日比谷公園の中にある大音楽堂、いわゆる「野音」は俺が子どもの頃から親しんできた、思い出や思い入れのある場所なんだ。
中学生のときには、戸越の自分の家から野音まで自転車をこいで、よくロックのコンサートを聴きに行っていたし、高校生の頃には自分が野音のステージに立つようになっていたからね。
その野音なんだけど、実はいろいろな決まり事や規制があって、コンサートを開くのも結構大変なんだ。
音楽イベントは4月から10月までの土・日・祝日のみに限定されているし、音を出せるのは土曜日は15時以降、日・祝は12時以降と決められている。それより前の時間はサウンドチェックであっても音出しは禁止・・・。
元々、東京都が所有する公共の施設ってことで、まあしょうがないか、とも思うんだけど、せっかくの立地や環境にあるステージなのに、一年のうちの大半は音楽のために使えない、というのはもったいない気がするんだよね。
例えば、ウィークデーには仕事終わりのビジネスマンとかOL向けのコンサートを開くとか、ちょうど今の時期なら、夕涼みがてらにビール飲みながら音楽を聴けたりしたら楽しいと思うんだけど、現状の規則ではそれを望むべくもない。
今時は心のゆとりとか癒しとかが求められていて、大人の嗜みとして音楽や芸術を気軽に楽しめるような場や機会が増えてきていると思うんだけど、野音も若い音楽家なんかにどんどん開放して、そういう時流をリードできるような施設になってほしいね。