3月13日
眠りから覚めたカエルも
リラックス
なここんとこ、これはつまりやはり春だね。あぁこの新しい季節に、おぉおぉ真新しいTシャツが完成。
今回はなんと『CHAMP RECORDS×BLUE BEAT BOP!』コラボTシャツ。デザインは『ROOT&UNITED』DJとしてもお馴染み、山名昇氏&吉村亮氏から成るBLUE BEAT BOP!デザインチームによるもの。しかも2種類も。わーい、やったぁ!
と、喜んでいた俺のもとに、今回のTシャツアートディレクター山名氏より「是非、皆さんに読んでもらえたら」と素敵なメッセージが到着。あぁこれはつまり『BLUE BEAT BOP! Tシャツライナーノーツ』!
_______________________________
みなさん、お元気ですか?root & unitedのdjの山名です。今回、ライブ会場で発売されるTシャツx2種類のデザインを担当しました。その「解説」を少々。
まず、グリーンの「CHAMP RECORDS LIMITED」から。そもそも、スクービーのTシャツをデザインさせてもらえないかなぁ、とは考えていたのですが、なかなか言い出せずw。先日刊行された
『BLUE BEAT BOP!』という題のスカの本について、コヤマ君とメールをやり取りしている間に、話がまとまりました。で、彼のリクエストは、モホークスというグループの『CHAMP』というアルバムのデザインから(パロディ的に)、彼等のレーベルである『CHAMP RECORDS』のシャツを作って欲しい、というものでした。
モホークスはイギリスの(白人の)グループで、その曲が近年、頻繁にサンプリングされて、広く知られるようになりました。ただし、もともと「ライブラリー系(※注1)」の人がリーダーですから、その「CHAMP」のファンキーな感じとは裏腹に、ソウルmusicとも、UKブラックなカルチャーとも無縁な存在のはずです。しかし、その曲は、イギリスで初期のレゲエをリリースしていたPAMAという会社から発売され、ジャマイカでも、本格的なレゲエ・レーベルの「SIR JJ」にリースされました。
改めて『CHAMP』のジャケットを眺めると、このロゴに似たのを最近見るよな、と思います。それは、ここ数年、米軍の放出品風にアレンジした「ARMY」とだけ胸に書いてあるTシャツでした。女子もずいぶん買ったはずです。
その発想から、文字だけにすることに決定。生地色は、アルバムに似せた緑にします。で、『BBB!』のロゴを背中に入れて、コラボ感、doubleネーム感を出すのがnowいってことになっていましたので、表の「チャンプ・レコーズ」も、何か1行加えて、つまり
CHAMP
RECORDS
xxxxxxxx
という3行にならないか、とコヤマ君とまたああでもないこうでもない、とメールの往復です。
CHAMP
RECORDS
TOKYO
でもないしね。結局3行目を「LIMITED」に決める時の僕の用意した切り札は、「猪俣猛とSOUND LIMITED(※注2)ってカッコいいよね」という台詞でした。これには流石にコヤマ君も「間違いない!」と応えるしかありませんでした。(了)
※注1 library music
放送局が、自局の番組(TVであれラジオであれ)のバック用に、それぞれのムードに合わせた音楽を、1回ごとのオリジナルを作るのではなく、何度も使い回せるように、レコード制作した。もしくは、BGM専門レーベルに作らせた。つまり、使用後は局の「図書館」に戻され、次にまた別のディレクターが借り出した。天気予報のバックに流れる、ヒット曲のカバー、みたいなもの。スタジオ・ミュージシャンよりさらに匿名性の強い仕事。モホークスのジャケット裏にもクレジットのある、彼等の出版管理会社の「KPM」は、その専門レーベル。近年、レコード掘り人種は、このジャンルにまで踏み込んだ。
※注2 Takeshi Inomata & Sound Ltd.
ドラマーの猪俣が1970年代初頭に組んでいた、10人を超す大編成のジャズ・ロック・グループ。石川晶&カウント・バッファローズ、稲垣次郎&ソウル・メディアと共に、日本の「レア・グルーヴ」として再評価された。
_______________________________
こんな成り行きでもって産まれたアイデアを元に
山名氏がラフスケッチを起こし、
吉村氏によって製版デザイン化され、
完成、『LIMITED Tシャツ』!イカす!
3月16日より、全世界のPLUS ONE MOREに向け、ライヴ会場にて販売予定。
やしやしやしやーし。あ。あぁあぁ。そうだ、もう1種類あるんだ。このTシャツにも素敵なライナーノーツが送られて来ていたぞ。よし、こちらのカワイコちゃんは明日紹介しようそうしよう。
それではまた明日、ごきげんよう!
コヤマシュウ