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MOBLE ART IN TOKYOをコンシェルジュがナビゲート。5/31~7/4東京・国立代々木競技場オリンピックプラザの特設会場で開催。
CONCIERGE
東ミチヨ(あずまみちよ)
ライフスタイルジャーナリスト ファッション、クルマ、時計などを中心に、独自の視点でライフスタイル提案を行う。 上條桂子(かみじょうけいこ) 編集者/ライター 専門誌やフリーペーパー等で幅広く企画編集、執筆活動中。 松浦明(まつうらあかり) ライフスタイルジャーナリスト/エディター インテリアデザイン・建築・旅・食・ボディケアなどライフスタイル全般をテーマに執筆活動中。 本間美紀(ほんまみき) デザインジャーナリスト インテリア、デザイン、キッチン、暮らし関係のフリーエディター&ライターとして活動。 以前の記事
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開催中の「シャネル モバイルアート」。さっそく、40分間のアートトリップを体験してきたのでご報告しよう。
某日、雨にもかかわらず代々木の会場は人でごった返していた。まずは、ザハ・ハディドのパビリオンに敬礼。ツルツルした外壁はグラスファイバー製、滑らかな質感と丸みのあるフォルムは思わず触ってみたくなる。 ![]() ひとしきり建物を楽しんだら、いざツアーへ。係員に誘導されながら、何かの入場を待つなんて何年ぶりだろう。少しワクワクした気持ちになる。MP3プレイヤーの説明を受け耳にイヤホンをかけると、「さあ、立ちなさい」という言葉が。サウンドウォークの始まりだ。 マイケル・リンのモザイクの庭からロリス・チェッキーニ彫刻を堪能し、そして階段へ。登って行くと、皆が輪になってその中を見つめている。束芋の作品「at the bottom」だ。 ![]() すり鉢状のスクリーン全面に映像が投影され、中を覗き込んだ途端、一気に引き込まれてしまった。キルティングバッグというテーマから、束芋が導き出したのは「虫」。蝉の羽がハラハラと舞い、昆虫の足だけがリズミカルに動く、虫たちの声が頭の奥まで響き、どんどん体が前のめりになってしまう。覗き込むという姿勢で映像を見せているのがいい、この場だからこそ楽しめる作品である。 頭を下にしていたせいでちょっとクラクラしつつも、サウンドウォークは止まらない。ダニエル・ビュレンのゲートを抜けると、そこには静寂があった。レアンドロ・エルリッヒの「The Sidewalk」だ。水たまりの水面に映るパリの街並みをリリカルに描いている、非常にほほ笑ましい作品。今回一番よかった。 しばらく行くと、豚がいた。ヴィム・デヴォワイエの「Jesus, Love & CHANEL bags」という作品だ。 ![]() ![]() 彼は2005年から、刺青をした豚を飼育しながら公開しているという。身を守るために刺青をまとった豚、そしてその豚革で作ったバッグを展示している。このシニカルな表現は、鑑賞者に多様な解釈を与えてくれるだろう。 シルヴィ・フルーリの作品も良かった。「Crystal Custom Commando」という映像作品だ。作品の周りはシャネル特有の香りが漂い、巨大なバッグの中にコンパクトを模した液晶モニターが設置されていた。 ![]() 女性の尽きない欲望と、それを阻止する80年代風女コマンドーたち。シニカルに、でもコミカルに消費欲をせせら笑う。それを許容するシャネルがすごい。 鑑賞者も本当にさまざまだった。シャネルスーツに5番の香りで小脇にシャネルバッグというマダムもいれば、ザハ・ハディドの建築目当てのメモを持った学生らしき二人組や、遊園地でアトラクションを待つようなカップルの姿も。多種多様な人びとが、それぞれの解釈で現代アートを楽しんでいる姿があった。 一点一点じっくりとアートについて思考を巡らすという見方もあるかもしれないが、シャネル モバイルアートは体験するアートなのだ。そう思うと、サウンドウォークによる40分という時間は決して短くない。会期中何度も通うと、また違う発見ができるだろう。 取材・上條桂子
シャネルによるアート・プロジェクト「モバイルアート」の開催まで、あと3日。今回は、「サウンドウォークとは何か」、そして、オープンに先駆けて、数点だけ作品をお見せしよう。
まずは、「サウンドウォーク」について。通常の美術館のオーディオ・ガイドとはちょっと違う。このコンセプトは、Stephan Crasneanscki(ステファン・クラスニャンスキ)によるものだ。作品解説はもちろんのこと、会場内のちょっとした小道や、一回歩いただけでは気づかないようなコネタを提供してくれる。さらに、サウンド効果を用いたサプライズがあるかもしれない。 ステファン・クラスニャンスキはNY在住のフォトグラファー。アーティストたちのポートレートを撮っているのは、彼だ。このサウンドウォークのコンセプトは、NYで始まったものだ。グラフィティ・アートのポイントや、騒々しいストリート、といった地元の人しか知らないようなポイントを押さえたNY 版のサウンドウォークCDは、地元でも注目を集め、さまざまなエリアのCDが次いで発売されたという。 サウンドウォークは本展における、重要な要素。注意深く聴きながら、歩いて見てほしい。 次は、作品をチラリと。 ![]() 上のきらびやかな作品は、イ・ブルのもの。上部のサイバネティックスカルプチャーは、何百ものバッグとチェーンを組み合わせて作られたものだ。この作品は、1955年2月に発売されたという、2.55シリーズへのオマージュになっている。プラスティック部分は中にライトが仕込まれていて、柔らかな光を発する。 ![]() ロシアのアーティスト、ブルー・ノージスの作品。シャネルのバッグが人間関係における基礎となってしまった、世紀末の世界を想像した。ユーモアと皮肉に満ちあふれた作品だ。 ![]() オノヨーコの作品。来場者たちは、古い日本の伝統に従って、1片の紙に夢や希望を書き連ねて、この大きな木に縛りつける。そして展示が終わったあとは、アイスランドのレイキャビクにある「イマジンピースタワー」(これも彼女の作品だ)へと届けられる。このフルクサス精神に満ちた参加型アート「Wish Tree」が、モバイルアート全体を締めくくる作品となる。 「モバイルアート」は開催まで、あと3日だ。 文・上條桂子
シャネルによるアート・プロジェクト「モバイルアート」。ザハ・ハディドによるアートコンテイナーというパビリオンの中で、アメリカ、ヨーロッパ、アジアから選び抜かれたアーティスト達が作品を発表する。今回はそのアーティストたちを紹介しよう。
フランスからは、ダニエル・ビュレン(Daniel Buren)、ファブリス・イベール(Fabrice Hyber)、ピエール・エ・ジル(Pierre et Gilles)、ソフィ・カル(Sophie Calle)の4組が参加する。 ![]() (c) Stéphan Crasneanscki for CHANEL, Daniel Buren, Paris, January 2008 ダニエル・ビュレンは、フランス現代美術界の巨匠と言われる人物で、1960年代後半からストライプ柄を用いた作品を発表し始める。ストライプの幅はすべて8.7cm、あらゆる場所や物をストライプにしてしまう。それは作品が発表される「場所」への問いかけでもある。日本でも、豊田市美術館(2003)や、水戸芸術館(1996)などで作品を発表している。 ファブリス・イベールは、1997年のベニス・ビエンナーレにおいてフランス館をテレビ局に仕立てあげ、会場で起こるすべての出来事を放送番組として公開するという斬新なアイデアで、最年少にして金獅子大賞を受賞。一躍その名を世界に知らしめた美術家である。ビデオインスタレーションや彫刻などの作品を以後も発表し続けている。ちなみに、現在、東京のワタリウム美術館では、たねというキーワードから農業や地球環境を考える、個展『たねを育てる』が開催中(~8/31まで)である。 2人組のピエール・エ・ジルの作品は、ご存知の方も多いのではないだろうか。写真家であるピエールと、画家であるジルが共同で作品を仕上げ、写真でも絵でもない独創的な世界観を作り出している。 ![]() (c) Stéphan Crasneanscki for CHANEL, Pierre & Gilles, Paris, September 2007 80~90年代には広告やレコードジャケット、ファッション雑誌などでも多く取り上げられた。モデルには、ジャン・ポール・ゴルチエ、マドンナ、マイケル・ジャクソン、カトリーヌ・ドヌーヴなどのセレブも多数起用された。 他に、ロシアのブルー・ノージズ(Blue Noses)、イタリアのロリス・チェッキーニ(Loris Cecchini)、スイスのシルヴィ・フルーリ(Sylvie Fleury)、ベルギーのヴィム・デルヴォワイエ(Wim Delvoye)。 中近東からは、哲学的な雰囲気の写真コラージュ作品を多数発表している、イランのY.Z.カミ(Y.Z. KAMI)が参加している。 そして、アメリカからは、写真作品を発表しているデヴィッド・レヴィンソール(David Levinthal)、ニュー・カラーの代表作家と名高いスティーブン・ショア(Stephen Shore)の二人。 日本を含めアジアの作家が多いのも特徴と言えるだろう。韓国からは、女性作家のイ・ブル(Lee Bul)が参加、サイボーグやモンスターのような近未来的な彫刻作品で知られている。台湾からは、金沢21世紀美術館の壁画などで知られる、マイケル・リン(Michael Lin)。インドの新時代の表現者である、スボード・グプタ(Subodh Gupta)、現代美術界の飛躍が華々しい中国からは、陽福東(Yang Fudong)が参加している。 そして、日本のアーティストは、天才アラーキーこと写真家の荒木経惟。女性、花をモチーフに人が持つ欲望の深淵を見せてくれる写真作品で有名なアラーキーは、どんな空間を造り出すのだろうか。 ![]() (c) Stéphan Crasneanscki for CHANEL, Nobuyoshi Araki, Tokyo, May 2007 若手アーティストの田尾創樹は、オカメプロというレーベルで、社長兼アーティストとしてのオカメハチモクをはじめ、パーフェクトダンサー、クチビル、レディオタイガー、太頭丸山(たづまやま)などを抱えており、音楽や詩、ペインティングなどの作品を発表しているが、それはすべて作家自身の姿である。一人の人間の中に潜む多様なアイデンティティが、作品を通して表れる。彼の実態はどこにあるのか、作品が楽しみだ。 束芋(たばいも)も気鋭の若手アーティストだ。社会を風刺したシニカルなストーリーを、手描きのアニメーションをコンピュータで映像化した作品が多い。そのユニークな世界観と意表をつく展開は、強く鑑賞者の心に突き刺さる。一昨年、東京・品川の原美術館で個展『ヨロヨロン』が行われた。 そして忘れてはならないのが、オノ・ヨーコである。ジョン・レノンの未亡人であることが有名だが、60年代フルクサスの活動に参加し、現在でも精力的に作品発表を行っている前衛芸術家である。昨年、アイスランドのレイキャビクに、平和祈念施設イマジン・ピース・タワーを建設し、話題となった。 ![]() (c) Stéphan Crasneanscki for CHANEL, Yoko Ono, Treviso, October 2007 以上、20組のアーティスト達が、ブランドの象徴的なアクセサリーであるキルティングバッグを新しく解釈する。どのような解釈が生まれたのだろうか、5/31の開幕が今から楽しみだ。 文・上條桂子 エキサイト × MOBILE ART IN TOKYO トップへ
世界的なファッションブランドのシャネルによる壮大なアート・プロジェクト「モバイルアート」が5月31日(土)、東京に上陸する。このプロジェクトは、2月の香港を皮切りに、2年間かけて、アジア、アメリカ、ヨーロッパの世界7都市をまわる巡回展である。
「モバイルアート」と聞くと、携帯電話のアートのように思う方も多いだろうが、そうではない。展示空間となる建造物自体が、分解されそのまま移動してくる。そこがモバイル(=可動式)という所以なのだ。 ![]() そんな画期的な建築を設計するのは、イギリスを代表する建築家の一人で脱構築主義の旗手ザハ・ ハディドである。ロシアの構成主義を思わせる、大胆でコンセプチャルなフォルムで見る人の度肝を抜く作品をいくつも世に送り出した希代の建築家だ。 彼女が作り出すUFOのような形をした「アートコンテイナー」は、約300のパーツで構成される。すべて一度解体されて、東京の会場(国立代々木競技場「オリンピックプラザ」内)で再びその姿を表すのだ。そして、私たちに今までにない空間を体験させてくれる。 ![]() ![]() そんなザハ・ハディドの未来的なコンテイナーでは、20組のアーティストによるクリエーションが展開される。テーマは「シャネルのもっとも象徴的な存在であるキルティングバック」。すでに世界中で知られているシャネルのバックを、アーティストたちはどうやって解釈して作品へと昇華させていくのだろう。 フランス・ポザール誌のエディトリアルディレクター兼編集長の、ファブリス・ブストーがキュレーターを務め、世界中から選りすぐりの現代美術作家が集まった。もちろんそのリストの中に、日本人の名前もある。(次回詳しく!) 展示方法、展示空間、作品すべてが画期的なスタイルで展開される「モバイルアート」。5月31日(土)の開幕に向けて、このブログではザハの「アートコンテイナー」が建築されていく様子を含め、順次情報を掲載していく予定だ。 文・上條桂子 < 前のページ次のページ >
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