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NPO法人アンチエイジングネットワーク理事長が、『アンチエイジングな日々』を
軽快な筆致でつづります。 どうぞお気軽にコメントをお寄せください。 |
以前、学会で福岡に泊まった際、一晩空きが出来たので、思い立って郊外に住む叔父を訪ねることにした。 叔父は九大の農学部の教授である。僕の進路決定なども含め、折に触れて助言を求めてきたいわば僕のメンターである、 同じように暇になった同行の助教授を誘ってみた。 “ どう、付き合わない?チョット変わった叔父なんで、上がらずに玄関口で失礼するけど。” 助教授の最大の勤めは、教授の無理難題に従うことである。 “ へー” という気のない返事が返ってきた。 叔父の家はホテルからタクシーで20分ほどのところにある。 玄関を開けると、 “よう、信幸よく来たな。じつは最近の研究ではキリストは「火星人」だということが分かった。まあ、上がれ。” のっけからこうである。 しょうがねえ、と助教授に目配せし、二人で叔父の書斎に入った。 机の上には広辞苑ほどの厚さの辞書がおかれ、背表紙には宇宙語辞典と書かれてある。 言い忘れたが、叔父は「心霊科学協会」の理事長を務め、UFOつまり空飛ぶ円盤の権威でもある。 ちなみに叔父をこの世界に引きずり込んだのは僕の親父で、子供の頃は家に霊媒とか、占い師とかいわゆる霊能者の類がたむろしていたので、僕が過酷な幼児体験というときは、「玄米菜食」だけではなかったことを付け加えておく。 キリストの正体を明らかにしてから、話はUFOとの交信法に移った。 適当な気象条件のとき、しかるべき場所である呪文と唱えるのだそうだ。マントラ、マントラとか言う呪文だったと思う。 “それで叔父さん、本当にUFOと連絡は取れたんですか?” “いや、それがな信幸、まだなんだ。” そのときの叔父の顔は実に残念そうて、聞かなければよかったとあとで深く後悔したほどである。 その叔父も10年ほど前、前立腺癌でなくなった。今頃は叔父が生前から交流を図っていた「死後の世界」で、UFOの乗組員と劇的な会合を果たしていることを僕は望んでいる。
by n_shioya
| 2013-03-06 20:45
| コーヒーブレーク
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塩谷信幸
1931年生まれ
東京大学医学部卒業 北里大学名誉教授 北里研究所病院形成外科・美容外科客員部長 AACクリニック銀座 名誉院長 NPO法人アンチエイジングネットワーク理事長 見た目のアンチエイジング研究会代表世話人 東京米軍病院でのインターン修了後、1956年フルブライト留学生としてアメリカに渡り、オルバニー大学で外科を学ぶうちに形成外科に魅了される。数年の修業の後、外科および形成外科の専門医の資格を取得。 1964年に帰国後、東京大学形成外科勤務を経て、1968年より横浜市立大学形成外科講師。1973年より北里大学形成外科教授。 1996年に定年退職後も、国際形成外科学会副理事長、日本美容外科学会理事として、形成外科、美容外科の発展に尽力している。 現在は、北里研究所病院美容医学センター、AACクリニック銀座において診療・研究に従事している。 >>アンチエイジングネットワーク >>NPO法人創傷治癒センター >>医療崩壊 >> 過去のブログはこちら(2005年5月26日~2006年5月26日)
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