今日は早起きをしてInter FMまで行ってきました。毎週水曜日に電話で出演している「赤坂泰彦One On One」に出演するためです。行ってびっくりしたのは、ぼくのところからスタジオがあるビルまで歩いてたったの1分ということ。通りひとつ隔てたところにあったんですね。近いとは思っていたのですが、これほどとは。部屋からスタジオまでなら5分といったところでしょうか。
それはそれとして、赤坂さんとは今回が初対面です。でも、毎週電話で話していることや、テレビなどでお顔を拝見しているこことで、初めてとは思えない感じでした。それは赤坂さんの気さくな人柄にもよるのでしょう。
平野さんとの対談と同じで、赤坂さんともいくらでも話せる感じです。今日は40分ほどの出演で、前半がブルース・スプリングスティーンの『明日なき暴走』、後半がジョン・レノンについてという構成です。
簡単な台本はあったんですが、始まってしまえば出たとこ勝負になるのはいつものとおりです。赤坂さんも台本どおりには進めません。ふたりで盛り上がって、あっという間に終わってしまいました。
これまでの電話出演からもわかっていたのですが、嬉しかったのは赤坂さんが本物の音楽フリークだっていうことです。そういうひととお話ができるのは本当に楽しくて、スタジオで放送していることも忘れそうになりました。まるで喫茶店で音楽談義をしているような感じです。
スタジオもいい雰囲気でした。スタッフも互いに気心が知れているようですし、全員が音楽に詳しいひとたちの集まりです。しかも、ぼくから見ればとても若い。こういうひとたちと、短い時間でも一緒に仕事ができてよかったと思っています。ぼくの出演がいつまで続くかはわかりませんが、これからが楽しみになってきました。
これまではスタッフの方と電話やメールでやりとりをするだけで、顔が見えませんでした。それでも別に問題はなかったのですが、こうして実際にお会いして、お話をしてみると、番組に対する親近感も増すというものです。今後はもっと面白いアイディアが出せるかもしれません。
参考までに出演中にかかった曲を紹介しておきます。
1.明日なき暴走
2.夜に叫ぶ
3.裏通り
4.マザー
5.スターティング・オーヴァー
最初の3曲がスプリングスティーンです。
今回のために『明日なき暴走』を何度か聴き直してみたのですが、これは本当にいいアルバムですね。ニュージャージーに住む労働階級の若者による歌という感じでしょうか? 人生や生活が歌詞のあちこちに滲み出ています。録音は1975年。これがみそです。
1975年と言えば、サイゴンが陥落してようやくアメリカが暗くて長いトンネルから抜け出ようとしていた時期です。しかし、単純に世の中は安泰になりません。撤兵は数年前から始まっていましたが、帰還兵の苦悩が新たな社会問題を引き起こしていました。
そうした若者の心情もこの作品には綴られているように思われてなりません。やけっぱちな気分を吐露した曲もあればし、刹那的な内容の歌もあります。それらが若いひとたちに支持された理由だったことを思い出しました。
翻ってみると、湾岸戦争や9.11のテロなど、それ以後もアメリカの世相は相変わらず混沌としています。そしていつの世の中にも苦悩する若者は沢山います。だから、このアルバムはいまだにひとびとの心に強く訴えかけてくるのでしょう。
それとジョン・レノンの話。今日は楽しい朝でしたが、いろいろなことを考える朝でもありました。日ごろはノー天気に過ごしているぼくですが、たまにはこういう朝もいいかなと思いつつ、勤務先の病院に向かいました。