小

川隆夫の JAZZ BLOG
Profile

©Kozocom (photo by Shuichi Kasahara)
職業:JAZZジャーナリスト、整形外科医、DJ

ニューヨーク大学の大学院在学中にアート・ブレーキーやマルサリス兄弟など数多くのミュージ シャンと知り合う。帰国後、JAZZを中心に約3000本のライナーノーツを手がけると共にJAZZ関連 の著書を多数出版。ブルーノートの完全コレクターとしても有名。その他、マイルス・デイヴィ スやブルーノートの創始者アルフレッド・ライオンの来日時の主治医を勤めるなど、現役の整形 外科医としても第一線で活躍中。

小川隆夫の著書一覧
Link






小僧SNS村「ONGAKUゼミナール」
MAD ABOUT THE CITY
HIGH-FIDeLITY

Topics
最新刊
「ピアノ・トリオ決定盤ベスト100」
新発売!電子書籍
「名盤のウラに記された真実 前編」
■Inter-FM■
「Jazz Conversation」
(毎週日曜16:00 - 18:00)
2.6, 12, 19, 26


■JALジャズ・チャンネル■
「Jazzy Life」
選曲・構成(2.01 - 3.31)

■「Jazzyell」■
(140号:2.01)

■「ポール・マッカートニー
キス・オン・ザ・ボトム」
(2.06 EPK翻訳)

■「文藝別冊・KAWADE夢ムック
ジョン・コルトレーン」
(2.16発売)

■「ジャズ・ジャパン」■
(Vol.19:2.24発売)

■Talk Event■
「ONGAKUゼミナール@駒場」
(2.25 @駒場Orchard Bar)
19:00 - 21:00)


日経BP「セカンド・ステージ■
「永遠のジャズ」



詳細やその他ライナーノーツなどは 「Works & Information」へ>>
カテゴリ
最新のコメント
magritte1さん、..
by jazz_ogawa at 00:35
今日もお別れ会があり多分..
by magritte1 at 10:08
magritte1さん、..
by jazz_ogawa at 08:55
わあ、私にぴったりな番組..
by magritte1 at 16:49
Jack-Pさん、当日は..
by jazz_ogawa at 07:53
小川さん、こんばん..
by Jack-P at 23:56
はるこさん、パットは世界..
by jazz_ogawa at 00:57
パットのファンです。 ..
by はるこ at 16:16
NetHeroさん、まさ..
by jazz_ogawa at 01:02
小川さん、こんにちわ。 ..
by NetHero at 17:25
funkytopさんもそ..
by jazz_ogawa at 19:49
cyubaki3さん、シ..
by jazz_ogawa at 19:47
私も初来日の武道館と20..
by funkytop at 15:37
ぼくはAOR化したシカゴ..
by cyubaki3 at 08:53
makiseさん、ポール..
by jazz_ogawa at 00:17
yuricozさん、今回..
by jazz_ogawa at 00:15
小川さん、こんにちは。r..
by makise at 16:39
あと1時間♪^o^v
by yuricoz at 15:14
yuricozさん、時間..
by jazz_ogawa at 11:56
お風呂でラジオつけて気づ..
by yuricoz at 10:35
最新のトラックバック
小川隆夫のONGAKUゼ..
from ♪♪♪yuricoz caf..
ONGAKU ゼミナール..
from 雨の日だからジャズでも勉強しよう
Living in th..
from 雨の日だからジャズでも勉強しよう
田辺充邦とタナカニコ(1..
from タナカニコのJAZZ生活
布川俊樹とタナカニコ
from タナカニコのJAZZ生活
マネーボール
from 映画鑑賞&洋ドラマ&..
All Things M..
from 雨の日だからジャズでも勉強しよう
中尊寺に鎮魂の調べ ウィ..
from ローカルニュースの旅
小川隆夫のONGAKUゼ..
from ♪♪♪yuricoz caf..
Talk Event『小..
from LE REGARD D�..
山中千尋とタナカニコ(2)
from タナカニコのJAZZ生活
市原ひかりとタナカニコ(6)
from タナカニコのJAZZ生活
山本剛とタナカニコ
from タナカニコのJAZZ生活
生沼邦夫とタナカニコ(4)
from タナカニコのJAZZ生活
マイク・ノックとタナカニコ
from タナカニコのJAZZ生活
小川隆夫のONGAKUゼ..
from ♪♪♪yuricoz caf..
増尾好秋とタナカニコ
from タナカニコのJAZZ生活
鈴木良雄とタナカニコ(2)
from タナカニコのJAZZ生活
とうとう銀座も第20回♪..
from ♪♪♪yuricoz caf..
鎌倉の邸宅にてうっとり、..
from ♪♪♪yuricoz caf..
以前の記事
検索
ファン
XML | ATOM

skin by jazz_ogawa
2007-09-08 マイケル・ムーアの『シッコ』
 先週末にマイケル・ムーア監督の『シッコ』を観てきました。アメリカに住み、リハビリテーションを勉強し、フィールドワークと呼ばれる実習をいくつかの病院でしてきた経験から、アメリカの保険制度にはとても興味を持っていました。というか、アメリカの保険制度をある程度知って、日本の保険制度のこともそれまで以上に考えるようになりました。どちらも矛盾だらけですから。
 ある意味で、アメリカの制度は理にかなっています。お金がなければ医療が受けられない。それは大問題ですが、医療にはお金がかかります。それならそのお金をどう手当てするか。結局、イギリスのように医療費がタダの国でも、日本のように3割程度払う国でも、アメリカのように日本の何十倍も払わなければならない国でも、誰かが足りない分は払って全額が負担されるのです。

 アメリカは合理的な国です。たとえば、いい医療、優秀な医師にはたくさんお金を払う。ぼくはこういうシステムは、問題があるにしても、悪くないと思っています。日本なら世界的な名医も、初めて患者さんを診る医師も、診療費は同じです。公平といえば公平かもしれません。しかし、矛盾も感じます。でも現在の保険制度では、おそらく診療報酬を医師によって変えることはできないでしょう。
 ニューヨークでは、ぼくが知る限りで、医療費の払えないひとでも診てくれる病院やシステムがありました(現在はどうなっているか知りませんが)。ただし、そこと、たとえばマウントサイナイ病院との医療内容を比べれば雲泥の差があります。タダの病院はインターンの訓練所のような感じでした。
 医療と散髪とを比較することに意味はないかもしれませんが、同じような体験をしています。貧乏学生だったぼくはきちんとした床屋さんには行けず、インターンが練習代わりにやっている床屋さんに行っていました。ちゃんとしたところなら10ドルぐらいするところを、そこなら1ドル50セントです。医療と散発とを並列に語るわけにはいきませんが、これがアメリカ的合理主義の一端ではないでしょうか?

 日本の場合ですが、以前に比べれば患者さんが病院に払う金額もだいぶ高くなりました。それでも安直に病院に来るひとが多すぎます。ただしあまり支払い金額を高くすると、今度はそれを払いたくない、払えないという理由で、本来なら治療を受けなければならないひとまで我慢して手遅れになるケースもあるでしょう。そこが難しいところです。
 ぼくが昔から考えているのは、小さなころから病気や怪我についての常識をもっと学校で教えることです。自分である程度の判断ができるようになれば(これは非現実的なことかもしれません。限界もあるでしょうし)、少しは医療費の抑制になるでしょう。ホーム・ドクターの整備も必要でしょう。予防医学も大切です。イギリスなんかはこの面に力を入れていると聞きました。

 保険は年金に似ていると思います。自分のために払っているのではなく、国民全員のために払っていると考えるべきです。「保険を払っているから使わなければ損」と考えているひとが結構多いと実感します。使ったら減るんですから、なるべく大切に使いたいものです。
 留学しているときに思ったのは、アメリカと日本の制度を足して二で割ったようなものがいいのかも、ということです。とはいっても現実に保険料が払えないため、病院に来れないひともいます。そういうひとを目の前にしたら、やっぱり医師として放っておくことはできません。
 以前いた病院では、入院患者さんだったんですがギブスを巻いたその日の晩に夜逃げされたことがあります。診療費が徴収できない病院も少なくありません。診療報酬の引き下げで、整形外科はかなり厳しい現実にさらされています。そのうち、閉める病院も出てくるでしょう。産婦人科や小児科のように、整形外科も不足気味になるかもしれません。医療の現実は非常に厳しいです。
 いったいどうしたらいいんでしょうね? そういう矛盾や疑問を抱えつつ、とりあえず今日も外来に出ています。よりよい医療は誰もが望むことです。それをどこまで公平にできるか、そこに問題の出発点があるのかもしれません。

 以前、イギリス出身で、アメリカで活躍しているテナー奏者のラルフ・ムーア(同じムーアでもマイケル・ムーアとは無関係です)のアルバムを作ったことがあります。ラルフは無類の質問魔で、あるとき、保険制度について質問されました。そのときに、自慢げに、イギリスはたいていの場合が無料か、払うとしても非常に安いと自慢していたことを、映画を観ながら思い出しました。何せ「ゆりかごから墓場まで」の国のひとですから。
 ちなみにぼくの父親はハワイ旅行中に心筋梗塞で倒れ、そのまま意識不明となって、3本のバイパス手術を受けました。たまたまバイパスの手術では世界で最高水準のドクターがハワイにいたので、その先生にお願いしました。支払った金額はすべてをひっくるめて3000万円以上です。渋谷の土地を売って支払いに当てました。これが現実です。でも、人間の命の値段はそういうものかもしれません。たまたま払えるお金があったからよかったですが、なかった場合、ぼくはどうしていたでしょうね?
by jazz_ogawa | 2007-09-08 09:32 | 映画&DVD | Trackback(5) | Comments(6)
トラックバックURL : http://blog.excite.co.jp/ogawatakao/tb/6422212
トラックバックする(会員専用) [ヘルプ]
Tracked from 里帰り出産 出産準備に .. at 2007-09-08 22:04
タイトル : 手作りのベビーシューズを作ったら赤ちゃんとの絆が深まる?
レース編みで手作りのベビーシューズをつくっていると、ふんわり、やさしい時間が流れると思う。...more
Tracked from 公的医療保険制度の改正に.. at 2007-09-09 10:28
タイトル : 公的医療保険制度の改正について
2006年10月から2008年度にかけて段階的に実施される公的医療保険制度の改正が行われています。医療保険の現状、今後の方針、給付内容についての記事をピックアップしています。...more
Tracked from 産婦人科ランキング 関東編 at 2007-09-10 09:26
タイトル : 産婦人科ランキング 関東編
関東地方の産婦人科のランキングをご紹介しています。...more
Tracked from 整形外科ランキング 関東編 at 2007-09-10 09:45
タイトル : 整形外科ランキング 関東編
関東地方の整形外科のランキングをご紹介しています。...more
Tracked from 予防医学身体を守る予防医学 at 2009-08-07 00:23
タイトル : 予防医学と抗酸化栄養素
医学と医療の発達によって、治療技術や治療法はめざましい進歩を遂げましたが、その反面様々な環境汚染によって私たちの生活環境や食生活は汚染され、その結果現代人を脅かす生活習慣病にかかる危険性は増える一方です。ここ数十年の近代化による生活環境の変化によって私たちの体内で活性酸素が大量に発生しやすくなり、その結果深刻な病気を引き起こす原因となっています。予防医学の立場から考えると、病気になる前に活性酸素の害から体を守る事が大事であり、分子レベルで活性酸素の害から体を守り病気にかからな......more
Commented by だいすけ at 2007-09-08 13:03 x
私も公開二日目に観にいきました。
マイケル・ムーアの作品は全部見ています。
この男は見ていてハラハラするぐらい危なっかしく思えます。
銃規制問題やら妊娠中絶問題、保守派とリベラル、などのとても決着が付かない問題ばかり取り上げます。しかもいつも突撃リポート・・・。
今回はフランスの高い税金もイギリスの医者の海外流出もとりあげていませんでした。
イギリスは「ゆりかごから墓場まで」の為に英国病なんていわれる停滞を味わったのですから、欧州型福祉国家が万能ではないのは周知の事実だと思います。
元々、医療システムなんて物は完璧には出来ていないわけですから、騙し騙し行くしかないと思っています。
日本も医療費自己負担増ぐらいは当然感受すべき不利益なのかもしれません。さらには不必要な検査や処置は当然控える必要があると思います。
そういえば、厚生労働省には医療事故調査委員会が発足するかも知れないそうで・・・。中々減らない医療過誤の原因ってのはどういったものなのでしょうか?
Commented by jazz_ogawa at 2007-09-08 19:25
だいすけさん、今回の映画にはいろいろなひとが指摘しているように、マイケル・ムーアが都合のいいところだけをまとめた感じがします。意図的なものが見えすぎていて、ぼくはあまりいい感じはしませんでした。保険制度はどこの国でも大きな問題になっており、一元的に論じることはできません。まあ、いつも考えていることに改めて思いを強くしたことで、観た価値はあったんですけどね。
医療過誤も難しい問題ですよね。当事者にはそれなりの理由がある場合もあるでしょうし。
Commented by IT起業研究所代表小松仁 at 2007-09-09 15:08 x
米国の医療費が高く、皆保険制度になっていないので、いざ患者の立場になると苦労しているという話はよく聞きますね。
確かに、良い治療、優秀な医師の治療を受けたい人は多額の治療費を払い、お金のない人は治療を受けないか初期的な治療で我慢するといった割り切りは、米国のシンプルさの典型でしょう。
日本の健康保険制度が、米国と比べ進んでいるといった議論が以前ありましたが、財源の枯渇とともに患者の負担が上がり、高齢者の恩恵も減ってきており、このままでは将来お金を払っているのに大した治療を受けられないといった時代が来るかもしれませんね。

Commented by jazz_ogawa at 2007-09-09 15:26
小松仁さん、日本の現況は国民皆保険が建前ですが、保険証を持てないひとが増えてきています。抜本的な改正に妙案があればいいのですが、どんなアイディアを出したところで帯に短したすきに流しでしょうね。ということは、このまま微調整をしながら、目先のことしか考えずに当分の間かもしくは永遠にいまのスタイルを踏襲していくんでしょう。
Commented by 多夢 at 2007-09-11 20:31 x
以前、イギリスに住んでいたことがあります。確かに無料の医療制度もありますが、それ以外にも有料の病院も多くあります。無料の病院の医師は発展途上国からの出稼ぎの人も少なくなく、腕や設備も有料の病院とはかなり差があります。企業も優良の病院向けのプライベート保険などを福利厚生に組み込むなど、英国全てが無料の医療制度を使用している訳ではありません。
Commented by jazz_ogawa at 2007-09-11 23:52
多夢さん、コメントありがとうございます。イギリスはまさしくその通りで、その点ではアメリカにも似ています。すべての国の保険制度に通じているわけじゃないので明言できませんが、どこの国の保険制度にも何らかの問題があるということだと思います。
名前 :
URL :
削除用パスワード 
<< 2007-09-10 マット・... 2007-09-05 グレース... >>
当サイトに掲載されている記事および写真の無断複写 、 転載等の利用・使用はお断りします。
Copyright ©1997-2008 Excite Japan Co.,Ltd. All Rights Reserved.

免責事項
- ヘルプ - エキサイトをスタートページに | BB.excite | Woman.excite | エキサイト ホーム