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カテゴリ:本間美紀
  • ザハ・ハディドのプロダクト 2
    [ 2008-07-01 17:36 ]
  • ザハ・ハディドのプロダクト 1
    [ 2008-06-23 11:46 ]
ザハ・ハディドのプロダクト 2
 家具というのは建築と一番、密着したプロダクトかもしれません。世の中にも建築家がデザインした家具というのは、数限りなく存在します。

 有名なところではアルヴァ・アアルト。自分の建築に似合う家具や照明がないため、自らプロダクトをデザインして会社まで誕生してしまいました(アルテック社)。そしてル・コルビジエ、新しいところではノーマン・フォスターなど、生まれたフォルムはやはり、建築と同じ根っこを持っているような気がします。

 ザハ・ハディドの場合、やはり彼女もさまざまな名ブランドから家具を発表しています。これがまた、彼女の生み出す建築のフォルムを継承したかのようなデザインなのです。

 名作家具のヴィトラから、2007年バーゼルのアートフェアで、「リミテッドエディション」として発表されたのがこちらの「Mesa」。
 これはすごいテーブルです。テーブルというありふれたものに、デザインの力でこんな粘度というか、‘ねばり気’を与えてしまうのですから。不思議な重力も感じるのです。
Photographer Hansjörg Walter Vitra Edition 2007

 テーブルウェアという小さな世界から、暮らしを通してリンクし合う家具と建築まで、何者にも邪魔されることなく「ザハの世界」が貫かれている、その潔さに感服してしまいます。


 下2点は、エスタブリッシュド&サンズから、やはりリミテッドエディションとして発表されたアイテム。ヴィトラのものに比べると、ややフォルムはシンプルですが,やはり液体のような流動感にあふれています。



 そしてこちら。イタリアの鉢、花器のブランド、セラルンガから発売になっている現代アートのような花器「フロウ」。大きい方は高さ2mもあります。地面を割って芽生えた南国の植物のような生命力を感じさせます。
¥1,690,500(大) ¥756,000円(小)  花器についてのお問い合わせ:ニチエス青山ショールーム tel.03-5413-3341


 これはやはり建築からの発想だな、と感じるのはこちらのB&B Itariaのソファ。「ムーンシステム」。ワイド2880mmというダイナミックなボリューム。座る、というより、人が抱かれる。そんな感覚に陥って、家具なのに建築的な役割を感じさせるのです。
ソファ¥1,555,050 オットマン¥218,400 (注/専用生地の色展開については要問い合わせ) ソファについてのお問い合わせ:B&B Italia AOYAMA tel.03-5778-3540


 そして、これらザハの造形を、形にする各メーカーの職人の力にも驚きます。樹脂成型、塗装、張りぐるみ… 前回のアレッシ社のステンレス製ティーセットでも触れましたが、ザハのデザインというのは、材料の力や職人の技術の限界を引き上げる、そんな力も持っているのでしょう。

 そんなザハのデザインが、可動する建築となって世界を飛び回る。その裏にはどんなテクノロジーが隠れているのでしょうか。

取材/本間美紀
by mobileart | 2008-07-01 17:36 | 本間美紀
ザハ・ハディドのプロダクト 1
 近未来的で,流れるような建築で話題を呼んでいる、シャネル モバイルアート。その曲線はなぜかセクシー。隠れたキーワードは「官能」なのでしょうか。

 この「動く建築」を担当したのが、ご存じの通り、イラク出身の女性建築家ザハ・ハディド。アーキテクトとしての側面は松浦明さんが触れてくれていますので、ここでは、よりザハを身近に感じるため、彼女が手がけた「デザインプロダクト」を紹介してみます。

 ポップでキュートな雑貨が人気の、イタリア・アレッシ社。日本では樹脂などのユニークな製品が目立っていますが,実は最近のアレッシは高い技術を持つ、金物メーカーとして出発した基盤を活かし「オフィチーナ・アレッシ」というアーティスティックな高級ラインの製品を打ち出しています。

 その中で発表されたのが、これ。何だと思いますか? まるで宇宙に浮かぶ船のよう。
実はこれ、コーヒーやお茶のためのティーセット。2003年のミラノサローネ期間中、ミラノ・トリエンナーレで開かれた「ティ&コーヒー タワーズ」という展覧会で発表されたものです。22組の世界の建築家がアレッシとの恊働で実現した、夢のようなティーアンドコーヒーセットが並ぶ展示空間で、毎日使うアイテムがデザインでこんなに変わってしまう、と驚きながら眺めた覚えがあります。
 ティーポット、コーヒーポット,ミルクジャグ、シュガーポット。この4つが、トレイの上にのっています。それぞれが使われている間とトレイに全部セットされている時では、そのルックスが変わるといいますが… まさに「テーブルの上の彫刻」です。

 こんな小さなアイテムなのに、ザハの建築的な発想がぎっしりつまっているのはご覧の通り。ここにもモバイルアートの会場建築と共通する、官能的な曲線が活かされています。そのときのガイドブックを見ると、テーブルウェアながら、しっかりと図面が!
 オリジナル3セット、限定生産99セットしか存在しないという、希少なコレクションアイテムです(現在は入手不可能)。

 こんな印象の強いザハのテーブルウエアですが、現在入手可能で、かつ日本のインテリアでも気軽にそのデザインを楽しめるのが、このステンレスの花瓶。その名も「クレバス」。直線的で平面的。なのに優雅にねじれてゆくという、不可思議なフォルム。
「クレバス」42,000円 H42cm 

 これはステンレスの高い技術が無ければできない造形で、ザハ・ハディドはアレッシの持つ技術力を、充分に理解した上で、デザインに及んだのでしょう。そういった点も、建築とプロセスは似ています。

 3次元に造形されたステンレスの面を「万年雪の美しい反射のよう」とアレッシ社は表現します。磨き上げられた、その表面には周囲の風景が写り込み,暮らしに溶け込むのです。
 代々木に現れた幻想的な建築は、見る人を驚かせますが,ザハ・ハディドのデザインの根本は、決して暮らしとは無縁ではない。そんなことが、彼女のプロダクトからは見て取れます。次回もザハのプロダクトデザインをフィーチャーして、彼女の違った一面を追ってみます。
 
上記写真商品のお問い合わせ:Alessi Japan 03-3475-2757

取材/本間美紀

by mobileart | 2008-06-23 11:46 | 本間美紀
 
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