5/7付、The Koria Timesに、K-Popなど昨今の韓流コンテンツ輸出へのダメ出し寄稿記事?! 筆者はソウル大学(韓国の国立大)のRobert J. Fouser教授。 韓国の新聞上で、韓国の国立大教授が、韓国政府がプロモーションを進めてる昨今の韓流文化を
「薄っぺらい一発屋」と完全否定し、もっと洗練されたものがあるだろー!!!と訴えてます。いったい何が起こってるの???
このブログでは、海外、特にニューヨークでの日本文化の受け止められ方についてもご紹介してまして、「
世界の中の日本」ってカテゴリもあるほど。
つい先月も、日韓政府の文化輸出政策を比較した日経新聞の記事(
クール・ジャパン なぜ韓流に出遅れたのか?」)をご紹介したばかりですが、Fouser教授によると、昨今の韓流コンテンツ輸出は大失敗ってことみたい。どういうこと???
Fouser教授、
「文化輸出で重要なのは、その国特有の長い歴史や伝統の中で伝えられ、磨かれてきた、素朴で洗練された美しさ(rustic sophistication)」や「明確なテーマやイメージ」であって、昨今、韓国政府が世界的にプロモーションを展開しているK-Popなど韓流コンテンツは『痛々しいほど皮相的なもの』(painfully superficial)と厳しく指摘し、それゆえ、『長くは続かない』(short-lived)とまで言い切ってます。
要するに、ほかにもっと魅力的な伝統的な文化があるのに何やってんだ!!!という主張。例えば音楽についても、『K-popばかり取り上げるから、韓国の伝統的な音楽への社会の関心は昔よりも薄れてしまった(もったいない)』(
With so much interest in K-pop, traditional music has received even less attention than in the past.)と真っ向からダメ出し・・・。
ちょっと気になって調べてみると、「BBC世界世論調査(
2011 BBC Country Rating Poll)の結果とか見ると、韓流がSNSで世界に知られたが反対に嫌韓流がSNSに広がっている」という
etnews(韓国語) の記事とかも最近騒ぎになってて、韓流コンテンツ輸出の失敗や弊害が韓国内で問題視されるようになってきたみたい。
で、そのBBC調査を見てみると、韓国に対してポジティブな見方の世界平均値は36%に対しネガティブな見方が32%で、
60%以上がポジティブと答えた国は韓国のみ。外国はゼロ(一方、日本について60%以上がポジティブと答えた外国は14カ国)。特に、歴史や伝統を重んじるドイツ(51%)、フランス(47%)、スペイン(46%)、イタリア(45%)などのヨーロッパ諸国では韓国に対してネガティブな見方の方が多数派という状況。
そんな背景から、韓国のことを親身になって真剣に考えてるFouser教授のこの寄稿記事が掲載されることになったのでしょう。
あと、Fouser教授は、寄稿記事の最終部分で、『
いかなるブランドのマーケティングにおいても、成功するためにはプロモーターとサポーターが必要』と、サポーター(=熱狂的な消費者、つまりファン)の重要性についてはっきり言及。
なんと、K-Popを例に挙げ、サポーターがいないのにプロモーションしても成功しない・・・って書いちゃってます。
そして、熱狂的なファンを生み出すには、上でも述べた
「その国特有の長い歴史や伝統の中で伝えられ、磨かれてきた、素朴で洗練された美しさ(rustic sophistication)」を持つ、本物の文化に集中しましょうっていう締めくくり。うーむ。
確かに、海外で高く評価されている日本文化の大半は・・・っていうか、たぶんすべてが、まさに日本特有のものって感じです。「素朴で洗練された美しさ」もばっちり。今や、日本人が一切関与してなくても、海外の方々が日本文化の「素朴で洗練された美しさ」を表現してくれてたりして、ありがたい限り。例えば、アメリカ最大手スポーツ専門TV局のESPNが、前回のワールドカップ・サッカー大会のときに
すべての出場国のポスター作ったんですけど、その日本代表チームのポスターとか・・・↓。
侍ブルーBBC調査の日韓比較
〔ご参考〕
・
Sophistication of Korean culture:元記事
・
2011 BBC Country Rating Poll:BBC調査
■素朴で洗練された美しさを内包する様々な日本文化の例はいっぱいあります。詳しくは、ブログ内カテゴリー
「世界の中の日本」へ。
(例えば、
お寿司、
緑茶、
まんが、
アニメのコスプレ、
マリオ、
邦楽、
原宿ファッション、
日本語、
俳句、
浮世絵、
ジブリ映画、
ピクサー映画への影響、
イチローさん、
村上春樹さん、
ヤマト、
日本人のガマン強さ、
日本人の正直さ・・・等々)
Fouser教授の寄稿記事、いろいろと思うところはありますけど、日本政府が進めている「クールジャパン」に限らず、民間レベルでの文化交流など日本文化を海外に伝えていく際とか、企業の海外事業展開や留学などにおいても、参考になるアドバイスではないでしょうか。
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