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2010年も、旅に出よう


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2010年がスタートしましたね。

ここ数年、年賀状を出していないわたし。
理由はいくつかあるのですが、
年賀状をお送りいただいた皆さん、ありがとうございます。
お返事せずに失礼いたします。


今年はどんな一年になるのでしょうか。

わたしたちを取り巻く、環境、社会はどのように変化していくのでしょうか。

なんとなく思うのは、もうこれ以上、便利にならなくてもいいかな、ということ。
今あるもので、もう十分。
もっと、自分の頭脳、肉体、五感(と六感)を活用してみたいと思っています。

つまり、もっと考え、歩き、気づいてみるということ。


旅はそれをうながす、大きな行為です。
国内でも海外でも、
旅にいる間は、普段とは違う部分で何かを感じ、考えるようになる。

チケット一枚、買うにしても、
レストランでのオーダーや支払い、観光施設での行列など。
日本ではありえないようなシチュエーションは限りなく、多い。

でも、それは無駄な時間ではないと思っています。

無駄だと思う時間を旅の思い出に切り替えるのは、自分の想像力。

その街の空気感を味わい、空の高みを感じ、
世界中から訪れている人々の表情、そこで暮らす人たちの日常。
匂い、音、肌ざわりを心に、思い出に刻みこんでほしい。


今年、旅をとりまく環境はドラスティックに変わるでしょう。
ひとつだけ願うのは、
大きな事故も天災もなく、すべての人が楽しんで世界中を旅すること。


2010年も、どうぞよろしくお願いいたします。


Be a Happy Traveller !!
# by naoko_terada | 2010-01-06 03:04 | その他 | Trackback | Comments(12)
Looking for an angel

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2009年、最後のブログはこの画像で締めくくりたいと思います。


10年ほど前、ひんぱんに仕事でオーストラリア・シドニーを訪れていた時期がありました。
20代に暮らした街は、ちょうどオリンピック開催が決まったばかりで、
慣れ親しんだおだやかさと、活気に満ちあふれていました。

毎日のようにタクシーで市内や郊外の取材・撮影を行っていたある日、
なんとなく気にかかる絵があることを意識し始めました。

それが、上の女性の絵。
その頃は、たしか赤いドレスを身にまとい、もっとシンプルな画風でした。

場所は、シドニー中心部から高級住宅街へと続く大通り。
なんでもない壁に描かれた女性は、
いつしか心の中に残り、わたしは、深く考えることもなく「天使の絵」と思うようになっていきました。

その翌年も、彼女はそこに。
数年後にもやはり、いる。
でも、少しずつ絵が描きなおされていて、変わっていく彼女。
常に後ろを向き、長い腕を天使の羽根のように優雅に広げた姿は、
絵が変わってもそのまま。
何を見ているのか、どこへ向かおうとしているのか。
不思議だけれど、そこにわたしは愛を感じました。


その後、シドニーへ行く機会が減り、
彼女を見ることはなくなっていたのですが、ときおり、「まだ、いるだろうか」と思うことが。


そして、今年、とあるハプニングで早朝から夜までシドニーにいることに。
取材が続き、やや疲れていたので最初、
ホテルでデイユースをしてのんびりしようかと思っていたのですが、
ふと、彼女のことが頭に。

空港でスーツケースを預け、久しぶりに電車に乗ってシドニーへ。
中央駅からタウンホール駅へ行き、そこからボンダイ・ジャンクション行きへ乗り換える。
この路線は暮らしていた時に通勤に利用していたもの。
懐かしい。

降りたのはエッジ・クリフ駅。
駅の目の前がニュー・サウス・ヘッド・ロード。
ここに彼女がいるはず。

駅の右だったか、左だったか忘れてしまったので、まずは、ダブル・ベイ方向へ歩いてみる。
途中、かつて仲のよかった友人が暮らしていた古いアールデコのマンションが。
外観はそのままだけれど、中は改装されているようで、
不動産の看板が掲げられている。
彼は今、どこにいるだろうか。

シドニー郊外で最も高級な住宅街ダブル・ベイは、相変わらず瀟洒な風情。
もちろんお店やレストランは変わってはいるものの、
止まっている車も、歩いているマダムも、彼女が連れている犬もゴージャス。
かつて、リッツ・カールトンだったホテルは、別のブランドとしていまだ健在。
何度か宿泊したときの記憶がよみがえる。

残念なことに、こちらの方面に彼女はいなかった。

ちょっと曇り気味で雨も降りそうな気配の中、
再度、駅の方向へ戻り、坂をくだってキングス・クロス方面に向かう。

エッジ・クリフの駅を超えて、坂を下ってほんの十数メートル。
そこに彼女がいた。

目の前で見るのはこれが初めて。
思ったよりも大きいけれど、どうやら絵の端の日付を見ると最近、描きなおされたよう。

一気に懐かしさがこみあげてくる。
10年前のあの頃、
そして、20数年前のシドニーや自分。
時空を経て、はるばる会いに来たような感慨と、
ずっと変わらずそこにいた彼女への思いがあふれてくる。


その後、日本に戻ってからインターネットで調べていたら、シドニーに暮らしているフランス人画家Bruno Dutot さんが、ずっと描き続けているという地元の記事を見つけました。



日々を送り、いつものように暮らす中で、決して忘れられない場面や、モノ、人がいます。
中にはもう、二度と戻ってこないものもあり、会えない人たちもいます。

でも、自分が生きていくかぎり、それらの記憶は忘れられることはありません。


シドニーの天使は今日もそこにいます。
それを知っているわたしはとても幸せです。


みなさんが、ご自身の天使を見つけることができますよう。


この一年に感謝し、2010年の未来へと一歩、歩き出しましょう。

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# by naoko_terada | 2009-12-31 17:40 | その他 | Trackback | Comments(14)
インテリジェンスのある旅&流行大予測 2010、そして、星のや京都


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今年、最後の掲載は、25ansと、エル・ジャポンの2冊。

25ansでは、この号から隔月で、「今月のアール・ド・ヴィーヴル」内で連載を。
テーマは、「インテリジェンスのある旅」

旅を楽しみながら社会貢献や、エコロジーへとつながる。
以前からそんなことを提案してきましたが、ここにきて、その意識が社会全体に広がってきたように実感しています。

誰かのために、何かのために。
旅を通じて、その想いに気づいてもらうためのメッセージを、2010年の1年間、
短い文章ではありますが、ここで書いていきたいと思います。

わたしの記事が掲載されるのは、2、4、6、8、10、12月の偶数号の予定。
奇数号では、坪田三千代さんが執筆されます。



そして、エル・ジャポンでの特集は、「流行大予測 2010」。
ここでは、「2010年はここに注目」として2010年の旅トレンドを予測。


また、話題の星のや京都の開業に先立って、VOGUE.COMにてアップ中です。

星のや京都は、来年1月に某男性誌にて特集を掲載予定。
その執筆はこの年末年始にゆっくりと取りかかるつもりですが、レイアウトがすでに出来上がっていて、これがほれぼれと見入ってしまうほどのすばらしさ。
お願いした写真家の力量、星のや京都の存在感、かかわったスタッフや職人たち。
プロたちの仕事は、そのままで本当に無駄がなく美しい。

さて、そこに加わる文章も、みなさんの仕事に見合うものにするべく、
精一杯、がんばってみたいと思います。
# by naoko_terada | 2009-12-27 00:11 | 掲載メディア | Trackback | Comments(2)
アムステルダムから


わたしが今いるアムステルダムから出発した、デトロイト行きのノースウエスト航空機(機体は合併したデルタ機のもの)が、テロ未遂にあいました。

ホテルの部屋でCNNを見ていますが、犯人は拘束されたようで、
アルカイダが関与していると言われています。

これにより、米国では空港の警備を強化、入国、荷物チェックを厳重に行うよう指示が出されています。

今日から日本では出国ラッシュ。
アメリカへ行かれる方も多いことと思いますが、
通常よりも空港でのセキュリティが大幅に時間がかかることを念頭に、
余裕をもった行動をして欲しいと思います。

わたしもこの後、アムステルダムから日本に戻りますが、
こちらもセキュリティが強化されることでしょう。


何度もお伝えしていますが、テロ行為は許しがたく、テロによって解決されるものは何もありません。

人々が幸せに過ごそうと楽しみにしているクリスマス、年末年始のホリデー期を狙い、
一般市民を巻き込むことの理不尽さ、卑劣さ。

憎しみをおぼえずにはいられません。


今日はまた、スマトラ沖の地震・津波から5年目です。
いまだ、仮設住宅で暮らす市民も多く、家族を亡くした悲しみが癒えない人もいます。


人を傷つけ、世界を不安にさせるよりも、
わたしたちにはまだまだやるべきことが他にあります。



悲しみのために流す涙はもう、いりません。
# by naoko_terada | 2009-12-26 17:49 | その他 | Trackback | Comments(0)
クリスマスの逢瀬は、ここで


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今年最後の海外取材は、
本当にホワイトクリスマスとなったオランダ・アムステルダム。

本日はちょっとだけ気温が上がり、雨模様。
クリスマスの25日、26日はお店も会社もお休み、
取材もできないのでこちらもオフ。

となれば、向かうはオランダ芸術の宝庫、国立美術館へ。

嬉しいことにホテルから徒歩圏内。
雪の中を歩くのは久しぶり。
毛糸の帽子に、コート、えり巻きに手袋。
完全防備で、ツンっと冷たい空気の中を歩く。
人の気配がない、雪景色のアムステルダムの街はとても新鮮です。

国立美術館は、オランダ最大の美術館。
17世紀のオランダは、
東インド(インドネシアなど)の植民地化によるスパイス貿易で、
栄華をきわめ、「黄金時代」を迎えていました。
オランダを代表する絵画の多くも、この当時に誕生しています。

そのひとつが、国立美術館に収蔵されるレンブラントの最高傑作「夜警」。
1642年、レンブラントわずか36歳のときの作品です。

ホールの壁一面をそのまま使った「夜警」は、
あらためてその大きさを実感します。
そして、レンブラントの作品の魅力、光と影の陰影をじっくりと堪能。
夏場なら行列ができる見学客もこの時期は少なく、
心ゆくまでゆっくりと鑑賞できるのも嬉しい。

「夜警」の他には、日本人にファンが多いフェルメールの、
「牛乳を注ぐ女」や、「小路」などの傑作も。
また、東インド会社時代にアジアから持ち込まれたチャイナや、
したたるようなオリエンタリズムを身にまとったデルフト焼きなど、
陶磁器類のコレクションも必見です。
現在、建物を工事中で、だいぶ展示内容が変わっていますが、
やはりここは、すばらしい。

また、ユニークなのはスキポール国際空港内に、美術館の別館があること。
現在、ブリューゲル展を開催中のよう。
ブリューゲルも大好きな画家なので、早めに空港へ行って見ようと思っています。


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美術館を出たら、広場を横切り、向かうのは、
こちらもアムステルダムの見どころのひとつ、国立ゴッホ美術館

ここにはありがたみがなくなっちゃうほど、ゴッホの作品が(笑)。
「ひまわり」、「自画像」、「寝室」など代表作が目の前に。

膨大な作品群もですが、終生、ゴッホを励ました弟テオへ向けた書簡の数々も必見です。
隙間のないほどびっしりと。
吐き出された言葉で埋め尽くされた葉書や便せんに、画家としての苦悩が満ち溢れています。

ゴッホが自殺をしたのは、37歳のとき。
若くして逝った天才は、わずか10年の間に油彩およそ800点、水彩・素描・スケッチ等は
およそ1000点を創作。

生前に売れたのはわずか一枚だけと言われています。


レンブラント、フェルメール、そしてゴッホ。
今年のクリスマスは、こんなすばらしい美の巨匠たちとの逢瀬。


そして、明日は、ガラリと趣向を変えて、
日頃、お世話になっているハイネケンにご挨拶(笑)。


これもまた、アムステルダムの楽しみです。
# by naoko_terada | 2009-12-25 00:05 | トラベル | Trackback | Comments(0)





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