雪に関わる昔話を思い出す。
いずれも、人間の姿を借りた精霊が登場するが、
昨年10月に起きた「緑風荘」という宿が全焼したニュースには、正直ドキリとした。
この宿は、「座敷わらし」が出るというので、とても有名な宿だったからだ。
夜にボイラーから出荷し、二階建ての宿が全焼した。
この宿の座敷わらしは、物の怪というよりも、亀磨というご先祖が、
守り神になっているといわれ、中庭のこの「座敷わらし」を奉った祠だけが、火事を免れて残った。
このニュースを知った時に、今の地球の状態を良く表しているなと思った。
「座敷わらし」は、日本人の血に流れる、山川草木に畏敬の念を抱き、
すべてのものに魂が宿ると考えてきた、日本人の文化の中で生きてきた
目に見えないものたちで、いかにも日本の匂いがする。
以前、ご一緒に仕事をした童話作家の先生も、この宿に取材に行き、
物語のヒントにしたという話をお聞きしたことがある。
ここの座敷わらしに出会うと、男は出世、女は玉の輿と言われ、
多くの芸能人も訪れていた。柳田国男、金田一京助、水木しげる、松下幸之助など、
そうそうたる方々が宿泊し、その後に成功を手に入れたというエピソードもある。
「座敷わらし」の祠だけが燃えなかったことに、まだ自然から人間への
希望のようなものが託されている気はする。
早く目覚めて!と、叫び声をあげられている気がする。
たぶん本当は、引っ越して行きたかったのかもしれない。
人間が、目に見えないものたちを見ようと感じようと、しなくなった時、
精霊たちも居場所を失い、人の心も人でなくなるのかもしれない。
今夜は、「座敷わらし」のことを考えよう・・・
日本から「座敷わらし」がいなくなってしまうのは、本当に悲しい、
それこそモッタイナイ!




































