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川隆夫の JAZZ BLOG
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©Kozocom (photo by Shuichi Kasahara)
職業:JAZZジャーナリスト、整形外科医、DJ

ニューヨーク大学の大学院在学中にアート・ブレーキーやマルサリス兄弟など数多くのミュージシャンと知り合う。帰国後、JAZZを中心に約3000本のライナーノーツを手がけると共にJAZZ関連の著書を多数出版。ブルーノートの完全コレクターとしても有名。その他、マイルス・デイヴィスやブルーノートの創始者アルフレッド・ライオンの来日時の主治医を勤めるなど、現役の整形外科医としても第一線で活躍中。

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「ジャケ裏の真実
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小川隆夫ONGAKUゼミナール
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3.19:ジャズメン、ジャズを聴く!


■TALK EVENT■
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「3月文化講演会」@神戸
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TEL: 078-265-6595

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e0021965_11474918.jpg
 なにがすっきりかというと、あれだけあった原稿が、いつの間にか書き終わっていました。自分でいうのもどうかと思いますが、早い! エンドレスかと思っていたんですが、あっという間に終わっちゃいました。終わったとなると寂しいですね。
 ただし書き終わったといっても、全体の工程からいけば三分の一くらいが終わったということでしょうか。これから先はどなるかといえば、こうなります。

1.最初からきちんと読み直す。ここで直すべきところは直し、文字数の最終チェックもする。
2.プリントアウトしたもので同じことをする。
3.初稿
4.再校
5.三校
6.青焼き

 まだこれだけあります。3~5でも、1~2と同じチェックをします。6では大きな直しができないため、通して読んで、どうしてもおかしなところだけ直します。ですから書き終わった時点で、気持ちは楽になるのですが、物理的な時間を考えると、やっぱり三分の一が終わった、といったところでしょうか。
 同時に何冊か書いていたので、この数日で2冊分が書き終わりました。ほかにも2まで来ているものや、3や5まで終わったものなどがあって、とにかく抱えこんでいる原稿がたくさんあるため、相変わらず頭の中は破裂寸前です。それでも、あとは読めばいいだけですから、気持ちとしては楽です。いったいこれから何冊出るのか? 指折り数えていて、自分でもわからなくなるほどです(そんなわけないか)。

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 これから2週間ほどプライヴェートなことでばたばたしそうな予感があるので、いまの時点でここまで来れたことにほっとしています。これでGWのニューヨークは校正のチェックに追われそうですが。これも楽しいことなんで、いいでしょう。
 とりあえず、至近で完成させなくてはいけない原稿は、ライナーノーツなど、ほんのわずかになってしまいました。スイングジャーナルの原稿も、来月分は昨日書き終わってしまいましたし。書くものがないのは寂しいです。
 少し先に出す本の原稿もまだ残っていますから、それに手をつけてもいいんですが、たぶん4~5月は、何冊分もの校正をチェックすることになるので、それで中断されるのもいやですから、もうしばらく書くのは我慢しようと思います。
 自虐的な人間ですから、この我慢しているときの気分がいいんですね。「書きたい」「でも、やめておこう」「やっぱり書きたい」みたいな思いの交錯が、書きたいモチヴェーションを高めます。こういう自己演出というか自己暗示が大切なんです、ぼくには。知っていますか? 郷ひろみの「会いたい気持ちが、愛、育てるのさ」という歌詞。これと同じです。

 この2ヶ月、本を書くためブルーノート漬けになっていました。ですから、いまは詳しいですよ。1500番台だけですが。それで、気分転換に、おとといからプレスリーを聴いています。iPodに600曲くらい入っていて、それを吹き込み順に聴きながら、原稿の読み直しをしています。
 今日も、麻布十番のスターバックスまでウォーキングをして、2時間ほど原稿を読みながら聴いていました。それにしてもプレスリーはなにを歌わせてもうまいですね。声もいいし、表現力もあるし。ついつい、原稿への集中力が散漫になってしまい、困ります。
 午後は、六本木ヒルズのスターバックスで原稿を読んで、その後は映画でも観てきます。明日から個人的にいろんなことでばたばたするはずなんで、ちょっとした骨休みです。
by jazz_ogawa | 2008-03-29 11:58 | Works | Trackback | Comments(8)
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 いや、たいしたことじゃないんですが、ディスク・ユニオンのWEB SITEを見ていたら、フラワー・トラヴェリン・バンドが35年ぶりに再結成するニュースが出ていたんですね。この歳になると、ぼくもひとなみに久々のご対面みたいなものがあって、そういうときにしみじみと、長いこと生きていてよかったなと思います。
 別にフラワー・トラヴェリン・バンドと個人的なつきあいがあるわけじゃありませんが、長年会わなかったひととの再会と同じように、このニュースを見てなんだか郷愁みたいなものを感じました。

e0021965_20463892.jpg しかも、新録音をした上、「フジ・ロック」にも出るというんですから、胸が高鳴ります。その昔、日比谷の野音で何度か観たステージ、カナダに移住する際に行った壮行ライヴ、帰国記念ライヴ、あとは万博のロック・フェスティヴァルで観たステージも凄かった。この万博ライヴがきっかけで、メインアクトだったライトハウスに認められ、彼らがカナダに本拠地を移したんじゃなかったかしら。このあたりは記憶があいまいで、いまでは現実と妄想と願望がない交ぜになっています。

 久々のご対面。ぼくは好きですね。ただし何十年ぶりかの親子対面みたいなのは、ちょっといやです。バックグラウンドに悲しいものがあるのはあんまり観たくありません。他人の人生を覗くようで、苦手です。
 20年ぶりくらいのサディスティック・ミカ・バンドとか、40年ぶりくらいのクリームとかは、内容は別にして、再会・再結成ということだけで、わくわくしてきます。そして、それがたとえDVDであっても、観れてよかったと思います。ただし、普段からよく観ているひとたちが集まってバンドを復活させるのと、フラワー・トラヴェリン・バンドの再結成とはわけが違います。ジョー山中は、その後もことあるたびにあちこちで観ていますが、残りのメンバーはどうしていたんでしょう。
「あれから35年が経つとこうなっていたのね」みたいな体験。そこになんともいえない興奮というか感激が味わえるんでしょうね、ぼくの場合は。

 映画の『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・アメリカ』で、ロバート・デニーロが何十年ぶりかでニューヨーク戻ってくるシーンがあります。あの場面は何度観てもジーンときます。バックで流れる「アマポーラ」も気分を盛り上げますしね。そういう場面がぼくは好きです。
 
 で、ここに服部良一さんの「昔のあなた」の歌詞をいれておいたんですが、これ、ちょっとまずいということで、削除です。本当はここがいいところなんですが。

 e0021965_20473415.jpg 雪村いづみさんが、キャラメル・ママと組んで吹き込んだ『スーパー・ジェネレーション』に入っていた曲です。これとか、ユーミンの「あの頃のまま」や「Goodluck and Good-bye」は同じようなテーマで書かれた曲ですよね。こういうのを聴くと、ほろりとします。ぼくにはこういう出来事は起こらないでしょうが、いいですよね、こういうのって。

 ですから、ずっと疎遠になっていた中学や高校時代の友人と、それこそ30年ぶりくらいに会うと、もう嬉しくて嬉しくて。ぼくはひとづきあいにあんまり積極的でないですし、たまたまクラス会なんかもずっと開かれずに何十年も過ぎてしまったこともあり、数年前に昔の友人の多くと再会したときは嬉しかったですね。
 そういうのがきっかけになって、ぼくのイヴェントにも昔の仲間が来てくれたり、たまにですが、どこかで集まってはわいわいやるようになりました。一匹狼を気取っていますが、やっぱりこの歳になると、友人に会いたい誘惑には勝てません。
 会わなかった何十年間かに、みんなそれぞれの人生を送ってきたわけですよね。楽しいこともあれば、辛いこともあったでしょう。別にそんなことは話しませんし、聞きもしませんが、そういう人生を経てまた会えたことに、ぼくは強い何かを感じます。それがどういう感情なんだか、自分にもよくわかりませんが。懐かしいだけじゃなく、もっと別の気持ちです。その思いが味わいたくて、旧友と会うのかもしれません。

 最近ですが、同級生のひとりが、ぼくのトーク・イヴェントを企画してくれました。彼女とも数年前に、クラス会で高校以来のご対面でした。ぼくが小学校から高校まで通った成城学園には、出身者が集まるための「成城クラブ」というのが銀座にあります。彼女は、その「成城クラブ」で、OBたちの講演会とかコンサートとかを企画担当をしているんですね(たぶん)。それで、成城とずっと疎遠になっていたぼくみたいなものにも声をかけてくれました。友達とは本当にありがたいものです。
 6月28日、その日にまた誰かと久しぶりの再会ができたら最高なんですけれどね。
by jazz_ogawa | 2008-03-26 20:59 | 平凡な日々 | Trackback(1) | Comments(12)
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 原稿の書きすぎで頭の中が混沌としてきました。水を含んだスポンジを思いっきり絞って、水分をゼロにしたような感じです。カサカサで隙間だらけ。そんな脳になったので、栄養を少し補給しようと、ほんとうはその時間も惜しいのですが、たまには映画でも、ということです。
『アメリカン・ギャングスター』が観たかったのですが、もう終わっていました。そこで『ノー・カントリー』です。この映画、観るまでウエスタンかと思っていたくらい、予備知識はありません。原題は『No country for old men』なんですね。こう書くと書かないとではイメージがまったく違います。まさしく、この題名どおりの映画でした。つまり「老兵は去るのみ」ということでしょうか。
 ストーリーは麻薬絡みのお金の争奪戦がメインです。しかし、主役の老保安官(トミー・リー・ジョーンズ)がいい味を出しています。舞台は1980年ごろのテキサス。アメリカのどうしようもない社会病巣や、年を取っていくことの悲哀みたいなものも感じられて、ぼくにはいい映画でした。

e0021965_11334434.jpg この映画はぼくが留学していた時期とリンクします。まだヴェトナム戦争の影響が強く尾を引いていました。そのことも、映画を観ながら思い出しました。ぼくのすぐ近くで、麻薬中毒の帰還兵が銃を乱射した事件もありましたし。
 こう書いたら不謹慎でしょうが、リハビリテーションを勉強していたぼくには、ヴェトナムの傷痍軍人も勉強と医療の対象でした。アメリカでリハビリテーションの概念が生まれ、発展したのは、第一次世界大戦があったからです。リハビリの発展は戦争と切っても切り離せません。そういうわけで、ぼくが留学していたころはヴェトナム戦争の後遺症がさまざまな形で認められました。ぼくもそれを実感する場面に何度か居合わせました。
 翻っていまの自分を眺めると、そのふがいのなさに愕然とします。あのとき一所懸命勉強したことをぜんぜん役立てていません。当時は張り切っていたんですが、どこかで挫折してしまったんですね。あのころの自分には戻れませんが、ときどき何かの拍子にそんなことを思い出せるなら、ぼくもまだ終わりじゃないかもしれません。

e0021965_1134654.jpg 映画って、音楽を聴く以上に、触発したり考えさせたりするきっかけになります。かさかさになった脳も、これで少しは潤いました。「老兵は去るのみ」ですが、まだ少しはやれることがあるかもしれません。そんな風に、昨日は思うことができました。
 いつか、どこかで本業には終止符を打つことになるんでしょうが、それがいつになるかは自分にもわかりません。仕事もそうですが、なんでも去り際はかっこよく決めたいものですよね。
by jazz_ogawa | 2008-03-23 11:38 | 映画&DVD | Trackback(4) | Comments(6)
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 お陰さまで、ヤマハミュージックメディアから出版した『知ってるようで知らない ジャズ面白雑学事典』がこれで12版になりました。増冊の数は以前ほどではありません。それでもありがたいことです。毎年、2月か3月ごろに重版の通知が来ます。今年も、パブロフの犬みたいに、ちょっと期待していました。反面、そろそろおしまいだろうとの思いもありますので、ヤマハからの封筒が郵便物の中にあるのを見つけたときは、心がときめきました。金額はたいしたことありません。はなからジャズでもうける気はありませんから、それでいいんです。

 このところ、本業とウォーキング以外は原稿書きに没頭しています。同時に何冊もの本を書いたりゲラを読んだりしているので頭の中が大混乱です。それを楽しんでいるところもありますが。
 昔の話ですが、レイ・ブライアントのことを書いていて、途中からレイ・ブラウンになっていたことがあります。レイ・ブラウンと書いても、頭の中ではレイ・ブライアントのつもりになっていて、何度か読み直したにもかかわらず、最後まで気がつかず、原稿を出しました。さすがに編集者は気がつきましたが。
 こういうこともあります、「バット・ノット・フォー・ミー」の曲を紹介していて、途中から「マイ・ファニー・ヴァレンタイン」の話に変わっているんですね。このときは編集者も気がつかず、そのまま印刷されました。ですが、だーれも指摘しません。
①誰もぼくの文章なんか読まない
②気がついたけれど、そんなことに文句をいうのは面倒くさい
③小川なら仕方ないか
 まあ、こんなところででしょう。ですから、書いてるほうも気は楽です。

e0021965_1114910.jpg それでも、あんまり熱中しているのはよくないと考え、こんな本を読み始めました。まだ最初のところだけですが、これ、面白いです。
 ショーケンはぼくと同じ年ですが、なんと違う人生を歩んできたんだろうと思います。それで、過去を振り返り、こんなことをいっています。
「人生とは8割が苦痛、大半は泣いたりわめいたり、ぼやいたり愚痴ったりしているばかりだが、残り2割の時間で、気がつかないうちにご褒美がめぐってくる」
 これ、いいとおもいません? ぼくの場合はもう少しご褒美の時間が多いと思っていますが、こう考えれば、人生も生きやすいかもしれません。
 それにこのひと、ぼくと同じというか、ぼく以上にストイックです。元の声を取り戻すため、毎日。朝・昼・晩と各1時間の吸入を続けているそうです。それに1日に15キロから40キロ(ほんとかな?)、その日の体調に応じて歩けるだけ歩いているそうです。いまはタバコもお酒も、そして麻薬もやめて、1日1食(これは問題ありかもしれない)に抑え、野菜を大量に採り、ウォーキングのほかにストレッチを毎日、筋トレは1日おきにやって、半年間で82キロの体重が68.5キロになったそうです。
 仕事にほされているんでこういうこともできるんでしょうが、この精神力はたいしたものです。しかも、最後はこんな言葉で締めくくられています。
「57年間、こんなに激しく生きてきたのに、まだまだやり足らない。もっともっとやれる。これからショーケンの第2章が始まる」
 いつ死んでもいいやと思っているぼくとはなんという違い。こういう逞しさの欠如が、ショーケンとぼくの人生の差になっているんでしょうね。比べること自体がおこがましいですが。
 肝心なことを書き忘れていました。どうしてこの本を読んでいるかというと、そのうち出す本の表紙をこの装丁家にお願いしているからです。装画はショーケンが描いた絵ですから、こういうイメージの表紙にはなりませんが。
by jazz_ogawa | 2008-03-20 11:06 | Works | Trackback | Comments(10)
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 このブログで「今回が最後かも」と煽ったせいか、土曜の「ONGAKUゼミナール@駒場Orchard Bar」は、お陰さまで初めてのかたも含めて、小さなお店がいっぱいになる盛況でした。本当にありがとうございました。わざわざいらしてくださったかたがたに、心からお礼を申し上げます。
 それでついつい調子に乗って、これなら毎回「次が最後」というサドンデス方式にすると宣言し、失笑を買いました。でも潮時であることは変わらないので、冗談めかしていいましたが、毎回「サドンデス」の気持ちで行きます。年取った政治家のように、望まれていないのにだらだら続けるのはぼくのライフスタイルではありません。とりあえずは、次回もやりますが。

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 今回は、前回に続いて「私的モダン・ジャズ黄金時代~1956年 Part2」です。予定していたのはこういう曲です。

1.Soultrane/Tadd Dameron from MATING CALL
2.Our Delight/George Wallington from JAZZ AT THE CARRIAGE TRADE
3.Swinging On A Star/Oscar Peterson from AT THE STRATFORD SHAKESPEARE FESTIVAL
4.Sentimental Journey/Jackie McLean from 4, 5 AND 6
5.I Could Have Danced All Night/Shelly Manne from MY FAIR LADY
6.Willow Weep For Me/Red Garland from GROOVY
7.Waltz For Debby/Bill Evans from NEW JAZZ CONCEPTIONS
8.Taking A Chance On Love/Tal Farlow from THE SWINGING GUITAR
9.One O'clock Jump/Count Basie feom BASIE IN LONDON
10.Pent-Up House/Sonny Rollind from PLUS 4
11.If I Were A Bell/Miles Davis from RELAXIN'
12.Senor Blues/Horace Silver from 6 PIECES OF SILVER
13.Mobleymania/Hank Mobley from HANK MOBLEY SEXTET

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 ところが1曲目がかかる前から、いろいろ話しをてしまったので、早々に「今日は全部かけられません」宣言をしてしまいました。それでいつものように、思いついたことを、一応は時間も気にしつつ話しましたが、そんな話でよかったんでしょうか? 話べたですから、自分で話していて、途中で「こんな話をしてどうする?」みたいなことを口走り、ここでも失笑です。
 3曲目のオスカー・ピーターソンのところでは、彼とナット・キング・コールのことで、「これまであちこちで書いてきたことに間違いがあった」と正直に告白して、また失笑を買いました。ふたりの取り決めについて、ぼくはオスカー・ピーターソンにきちんとインタヴューをしていたんですね。ところがそのことをすっかり忘れていて、これまでずっと事実と違うことを書いていました。だから自称「ジャズ界の東スポ」なんですけれど。昔はかなり突っ込んだインタヴューをしていたんですね。自分でいうのもなんですが、たいしたものです。

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 こういう感じで脱線ばかりしていたため、5曲目が終わったところで休憩になりました。後半戦は、10曲目から始めて、時間があまったら飛ばした曲も聴きましょうということにしましたが、やっぱり時間がなくなりました。
 こういう出たとこ勝負みたいないい加減なことをやっているので、初めてのかたは呆れたかもしれません。もっときちっとやれば、集まりもいいかもしれません。でも、それができるなら、やっています。
 というわけで、いつまで続くやらですね。とりあえず、次回は5月かな? と思っていますが、GWにニューヨークに行きますし、24日には銀座で「ONGAKUゼミナール」をやりますので、6月にずれ込むかもしれません。スケジュールが決まりましたら、このブログでお知らせします。なにせサドンデスですから、よろしく。
 
by jazz_ogawa | 2008-03-17 11:28 | ONGAKUゼミナール | Trackback | Comments(4)
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 昨日は、新しい雑誌「カイラス」の出版パーティに行ってきました。こういうのはエコ雑誌というのでしょうか。キャッチ・コピーは「地球と呼吸する」。

e0021965_11341250.jpg「環境・経済・旅・ファッション・カルチャー……その全てに、地球と気持ちよく共生していくための提案を織り込み、読者に発信する新媒体。創刊号は、ラグジュアリー・エコリゾート アマンリゾーツを総力特集。最新ブータン情報や、めったにメディアには露出しない会長ゼッカ氏の貴重なインタビューも掲載! さらに未完の大国ロシア、ニューリッチの実像に迫ります。レオナルド・ディカプリオ、安藤忠雄のインタビューなども」


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 都会好きのぼくとは対極にあるようなこの雑誌。なぜ呼んでいただいたかといえば、編集長の小西克博さんと旧知の間柄だったからです。このひと、若いときに世界を放浪していて、ぼくが見たところ根っからの自由人です。しかもボブ・ディラン好き。彼の自伝も書いていましたが、早く完成させてください。楽しみにしています。
 そのひとがなぜか中央公論の編集者になっていたころに知り合いました。以来、彼が担当したANAの機内誌や中央公論、その後は女性公論などに原稿を書かせてもらいました。
 その小西さんが、今回は中央公論を退社して、新天地で雑誌を創刊しました。もともとそういう志向のひとですから、夢がかなったんじゃないでしょうか? 創刊のお祝いというより、小西ざんに「おめでとう」がいいたくて、こういうパーティは基本的に不参加なんですが、行ってきました。

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 C.W.二コルさんがお祝いの挨拶を最初にしました。

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 申し訳ありませんが、名前を失念しました。中国の国宝的な二胡奏者だそうです。昨年は国連でも演奏しました。

 そのほかにも、BOSEの機関誌でいつもお世話になっている編集者のかたにお会いしました。原稿、忘れてました。いまから書きます。
 ぼくと同じこのexciteの公式ブロガーでトラベルジャーナリストの寺田直子さんからもご挨拶をしていただきました。ブログはときどき拝見していましたが、お目にかかるのは初めてです。彼女のブログはこちらです。http://blog.excite.co.jp/naoterada/8164038/

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 このパーティ、大手町の「和田倉公園レストラン」が会場でした。お堀を橋でわたったところに入り口があります。なかなか洒落た場所でした。


 今晩は、存続が危ぶまれている「ONGAKUゼミナール」が駒場であります。ウォーキングは済ませたので、それまで原稿を書いています。
by jazz_ogawa | 2008-03-15 11:41 | 平凡な日々 | Trackback | Comments(8)
 ホーム・シアター化したので、このところ以前にも増してDVDを買って、寝る前とかに観ています。といっても、数トン分は書かなきゃいけない感じで原稿があるため、映画鑑賞も少し滞りがちです。
 映画のほかには音楽のDVDもいろいろ買っています。今日はその中から気に入ったものをいくつか紹介しておきます。そうでもしないと、間違ってもう一度買ってしまいそうなので。
 でも、書けば忘れないというのも、最近ではだめになりました。書いても忘れてしまうことがマッハの勢いで増えています。まだ書いてないと思ってあわてて原稿を書いたら、とっくの昔に書き終わっていた、なんてこともあるんですから。
 話が逸れました。まずは数日前に届いたDVDからいきましょう。

①『ベスト・オブ・ジョニー・キャッシュTVショー』
e0021965_20415758.jpg これは驚きの作品です。1969年から2年間ABCで放送された番組からさまざまなパフォーマンスが盛りだくさんです。ボブ・ディランをはじめ、デレク&ドミノス(!)、CCR(まだちゃんと4人です)、ニール・ヤング、ジョニ・ミッチェル、テレビ初出演のジェームス・テイラー・・・。とにかくきりがありません。大好きなカントリー系の大御所もたくさん登場しますし、ルイ・アームストロングまで出てきます。
 クリス・クリストファーソンが案内役で、そこにキャッシュの息子さんやスタッフなどの思い出話が挿入されます。リンダ・ロンシュタットのエピソードなんて、信じられません。でも、そういうひとっているのかもね、なんて思ったりもします。このビデオ、最近のベストです。

②『サディスティック・ミカ・バンド』(初回限定版スペシャル・エディション)
e0021965_2042238.jpg これは、映画として公開されるとアナウンスされていたものが、結局DVDとして発表されたってことでしょうか? そのあたりのことはわかりませんが、1年前に一度だけ行なわれたライヴを中心に、メンバーや関係者のインタヴューを交えたドキュメンタリーです。本編が70分は少し短いですね。もっとライヴの場面が観たかった。これが正直な感想です。
 映画では、桐島カレンが入った「天晴」のことにほとんど触れられていません。無視同然の扱いが少し気になりました。理由があるんでしょうか? ぼくはあのライヴをNKホールで観て大感激したんですが。
 最初のミカ・バンドも何度か見てます。DVDの中で、佐野史郎さんが話していた75年の厚生年金ホールのライヴ。あれは最高でした。『黒船』の全曲を、収録順に、完璧な演奏と歌で再現したときのものです。ミカさんが天井からブランコに乗って、「タイムマシンにお願い」を歌いながらステージに降りてくる場面が印象に残っています。
 そうそう、こういうドキュメンタリーにつきものの、昔のライヴ映像が一切ないのも残念でした。まったく残ってないのかしら。
 メンバーを含めて、「ミカ・バンドはマイナーな存在で、評価されていなかった、理解されていなかった」みたいなことを繰り返しいいますが、それを聞いて意外に思いました。ぼくの中では、世界に出しても恥ずかしくないバンドでしたから。第一、それだったら厚生年金ホールが満員になるはずありません。

 ちょっと前に出たボブ・ディランのDVDも素晴らしいです。
③『Other Side Of The Mirror: Live At The Newport Folk Festival』
e0021965_20424882.jpg 1963年から65年にかけて、「ニューポート・フォーク・フェスティヴァル」に出演したときの映像を集大成したものです。ソロ・パフォーマンスが中心ですが、ジョーン・バエズとの共演や、出演者が集まってのフーテナニーなど、ぼくの世代には観所満載、懐かしさいっぱいのDVDです。高校のころは、毎週末、どこかのホールでアマチュアのフォーク・コンサートがありました。そういうときの情景を思い出します。
 ディランがエレキ・ギターを弾いて、ブーイングを受けた場面も出てきます。このフル・ヴァージョンは初登場じゃなかったかしら。こうやってアコースティック時代からエレクトリック時代にかけての変遷がまとめられているのも、ディラン・ファンにとってはありがたいことです。

④『LIVE TRANSMISSIONS』(3DVD)
e0021965_20431029.jpg これは海賊版みたいですが、AmazonやHMVなどでも扱っているものです。「86年のキング牧師トリビュートや、ファーム・エイド2、ウィリー・ネルソンの60歳の誕生を祝った93年のライブからのステージなど、これまでの公式映像作品や同レーベルのライヴ・コレクションにも収録されていなかった映像を数多く追加。目玉はなんといっても、DVD3枚目に収録している当日のセットリストを網羅した94年のウッドストック」ということで、即買いです。79年から95年までの38曲は、画質の悪さを差し引いても壮観です。






 スタックス/ヴォルトの音源がユニバーサルに移って、DVDでも興味深いものが出るようになりました。
⑤『Stax-Volt Revue: Live in Norway 1967』
e0021965_20433758.jpg スタックスのパッケージ・ショウがモノクロの映像で楽しめます。こういうのが観たかったんですね。Booker T and the MGs(2曲)、The Mar-Keys(3曲)、Arthur Conley(2曲)、Sam and Dave(4曲)、Otis Redding(5曲)の75分。やっぱりサム&デイヴとオーティスが圧巻です。針金痩男のスティーヴ・クロッパーのクールなたたずまいに、憧れていた青春時代が蘇りました。










⑥『Otis Redding / Dreams To Remember』
e0021965_204405.jpg オーティスのドキュメンタリーも必見です。この手の作品には珍しく、大半が完奏されています。奥さんや娘さん、スティーヴ・クロッパー、それからスタックスの創業者で多くのアーティストをデビューさせたジム・スチュワートなどのインタヴューが挿入されています。
 スチュワートさんのお姿にはびっくりです。やせ細って、次の瞬間にはご臨終、みたいな雰囲気を漂わせているのですが、記憶はクリアで細かいところまで話してくれました。こういうひとのほうが長生きするのかもしれません。
 そういえば、オーティスの息子さんはどうしているんでしょう? ぼくが留学していたころに、セロニアス・モンクの息子さんとソウル・バンドを組んで、ヒット曲も出していた記憶があるんですけど。

⑦『Respect Yourself: The Stax Records Story』
e0021965_20442752.jpg こういうものも買いました。ですが、時間がなくてまだ観ていません。それにしても、このジャケット、かっこいいと思いませんか?
by jazz_ogawa | 2008-03-12 20:48 | 映画&DVD | Trackback | Comments(8)
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 しばらく前のことですが、2月19日にマイルス・デイヴィスのプロデューサーだったテオ・マセロが亡くなりました。享年82歳。彼がプロデュースを担当したのは1959年の『スケッチ・オブ・スペイン』からで、1980年代半ばにコロムビアを去るまで(マイルスの作品でいうなら1983年の『スター・ピープル』まで)、多くの作品を手がけています。
 テオがいなければ、ぼくはジャズにここまでのめりこんだかどうか。晩年の彼は好々爺という感じでしたが、もともと作・編曲家にしてアルト・サックス奏者でしたから、アーティストして鋭い感性に驚かされたことが何度もあります。そのテオの死を追悼して、『愛しのジャズメン 2』で書いた文章を以下に掲載しておきます。


 コロムビア・レコーズ(現ソニー)のプロデューサーとして、テオ・マセロはマイルス・デイヴィスをはじめ、セロニアス・モンク、チャールズ・ミンガス、デューク・エリントン、ビル・エヴァンスなどの作品を数多く制作してきた。その彼が、同社を辞めて自主制作によるアルバムをリリースし始めたのは1980年代半ばのこと。
 いまや伝説のプロデューサーのひとりに数えられるテオが構えるオフィスは、ぼくのアパートから10ブロックしか離れていない。しかも同じファースト・アヴェニューとセカンド・アヴェニューの間にあるのだから、いってみればとなり組のようなものだ。
「ここで寝泊まりもできるが、どんなに遅くなってもロング・アイランドの自宅に帰るんだよ」
 こともなげにこういうが、マンハッタンのとなりに位置するロング・アイランドは広い。オフィスから自宅までは車を運転しても2時間、最近は足の調子が悪いので長距離バスを利用して2時間半はかかるという。それでも週に最低2回はオフィスにやってくるのだから元気だ。

「わたしはプロデューサーと思われているかもしれないが、自分では作・編曲家だと考えている。コロムビアでプロデューサー業をしながら、テレビや映画のための音楽も書いていた」
 幼いときから音楽に興味を持っていたテオは、48年にジュリアード音楽院に入って作曲法を学んでいる。
「ジュリアードではクラシックと現代音楽を学んだ。でも、あの学校は好きになれなかった。わたしはポピュラー・ミュージックにも興味があった。しかし、そんなものはジュリアードじゃ認められていなかったからね」
 ジュリアードに入ったのも、そこで勉強したいと強く願ったからではない。
「大学に入れば徴兵が延期される。第二次世界大戦が終わって平和が訪れようとしていたけれど、一方でそろそろ朝鮮半島がきな臭くなっていた。それで、いま徴兵されるのは得策でないと判断した。たまたまわたしを教えていた先生が推薦してくれて、ジュリアードの奨学金がもらえることになった。それで入学したにすぎない」
 ジュリアードに入ってからも、テオはジャズ・クラブ巡りやブロードウェイのミュージカル観劇に夢中だった。
「父親が地元でナイト・クラブを経営していたんで、小さいときからジャズ・ミュージシャンに囲まれて育った。だからクラシックを学んでいたけれど、一方でジャズやポピュラー・ミュージックにも興味を持っていた」
 マイルスもジュリアードに1年ほど在籍しているが、それはテオが入学する数年前のことだ。
「そう、マイルスは先輩だが、わたしが入ったときには辞めていた。彼の演奏を生で初めて聴いたのは49年のことだった。わたしはそのシンプルなプレイに強い印象を覚えた。当時のトランペッターはほとんどが強力なソロを吹くことで個性を競い合っていた。ところが、マイルスは繊細さも兼ね備えたプレイで自分を表現しようとしていた。まさか、その後に彼の作品をプロデュースするとは夢にも思っていなかったがね」

 テオは優れたプロデューサーだが、同時に創造的なアーティストでもある。マイルスとのコラボレーションでは、ふたりのアーティストが出会ったことで、前人未到の音楽が次々と発表されることになった。
 オフィスには、フェンダー・ローズ(エレクトリック・ピアノ)が置かれている。オーディオ装置で自分がプロデュースしたマイルスのレコードを大音量で鳴らしながら、テオは身ぶり手ぶりを交えて、一緒にフェンダー・ローズを弾いてみせる。
「ここは、本当はこうやりたかったのにマイルスが認めなかった。こちらは最初こんなハーモニーだった。それに7度の音を加えてみたら、ほら、このハーモニーだ。響きが穏やかになったじゃないか。これはわたしのアイディアだ」
 まるで、いまもスタジオでマイルスを相手に「ああだ、こうだ」といっているような雰囲気である。ぼくは背筋がぞくぞくしてきた。
「マイルスのイメージはわたしが完成させたと自負している」
 こう断言するだけのことをテオはやってきた。とくにエレクトリック時代の作品は、彼の大胆な編集作業によって完成したものだ。手を加えたことに対しては賛否両論あるものの、テオは動ずることなくこう話す。
「マイルスは録音するだけだ。やりたいことをやったら、さっさと帰ってしまう。そのままの形では作品にならない。そこで、わたしが彼のイメージを考えながらテープを編集していくんだ」
 それだけに、最近次々と発表されているコンプリート・ボックスは許せない。
「わたしがゴミ箱に捨てたテープまで、彼らは見つけ出して発表してしまった。あれは、せっかく高い完成度を求めて制作したオリジナル・アルバムを踏みにじる行為だ」
 この言葉に、テオのクリエイターとしての誇りが示されている。


 テオの冥福をお祈りします。そして、グッド・タイミングというかなんというか、彼のドキュメンタリー映画『Play That, Teo』が近く公開されるとうです。といっても、日本ではどうなのか知りませんが。興味のあるかたはhttp://playthatteo.com/まで。これ、ちょっと面白いです。
by jazz_ogawa | 2008-03-09 18:58 | 平凡な日々 | Trackback(1) | Comments(8)
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 1週間近くが過ぎてしまいましたが、2月29日に渋谷の「ORCHARD HALL」で初日のコンサートを観てきました。
 ハワイに行ってきたころから立て続けにいろいろな原稿を頼まれて、書いても書いても終わらない日々が続いています。こういう状況、ぼくは嬉しくて、この幸せな気分のまま死んでもいいくらいですが、とにかくかなり先まで寸暇を惜しんで原稿を書くことになっています。
 しかもこういうときは悪い癖が出て、いつも以上に丁寧に原稿を書いてしまうんですね。時間に追い詰められる気分が堪らないという、いやな性格というか、アホな性格というか、とにかく自虐的な日々を送っています。そういうことなので、映画も観にいきませんし、ライヴもパス、レコード店にも足を踏み入れていません。

e0021965_2132566.jpg それで、本当に久しぶりに、ライヴに行ってきました。お目当てはパット・マルティーノ。今回はハーヴィー・メイソン・トリオにフィーチャーされての出演でしたが、マルティーノ・トリオといっていいくらい彼が目立っていました。
 まあ、マルティーノはどんな編成だろうが、いつもと同じに超絶技巧で弾きまくるので、こちらの予想どおりの内容でした。これがほかのギタリストだと「いい加減にしてよ」と思うこともあるのですが、彼にこう弾かれてしまうと「おみそれしました」となるのはどうしてなんでしょう。
 マルティーノって妙に神格化されているところもありますが、ぼくは特段そんな風には思っていません。好きなギタリストのひとりですが、特別な存在というほどじゃないんです。それでも、このひとのプレイは、いつ聴いても心がときめきます。ってことは、やっぱりぼくも神格化しているのかしら。

e0021965_2134858.jpg このオルガン・トリオが大迫力で演奏したため、続いて登場したクルセイダーズのサウンドは、最初「なんてしょぼいんだろう」と思いました。音はすかすかですし、レイ・パーカー・ジュニアなんか、ソロを弾いても「音をけちってるんじゃないの?」みたいな感じでした。しかし、演奏が進むにつれて、このしょぼいサウンドが妙にいい感じになってくるんですね。マルティーノに比べたら、音数が20パーセントくらいしかないレイ・パーカー・ジュニアのギターまで心地よくなってきました。
 オリジナル・メンバーのジョー・サンプルにしてもウィルトン・フェルダーにしても、決してうまいとは思えない程度のプレイでした。それでもそこが味になってしまうんですね。いくら若手が張り切ってばりばりとプレイしたって、こういう人たちにはかなわないだろうな、なんて思いながら観ていました。
 ジャズは年輪が大切な音楽かもしれません。正確にいうなら「年輪が」じゃなくて「年輪も」かもしれませんが。だって昔のクルセイダーズには、先週のグループは逆立ちしたってかないっこありません。それでも、ぼくはいい感じで楽しめました。同じことは、全盛期だったころにニューヨークで聴いたマルティーノのプレイにもあてはまります。これだから、ジャズのライヴは楽しいんですね。
 でも、しばらくは原稿書きですね。これも楽しいですから。で、どっちが楽しいんだろうと自問自答してみました。うーん、難しいんですが、目先のことが気になる性質なので、取りあえず原稿を書くのがいまの時点では楽しいかもしれません。でも、ストーンズとかポールが来るんだったら別ですよ。

 それで、この夜の3番手はデイヴ・コッズでしたが、これは観ないで会場を出ました。9時前に夕食を食べるのが優先事項ですから。これもあって、なかなかコンサートやライヴに行けません。面倒な体になったものです。
by jazz_ogawa | 2008-03-06 21:06 | 平凡な日々 | Trackback | Comments(4)
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 4年前の今日、心筋梗塞を起こして病院に担ぎ込まれました。正確にいえば、勤務先の病院で具合が悪くなり、看護師に救急車を呼んでもらうよう自分から頼み、搬送してもらったんですが。
 何しろ、食事を食べてもすぐに息切れしましたし、患者さんにレントゲンについて説明するだけでも途中で休まないとできない状態でしたから。あのときのことを考えると、元気になったものだと思います。これも主治医のドクターや、食事のことに気を遣ってくれる周りの方々のおかげです。ありがとうございます。

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 そして、おとといというか、実質的には日曜日のイヴェントですから、昨日のことになりますが、Hi-Fiでも気を遣ってもらい、病気後、初めて明け方近くまで楽しい時間をすごすことができました。初の分煙イヴェントでどうなるかと思ったのですが、かなりのひとが集まってくれました。

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 盛り上がりのピークは、大阪のソウル・バンド、ザ・たこさんのライヴ。面白かったです。いい面構えでしょう? サウンド・チェックのときから、ぼくの胸も高まっていましたね。ほんと、できることならまたバンドをやりたくなりました。ヤマちゃん、今度ギター教えてね。

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 場内は超満員です。喫煙室にいたひとたちもこちらにやってきて、大盛り上がりです。偉かったのは、そういうときでもマナー違反のひとはひとりもいなかったことです。

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 ぼくのDJはどうでもいいのですが、ソウル特集ということで、いつもと同じ、オーティス・レディング、パーシー・スレッジ、エディ・フロイド、アレサ・フランクリン、サム&デイヴ、クラレンス・カーター、ソロモン・バーク、ウィルソン・ピケットなどをまわしました。ついでに、アル・クーパーとトータス松本も追加しておきました。

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 感激したのは、ゲストDJのStormer TAMAIさん。このひと、ソウルのシングル盤を持ち込んで、次々と嬉しくなるような曲をかけてくれました。選曲も脱帽ものでしたが、レコードを二重のスリーヴに入れて、このようなカチッとしたケースで運んできたんですね。ぼくもカンパニー・スリーヴのないシングル盤は白スリーヴに入れて、それだけだとあぶないので、厚手のホワイト・ジャケットに入れています。まったく同じことをしているひとがいて、親しみを覚えました。
 帰りしな、Stormer TAMAIさんからぼくがまわした「I don't Want To Cry」を歌っていたのは誰? と聞かれ、ほとんどヘロヘロになっていたぼくは、たぶんパーシー・スレッジと答えたと思います。ごめんなさい、これ、エディ・フロイドでした。『ノック・オン・ウッド』に入っています。

 初の分煙イヴェント。参加したみなさんはどうだったんでしょう? ぼくはあのにおいが髪の毛や服にこびりつかず、大変快適でした。それ以上に、心臓に負担がかからず、その分、イヴェントが楽しめました。でも、逆のことを考えると、喫煙の方にとっては満足できなかったかもしれませんね。そのあたりの判断を含めて、今後のイヴェントでもいろいろなことを試してみるのがいいかもしれません。なにせ、過去の因習をぶち壊すのがぼくのモットーですから。
by jazz_ogawa | 2008-03-03 11:34 | 平凡な日々 | Trackback | Comments(14)
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