昨日の夕方、無事にニューヨークから戻ってきました。帰国の当日は華氏で70度になるとニュースで報じられていましたが、午前中のうちに出てしまったので、結果はどうだったんでしょう? こんなに暖かい冬は、25年間ニューヨークで年越しをして初めてでした。ニュースによれば、1月5日の華氏70度は1950年の72度以来の記録だということです。最終的に何度だったかは未確認ですが。
『Wilson Pickett/The Midnight Mover』(Atlantic/Collectibles)
ウィルソン・ピケットのアトランティック作品の中で、このアルバムだけCDで持っていなかったものです。これまでCD化されていなかったのかもしれません。このCDは去年アトランティック系のコレクター御用達レーベルであるコレクティブルズ・レーベルから出たものなので、ひょっとしたらこれが初CD化かもしれません。1966年の録音で、ウィルソン・ピケットが絶頂期のときの歌が10曲聴けます。ぼくは「デボラ」が好きで、高校時代から大学時代にかけてよく聴いていました。あと、このアルバムなら1曲目の「アイム・ア・ミッドナイト・ムーヴァー」とか「トラスト・ミー」とか、シャウト系シンガーの面目躍如たるヴォーカルが彼らしくていいです。
『Percy Sledge/Shining Through The Rain』(Varese Sarabande)
ウィルソン・ピケットと同じアトランティック系ソウルの人気者パーシー・スレッジが10年ぶりに吹き込んだ2004年の作品です。よくある、「昔の名前で出ています」的イージーな作りではなく、バックにはJakob Dylan、Paul Jones、Phil Upchurchなどが参加していますし、Bee Geesからオルタナ・カントリー系の大御所Steve Earleやホワイト・ブルースのBarry Goldberg、はてはCarla Olson、Jackie Lomax(懐かしい!)、Mikael Rickforsといったひとたちの曲(書下ろしを含む)などを収録。現役ばりばりのソウル・シンガーぶりで、元気なところを聴かせてくれます。先日ライヴを観たサム・ムーアにしろ、このひとにしろ、それから数年前にヴァージンから素晴らしいアルバムを発表したソロモン・バークにしろ、どうしてアトランティック系のひとたちは老いてますます盛んなんでしょう? アトランティック時代より迫力のあるソウル・シンガーになっているんですから驚きです。それに較べると、モータウン系は悲惨に近い状態ですね。
『O.S.T./DREAMGIRLS』(Sony)
先日観た映画のサントラ盤です。やっぱり全曲吹き替えなしで、出演者が歌っていました。それにしても、みんな本当にうまい。感心したのはジェニファー・ハドソンですが、エディ・マーフィーのヴォーカルにもびっくりです。映画の最初のほうで登場する彼の「フェイク・ユア・ウェイ・ザ・トップ」なんか、ウィルソン・ピケットも真っ青なくらいのシャウトぶりで、何度聴いても飽きません。いい歌が満載なのもこのサントラの魅力です。映画の中でヒット・シングルとして紹介されている曲が多いこともあるのですが、どれも当時だったら本当にヒットしたんじゃないかと思うほど素晴らしい出来映えになっています。とくに前半はバックのサウンドも含めて丸ごと60年代ソウルの雰囲気いっぱいで、これまたぼく好みのアルバムでした。
『O.S.T./The U.S. VS. John Lennon』(Capitol)
前回ニューヨークに行ったときに観たドキュメンタリー映画のサントラ盤です。もちろん、すでに持っているものですが、これはプロモ盤なので買いました。内容はまったく同じです。
写真のように「FOR PROMOTION USE ONLY-NOT FOR SALE」と印刷されているところがマニアには重要です。音楽の仕事をしている立場上、こういうのは買っちゃいけないんですが、ぼくはそれ以前にマニアですから買っちゃいます。
『Paul McCartney/Standing Stone』(EMI)
ポールのクラシック作品ですが、これもちょっと通常のもとは違います。BMGが通販のみで扱っているCD Clubの商品なんですね。アメリカにはColumbia とBMGがCD Clubという通販をやっています。これは、カタログの中から好きなCDを8枚だか10枚だかを最初に選びます。それらはトータルで1ドルとか、正確には忘れてしまいましたが、とにかくとんでもなく安く買うことができます。その後は、2年間に最低2枚、クラブ・プライス(普通の価格)で買うことが義務づけられているといったシステムです。ぼくもしばらくは入会していました。
写真のようにBMG Directとジャケットの裏やディスクにプリントされているだけのことですが、これもコレクションの対象になります。しかもPrinted in Canadaとなっているのも何やら珍しそうでいいです。それにしても、こんなものまで買って本当に馬鹿ですね(苦笑い)。
『Donovan/Barabajagal』(Epic)
ドノヴァンのエピック盤はなかなか日本でCD化されません。以前、担当者に「出して」と頼んだところ、「売れないから」と却下されました。ドノヴァンはイギリスのフォーク・シンガーですが、ぼくはなぜか彼の場合はアメリカ盤にこだわっているんで、国内盤が出ないならCDもUK盤よりアメリカ盤を買いたいんですね。ところがアメリカ盤はすべて廃盤なので、見つけたときに買うという状況でした。それで、これも見つけたので買っただけの話です。タイトル曲と「トルーディ」ではジェフ・ベック・グループがバックを務めています。
以上、新品も中古もあるんですが、すべて10ドル以下だったので、まあいいかな、と。だだしこうやってどんどん物が増えていくことに対しては、そろそろ考えないといけないんですけどね。墓場には持っていけませんし。