるところに 一致を
疑いのあるところに 真実を
誤りのあるところに 真理を
絶望のあるところに 希望を
悲しみのあるところに よろこびを
暗闇のあるところに 光を
もたらすことができますように
助け導いてください。

神よ わたしに
慰められることよりも 慰めることを
理解されることよりも 理解することを
愛されることよりも 愛することを
望ませてください。

わたしたちは 与えることによって与えられ
すすんでゆるすことによってゆるされ
人のために死ぬことによって
永遠に生きることができるからです。“

どうです、当たり前のようなことですね。だが、これが難しい。
ことに終わりのほうはよく考えると、矛盾だらけというか禅問答のように難解でさえある。
だが、禅問答のようになにか納得させるものがある。
なかなか実行は難しいが、無視も出来ない。始末におえないのが、この平和の祈りである。

ともあれこれが、アシジの丘で「聖フランシスコ」が到達した悟りの境地で、今もっとも我々が心の平和を得るために、必要としているものではないだろうか。
by n_shioya | 2013-03-08 22:31 | コーヒーブレーク | Comments(0)


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