先週の金曜日に日比谷の「TOHOシネマズシャンテ」で観てきました。
1961年のニューヨークはグリニッチ・ヴィレッジが舞台。無名のフォーク・シンガーの物語で、虚実ごちゃ混ぜのストーリーが実に面白かったです。
「ガスライト」は伝説のライヴ・ハウスで、ぼくが住み始めたころは「フォーク・シティ」と名前を変えていましたが、アパートの近くだったこともあり何度も行きました。
ディランがニューヨークで初のライヴをやったのもこの店で、映画のエンディングでディランもどきのひとがステージに立つシーンにもニヤリとさせられました。
感心したのは、ストーリー上中断せざるを得ない場面を除き、歌はすべてが完奏されていたことです。コーエン兄弟も音楽好きなんでしょう。
映像は色彩がちょっとくすんでいて、あの時代に作られたような色調になっています。これもよかったですね。
ぼくの心は常に60年代にありますから、60年代でニューヨークでフォーク・ミュージックとなれば、最高の取り合わせです。
そういえば今度の土曜日は「ONGAKUゼミナール」での60年代音楽シリーズ。こちらはいまのところガラガラ。ア~。60年代後半のUKロックに興味のあるひとは来てほしいなぁ
映画に話を戻せば、アルバート・グロスマンを思わせるひとがPPM結成を匂わせる下りなんかフォーク・ミュージック好きには堪らないです。
ライヴのシーンでは「500マイル」も歌われますが(もちろんフル・コーラスで)、ぼくも最初から最後まで歌えました。50年近く前にバンドで歌っていたときのことが懐かしく思い出された瞬間です。
でもこの映画、音楽をやっているひとにとってはきつい内容かもしれません。デイヴィスさんみたいなひとはそれこそいまも昔も世界中にいくらでもいるでしょうから。プロの世界がいかに厳しいか、そのことを痛烈に感じさせてくれる映画でした。