今年のアメリカのホリデー・セールは対前年比3.6~4.5増となる
見込みといった追い風や、もともとの根強い人気などから、
前回、
前々回の通り、今年2017年、NYに新しいホリデー・マーケットが2つも誕生いたしました。2つも、です。後々、重要な社会現象に関係してくるトレンドの1つだと思いますので、もう少し詳しい情報を備忘録がてら。
まず、2016年12月9日付のローカル情報紙Voiceの「なぜNYではホリデー・マーケットが人気なのか?その答えは
体験にある」という趣旨の記事(
At the City’s Annual Holiday Markets, It’s All About the Experience)。
今、人々は
物語のある品により多くのお金を、自ら進んで喜んで使う・・・とのこと。
そう言えば、最近のAM New Yorkにも、ブライアント・パークのホリデー・マーケットに出店してるパズル屋さんで最も売れる商品は“Skating in the Park”というパズルっていう
記事も。あと、このパズル屋さん、ブライアント・パークのホリデー・マーケットのお店の今年のこれまでの売上が、対前年比で40%もアップしてるんですって。すごい。
データと言えば、話を前述のVoiceの記事に戻しまして、昨年、ユニオン・スクエアのホリデー・マーケットの150のブースに対して、600もの申し込みがあったとのこと。2008年には100スポットに対して150の申し込みだったそうなので大幅増ですね。また、一度、出店したベンダーには、翌年3月の時点で次回のホリデー・マーケットに出店したいか確認が行われ、なんと90%以上が出店したいと回答するそうです。つまり、それだけ儲かってるってことなのでしょう。
なお、このVoiceの記事によると、気になる出店料は、ユニオン・スクエアのホリデー・マーケットの場合、60 sqft ブースで1シーズン、$17,000(1ドル=110円換算で約180万円)。
念のため別の報道も確認してみますと、2014年12月10日付のCommercial Observerによるユニオン・スクエアのホリデー・マーケットの特集記事(
Union Square Holiday Market Makes Dollars and Sense)では、NY市に支払う使用料(130万ドル)やその際公表した総売上(270万ドル)と店舗数(150)などからの試算も交えて、出店料は最低$6,000(約66万円)からで、平均 $18,000以上(約200万円)とのこと。
あと、先ほど90%以上のベンダーさんが戻ってきたい…とお伝えしましたが、別の情報(2008年12月付のCenter For An Urban Futureによるホリデー・マーケット特集、
Q&A WITH ELDON SCOTT, FOUNDER OF THE UNION SQUARE HOLIDAY MARKET)によると、ベンダー全体のうち75%が地元NYエリアからで残りの25%がインターナショナル、つまり全世界からの参加。女性やマイノリティー(少数民族)の比率が高く85%!?
で、さらに
全体の1/3は意識的に入れ替えてリニューアルしてるんですって。そう、90%以上がまた出店したいと思っていても、再び出店できるとは限らないのですよー。また、長年、出店し続けているお店に対してもマンネリ化しないよう、新商品作りなど魅力を高めるアドバイスも。そうやって、NYのホリデー・マーケットを生み出したアーバンスペース(UrbanSpace)のEldon Scottさん曰く:
「人々にお店に入っていくという気分になって欲しくないのです。そうではなく、皆さんにこれがニューヨークという都市の日常生活の一部のように感じて欲しいのです。」
(We don't want people to feel like they're going into a store. We want people to feel like this is part of the street life of New York City. )
・・・とのこと。
もちろん、そんなアーバンスペースでは、1つ1つのホリデー・マーケットに特色を持たせてまして、上述のVoiceの記事によりますと、ユニオン・スクエアは「リトル・ブルックリン」のようなコーナーを設け「よりファンキーなダウンタウンの感覚」(funkier downtown feel)を演出し、コロンバス・サークルでは「ちょっぴり高価でデザイン性の高い場所」という雰囲気づくりに工夫。
そうした努力の結果、アーバンスペースは、ユニオン・スクエア、コロンバス・サークルに続いて、昨年
2016年からブライアント・パークのホリデー・マーケットの運営を委託されることになりました。
ちなみに、この2008年12月付のCenter For An Urban Futureの記事の出だし「今=2008年12月時点で13年目を迎え…」(Now in its 13th year…)からもお分かりのとおり、ユニオン・スクエアは1996年からと最も古く、15年ほどの年月を経て
コロンバス・サークルが2010年、そして今年2017年、さらにアーバンスペースの運営のもと新たにホリデー・マーケットが2つもできたという、だいたいそんな感じの流れでしょう。
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