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川隆夫の JAZZ BLOG
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©Kozocom (photo by Shuichi Kasahara)
職業:JAZZジャーナリスト、整形外科医、DJ

ニューヨーク大学の大学院在学中にアート・ブレーキーやマルサリス兄弟など数多くのミュージシャンと知り合う。帰国後、JAZZを中心に約3000本のライナーノーツを手がけると共にJAZZ関連の著書を多数出版。ブルーノートの完全コレクターとしても有名。その他、マイルス・デイヴィスやブルーノートの創始者アルフレッド・ライオンの来日時の主治医を勤めるなど、現役の整形外科医としても第一線で活躍中。

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「証言で綴る日本のジャズ」

「ジャケ裏の真実
ジャズ・ジャイアンツ編」
TALK EVENT■
小川隆夫ONGAKUゼミナール
@銀座le sept
3.19:ジャズメン、ジャズを聴く!


■TALK EVENT■
民音音楽博物館
「3月文化講演会」@神戸
3.26: 関西国際文化センター
コスモホール
TEL: 078-265-6595

詳細やその他ライナーノーツなどは 「Works & Information」へ>>
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 現在、来年の2月くらの出版を目指して『愛しのジャズ・マン』を執筆中です。最初はこの連載をもとにいくつかのエピソードを書き足して1冊にしようと考えていたのですが、気が変わり、全部書き下ろすことにしました。
 とはいっても、いくつかはどこかで紹介したエピソードが含まれています。それでこの本が売れたら続篇ということで、これまでにブログで発表したエピソードを中心にもう1冊出すということで版元と話を纏めました。
 1冊につき50本のエピソードで、ニューヨークから戻ってからこの2週間、ずっとこの本を書いています。あと数本のところまで来ましたが、これはあくまでベーシックなものです。ぼくの場合、フュージョンのレコーディングと同じで、ベーシックなレコーディング、オーヴァーダビング、ミックスダウンみたいな過程を踏みます。
 ベーシックな原稿とは大まかに書いたものです。細かいデータや文字数の調整などはしていません。書きたいことをとにかく書いておくだけのものです。次のオーヴァーダビングにあたるのが、そこに細かいデータなど、調べたものを書き加えたり、文字数を調整したりすることです。そしてミックス・ダウンは、その文章をプリントアウトして何度も読み直し、全体のバランスや文章のトーンなどを調整し完成原稿にする作業です。
 とはいっても、これはあくまで出版社に渡す前の作業です。この原稿を元に、初校が作られます。この段階では、たいていの場合、原稿が棒組みされているだけです。それに赤を入れた再校は、レイアウトの中にその原稿を組み入れ、写真なども配置されたものになります。それにさらに赤を入れて再々校、それでも満足できなければ4校・・・と続いていきます。
 普通は再校か再々校で終わりにしますが、ぼくはしつこいのでさらに2~3回校正を重ねることもあります。最後に青焼きというのがあって、これは確認するためのもので、よほどの間違いがないと直さないことになっています。普通、この青焼きを筆者が読むことはほとんどないらしいのですが、ぼくはこれもチェックします。というわけで、まだまだこれから延々と作業が続くわけです。

 前置きが長くなりました。今月の「愛しのJazz Man」の総集編です。


#014:Sonny Rollins ソニー・ロリンズ(ts)
e0021965_0224697.jpg これまでにどのくらいのひとにインタヴューしてきただろう? 相当な数であることは間違いない。1000人まではいかなくても500人は優に超えている。それにしてもいろいろなひとがいた。中でも一番優しく接してくれたひとりがテナー・サックスの巨人と呼ばれるソニー・ロリンズだ。
 そもそもミュージシャンと接していていやな気分になったことがほとんどない。無口なひとや愛想のないひともいることはいる。ぼくにも少なからずその傾向があるから、気持ちは理解できるつもりだ。疲れていたり、何度も繰り返される同じ質問にうんざりしていたりするときだってあるだろう。
全文はhttp://www.kozocom.com/entertainment/music/a00014.html

#015:Bill Evans ビル・エヴァンス(p)
e0021965_023480.jpg ビル・エヴァンスの悲報は、少なくとも日本にいるファンにとっては思いもかけないものだった。1980年9月15日、彼は入院先のマウント・サイナイ病院で肝硬変に肺炎を併発して51歳の人生を閉じたのである。
 多くの証言者によれば、エヴァンスは死の数年前から慢性の肝炎を患い、自身その治療を拒み、みずから死を招くような行動を取っていたという。
 「自分がひどい病気であることを彼は知っていた。よい病院で治療を受ければ快方に向かうはずだといって入院を勧めたが応じなかった。彼には生きる意志がまったくないように思われた」
全文はhttp://www.kozocom.com/entertainment/music/a00015.html

#016:David Matthews デヴィッド・マシューズ(arr、p)
e0021965_023235.jpg ミュージシャンの中で日本語が達者な横綱はデビヴィッド・マシューズとケニー・ギャレットだろうか。マシューズはニューヨークのベルリッツで個人教授について勉強したほどの正統派で、ケニーは日本人のガール・フレンド(?)から習った実践派だ。
 そのケニーと、ニューヨークにあったジャズ・クラブ「ファット・チューズデイズ」に出ていたドナルド・ハリソン=テレンス・ブランチャード・クインテットを聴きに行ったときのことである。ふと、マシューズと日本語で対談したら面白いんじゃないかと思いついた。マシューズはミッドタウンのイーストサイドに住んでいる。「ファット・チューズデイズ」もイーストサイドの17丁目にあるから、タクシーを飛ばせば10分くらいで行ける。
全文はhttp://www.kozocom.com/entertainment/music/a00016.html

#017:Kenny Garrett ケニー・ギャレット(as)
e0021965_0234068.jpg 前回はデヴィッド・マシューズのことを中心に紹介したので、今回はケニー・ギャレットについて書いていこう。ふたりの日本語対談は、開始早々の1ラウンドでケニーのノックアウト勝ちだったが、彼が日本語をマスターした裏には不断の努力があった。
 ケニーはマンハッタンからハドソン河を隔てたニュージャージーの住人である。ニュージャージーにも多くの日本人が住んでいる。そのため、毎朝7時からテレビで日本語放送を観ることができる。ひところのケニーは、それを観てはわからないところを質問してくる妙なやつだった。たとえばこんな質問をされたことがある。
全文はhttp://www.kozocom.com/entertainment/music/a00017.html
by jazz_ogawa | 2006-10-30 23:18 | 愛しのJazz Man | Trackback(1) | Comments(10)
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 昨日は「小僧こだわりジャズ・ライヴ」をやってきました。これはぼくがプロデュースとナヴィゲーションを務めるコンサートの3回目。ゲストには大好きな南佳孝さんをお迎えしました。

 そもそも南さんを知ったのは、それ以前にぼくははっぴいえんどという日本のロック・バンドが好きだったんですね。ぼくもロック・バンドをやっていましたし、凄く興味のあるバンドでした。そのはっぴいえんどが解散して、ドラマーだった松本隆さん、彼がはっぴいえんどの歌詞の大半を書いていたんですが、その松本さんが最初にプロデュースしたアルバム、それが南さんのデビュー作『摩天楼のヒロイン』でした。
 このアルバム、『摩天楼のヒロイン』というタイトルからして、ミュージカルとかジャズとかをイメージさせるもので、内容もそういうものでした。1973年の作品なんですが、当時こんなに洒落たアルバムは日本に一枚もなかったと思います。そのセンスのよさにびっくりしましたし、ジャズっぽいロックとかポップスって日本にはほとんどなかったので、すごく感心しました。以来、南さんにはずっと注目してきました。
 そういうわけで、「いつもよりジャジーな雰囲気で」とお願いしたところ、バックのメンバーもピアノの佐山雅弘さん、ベースのバカボン鈴木さん、そしてドラムスの鶴谷智生さんという素晴らしいピアノ・トリオになりました。
 このトリオだけでもしばらく聴いていたいほど贅沢なものでしたが、彼らのサポートを得て、南さんも大張り切りの様子です。7時開演、9時終演の予定でしたが、大幅に超過して9時半近くまで南さんの素敵な歌と音楽を楽しみました。
 といっても、ぼくは第一部と第二部の頭のところで、いつものように話をしなければいけません。これがなければもっと楽しめたのですが、そこはプロデューサーの仕事なので仕方ありません。
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 一部では、南さんの紹介を絡めながらの四方山話という感じだったんですが、やっぱり話がへただなぁとステージに立ちながら何度も思っていました。もともと舌の滑りが悪いのと、あがるというよりあせっているのでしょうか、早口になりがちで、どうも言葉を噛んでしまうんですね。まあ、端から見れば、面白い見世物だったかもしれませんね。その後は南さんがきっちりとステージを務めてくれました。

 <君の笑顔>から始まった第一部では、そのほかに<遥かなディスタンス><スコッチ&レイン><夜間飛行><プールサイド><夜の翼><君をのせて><ザ・ギフト><ネイチャー・ボーイ>なんかが歌われました。ちなみに<ザ・ギフト>とはハンク・モブレーの演奏で知られる<リカード・ボサノヴァ>のことです。

 そして第二部では、小僧comの取締役、平松庚三さんが会場にちょうど着いたところだったので、予定にはなかったんですが、ステージに登場してもらい、簡単な挨拶がてら小僧comの紹介をしていただきました。
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 その後は南さんとのトークで、音楽的なバックグラウンドを聞いたり、彼が1982年にニューヨークでレコーディングした『セヴンス・アヴェニュー・サウス』の話をうかがったりといった、これまたぼくの責任なんですが、何の脈絡もない話でライヴへと続けました。
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 1曲目は、ぼくがリクエストをしていた<冒険王>からです。この曲、アルバムではストリングス入りのフル・オーケストラがバックについていました。それをピアノ・トリオでやってもらうのためちょっと大変だったとは思いますが、バカボンさんのアルコ・ベースから始まるイントロもよかったですし、「エルドラドを求めて明日、密林に入っていく。もう帰れないかもしれない」と彼女に手紙を託す形で書かれた松本隆さんの歌詞を南さんが素晴らしいヴォーカルで聴かせてくれました。
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 そのあとは<コルコバド><昼下がりのテーブル><サムワン・トゥ・ウォッチ・オーヴァー・ミー><ミッドナイト・ラヴ・コール><月夜の晩に>などが次々と歌われ、最後は<モンロー・ウォーク>で締めてくれました。もちろん、これでは終われません。ということでアンコールは<スローなブギにしてくれ>と相成りました。

 終了後も、ロビーで南さんのサイン会もあり、おかげさまで今回のコンサートも盛況のうち、無事に幕を閉じることができました。このブログをご覧になって、会場までいらっしゃってくださったかたもあり、この場を借りてお礼を申し上げます。どうもありがとうございました。
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 この写真は、平松さんご夫妻とライヴ終了後に楽屋で写したものです。南さんは、平松さんの奥様が活動されている「難民の子どもたち光を」キャンペーン(12月4~10日、丸ノ内オアゾoazo1階)のチャリティ・ライヴにも、今回の縁から出演していただけることになりました。これについては、いずれこのブログでも紹介したいと思います。

 なお、ぼくは11月11日と25日にトーク・イヴェントを予定していますので、そちらにも興味がある方はぜひいらっしゃてください。これは数日中に詳細をお知らせします。
by jazz_ogawa | 2006-10-28 11:47 | Works | Trackback(2) | Comments(10)
e0021965_22473896.jpg ジャッキー・ネイラーは日本でまだ無名のシンガーだと思っていたんですが、認識不足でした。昨日の「ブルーノート東京」はかなりの入りでした。そこそこネーム・ヴァリューがないとこのくらいのお客さんは来ないなっていう程度に客席が埋まっていたんですから、最近のジャズ状況にぼくは随分疎くなっているようです。
 それはさておき、このジャッキー・ネイラー、ぼく好みのシンガーです。まず雰囲気がいいんですね。ジャズ・シンガーですが、声のイメージや歌いかたはキャロル・キングに通じています。なんていうことを考えていたら、最後に彼女の<ウィル・ユー・スティル・ラヴ・ミー・トゥモロウ>をしっとりと歌い上げてくれました。これが実によかったです。

 ジャッキー・ネイラーは、これまでに自費出版で5枚ほどアルバムを発表しています。その最新作『カラー・ファイヴ』がこの間ようやく国内盤で発売され、本邦デビューとなったです。それらのアルバムを全部聴いたわけではありませんが、面白いのはジャズのスタンダードを中心に、オリジナルもあれば、ロックもレパートリーに入れているところです。しかもピンク・フロイドやジミ・ヘンドリックスの曲まで取り上げているところが新鮮です。

 昨日のステージでは、基本的にバックをピアノ・トリオが務めましたが、このピアニストがギターに持ち替え、さらに曲によってはもうひとりが加わり、こちらもピアノとギターの両刀遣いで、2ギター、ベース、ドラムスなんていう編成も可能にしていました。
 スタンダードの<オールモスト・ライク・ビーイング・イン・ラヴ>から始まったステージでは、<バット・ノット・フォー・ミー><サマータイム><ブラック・コーヒー>などのスタンダードがオーソドックスなスタイルで歌われていきます。しかし、ぼくが興味を覚えたのは、それらの間に登場したビリー・ポールの<ミー・アンド・ミセス・ジョーンス>(これは男性の歌なので彼女は<ミー・アンド・ミスター・ジョーンズ>に替えていました)や<ウィル・ユー・スティル・ラヴ・ミー・トゥモロウ>、それから<ビフォア・アイム・ゴーン>などのいくつかのオリジナルでした。これらの曲ではかなりソウルフルな歌いかたが示され、それも好ましく思いました。
 勝手に不思議な縁を感じたのは、<ミー・アンド・ミスター・ジョーンズ>です。「ブルーノート東京」に行く前に立ち寄ったスターバックスで、ビリー・ポールの歌うこのオリジナル・ヴァージョンを聴いて、「そうだ! こんないい曲もあったんだ。帰ったらiPODに取り込もう」なんて考えていたんですね。そうしたら、そのすぐあとにジャッキーがこの歌をうたったのでびっくりしました。でも、こういうことってときどきありますよね。これも虫の知らせなんでしょうか?

e0021965_22475471.jpg ジャズ・シンガーとしてのジャッキーはユニークなポジションにつく可能性を秘めています。ただし、雰囲気があって自分の世界も持っていますが、まだもう一歩というところでしょう。そのもう一歩を克服するには、オリジナルで勝負したほうがいいように思いました。
 ジャッキーが歌うスタンダードにも味わいはあります。でも、それ以上に耳を傾けさせられたのが彼女の書いたいくつかのオリジナルでした。声の質や歌いかたはキャロル・キングのような感じです。ドラマチックに歌うより、淡々とした表現の中で自分の世界を伝えるタイプだと思いました。
 この手のシンガーも最近は増えています。マデリン・ペルーやノラ・ジョーンズなんかですが、その中に入っても、彼女はオリジナルで自分の世界を訴えることができると思います。ぼくがそう思うのは、ジャジーなポップス、あるいはポップなジャズがこのところ好きになっているからでしょう。本格的なジャズ・シンガーの登場にも興味はありますが、ジャッキーは最初からその路線は狙っていないようです。
 でも、いまのままでは中途半端の印象がぬぐえません。才能を持っているのですから、いいプロデューサーにめぐり会えば、彼女はさらに大きく飛躍することができるでしょう。このままのポジションやスタイルで満足してはいけません。もちろん本人もそう思っているでしょうが。
 ともあれ、これからが楽しみなシンガーの初来日公演を、ぼくはかなり楽しく聴かせてもらいました。
by jazz_ogawa | 2006-10-25 22:52 | ライヴは天国 | Trackback(1) | Comments(3)
e0021965_11403316.jpg ぼくの初エッセイ集です。とうとう出版されました。版元はNHK出版。これは今年の3月までNHK-TVの英語テキストに2年間連載していた「Reading Jazz Bar」に、いくつかの書き下ろしを加えて1冊にまとめたものです。ニューヨーク時代のジャズにまつわる日常をしたためたもので、自画自賛で図々しいとは思いますが、われながら面白い読み物になったと思います。
 表紙の写真は1970年代のグリニッチ・ヴィレッジで、写真家の橋本功司さんが写したものです。それを装丁の第一人者である菊地信義さんが素敵な形にしてくれました。この表紙も大変気に入っています。
 帯には日野皓正さんが「ぼくも、マックス・ゴードンに見出されたひとりなんだよね。“ヒノ、お前のバンドでいつうちに出るんだよ!”ってね。あのこのろのマンハッタンの匂いがプンプンして懐かしい気分になるよ」とコメントを寄せてくださいました。日野さんとのエピソードも本には登場します。

 『となりのウイントン』とはもちろん隣人だったウイントン・マルサリスのことです。別にウイントンのことばかりを書いたわけではありません。編集者や菊地さんの意見で、タイトルを見て「これ、何だろう?」といったものがいいということから、これに決めました。
 帯の裏には、ちょっと気恥ずかしいのですがこんなコピーが書かれています。「ジャズ好きが高じてマンハッタンに留学してしまった青年外科医。そんな若き著者と親交を結んだミュージシャンたちのエピソードの数々。ときに笑わせ、ときに胸打つ、待望の初エッセイ集!」
 ジャズの話が中心ですが、ジャズ・ファンに向けて書いたものではありません。エッセイということもあって、ジャズ・ファンでなくても楽しめる内容を連載中は心がけていました。自分でいうのも何ですが、ちょっと泣けるところもあったりで、これまでの本とは違ったものになったと思っています。ぼくとしてはかなりの自信作なので、チャンスがあればぜひご覧になってください。

e0021965_11404764.jpg ところで話はまったく変わりますが、20日に発売された『スイングジャーナル』で「読者通信」の頁に「I LOVE JAZZ TESTの復活を望む」という投稿が寄せられました。長崎県大村市・ペンネーム海馬治郎さんから寄せられたものですが、本当にありがとうございました。
 これは、ぼくが1984年から20年近く同誌に連載していたものの復活を切望してくださった一文です。毎回ミュージシャンを編集部に招き、何枚かのレコードやCDを聴いてもらい、その音楽やアーティストに対するコメントをいただくものです。それらの一部は8月に出版した『ジャズ・マンが愛する不朽のJAZZ名盤100』(河出書房新社)で紹介しています。
 ぼくもこの連載はぜひ再開したいと思っていますが、『スイングジャーナル』のやる気次第といったところでしょう。海馬治郎さんはこう書いてくださいました。
 「こういった企画の肝はゲストからいかに面白い話を引き出すかであるが、期待が裏切られたことはまずない。これには聞き手の小川隆夫氏の存在が大きい。彼は堪能な英語力とjazzの歴史を踏まえた高い見識を基礎に、医師という職業柄、鍛えられたインタヴューのスキルを生かし、ゲストから信頼をかちえて、忌憚のない本音の意見を見事に引き出していた」
 かなり褒めすぎですが、こう書いていただけるのは本当に嬉しいことです。やっててよかったと思うのは、こういうかたがいることを知ったときですね。心から海馬治郎さんには感謝したいと思います。こういう読者がいることを肝に銘じ、これからも誠実な仕事をしていかなくては、と気分を引き締めました。
by jazz_ogawa | 2006-10-22 11:51 | Works | Trackback(2) | Comments(14)
e0021965_23134795.jpg 秋になってぼく好みのヴォーカル・アルバムがいろいろとリリースされるようになってきました。この間紹介したフリオ・イグレシアスもそうですし、ダイアナ・クラールの新作『フロム・ディス・モーメント・オン』もこのところのお気に入りです。
 今回は、前作の『クリスマス・ソングス』で共演したザ・クレイトン=ハミルトン・ジャズ・オーケストラを再びバックにスタンダードを歌う趣向で、ゴージャスなビッグ・バンド・サウンドに乗せて<イット・クッド・ハプン・トゥ・ユー><ハウ・インセンシティヴ><カム・ダンス・ウィズ・ミー>などが楽しめます。

 ちょっと鼻っ柱の強いダイアナには何度もインタヴューしています。最初の来日はピアニストとしてもスポットライトが当てられてたものでした。渡辺貞夫さんが毎年開催していた「キリン・ザ・クラブ」というコンサートで、サダオさんのバックを務める大役を果したのです。1995年のことです。この時点で彼女はほとんど無名でした。ステージの途中でサダオさんが引っ込んで、彼女がヴォーカルを数曲披露するコーナーがありました。
e0021965_2330281.jpg シンガーでもあるという情報は入っていたのですが、まさかこんなにうまいとは思っていませんでした。ピアニストの余興くらいに考えていたんですね。その弾き語りを聴いたぼくは、コンサート終了後に楽屋でさっそくインタヴューを申し込みました。
 ダイアナもそんなぼくの申し出に驚いたようです。このとき注目されていたのはベーシストのクリスチャン・マクブライドで、インタヴューのオファーも彼に集まっていたからです。
 みんなが取り上げないひとをインタヴューするのがぼくの専売特許ですから、このときもいつものやり方を踏襲したに過ぎません。しかし、ダイアナはことのほか喜んでくれたみたいです。お陰で、その後も直接会ったり、電話でインタヴューをしたりといい関係を保ってきました。

e0021965_23311197.jpg 最初にダイアナの歌を聴いたときにすぐに思い浮かべたのがカーメン・マクレエのヴォーカルです。どすの利いたこわもてのイメージがするカーメンのヴォーカルに通じるものを感じたからです。それで、ダイアナにカーメンが日本でライヴ・レコーディングした『アズ・タイム・ゴーズ・バイ』というCDを聴かせたところ、これがすっかり気に入って、彼女はそのCDを買って帰ったそうです。
 そういえば不思議なこともありました。何度目かの来日時のことです。ホテルでインタヴューしたあと、お腹が空いたというので近くのお蕎麦屋さんに行きました。そのときに流れていたのが『アズ・タイム・ゴーズ・バイ』なんです。このCD、よっぽどのマニアしか持っていないものですから、お蕎麦屋さんも熱心なジャズ・ファンだったのでしょうか?

 それはさておき、ぼくはダイアナには失礼かもしれないけれど、会うたびにカーメンの歌を引き合いに出してきました。彼女の後継者だと思っているからです。そして、年々ダイアナのヴォーカルにはカーメンのような風格が漂うようになってきました。
 それで今回の作品です。ぼくはこのアルバムを聴きながら、その考えが間違っていないことを確信しました。カーメンに似ているっていうことではありません。彼女のように、お馴染みのスタンダードを独自の解釈によって、しかもその曲の持ち味を損なわない歌を聴かせてくれるシンガーの姿が認められたからです。
 歌いっぷりのよさに惚れたとでもいえばいいでしょうか。粋できっぷがいいんですね。江戸っ子なんです。江戸前のジャズ・ヴォーカルです。そこがカーメンに通じています。コンボをバックにしたときのダイアナもご機嫌ですが、オーソドックスなジャズ・オーケストラをしたがえて歌う今回の作品(3曲ではコンボがバックについています)からは大御所の雰囲気も漂ってきます。
 しかし残念なニュースも耳にしました。どうやらダイアナはこれからしばらく産休に入るらしいのです。これはエルヴィス・コステロとの生活がうまくいっている証拠でしょう。コステロも素晴らしい作品を連発しているし、公私共に充実しているのが現在のふたりだと思います。
 しばらくダイアナの新作は途絶えるかもしれません。でも、向こうっ気の強いあの彼女が幸せな生活を送っていると思えば、「よかったじゃない」と素直に喜べます。今度は母親になって、さらに充実した歌を聴かせてくれることを楽しみにしようではありませんか。
by jazz_ogawa | 2006-10-18 23:22 | MHR | Trackback(2) | Comments(6)
 昨日の夕方ニューヨークから戻ってきました。帰りの飛行機では、行きがあまり観たい映画がなかったこともあって3本も観てしまいました。ちょっと古いところでは『パイレーツ・オブ・カリビアン』と『ポセイドン』、それと新作の『プラダを着た悪魔』です。
 一番面白かったのは『プラダを着た悪魔』でした。『ポセイドン』は面白くなかったですね。結末が最初からわかってしまうことと、話の展開が予定調和的ですから。この手の脱出劇はストーリー的にもう限界かもしれませんね。『パイレーツ~』も内容はどうってことなかったですが、主役の一人を演じた女優さんはぼく好みでした。

e0021965_11374176.jpg 面白かったのは『プラダを着た悪魔』です。メリル・ストリープ扮するファッション雑誌・編集長の横暴ぶりと、第2アシスタントになった大学卒業したてでジャーナリスト志望の女の子(アン・ハサウェイ)とのやり取りが中心の内容です。ストリープの専制君主ぶりは『悪魔』というより『プラダを着たわがまま』といった感じでした。
 いまどきこんなに予算が自由に使える雇われ編集長はいないでしょうし、Gapみたいなものを着ていたアン・ハサウェイが、編集部に保管してあるシャネル、ドルチェ&ガッバーナ、ジョン・ガリアーノ、エルメスなどの超高級ブランドの服やアクセサリーを好き勝手に着て、多分自分のものにもしちゃってるような状況はありえないでしょう。
 些細なことにこだわるぼくとしてはそのあたりのことも大いに気になったのですが、それ以上に映画の面白さに引き込まれました。マンハッタンのあちこちでロケされたシーンもさることながら、ストリープの女王様然とした演技と、アン・ハサウェイがどんどん綺麗になっていく変身振りを楽しみました。
 とくにストリープは、行きの飛行機で観た『プレイリー・ホーム・コンパニオン』の「ださいおばさん風田舎の芸人」と正反対のイメージで登場してきた姿に、このひとの凄さを改めて実感しました。まあ映画としてはB級でしょうし傑作とも思いませんが、こういう映画は好きです。

 ここからはニューヨークのおまけです。
1.セカンド・アヴェニューのおじさん
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 雨の日も風の日も、朝も夜も、ぼくが通るたびにたたずんでいるおじさん(当たり前です)。アパート近くのピザ屋さんの前にいつも立っています。何となくポーズが気になるのと顔つきが面白いので1枚撮ってみました。

2.アイスクリームといえばこれも
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 マンハッタンのあちこちにあるチェーン店ですが、ロー・カロリー、ロー・コレステロールが売りです。店頭で売っているソフト・クリームはぼく好みの味です。アイスクリームも各種あって、1パイント以上のサイズをふたつ買うともうひとつただでもらえます。でもそんなに食べられないので、ぼくはいつもヴァニラとチョコレートのミックスを1パイントだけ買います。

3.こんなCDも買いました
『Chuck Berry/Hail! Hail! Rock 'N' Roll』
e0021965_11353938.jpg キース・リチャーズが音楽プロデューサーとして参加したドキュメンタリー映画のサントラCDとDVDをパッケージしたものです。最近この映画がDVD化されましたが、サントラCDとDVDが一緒になったものはスターバックス限定です。こういうの、コレクターにとっては重要なんですね。見つけたら即買いです。日本では売るんでしょうか?

『Sam Moore/Overnight Sensational』
e0021965_11355557.jpg こちらは珍しくもなんともありませんが、サム&デイヴのサムがようやくソロ・アルバムを出してくれました。相棒のデイヴが亡くなってから20年。どうしてこのひとのソロ・アルバムが出ないのか、ぼくはずっと不思議に思っていました。だっていくつかのアルバムにゲスト参加して、相変わらず素晴らしい歌声を披露していたんですから。全曲ゲストとの共演でこれも凄い。エリック・クラプトン、スティング、マライア・キャリー、ビリー・プレストン(合掌)、ポール・ロジャース、ブルース・スプリングスティーン、スティーヴ・ウインウッド、ズッケロ、ジョン・ボン・ジョヴィなどなど。これら豪華なゲストを集めて、誰より素晴らしい歌声を聴かせてくれるのがサムです。もういい年なんですから、これを機にどんどんアルバムを発表してもらいたいと強く思います。

 今週からはまたいつもの生活に戻ります。これまでどおり2~3日に一度更新しますのでよろしく。
by jazz_ogawa | 2006-10-16 11:47 | NY Mapができるまで | Trackback(3) | Comments(12)
 ニューヨークも残すところあと1日になりました。そこで、最後にどうでもいいものばかりですが、気になるものを写真で紹介しましょう。

1.ロッド・スチュワートの新作
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 このところジャズのスタンダード・アルバムを何枚か出していますが、ぼくはどうもこれが好きになれず、「ロッド、どうした!」と思っていました。それで、今度はロックのクラシック集です。街を歩いていたらこんなポスターを見つけました。10月10日発売ということで、翌日買いましたが、アパートのプレイヤーが壊れてしまったので日本に帰るまで聴けません。こちらは選曲的に興味ありです。でも本音をいわせてもらうなら、こういう懐古趣味はやめて新曲でロッドには勝負してもらいたい。この路線しかないとしたらちょっと寂しいじゃないですか。

2.NY-Tokyo Music Festival 2006
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 こんなポスターも見つけました。「NY-Tokyo Music Festival」? 聞いたことありませんが、今年で20周年と書かれています。9月にセントラル・パークで行なわれたもので(入場無料)、日本からはPe'zなんかが参加していたんですね。


3.the Tokyo you have never seen
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 これは「Tokyo Fiesta-Experience Old & New Tokyo」と題されたイヴェントで、グランド・セントラルを使って今月の27日と28日に開催されるようです。主催は東京都。石原都知事もなかなかやるなといったところでしょうか。どんなイヴェントなのかちょっと興味があるところです。

4.ユニクロがオープン
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 さっきの東京の写真もそうですが、これも公衆電話のボックスにあった広告です。ユニクロがソーホーにオープンするようで、あちこちにこの広告や看板を見かけます。すでに小さなアンテナ店みたいなものはその近くで営業していますが、こちらはかなりのスペースを取っています。売りは写真にあるカシミアのセーターで59.50ドル。これって、ニューヨークでは微妙な値段です。日本では安い部類に入りますが、こちらではもっと安いカシミアのセーターもあります。ユニクロが日本のように超安い商品を提供する店としてやっていくのか、それよりはちょっと高いものを売る線で行くのか、この価格からは中途半端な印象を受けました。

5.スターバックスのサンドイッチ
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 スタバで売っている食べ物は高カロリー/高コレステロールのものが多いと不評を買ったせいか、こんなものが売られていました。「Reduced Fat Turkey Bacon, Cholesterol Free Egg & Reduced Fat White Cheddar」というわけで、これがその写真です。コレステロールなしの卵っていうのは初めてです。てっきり白身だけかと思いましたが、ちゃんと黄身もありました。味は、うーん、まあまあです。でもぼくにはこういう食べ物は有難いので、日本でも売ってくれたらいいのに。

6.こんなハーゲンダッツもあります
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 日本では売られていないと思いますが、脂質を50パーセント、カロリーを21パーセントカットしたアイスクリームです。ハーゲンダッツにはカロリー・フリーのシャーベットもあるのですが、それはあんまりおいしくありません。こちらはなかなかグッドです。日本では出さないのでしょうか? 他にはミント・チップ、クッキーズ&クリーム、キャラメルとか6~7種類はあるみたいです。

7.こちらは食べてはいけないもの
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 アパート近くのフィリー・ステーキ・サンドイッチ屋さんです。これはホット・ドッグ用のパンに、ステーキのスライスと揚げたオニオンとチェダー・チーズを挟んでオーヴンで焼いたものです。まさにぼくの好物と、見つけてから3回食べたところで心臓病になってしまい、以来一度も食べていません。これからいろいろ美味しい店を探そうと思っていたところなので、残念無念でした。

 これで今回のニューヨーク便り(?)はおしまいです。いつものようにたいしたこともしないでずるずると1週間が過ぎました。明日は東京に向かいます。徒然なるままに書いたこの駄文におつき合いしてくださったかたはお疲れさまでした。どうもありがとうございます。
by jazz_ogawa | 2006-10-14 11:48 | NY Mapができるまで | Trackback(1) | Comments(10)
e0021965_12121888.jpg 今回は来るときの飛行機の映画も収穫なし、こちらに来てからも目ぼしいのがなしでしたが、ジョン・レノンのドキュメンタリー映画をイースト・ヴィレッジの小さな映画館「Landmark Sunshine Cinema」でやっているのを見つけたので行ってきました。
 すでにサウンドトラック・アルバムは出ていたのですが、うっかりしていてこの映画のことは失念していました。サウンドトラックがあるということは当然映画もあるわけですが、そのことをまったく考えていませんでした。ぼけてますね。
 それで、昨日、出たばかりの『Village Voice』の映画欄を眺めていたらこの映画の広告が目に入り、「ああそうか、やっていたんだ」というわけで、今日、その映画館に行ってきました。

 ウィークデイのお昼ということもあって場内はがらがらです。もともとこういう映画はそれほどひとは入らないんでしょうね。マンハッタンの中でもここしかやっていないみたいですし、それがジョンのファンとしてはちょっと寂しいところです。
 10月10日はジョンの誕生日、そして記憶に間違いがなければ、30年前のこの日、ジョンに待望のグリーン・カード(アメリカの永住権)が交付されたのです。この日は三重の喜びでした。グリーン・カードが交付され、ショーンが生まれ、ジョンの誕生日でもあったからです。これは間違いありません。映画の中でも最後のほうで、このエピソードがグリーン・カード取得に奔走した担当弁護士が語っていましたし。

e0021965_12123647.jpg 映画は、そのジョンが永住権を獲得するまでの話を、当時のひとたちのインタビューや残されたジョンの映像を中心に纏めたものです。前半は平和主義者としてのジョンを浮き彫りにしていきます。当時のブラック・パンサーや過激派とも反戦という点で趣旨を同じにしていた彼は、アメリカの政府にとっては目の上のたんこぶのような存在でした。
 それがネックになってFBIに監視され、当然そういう要注意人物にグリーン・カードは交付されません。ヴェトナム戦争に対するジョンの反戦活動が、このドキュメンタリーを観ると、改めていかに真剣だったかわかります。

 ジョンとヨーコさんは、彼らにしかできない方法で反戦活動を繰り広げていきます、「ベッド・イン」はそのハイライトですが、当時のぼくはそれを「奇抜なことをやってるなぁ」くらいにしか感じていませんでした。
 そのころは世界の状況がまったくわかっていなかったんですね。リアルタイムで「ベッド・イン」のニュースも観ていたのに、ジョンとヨーコさんが真剣になって訴えていたことをちっとも受け止めることができていなかった自分がちょっと恥ずかしいですね。
 それにしても、このふたりは本当に凄いと思いました。平和主義者ではなく平和活動家ですね。自分たちの行為を通して平和と反戦を訴えていたことが映画を観るとよくわかります。それだけに、ニクソン大統領やFBIのフーバー長官はふたりを排除しようとやっきになっていたようです。
 電話が盗聴されていたり、さまざまな迫害に遭いながら、それでもジョンとヨーコはニューヨークをこよなく愛していました。そのことが当時の歌によく表されています。ジョンは、1970年代に入ると反戦運動より平和運動に重きを置くようになります。どちらも根底にあるものは同じですが、表現法が違います。そのあたりのことも映画を観ていると何となくわかってきました。

 ジョンは歌によって、そしてみずからの行動によって、平和の実現に尽力しました。彼が生きていた時代、それはどこまでかなったのでしょう。ジョンはどう感じていたのでしょう。映画の最後でヨーコさんがこういっています。
 「彼が残したメッセージはいまもしっかりとひとびとの心に生き続けています」
 そのとおりです。そして彼の歌はいまも多くのひとが歌っています。
 音楽で社会を変えることはなかなかできません。それでもジョンとヨーコさんが作った歌は、少なからず平和とか反戦ということに対して影響力を持っていると思います。お客さんはまばらでしたが、ぼくはとてもいい映画を観たという気持ちで映画館をあとにすることができました。

e0021965_1235968.jpg そうそう、ぼくと同世代かそれ以上のひとならアンジェラ・デイヴィスという女性を覚えているかと思います。黒人の女性活動家で美人の上にかなり過激な発言をしていたことで、日本でもときどきニュースで取り上げられていました。その彼女も、すっかり品のいい熟年の女性になってこの映画には登場します。それにも、ぼくは強い懐かしさを感じました。
 ジョンは彼女のことを『サムタイム・イン・ニューヨーク・シティ』の中で「アンジェラ」という曲に託して歌っています。同じく、活動家のジョン・シンクリア(MC5のマネージャーでもあった)についても(やはり映画に登場します)、この作品で「ジョン・シンクリア」というタイトルで歌っています。
e0021965_12402222.jpg 『サムタイム・イン・ニューヨーク・シティ』は、永住権を巡ってアメリカ政府と長い法廷闘争を繰り広げていたジョンとヨーコさんによる「反アメリカ政府」的な内容で、彼らのアルバムの中ではもっとも過激なものだと思います。帰り道、iPODでこの作品を聴きながら、ジョンのことやテロのことなどに思いを巡らせ、そしてその舞台となったマンハッタンを歩いていることになんともいえない感慨を覚えました。
by jazz_ogawa | 2006-10-13 12:40 | 映画&DVD | Trackback(1) | Comments(2)
e0021965_12384496.jpg 今日は急に思い立って「サウス・ストリート・シーポート・エキシビション・センター」で開催されている「BODIES」という展示会に行ってきました。ここはマンハッタンのほぼ南端で、かつてはフルトン・マーケットと呼ばれた魚市場があった場所です。
 「BODIES」は人体のさまざまな部分を精巧な模型で示して、その不思議を解き明かす内容の展示会で、ぼくには興味津々のものでした。骨、神経、血管、筋肉、靭帯、内臓、その他の諸器官を細部にわたって再現し、それを実に観やすい形で展示・紹介しているところに感心させられました。
 その昔、医学生だったころに勉強したさまざまなことをほとんど忘れていることにも愕然としましたが、整形外科に関する展示や部位についてはすべてわかったのでひと安心です。これがちんぷんかんぷんだったらちょっと怖いですけれど。あとは小学生のころに、マルサンというメーカーから発売されていた人体解剖模型を作ったことも懐かしく思い出されました。

e0021965_123858100.jpg それにしても、テクニカル・タームをかなり忘れていたのはショックです。すべて覚えのある言葉なのに、それがどの部位だかわからなかったり、どういう機能や状態を説明しているのかが不明確だったりで、いまさらながらに解剖をきちんと勉強しなかったことを後悔しました。それでも何となくはわかるんですが、そこがちょっともどかしかったですね。
 こういう展示、臨床実習が始まったころの学生が観たらとても有意義だと思います。個人的に注意して観たのは、自分のこともあるので心臓の模型ですね。あとは、煙草を吸うひとの肺が真っ黒になっていることを示した模型です。ぼくは過去に実物も含めて何度か観ていますが、この醜悪な姿はぜひとも広くに公開してほしいと思いました。たとえば煙草の箱に印刷するとか。醜悪としかいいようのない色と形。ぞっとすること間違いなしです。

e0021965_12391557.jpg 写真はお土産に買った頭蓋骨のキー・チェインです。娘がなぜか頭蓋骨好きなのでお土産です。箱に梱包されているので写真には撮りませんでしたが、実物大の模型も購入しました。以前大英博物館で買ったヒポポタマスの置物はどうも気に入ってくれなかったみたいなので、これで名誉挽回ができるといいのですが。

e0021965_12393583.jpg ところで、この展示会に行く前に、ついでにブルックリン・ブリッジを途中まで渡ってみました。ところが、やけにブルックリン側からサイレンを鳴らした車がひっきりなしにマンハッタンに入ってくるんですね。それもありとあらゆる緊急車両(パトカー、救急車、消防車、その他)がやってきます。所轄が違うのに不思議だなぁと思っていたんですが、あとでわかりました。ヤンキースのピッチャーが操縦する飛行機が72丁目のイースト・サイドにある高層アパートに飛び込んだんですね。最初はテロかと思って、緊急車両の召集がかけられたようです。
 ぼくのアパートも65階建てで、しかもイースト・リヴァーのすぐそばです。飛行機が突っ込んでくる可能性はあるわけです。しかも国連ビルのすぐ近くですから、テロで突っ込んでくることだってなきにしもあらずと思いました。まあ、そのときはそのときですが。

 今日は夕方からかなり強い雨が降り始めて、夜中になったいまもやんでいません。気温も15度くらいと、ニューヨークに着いてから一番寒くなりました。展示を観て5時過ぎに外に出たら土砂降りです。しかし有難いことに、すぐそばからアパートの近くを通るバスが走っていました。マンハッタンはこういうところが便利なので助かります。

e0021965_12481861.jpg ニューヨークとはまったく関係ありませんが、ちょっとお知らせです。ぼくがプロデュースしている「小僧こだわりJAZZ Live vol.3 南佳孝 a stylish night with JAZZ'n pop」の招待券が当たるキャンペーンを小僧comでやっています。以下は主催者からのコメントです。

 これは小僧の会員(登録は無料です)になっていただき、SNSに入会(今なら参加申請で入会できます)して、南佳孝キャンペーンコミュニティ(誰でも参加可能)に参加していただくと、参加者の中から抽選で10組20名様をご招待というものです。
 イベントは、10月27日(金)の午後6時開場、午後7時開演です。宜しければぜひキャンペーンにご参加ください。まずは、小僧のサイトhttp://www.kozocom.com/へアクセスしてみてください。

 ということです。時間と興味があるかたは、ぜひチケットを当てて会場にいらしてください。ぼくも心からお待ちしています。
by jazz_ogawa | 2006-10-12 12:52 | NY Mapができるまで | Trackback(8) | Comments(12)
e0021965_0364115.jpg それほど珍しいCDではないですが、ニューヨークに来たら買おうと思っていたものを買ってきました。ボブ・ディランの2枚です。ひとつは新作の『Modern Times』ですが、これは「Best Buy」という量販店でしか売っていない特別ヴァージョンです。






e0021965_0374268.jpg アップの写真を見てもらえばわかりますが、100ページのブックレットつきになっています。しかも、これで14ドルです。タワーだど通常盤でも18ドルくらいですから、これを買わない手はないでしょう。



e0021965_044438.jpg もう1枚もショップ限定盤です。こちらはブック・ストアの大手チェーン「Barnes & Noble」でしか手に入らないコンピレーションで、題して「Blues」というものです。未発表曲はひとつもありませんが、これまた興味深い選曲です。
 昨年でしたか、ディランはスターバックスの独占販売で未発表ライヴ盤も出していますし、こういうスペシャル・プロダクツが最近は多いので要注意です。ただしこれら2枚は、日本でもディスク・ユニオンなんかで倍くらいの値段はしますが入荷していました。

e0021965_0442379.jpg Dual Discは撤退の方向にあるようですが、そのDual Discで『Bette Midler Sings The Peggy Lee Songbook』を見つけました。DVDのサイドにはエンハンストされたステレオによる全曲、ベット・ミドラーのインタヴュー、それにペギー・リーの映像が4曲入っているみたいです。まだ時間がないので観ていませんが、ちょっと楽しみな1枚です。

e0021965_0465645.jpge0021965_0471340.jpg ビートルズ関連も、タイミングよくいろいろ出揃いました。最近日本に入ってくる輸入盤はEU盤ばかりで、あちこち探しましたがアメリカ盤は見つけることができません。多分EU版のほうが仕入れ価格が安いんでしょうね。
e0021965_049254.jpg e0021965_0494021.jpgでも、ぼくのように日・英(いまはEU)・米のコンプリートを目指しているものにとってはちょっと困りものです。というわけで、どどーんと各種買っておきました。

 ついでにショーン・レノンのDVDつき2枚組も出たばかりなのでお買い上げです。
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e0021965_0523225.jpg あとは、以前通販で買っておいたビーチ・ボーイズの『Songs From Here & Back』もアパートにちゃんと届いていました。これ、未発表ライヴが9曲と、メンバーのソロが3曲入ったもので、なかなかいいです。
 そのほかにもいくつかCDは買いましたが、また何か面白いものが見つかれば紹介したいと思います。



 というわけでお昼が近くなってきたので、ウォーキング&ランチ&ゲラのチェック(これが大変)&CDハンティングに出かけてきます。
by jazz_ogawa | 2006-10-11 00:58 | NY Mapができるまで | Trackback(1) | Comments(7)
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