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川隆夫の JAZZ BLOG
Profile

©Kozocom (photo by Shuichi Kasahara)
職業:JAZZジャーナリスト、整形外科医、DJ

ニューヨーク大学の大学院在学中にアート・ブレーキーやマルサリス兄弟など数多くのミュージシャンと知り合う。帰国後、JAZZを中心に約3000本のライナーノーツを手がけると共にJAZZ関連の著書を多数出版。ブルーノートの完全コレクターとしても有名。その他、マイルス・デイヴィスやブルーノートの創始者アルフレッド・ライオンの来日時の主治医を勤めるなど、現役の整形外科医としても第一線で活躍中。

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 以前このブログでお知らせしましたが、講談社から現在発売中のビジネス・マガジン『セオリー・ビジネス』(2008年 Vol.8)にインタヴューが掲載されています。タイトルが『小川隆夫流「仕事と趣味の一挙両得」な生き方を学ぼう』とは面映いですが、二足の草鞋を25年ほど履いてきた履き心地について語ったものです。

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 この記事を読んで改めて感じたのが、自分は「不器用」だということです。はたからは、器用にふたつの仕事をこなしているように写るかもしれません。でも、実際のぼくは立ち回りが下手で、要領もいいとは思えません。しかも、いい加減がモットーですし。

 それでも二足の草鞋をなんとなく履いてこれたのは履き心地がよかったからです。履き心地がいいというのは、周りの人が履き心地をよくしてくれたことにほかなりません。自分ひとりじゃなんにもできませんから。

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 不器用を自覚しているので、いい加減ではありますが、興味があることには熱中します。医療も音楽も熱中度は高いです。ですから、それぞれの仕事は自分が納得できるところまでやるようにしてきました。それでも、ほかのひとから見れば、いい加減なレヴェルで終わっているとは思います。

 ひとりよがりですが、自分が納得できればそれでいいと、いつのころからか思うようになりました。ただし医師の仕事は患者さんありきなので、ぼくひとりが満足しても意味はありません。この場合は、「患者さんが満足してくれればぼくも満足できる」と考えるようにしてきました。これが留学して学んだ一番大きなことです。

「2年間向こうに行っていてたったこれだけ?」と思われるかもしれません。ですが、ぼくは大切なことだと思っています。なんて偉そうに言っても、日常的に診察していると、反省することだらけです。

 毎日、病院からの帰り道に、「今日はあそこが駄目だった」とか、「もう少し親切に接するべきだった」とかの反省しきりです。しかもその反省がまったく生かされていない駄目医者なので、こういうインタヴューが掲載されるのは冷や汗ものです。「嘘ばっかり言ってら」と、ぼくのことを知っているひとからは言われそうです。

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 居直ってしまいますが、「このインタヴューは自戒を込めて」ということにしておいてください。ちょっと見栄を張ってかっこをつけ過ぎました。でも、嘘はひとつもついていませんし、すべてが真実です。自分で読んでもかっこいいと思うのは、いいところばかりを抽出したからでしょう。実際はこんなにかっこよくありません。

 まあ、このインタヴューに出てくる小川隆夫さんに一歩でも近づきたいとは思っていますが(笑)。 
by jazz_ogawa | 2008-09-27 10:42 | Works | Trackback | Comments(6)
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 昨日は偶然の成り行きですが、総勢9人でライヴを観てきました。小僧comが「ブルーノト東京」と組んで、特別パッケージみたいなものを始めたんですね。入場料にスペシャル・ドリンクとオードヴルを組み合わせて、少し割安の料金で観られるというパッケージです。その最初の試みがベニー・ゴルソンのライヴでした。

 たまたまぼくも昨日のセカンド・セットを観にいくことにしたので、事前に「同じ回をご覧になるひとで、お嫌じゃなければご一緒にどうですか?」と小僧comのスタッフが声をかけたところ、こういうことになりました。

 いつもはひとりかふたりで観にいくことが多いので、こういうのもたまにはいいですね。早めに店に行き、ご一緒する方たちとジャズ談義で盛り上がったところで、ライヴが開始です。ベニー・ゴルソンは、去年も「東京Jazz」で聴きましたが、肌の色艶もよく元気そうでした。1929年1月生まれですから、もうすぐ80歳。先日のハンク・ジョーンズもそうでしたが、とにかく若々しいことこの上なしです。

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 15年ほど前になりますが、彼を含むカーティス・フラー・クインテットの作品『ブルースエット・パート2』をぼくはプロデュースしていました。あのときから、見かけはまったく変わっていません。

 ステージに登場したのははこのところのレギュラー・カルテットで、マイク・ルドン、バスター・ウィリアムス、ジョー・ファンズワースの面々。「サヴォイでストンプ」、「Mr. P.C.」、「アロング・ケイム・ベティ」、「アイ・リメンバー・クリフォード」などお馴染みの曲が中心の演奏です。途中でピアノ・トリオによる「オン・グリーン・ドルフィン・ストリート」もフィーチャーされました。

 ほとんどの曲で全員のソロがフィーチャーされ、ベニー・ゴルソンはそれほど長く吹きません。まあ、お年を考えればそういうものでしょう。ぼくが若いころだったら、「毎回ベース・ソロやドラムス・ソロはないだろ」と怒ったかもしれません。しかし、「これもいいじゃない」と、いまなら思えます。1929年1月25日生まれのベニー・ゴルソンによる2008年9月23日の演奏はこれしかないんですから。

 ライヴはそのとき限りのものです。ぼくは、その姿を目と耳に焼き付けたいと考えています。「今日の演奏はよかった」とか「つまらなかった」というのは簡単ですし、当たり前のことです。自分の中に芽生えるそうした思いも無視はしませんが、その上でぼくは「今日の演奏はこれしかないんだし、それが聴けてよかった」との思いが年と共に強くなってきました。

 あと何度ベニー・ゴルソンのライヴが聴けるかわかりません。昨日の演奏もぼくには得がたい財産のひとつになりました。これまでに何度もさまざまなライヴを聴いていますが、これからはこれまで以上にひとつひとつのライヴを大切に聴いていきたいと思います。ぼく自身、あとどのくらいライヴに足が運べるんだろうと、最近は強く感じるようになりましたから。

 ご一緒した皆さんも口々に「楽しかった」と話していました。やっぱりライヴはやめられませんね。
by jazz_ogawa | 2008-09-24 12:02 | ライヴは天国 | Trackback | Comments(6)
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 ついでなので、もう少しお気に入りのボックス・セットを紹介しておきます。

 これ、凄いです。60枚組の『バロック・マスターワークス(60CD+CD-ROM』。内容も凄いですが、値段がもっと凄いです。これで5742円。バッタ物じゃありません。由緒正しきSony-BMG盤(EUプレス)です。以下にHMVの宣伝文句をペーストしておきます。

初回生産完全限定盤!
バロック・マスターワークス (60CD Limited Edition)

DHM, RCA, ARTE NOVA, SEON, Vivarte, SONY Classical音源による、超破格値の名バロック音楽60枚組BOX発売! 価格は超激安!

『DHM 50CD BOX』を上回るコスト・パフォーマンス! DHMやSEONのオリジナル楽器演奏から、モダン楽器による名演奏、オーマンディの往年演奏など、幅広い年代の演奏によって、バロック時代の名曲をお届けします。盤によってはハイライト(抜粋)盤となっているものございますが、これは幅広い演奏をお楽しみいただけるようにとのことです。様々な時代や演奏者によってのバロック音楽の解釈をお楽しみいただくこともできます。

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 BOXの大きさは、13cmx13cmx18.5cm、重さ約1.8kg(予定)。完全初回限定盤生産となっております。 在庫が無くなり次第販売終了となります。お早目のオーダーをお薦め致します。
 このBOXには、冊子による解説書は付属いたしません。解説(英語・ドイツ語のみ)は、付録のCD-RONに収録されておりますPDFファイルでパソコンにて、閲覧及び印刷が可能です。

 このところ何10年ぶりかでクラシックが聴きたくなってきました。というわけで、とりあえず耳慣らしと思って購入したものです。1日1枚聴いています。

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 これは、前回紹介したザ・フーの『マイ・ジェネレーション』。

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 オリジナルは1枚物ですが、ステレオ・ヴァージョンとモノラル・ヴァージョン+アルファで、2枚分の音源があります。そこで2枚組になるわけですが、それらがイギリス盤(左)とアメリカ盤(右)のジャケットに入っています。以前もこの2種類のジャケットで2枚組として発売されましたが、今回は収録曲のヴァージョンが若干異なります。

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 しかも、これです。壮観でしょ。前掲の2枚以外にも各国盤のジャケットがおまけについてきます。下の列の右2枚は、英国盤とアメリカ盤のレーベルです。

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 さらにはこのアルバムからカットされたシングル盤のジャケットもこのように再現されています。こちらは袋状のジャケット。

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 そしてこちらはコーティングなしのシングル盤ジャケット。

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 おとといは左のボックスが送られてきました。ソニーから出たマウンテンの紙ジャケットすべてを買って応募するともらえるボックスです。右はDisc Unionが作った特典ボックスです。これは全種類買うと、その場でもらえます。

 それから、今度、ユニバーサルから出るストーンズのボックス・セットに協力することになりました。ワーナーから出たレッド・ツェッペリンのボックスが予想の3倍も売れていることから、それを追い越せの掛け声で、豪華なボックスを作る企画が進行しています。

 まず年内に、以前出たデッカ/ロンドン時代の22枚が単品とボックスとでSHM-CD化されます。そのボックスにつける特典として、キングから出た初回盤のジャケット16枚を帯びつきで再現しようという話になりました。そのジャケットと帯、さらにはボックスのデザインに使うレア盤をぼくのコレクションから貸し出します。

 そういうわけで、ここぞとばかりに注文を出しました。これまでにも何回かこのブログで書いてきたオリジナルのレコード番号をジャケットに印刷すること、それから初期のデッカ盤はジャケット裏に小さな丸い穴が開いていて、それによって中に入っている内袋の色がピンク(ステレオ)かブルー(モノナル)かわかるようになっていました。

 前回はこの穴が開いていなかったので、穴開きにしてくれるよう頼みました。これらはなんとか実現してくれるみたいです。ほかにも希望があれば、できる限りのことはしてくれるそうなので、このブログをお読みの方で「こんなのどう?」と思うことがあれば教えてください。

 そして来年はストーンズ・レーベルの紙ジャケット化が控えています。楽しくなってきました。
by jazz_ogawa | 2008-09-21 20:56 | マイ・コレクション | Trackback | Comments(19)
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 相変わらずいろいろなボックス物を買っていますが、最近出たものの中で一番出来がいいボックスはレッド・ツェッペリンの『Definitive Collection Of Mini-LP Replica CDs』(右)でしょう。これ、ボックスのほかにアルバム単体でも発売されていますが、買うならボックスです。だっておまけがマニアックです。

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 紙ジャケットの出来もグッドでした。前回出たときはアメリカ盤の紙ジャケット化でしたが、今回はオリジナルのイギリス盤です。コーティングや紙の質感もいいです。

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 デビュー作『レッド・ツェッペリン』のオレンジ・インク・ジャケットが入っているのも嬉しいじゃないですか。当然、帯も2種類。ポリドールから出た国内初回盤の帯が復刻されています。ツェッペリンは3枚目までがポリドールから発売されていましたので、そこまでは帯もポリドールのものです。前回はワーナーから再発されたときの帯でしたから、これもグレード・アップされたと考えていいでしょう。内袋とレーベル・デザインも英国盤に準じています。

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 それともうひとつ、『イン・スルー・ジ・アウト・ドア』の別ジャケットが5種類ついているのも画期的です。アナログ盤時代に全部買ったことが懐かしく思い出されます。これ「水につけると変化する!? 輸入特殊内袋付!!」と帯に書かれていますが、CD化にあたってはさすがに「水につけても変化はしない」んでしょうね。怖くてつけられないのでわかりませんが。

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 こういう特殊ジャケットの出来もいいですね。まったくアナログ盤のミニチュア化で、ぼくは担当者の商品に対する愛情を強く感じます。

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 ボックスから出すとこういう感じになっています。ひとつだけ残念なのは、ジャケットの背中に印刷されたレコード番号がオリジナルの番号でなく、ワーナーのカタログ番号になっていることです。この写真からもわかるように、どうせ帯でジャケットの背中は隠されているんですから、そこもオリジナル番号にしてくれたらどんなにすっきりしたことか。

 混乱を来たすという理由からオリジナルの番号は使えないのかもしれません。しかしわが愛するブルーノートの国内盤は、担当者が会社に掛け合い、シリーズによってはオリジナル番号と同じものをカタログ番号にしています。マニア向けの商品の場合、こういうこだわりは大切だと思うんですが。

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 でもアメリカで出たこのビーチ・ボーイズのコンプリート・シングル・ボックスよりはツェッペリンのほうがはるかに出来はいいです。国内盤もこのアメリカ盤に解説書をつけたものということなので、それならこちらのほうが安いし早く手に入るということで、ビーチ・ボーイズのボックスはしばらく前にこのアメリカ盤を買いました

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 シングル盤ですから、元々LPのような厚手のジャケットではありません。ペラペラの紙をコーティングして、それを袋状にしたジャケットなっています。しかし、印刷にしろ、ジャケットに使っている紙にしろ、なんのこだわりも感じられません。とりあえず紙ジャケットにしてみました、といった感じです。

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 それでもボックスは結構凝っていて、グループ名が金属(?)でできたエンブレムのようなもので貼り付けられています。

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 ハードカヴァーで、表面がざらざらした加工のブックレットもついていました。

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 背中はこんな感じです。

 買う前から、アメリカ盤なので出来についてはどの程度か予測がついていました。それでもこういうのが出ると、どうしても気になってしまいます。『U.S.single Collection:The Capitol Years 1962-1965』なんてタイトルされたら買わないわけにはいきません。ですから、これはこれで満足しています。そして、改めて日本のレコード会社の素晴らしさに感服しました。

 ほかには、8月に出たザ・フーの『My Generation-Collector's Box』もよかったですね。来月には続編の『Quick One』が出ます。2枚組で1万円とかなり割高なので、値段に文句をつけるひともいます。その気持ちもわかりますが、これはこれです。マニア向けですから。マニアに値段は関係ありません。

 たとえば後者には、日本やヨーロッパ各国が独自に制作した7種のジャケットすべてが紙ジャケットでボックスに封入されます。関連楽曲の各国シングル盤やEP盤のジャケット約20種類もCD-Sサイズの紙ジャケにして封入されるそうです。こういう、マニアじゃないひとから見たら意味のないこと、無駄なものを作ることこそ大切です。マニア度と無駄度は比例するものです。そういうわけで、これも即、予約しておきました。
 あとはディランのブートレッグ・シリーズやマイルスの『カインド・オブ・ブルー』の50周年記念盤も、当然のことながらデラックス・エディションを予約しました。これからしばらくは、楽しいものが家に送られてくることでしょう。
by jazz_ogawa | 2008-09-18 19:36 | マイ・コレクション | Trackback | Comments(8)
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 一昨日ですが、今回は「秋に気分の浸ろう」と思い、いつものようにCDを聴きながら、思い浮かんだ話をするスタイルで2時間(実際は2時間半近くになってしまいまいましたが)をみなさんと過ごしました。3連休の初日にもかかわらず、お集まりいただいた皆さんにお礼を申し上げます。

 別に意図して曲を選んだわけではありませんが、通して聴いてみると、しんみりした演奏や歌が多かったように思います。やっぱり秋はそういう気分なんでしょう。失恋の歌もあれば、晩年になって昔を振り返るタイプの曲もありました。恋の気分を歌ったものでも、落ち着いた内容で渋かったです。というわけで、ぼくはたっぷりと秋の情緒に浸っていましたが、みなさんはどうだったでしょうか?

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 選曲は以下のとおりです。本当はもう2曲入れていたんですが、タイムオーヴァーということで前半と後半とで1曲ずつ自主的にカットしました。

1.9月の雨/ジョージ・シアリングfrom『シアリング・オン・ステージ!』(Capitol)
2.メイビー・セプテンバー/ハリー・アレンfrom『デイ・ドリーム』(BMG)
3.セプテンバー・ソング/ウィリー・ネルソンfrom『スターダスト』(Sony)
4.セプテンバー・セカンド/ミシェル・ペトルチアーニfrom『プレイグラウンド』(Blue Note)
5.セプテンバー13/デオダートfrom『プレリュード』(CTI)
6.9月15日(ビル・エヴァンスに捧ぐ)/パット・メセニー&ライル・メイズfrom『ウィチタ・フォールズ』(ECM)
7.ホヘン・オータム・カムズ/ビル・エヴァンスfrom『ライヴ・イン・トーキョー』(Sony)

【休憩】
9.セプテンバー・オブ・マイ・イヤーズ/フランク・シナトラfrom『セプテンバー・オブ・マイ・イヤーズ』(Represe)
10.セプテンバー・ソング/フランク・シナトラfrom『セプテンバー・オブ・マイ・イヤーズ』(Represe)
11.ニューヨークの秋/メル・トーメfrom『グレイト・アメリカン・ソングブック』(Telarc)
12.今年の10月/ジュリー・ロンドンfrom『カレンダー・ガール』(Capitol)
13.インディアン・サマー/サラ・ヴォーンfrom『サラ・ヴォーン&ザ・カウント・ベイシー・オーケストラ』(Pablo)
14.春の如く/スタン・ゲッツfrom『ゲッツ・オー・ゴー・ゴー』(Verve)
15.アーリー・オータム/アニタ・オデイfrom『シングス・ザ・ウィナーズ』(Verve)

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 それで、気の早いぼくなので、次回の予定も終了後に決めました。12月13日の土曜日に同じ時間と場所で行います。テーマは、12月のなので「ジャズ版紅白歌合戦」として、ロックやポップスなどジャズ以外の男性・女性シンガーが歌うスタンダードを選んでみようかと思います。

 このイヴェントでは、今回から公平を期すため応募の告知はこのブログで最初に行うことにしました。いまの予定では11月に入ったら告知しますので、その後に主催者までお申し込みください。
by jazz_ogawa | 2008-09-15 11:16 | ONGAKUゼミナール | Trackback(2) | Comments(8)
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 1ヶ月ほど前のことですが(8月6日)、ぼくの大好きなテナー・サックス奏者のひとりジョニー・グリフィンがこの世を去りました。今日は『いとしのジャズマン 2』で紹介したエピソードをここに掲載することで、ぼくなりに彼の冥福を祈りたいと思います。


 1960年代は多くのミュージシャンがアメリカを脱出してヨーロッパに住みついた。中でも成功したひとりがジョニー・グリフィンだ。《リトル・ジャイアント》のニックネームどおり小柄だが、体に似合わず精力的なプレイをするテナー・マンである。

 このひと、テナー・サックス奏者のデクスター・ゴードンとヨーロッパ中を暴れまくり、ついにはフランスで由緒正しきお城を購入してしまった。広大な庭では葡萄を栽培してワインも作っているなんて噂もあり、洒落者で知られるこの大ヴェテランはいまや生活も悠々自適(?)らしい。仕事は半年しかせず、残りは寝て暮らしているのかと羨んだが、現実はどうも違ってそれなりに厳しいようだ。

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 グリフィンによればこういうことになる。

「家にいるときは庭の手入れや城の修理に追われている。土地は広いし、城は古い。そのため、仕事は年に半分しかできない。これならよっぽどツアーに出るほうが楽だ」

 そんなぼやきとも自慢ともつかない話が聞けたのは、親友のゴードンが住むニューヨークのアパートでのこと。

 マンハッタンの43丁目と9番街から10番街にかけてのワン・ブロックには大きなアパートが2棟そびえ立つ。このマンハッタン・プラザはニューヨークに住むパフォーミング・アーティスト用に運営され、家賃は年収に応じて決まる。稼ぎが少なければ家賃は安い。収入が多くても、上限が決まっているためそれほどの金額にはならない。そのひとつに、デクスター・ゴードンがオランダ航空でスチュワーデスを務めるオランダ人の奥さんと住んでいた。

 ここは普通のアパートとして建設された。しかしタイムズ・スクエアに近く、《ヘルズ・キッチン(地獄の台所)》と呼ばれる物騒な地域にある。そのため入居者が少なく、市と州で予算を出し合い、アーティスト用のアパートにしたのである。75年のことだ。

 入居できるのがパフォーミング・アーティストに限られるから、写真家や画家は住むことができない。パフォーミング・アーティストとは、ミュージシャンやダンサーなどのことである。大道芸をしているジャグラーやマジシャンも住んでいたから、彼らもパフォーミング・アーティストとして認められているようだ。

 家賃は年収の3分の1という取り決めで、したがって極端な話、年収ゼロならただでいい。高収入を得た場合でも、ワン・ベッド・ルーム(日本でいうなら1DKか)で当時(80年代半ば)は毎月750ドルが上限になっていた。このくらいのスペースをその時代にマンハッタンで借りたなら1500ドルはくだらない。

 アパートの地下にはアスレチック・クラブやリハーサル・ルームもあり、デューク・エリントンにちなんで名づけられた多目的室の「エリントン・ルーム」もある。ここでは、アパートに住むミュージシャンのコンサートもたまに行なわれていた。エリントンの末娘でダンサーのメレディス・エリントンもここの住人で、この「エリントン・ルーム」を案内してくれたこともいい思い出だ。

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 ゴードンはマンハッタン・プラザの中でも一番広い2ベッド・ルームに住んでいた。そこに遊びに行ったあるとき、たまたまニューヨークに戻っていたグリフィンが訪ねてきた。免税店で買ってきたという、ゴードンの大好物レミー・マルタンと、自分用にフランス産の赤ワインを携えて。

 ぼくは強いお酒が苦手なので、このときはグリフィンのワインをご相伴にあずかった。ゴードン夫人も交えてのお酒は賑やかだ。グリフィンとは初対面でなかったものの、それ以前はインタヴューで数度顔を合わせたにすぎない。そういうわけで、素顔の彼にお目にかかれたのはこのときが初めてだ。

 グリフィンはかなりのワイン通である。このときも、持ってきたワインの自慢をひとしきりゴードンに話している。記憶があいまいだが、そのワインは82年のボルドー産で、この年は葡萄の出来がいつになくよかったとか。その中でもかなり高いワインだといいながら、ぼくのグラスにたっぷりと注ぐグリフィンの目は早くも少しとろんとしていた。

「この男は、たぶんホテルで一本飲み干してからわたしのところに来たんだろうよ」

 そういうゴードンの口調も怪しくなってきた。そんなときにお城の話が出たから、真偽のほどはわからない。老境に差しかかった男ふたりが仲よさそうに酒を汲み交わしている。ぼくも彼らみたいな歳の取り方がしたい。そんなことを思いながら、マンハッタンの夜は更けていった・・・。


 酔いに任せて、「そのうち庭の手入れを手伝いに行きますよ」といった約束は果たせないまま終わってしまいました。そしてもうひとりの敬愛するテナー・マン、ゴードンもしばらくしてあの世に去っています。ぼくにとって、彼の置き土産は主演した映画の『ラウンド・ミッドナイト』でした。その映画でも、ゴードン演じるところのサックス奏者デイル・ターナーが最後にこの世を去っています。

 グリフィン死去のニュースに触れた数日後にこの映画を見直し、彼とゴードンのことに思いを馳せました。仕方のないことですが、周りから少しずつひとが去っていきます。そんなこともあって、このところちょっと感傷的になっているかもしれません。
by jazz_ogawa | 2008-09-12 10:01 | 愛しのJazz Man | Trackback(1) | Comments(2)
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 週末の土曜日に「ビルボードライヴ東京」に行ってきました。新人シンガー兼ベーシストのエスペランサを聴くためです。

 この女性の存在を知ったのは、昨年だったと思いますが、エスペランツァ・スポールディングの名前でスタンリー・クラークの『トイズ・オブ・メン』に参加していたからです。そのときはシンガーとしての起用でしたが、ベース繫がりでスタンリー・クラークのアルバムに起用されたんでしょう。

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 エスペランサは1984年の生まれです。とても若いのにバークリー音楽大学の講師だそうです。なんでも、最年少の講師だとか。

 名前からしてラテン系であることはわかります。土曜に聴いた歌と演奏もそういうテイストでした。ただし、生まれはアメリカのポートランド。16歳で飛び級をしてポートランド州立大学でベースを学び、翌年からバークリーに移っています。こういうひとはやっぱり神童とか天才と呼ばれるんでしょう。

 ステージも堂々としていました。小柄な女性ですが、アコースティック・ベースを弾きながら歌う姿は、なかなかチャーミングです。というか、こういう光景って、結構珍しいんじゃないでしょうか。途中でベース・ギターに持ち替えましたが、これもオヴェーションのギターをかなり大きくしたような形のもので、それを抱えるようにして弾きながら歌っていました。

 ベースも相当な腕前ですが、ぼくはシンガーとしての魅力に惹かれました。いわゆるスタンダードは歌わなかったんですが、オープニングがベティー・カーターの曲で、これを聴けばエスペランサがどんなタイプのアーティストかわかります。

 彼女を最初に認めたのがゲイリー・バートンやパット・メセニーでした。その後はパティ・オースチンのバックアップ・シンガーを務めたり、リチャード・ボナやフォア・プレイとも共演しています。

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 以前にインディーズから1枚アルバムを出しているそうですが、本格的なデビュー作となった『エスペランサ』でその魅力が堪能できます。なにせ、オープニングが「ポンタ・ジ・アレイア」です。こういう曲をカヴァーするところに、彼女のテイストが感じられるでしょう。ぼくの言ってること、わかるひとにはわかりますよね。

 このアルバムではスタンダードの「ボディ・アンド・ソウル」も取り上げています。ただし歌詞はスペイン語でビートも5拍子。そこがエスペランサらしいところでしょう。

 今後、彼女がどういう方向に進んでいくのかわかりません。でもせっかくライヴを観たご縁もありますから、どうかもっと大きな存在になってほしいものです。そうしたら、また自慢ができますから。
by jazz_ogawa | 2008-09-09 14:33 | ライヴは天国 | Trackback | Comments(3)
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 昨年の夏に放送しました「真夏の夜の偉人たち」の続編を、昨日渋谷のNHKで収録してきました。今年はオリンピックの中継があったため、夏ではなく秋のオンエアとなります。番組のタイトルも「秋の夜長の偉人たち」ということで、ぼくはビル・エヴァンスを担当しました。放送は10月2日の木曜日、23時からの2時間です。

 去年もそうでしたが、月曜から金曜日まで、毎日違うアーティストがさまざまなひとによって紹介されます。ぼくは連投ですが、そのほかのひとは今年も興味深い顔ぶれです。

 9月29日(月) 立川志らく「岡春夫」
 9月30日(火) 松尾 潔 「マーヴィン・ゲイ」
 10月1日(水) 藤 あやこ「エアロスミス」
 10月2日(木) 小川隆夫「ビル・エヴァンス」
 10月3日(金) 中村 中「ちあきなおみ」

 演歌の藤あやこさんがエアロスミスを担当します。彼女は知るひとぞ知るハード・ロック・ファンですから、面白いと思います。こうやって眺めてみるとぼくだけ見劣りします。こういうラインアップの中に加えてもらっていいんでしょうか?

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 番組は、デビュー作からラスト・レコーディングまで、全部で13曲をかけ、その合間にビル・エヴァンスの思い出や、彼とその音楽に寄せる個人的な思い、それからぼくがこの業界に入る前に亡くなっていましたから本人にはインタヴューしていませんが、周辺のひとから聞いたさまざまな話を盛り込みつつの2時間になっています。

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 「ONGAKUゼミナール」とは違い、なるべく簡潔に話そうと心がけました。それでも予定の曲をひとつカットしたあたりは、ぼくらしいといえばぼくらしいでしょうか。いつもと同じで台本はありません。しろうとですから、台本があったら却って「上手く読まなくては」と意識しちゃうでしょう。メモ程度は用意しましたが、話はその場の思いつきで進めました。それで最後の30分くらいになったら、残り時間を逆算しながら進行していく段取りです。原稿を書くのと同じ方式ですね。

 つっかえたり、いい間違えたりで、ぶっつけ本番は難しいです。曲をかけている間に、次に話すことを考えるんですが、いろいろ思い浮かんできて困ります。あれも話したい、これも話したい。しかしそうもいかないので、とっておきのエピソードを中心に話しました。そこでつけられた番組のサブタイトルが「僕だけが知るビル・エヴァンス」。

 ちょっとイージーかもしれません。それから正確にいうなら「僕だけが知る」ではありません。だって、エピソードはすべて誰かから聞いたものだからです。でも、固いことは言いっこなしにしましょう。いい加減がモットーですから。NHKがぼくいい加減を黙認したのか気がつかなかったのか。だとすれば、これも面白いじゃありませんか。

 参考までに番組で紹介した曲のリストを貼り付けておきます。興味のある方は、10月2日の23時、秋の夜長にお耳にかかりましょう。全国ネットです。

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1.アイ・ラヴ・ユーfrom『ニュー・ジャズ・コンセプションズ』(リバーサイド)
2.モックス・ニックスfrom『アート・ファーマー/モダン・アート』(UA)
3.ブルー・イン・グリーンfrom『マイルス・デイヴィス/カインド・オブ・ブルー』(ソニー)
4.枯葉(テイク2)from『ポートレイト・イン・ジャズ』(リバーサイド)
5.不思議の国のアリスfrom『サンデイ・アット・ザ・ヴィレッジ・ヴァンガード』(リバーサイド)
6.マイ・ファニー・ヴァレンタインfrom『ビル・エヴァンス&ジム・ホール/アンダーカレント』(UA)
7.あなたと夜と音楽とfrom『インタープレイ』(リバーサイド)
8.ザ・タッチ・オブ・ユア・リップスfrom『モントルー・ジャズ・フェスティヴァルのビル・エヴァンス』(ヴァーヴ)
9.ホワット・アー・ユー・ドゥーイング・レスト・オブ・ユア・ライフfrom『フロム・レフト・トゥ・ライト』(MGM)
10.モーニン・グローリーfrom『ライヴ・イン・トーキョー』(ソニー)
11.酒とバラの日々from『トニー・ベネット&ビル・エヴァンス』(ファンタジー)
12.きみの愛のためにfrom『アフィニティ』(WB)
13.マイ・ロマンスfrom『ラスト・レコーディングII』(JVC)
by jazz_ogawa | 2008-09-06 11:05 | Works | Trackback | Comments(10)
【8月31日 昼の部】
e0021965_12152933.jpg 最終日の昼の部にも行ってきました。最初に登場したのはロベン・フォードのグループ。エレクトリック・ベースとドラムスのトリオで、ブルースを中心に彼のギターとヴォーカルが楽しめました。

 ロベン・フォードといえばフュージョン系ギタリストとしてぼくたちの前に登場してきましたが、本来はブルース・オリエンテッドなフュージョン派とでもいえばいいでしょうか。短期間ですがマイルス・デイヴィスのグループに入っていましたし、ジョージ・ハリソンが1974年に行なったUSツアーにもトム・スコットと一緒に加わり、同じ年に録音された『ダーク・ホース』にもふたりして参加していました。

 ロベン・フォードで覚えているのは、いまから20年ほど前になりますが、チック・コリアがストレッチ・レコードをスタートさせたときのことです。それを記念して、チックが所有していたロスのマッド・ハッター・スタジオで盛大なパーティが開かれました。たまたまぼくはジョー・ザヴィヌルの自宅取材でロスにいて、そんなことからチックがパーティに呼んでくれました。

 ストレッチの記念すべき第1回発売がロベン・フォードとたしかジョン・パティトゥッチの作品だったと思います。それで、そのときにチックから紹介されて、翌日インタヴューをしたのが最初です。そのあとは、ジョージやマイルスのグループにいたギタリストということで、何度か個人的な関心からインタヴューをさせてもらいました。そのときからブルース・バンドを作って活動したいといった話をよくしていたことが思い出されます。

 31日のステージでは、B.B. キングにトリビュートした曲やフレディ・キングにトリビュートした曲も聴かせてくれました。それならアルバート・キングのトリビュート曲も作ればいいのに、なんて思ったんですが、ひょっとして作っているかも、ですね。

e0021965_12154957.jpg そしていよいよサム・ムーアのステージになりました。まるで「コマ劇場」で昔聴いた北島三郎ショーのような感じです。前にニューヨークの「ラジオ・シティ・ミュージック・ホール」で観たアレサ・フランクリンのときにも感じたんですが、アトランティック系のソウル・シンガーのライヴはどこか歌謡ショーに通じています。

 何度か「ブルーノート東京」でサム・ムーアのライヴは観てきましたが、大きなホールで観るのも格別です。いまだにいい声をしていますし、高音の伸びと張りは全盛期とそれほど変わらないかもしれません。とにかくステージ映えがするひとですね。

 その昔、日本に2度来たサム&デイヴのコンサートも観ています。これ、自慢です。留学時代のことでは、ジョン・ベルーシの追悼コンサートがニューヨークの「ローンスター・カフェ」で行なわれ、そのときは舞台のまん前にいたんですが、そうしたらサム・ムーアがぼくの前でしゃがみ、こちらに顔を寄せて「ユー・アー・ソウル・マン」と何度も歌ってくれました。これは大自慢です。

 今回のステージでは「ブルーノート東京」ほどサム&デイヴ時代の曲は歌われなかったかな、といった印象です。いつもと同じで、エディ・フロイドの「ノック・オン・ウッド」やオーティスの「アイ・キャント・ターン・ユー・ルーズ」なんかは歌っていましたが。

e0021965_12161447.jpg ぼくは、サムが「ノック・オン・ウッド」を歌うと、必ずサム&エディを結成してくれればいいのにと思います。エディ・フロイドは、活動を再開した古巣のスタックスで素晴らしい新作を出したばかりですし、その中では、今回もステージで歌われたサム&デイヴの「ユー・ドント・ノウ・ホワット・ユー・ミーン・トゥ・ミー」も取り上げていました。といっても、この曲はエディとスティーヴ・クロパーが書いたものなのでセルフ・カヴァーですが。


e0021965_12163415.jpg ぼくが憧れに憧れたスティーヴ・クロッパーも、やはりスタックスで、ラスカルズのフェリックス・キャヴァリエと組んだご機嫌なソウル・アルバムを出したばかりです。サム、エディ、そしてスティーヴのコンビでレコーディングなんてことになったら最高ですが、サムはライノと契約があるので無理でしょう。これはぼくの白昼夢です。




e0021965_1216486.jpg この日は、ぼくみたいなソウル・ファンにとっては夢のようなラインアップでした。まさかサム・ムーアとスライ・ストーンが同じコンサートに登場するとは。それにしても、スライとファミリー・ストーンが日本でライヴをするなんて、本当に素晴らしいことです。

 1982年にニューヨークで久々にコンサートが開かれて、それを運よく、というかぼくにとっては当然のことですが、しっかりと堪能させてもらいました。これが生スライ初体験です。はい、これも自慢です。

 それ以来のスライです。ライヴはそのころが最後で、あとはずっと音沙汰がなかったため、復活は難しいと思っていました。ところが2006年のグラミー授賞式でスライのトリビュート・ショーが行なわれ、そこに本人が登場したんです。これには興奮させれました。そのときの金髪モヒカン姿も衝撃でした。で、昨年はついにヨーロッパ・ツアーが実現し、それを経ての来日です。

 始まる前から大きな拍手が起こり、期待の大きさがうかがえました。でも、スライっていつから日本でこんなに人気があったんでしょう? リアルタイムで聴いていたころは「ダンス・トゥ・ザ・ミュージック」や「エヴリデイ・ピープル」のヒットはありましたが、それ以外の曲は一部のマニアの間で受けていただけのように記憶しています。きっと、最近のファンが過去の作品(しかありませんが)を聴いて再評価したんでしょう。ぼくの世代はスライに対し、ヒット曲以外はとても冷たかったですから。

 スライは不思議な存在感の持ち主です。フラッとステージに出てきて、またフラッと消えていきました。いるだけでいい、というんでしょうか。前面に出ることもあまりなく、バンドのメンバーに音楽は任せていた感じです。気が向くと歌ったりキーボードを弾いたりしますが、そのあたりはまったく奔放。元気なのか疲れているのか、よくわかりません。アンコールにも彼だけ出てこなかったですし。

 でも、それでいいんです。スライはそういうところにカリスマ的な存在感があるからです。彼がいなければスライとファミリー・ストーンは成立しません。あとは新作を出してくれればいうことありません。

 そういうわけで、今回もたっぷりと音楽を堪能させてもらった「東京JAZZ」です。これだけ聴けば十分なので、夜の部はパスしました。聴けばいいってものじゃないですから。
by jazz_ogawa | 2008-09-03 12:25 | ライヴは天国 | Trackback(1) | Comments(10)
【8月30日 夜の部】
e0021965_1624077.jpg だんだんコンサートから時間が開いてきましたがもう少し続けます。

 2日目の夜の部は「DRAMATIC NIGHT」と題されていました。まずは昼の部でも素晴らしい演奏を聴かせてくれた上原ひろみさんが、今度は自分のグループ「HIROMI'S SONICBLOOM」を率いての登場です。新作『ビヨンド・スタンダード』でスタンダード・チューンに大胆なアレンジを施していた彼女の演奏がライヴで聴けました。

 それにしても、やっぱり上原さんは凄い。これまでにも多くのひとがスタンダードに新しい解釈を施してきましたが、彼女ほど斬新なアイディアでお馴染みの曲に新しい生命を吹き込んだひとは知りません。

 最初の「朝日のようにさわやかに」からわくわくする演奏の連続です。「キャラヴァン」にしても「アイ・ガット・リズム」にしても、これらの曲のとんでもない変身ぶりにびっくりさせられました。アルバムを聴いていても、実際に目の前でこのような演奏されてしまうと、改めて上原さんの感性っていったいどこまで発展していくんだろう? と思ってしまいます。ジャズであってジャズを軽く超えているところがお見事でした。まさしく「ビヨンド・スタンダード」です。

e0021965_1654583.jpg お見事といえば、次に登場したリシャール・ガリアーノ&ザ・タンガリア・カルテットに急遽客演した寺井尚子さんにもびっくりさせられました。予定していたバイオリン奏者が来日できなくなったことからの急遽参加です。

 ガリアーノのグループはタンゴを中心に演奏するので、単なるセッション・バンドではありません。きちんとしたアレンジがあって、テーマ・パートもかなり複雑です。寺井さんがリードを取る場面も多く、難曲の連続でした。それでも彼女はまったく物怖じすることなく、大胆なプレイでガリアーノに迫ります。これには彼もびっくりしたことでしょう。

 昼の部で観たグレート・ジャズ・トリオとデヴィッド・サンボーンのあまりにもお手軽な共演と、どうしても比べてしまいます。あちらはあちらで楽しかったのですが、こちらはスリリングな演奏で、ぼくは1曲終わるごとに心の中で「寺井さん凄いぞ!」「寺井さん頑張れ」と念じていました。まるでオリンピックで日本人選手を応援している気分でした。

e0021965_1633094.jpg 寺井さんはタンゴの心もわかっているに違いありません。どれだけリハーサルの時間があったか知りませんが、これぞプロという、本当に見事な内容でした。ただうまいだけの演奏なら、譜面に強ければできるでしょう。しかし、彼女は譜面をなぞっていただけではありません。そこに自分の思いもしっかりと込めて、パッショネートなプレイを次々と聴かせてくれました。

 最後のミシェル・カミロの演奏は残念ながら聴かずに帰ってきました。それにしても夜の部では上原さんといい寺井さんといい、これまたオリンピックと関連させて申し訳ありませんが、女性の活躍ぶりを肌で感じました。ふたりが世界のどこに出ても素晴らしい存在であることを思い、誇らしげな気分です。
by jazz_ogawa | 2008-09-02 16:07 | ライヴは天国 | Trackback(1) | Comments(4)
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